記念メダラーあるある
記念メダルとは、全国の水族館、動物園などの観光地や、期間限定で開催されるイベント等で販売される、「ガッコンガッコン」響かせながら刻印機で日付や名前を刻むアレである。
ここで取りあげるのは、上記写真にあるような「茶平工業製記念メダル」のみである。タイトーの「メダリーフ」や、ディズニー・USJで数多く設置・販売されている「スーベニアメダル」に関しては私が収集していないので、取り上げない。長期休暇明けで旅行に行ってきたらしき同僚等が「お土産買ってきたよ〜」と楕円型のメダルを満面の笑みで手渡してくれるとき、私は言葉を海よりも深く飲み込み、「微妙」という言葉を体現したかのような笑顔で言うのであった。「ありがとうございます」。
記念メダル収集を『ドラゴンクエスト』シリーズの「ちいさなメダル」になぞらえて収集する意識をもつ記念メダラーも多いことだろう。実際重なる部分が多く、発見した時の喜びは同じかそれ以上のものがある。ひとんちのタンスの中から持ってったらえらいことだが。
全国各地に散らばるこの「ちいさなメダル」を集める者たちを一般的?には「メダリオン」と呼ぶ(みうらじゅん命名)。が、当ブログでは「記念メダラー」と呼ぶことにしている。理由はとしては、別に反旗を翻すような革命心があるわけではなく、「私がそう呼ばれたから」という単純なものである。そう、かつて私をそう呼んだ人がいた。私は「メダル王」と名乗っていたのだが。
記念メダルの種類
さて、ここからが本題である。本家「茶平工業株式会社」のHPにも「記念メダルとは?」「記念メダルの歴史」というページが存在するが、それを超える情報量でもっとディープな「記念メダルとは?」を目指して頑張ります!
まず基本から抑えると、大きさは、26ミリ、31ミリ、38ミリの3種類が存在する、という記念メダラーからしたら死ぬほど聞き飽きたであろう説明から入る(でも意外と細かい数字忘れることね?)。当ブログではこれをそれぞれミニメダル、通常メダル、デカメダルと呼んでいる。主要なのは31ミリ(通常メダル)で、9割9分がこの大きさで作られている。
26ミリ、38ミリは現在ほとんど見られない。が、唯一【富士山】登山関係の場所(吉田口とか富士宮口とか)で現存している。つまり【富士山】に行けば全ての大きさのメダルを入手することができる(ちなみに、後述するがサルカン型のメダルも販売されている)。
この基本を押さえた上で、もうちょっとマニアックに語ってみる。
金メダルが主流であるが、カラーバリエーションも実はなかなか豊富である。
金メダルの次に多く見かけるのが銀メダルで、割とメジャーな存在といえる。同じ金型を使用して同じデザインの金メダルと銀メダルを製作することも多く、コアな記念メダラーは「迷わず大人買い!」で当然のように両方購入するが、一般の方は恐らく金メダルのみを購入することが多く、金のみが売り切れとなっていることが多いと肌感覚では感じる。また、金のみ先に売れていくのは、詳しくは後述するが「キーホルダーが金色のみの販売であることが多い」ことも関係しているかもしれない。
黒メダルは割と最近になって登場した黒ニッケル加工のメダルである。最近ではイベントメダルでちょくちょく見かけるようになってきた。スマローオリジナルメダルでも黒メダルを製作したが、一枚あたりの単価が金・銀よりも割高であった。記念メダラーたちの間では概ね「かっこいい!」という評判で、特に見本でも示したダース・ベイダーなんてモロにイメージ通りの色であるといえるのだが、収集家ではない一般の人からみたらどのような評価なのか気になるところ。1枚しか購入しないのなら、やはり無難に金メダルを買っていくのではないかと予想するのだが。
ただ、「新しいモノを作ろう!」という企業スピリッツには感心と尊敬を惜しまない。もちろん私は黒メダルが大好きである。メダル製作時、割高になっても敢えてラインナップに入れたかったくらい。
その黒メダル誕生よりも少し前に突然現れたのが、金と銀を組み合わせたバイメタルのメダルである。恐らく初出は【東京スカイツリー1周年】で、登場時はかなり記念メダル界がザワついた。これは誰がどう見てもカッコいいメダルなので、売れ行きもよいようで、バイメタルメダルだけ売り切れの現場に遭遇したことが数回ある(【姫路城】とか)。ただ、初登場時は造りが甘かったらしく、刻印したら金と銀が分離して吹き飛んだという今も語り継がれるスカイツリー伝説がある。
バイメタルメダルは「金が内側、銀が外側」というパターンと「銀が内側、金が外側」というパターンの2種類が存在する。主流なのは圧倒的に「金が内、銀が外」で、個人的にもこの配色の方がカッコいいと思っている。逆の「銀が内、金が外」パターンは現状では【京都国際マンガミュージアム】でのみ存在が確認されている。
配色に関することでラストは銅メダルである。かつては銅メダルもそれなりに作られていたことがわかっているが(そのうち【銅メダル特集】という特集ページを書く予定)、長らく【138タワーパーク】のスタンプラリー達成記念メダルでのみ存在が確認されていた。しかし最近になって【東大寺】の大仏メダルに銅メダルが登場したことが有名記念メダラーによって発見され、ザワついた。よって現状ではこの2種類のみが存在するレアな存在であるといえる。銅メダルは果たして一般ウケするのか否か、見ものである。
余談だが、実は後述する38ミリメダル(デカメダル)が主流であった頃は、銀メダルが一般的であった。金メダルも存在はしたが、圧倒的に銀が多く、38ミリメダルのアルバムはギンギラギンにさりげなくしている。
また38ミリメダルにも銅メダルが存在している。技術的には古くから考案されていた銅メダルが、何らかの理由で(というか売れなかったからだと思うが)廃れ、今また復活したのは実に興味深いことである。【東大寺】にはぜひ頑張って欲しい。記念メダル的に。
異形の記念メダルたち
大きさや色だけでなく、実は形そのものが異なる記念メダルも存在する。このあたりのメダルを収集するのか否かというのは記念メダラーたちの好みの分かれるところである。
小判型メダルは現在では全国4箇所でのみ販売されている(後述)。刻印も可能で、その場合の刻印機はメダルをはめる部分が少し特殊な形状となっている(写真撮っておけばよかった!)。小判型メダルは食脂が動かなかったので、現状収集していない数少ない茶平工業製記念メダルの一つである。惹かれない原因ははっきりしていて、「アルバムにうまく収められないから」である。恐らくではあるが、同じ理由で収集を見合わせている記念メダラーは一定数いるのではないだろうか。だから逆に言えば、記念メダル御用達のアルバム制作会社「テージー株式会社」さんが小判型メダルが収まるアルバム台紙を販売してくれれば、恐らく小判型メダルの需要もわずかではあるが高まることが予想される。そしてもしそれが実現したら、恐らく私は「ああ、名古屋城で買っておけばよかった」という後悔に苛まれることだろう(でも、発売してくれることを望んでおります)。
中央に穴が空いている寛永通宝メダルは【金華山ロープウェイ】で販売されている。大きさ的には31ミリメダルと同一なので刻印機には収まるだろうが、裏面の質感が通常のメダルと少し異なり、刻印できるのかどうか不明である。まあやってやれないことはないだろうが。割と人気の高いメダルの一つである。真ん中に穴を開けたデザインのメダルを作ろうという発想力が天晴れだ!
サルカン付きメダル(キーホルダー一体型)は、たまに存在して、それこそメダルというよりキーホルダーとして売られている。が、裏面にはきちんと刻印面が設けられていることが多い。
これもまたアルバムに収めにくい形状であり、収集するかどうか分かれるところである。私はキーホルダー部分の金具を取り外して38ミリメダル用の台紙に収納しているが、見栄えは良くない。見るたびに「ガッデム!」となる。
この他に「ドッグタグ型」というのが存在する。かつて【あべのハルカス】で開業当時に売られていた。また、今はなき【円谷ジャングル】でもウルトラマンのドッグタグがうられていて、こちらも刻印可能であった。ドッグタグ型は、その形もさることながら、「おもて面に刻印をする」という点が他にはない特色である。
これらのものをそもそも「メダル」と呼ぶのかは非常に微妙なところであるが、茶平工業が製造していれば記念メダラーたちにとってそれは記念メダルなのである。だって「記念メダル」と書かれた自販機で売ってるんだから。。。
特別な記念メダルたち 〜きらめく肌は、くすみやすく〜
今までは「メダルの色」に関して述べてきたが、色の違いはメッキ等による加工の違いでしかなく、元の材質は全て「真鍮」である(かつてはアルミや亜鉛であった)。しかし、そもそもの「材質」が異なるメダルも存在する。それが純銀製記念メダルである。
純銀メダルは有名どころでは【東京スカイツリー】で毎年新しいものが発売されている。これを毎年購入しているという猛者を私は知らない。というのも、一枚11000円(税抜き)という超絶価格なのである。消費税だけでもう一枚普通のメダルが買えるのだから、あまたのちいさなメダルを集めてきた百戦錬磨の勇者たちをもってしても二の足を踏ませるのであった。
この他にはかつて【JR札幌タワー】でも純銀メダルが売られていた。が、私が訪れた時にはすでに販売終了していた。私が知る限りでは他に、【第六十一回伊勢神宮式年遷宮】や【昭和天皇在位六十年記念】などで純銀メダルが製造されているが、これらは刻印面がないタイプである上に38ミリメダルなので好みが分かれるところである。
最近では【東京タワー】でも純銀メダルが発見された(後述)。
メダルの着色あれこれ
記念メダルの中には着色されているものがある。さすがに黒メダルや銅メダル、バイメタルメダルでの着色メダルは見たことがないが、金メダルでも銀メダルでも着色メダルが存在する。
着色の仕方には2パターンある。職人が注射器を使って一枚一枚塗料を流し込んでいく方法と、工業用インクジェットプリンターによって塗布する方法である。少し前までは注射器による方法しか存在しなかったのだが、数年前から工業用プリンターが導入され、多くのメダルで活用されるようになった。
写真で比べてもさっぱりわからないだろうが、実物をよく見たり手触りを比べたりすると違いがわかる。プリンターで着色されたものはよく塗装が剥がれることが問題となっている。本来の在り方である「キーホルダー」として使用した場合には正直とても日常生活に耐えうる耐久性とは思えないのだが、一般の方は「まあ、そんなもんか」程度にしか思わないのかもしれない。しかしコレクターとしてはやはり傷物となるのは死活問題なので、持ち帰ってアルバムに収めるまでは繊細な乙女心と接するかのようにとても気を遣う。しかしその繊細な乙女は得てして繊細な男心をガラス細工のようにひび割れさすものである(なんの話?)。
工業用プリンターの登場によって今まででは実現不可能であったものが描けるようになった。代表的なのがアニメのキャラクターの完全再現である。
これ↑は従来のメダルとインクジェットプリンターのコラボのような構成のメダルであるが、割り切って「写真印刷すればいいじゃん」と開き直ったかのようなメダルも多々存在するようになった。
写真の貼り付けのみのようなデザインの記念メダルは、記念メダラー達にはおおむね評判が悪い。が、一般の方々からしたらとてもよいキャラグッズとなるのではなかろうか。そこが難しいところである。そして記念メダル発注者からしたら「金型を作る必要がない」という大きなメリットもある。そう考えると、今後もっと増えていくんだろうな〜と予想されるわけである。今後は、「全面印刷タイプのメダルは収集しない」というタイプの記念メダラーが出てくるかもしれない。私は恐らく買ってしまうだろうが。。。
ちなみに、工業用インクジェットプリンターでの着色の場合も、着色なしver.と着色ver.とが存在するメダルもある
前述のように、インクジェットによる着色は防御力が弱いので、理論的には指でガリガリすれば着色ver.を着色なしver.にモデルチェンジさせることも可能かもしれない。やったことないけど。
工業用プリンターの登場で近いうちに注射器による着色からそちらに完全移行すると思われていてが、茶平工業訪問時にそのことを質問したら「そんなことはない。コストとしてはほぼ同じで、人件費を払うかプリンターのインク代と減価償却費を払うかの違いでしかない」というような回答であった。実際、2階では職人さんがバンバン着色作業をしていた。
ちなみに↑の写真で手のみ写っている職人さんは、このページで着色作業をしている職人さんと同一人物である。お会いした時の感動はえらいこっちゃだった!
今後どのような道を歩むことになるのかは不明であるが、現在の記念メダルの流れからすれば、やはりプリンターによる着色が圧倒的に増えていくのではないかと予想する。古くからの記念メダルファンとしては「自分が好きだったメダルの良さ」が失われていくかのようで寂しい気持ちになってしまうのだが、ずっと同じことをしているだけでは生き残れないというのはあらゆる業種共通のことである。愛しているならば受け入れなければならない、たとえ愛している人に受け入れてもらえないとしても(なにが?)。
着色関係・オマケ
正確には着色とは呼べないのだが、デザイン上唯一無二のメダルが存在する。
【東京タワー】のホログラムメダルである。これは見てのとおり中央にホログラムシールが貼られているメダルで、超かっこいい。恐らく東京タワーでNo. 1の売り上げを誇る記念メダルである。東京タワーでNo. 1ということは、実は日本でNo. 1である可能性も高い。今でこそ【スカイツリー】の(記念メダル界での)台頭によりその座を奪われている可能性もあるが、かつては間違いなくNo. 1の売り上げを誇っていたのが東京タワーであった。その頃からずっと存在する息の長い記念メダルである。
かつては38ミリが主流であった⁉︎ そして銀メダルがデカイ顔をしていた⁉︎ 記念メダルの歴史
一般の方にとっては蛇足となるであろうが、少しだけ記念メダルの歴史について触れる。記念メダルが最も売れたのは【大阪万博】のときであると茶平工業公式HPでも謳われている。確かに70年代初頭のイベントとは思えないほど、【大阪万博】メダルはそれこそはいて捨てるほどヤフオクやメルカリに出品されている。
そしてご覧の通り、かつては銀メダルが主流メダルであった。金メダルの存在はむしろ少数派で、額装セットだからこそ見られるといっても過言ではない(まあ他の38ミリ金メダルも持っているが)。また、既に述べたように38ミリにも銅メダルが存在する。
38ミリから31ミリへ主流が移ったのは一般的には【沖縄国際海洋博覧会】であると言われている。ただこのときの31ミリメダルも主流な色は銀であった。
81年の【ポートピア’81】あたりでもどちらかといえば銀メダルの方が数が多い印象である。個人的な予想では80年代半ばあたりから次第に金メダルが主流となっていったように思う。85年の【つくばEXPO】では額装セットメダルがオール金メダルになった(ただし未所有なので掲載できないのが残念)。
刻印について 〜思い出は胸に刻むものなのか、メダルに刻むものなのか〜
茶平工業製記念メダルの最大のウリは刻印に他ならない。刻印料金は基本的には「30円」で、これがいつまで経っても刻印機がお釣りが出るようになってくれないので、刻印をするために自販機でジュースを買うというのは記念メダラーあるあるの一つである。
ただ、値段の幅は実は「無料」「30円」「50円」「100円」と4種類存在する。最近では都心のメダルスポットが「無料」であることが多くなってきたような印象を受ける。かつて【フジテレビ】は刻印料が「50円」であったのだが、現在では「無料」となっている。記念メダルスポットを複数箇所巡る旅をする記念メダラーは「いかに最後に刻印無料のスポットをもってくる行程を組むか」が問われる腕の見せ所であるのだが、当然「その場所で購入したメダルではないのに刻印して良いのか」という常識的・倫理的な問題が発する。この点に関しては私は言及を避けるが、いずれにしても、銀行のATMと同じで後ろに待っている人がいるのにいつまでも何枚も刻印を続けて後に譲らないというのはやはりいただけないと思うので、待ちが発生しているのならばもう一度後ろに並び直すくらいの気持ちの余裕が欲しいところである。記念メダラーは待つことはあっても待たせることは少ないのだが。やり方分からず困っている人が前にいたら、優しく丁寧に教えてあげるのもまた記念メダル界への貢献かもしれない(うわって思われる可能性も高いが)。
ちなみに、「100円」の大半は北海道である(山口県の【海峡ゆめタワー】も100円であったが)。北海道では「100円」がスタンダードで、そうなると刻印代も結構かさみ、ボディブローのように効いてくる。逆に北海道民が記念メダラーとなったら本州に遠征に来るたびに「どこもかしこも安い〜さいこ〜」となるのかもしれない。きっかけ、出会い方、タイミング、その全てが人生に影響するのである。全てを刻め!(唐突な話の区切り方)
一番多いのは「日付・名前」を刻印することであろうが、私は日付のみの刻印である。日付を上部に刻印したいので、いつも上下逆さまに記念メダルをセットする。文字を何も入力しなければ、いきなりくるっと回って日付を刻印し始める。後で見返す時に日付が上にある方が見やすいのである。
特殊刻印機 〜お前じゃなきゃだめなんだ〜
「異形のメダルたち」の項目で述べた中の一つ「小判型メダル」は、実は刻印が可能である(ドッグタグ型も可能)。しかし通常の刻印機ではもちろん小判がハマらないので、販売場所には専用の刻印機が設置されている。小判型メダルは現在4箇所(【名古屋城】【土肥金山】【箱根関所】【産業観光プラザ すみだまち処】)で販売されているのだが、この中で前3つは通常メダルも刻印ができるハイブリッド型、【すみだまち処】のみ小判型専用の刻印機となっている。
↓全然関係ないけど、名作ですよ〜
刻印不可能なメダル達 〜異端を生きるということ〜
実は刻印面のない記念メダルというのも茶平工業は結構製造していて、これがまた悩みどころなのである。まず「収集するか否か」という問題もさることながら、そもそも「茶平製かどうか判断しづらい」という大きな問題がある。刻印面は茶平メダルのアイデンティティなのである。
私は茶平メダルで丸ければ何でも収集するタイプなので、茶平製であることが判明すれば迷わず購入する。
まずどっちが裏かわからない問題があるのだが、それは置いておいて。刻印面のないメダルは実は38ミリが主流だった時代から存在する。そういったメダルは集めないと割り切ったタイプの記念メダラーであるならば迷うことがなく楽なのだが、そうでないのなら、なんとかして判別しなければならなくなる。正直、判別できずに埋もれてしまった茶平メダルは相当あるように思う。
現代のメダルであれば「販売者に直接聞く」という手段がある。個人的には茶平工業に直接問い合わせるのは茶平工業の立場上難しい場面もあるのではないかと思い気が引けるのだが、販売している会社の「お客様センター」的なところに問い合わせるのは別に問題ないと考えている。【大阪環状線】メダルは実際そのようにして製造元が茶平工業であると判明した。
他の手段としては、このようなメダルはあの青い自販機で売られていることはなく、ケース入りであったりキーホルダーとして吊り下げられて売られていたりするので、そこに記載されている情報を読み込むことで判別可能な場合がある。
たとえばケース入りであれば、
ケース裏面の左下に「CHAHEI」という文字が刻まれていることがある。これがあれば茶平工業製であることが確実なので安心して購入できる。ただ、これは無いこともままある。そういうときはマジで困る。絶対に毎回入れて欲しい。なんなら私がその分の費用を出すから(嘘)。
吊り下げ式で売られている場合、大抵台紙が封入されている。その台紙に「製造元」が書かれていてそれが「茶平工業」とあれば話が早いが、大抵そういった記述はない。しかし、「販売元」が明記されていることは多い。その販売元が茶平工業の取引先であれば、かなり茶平工業製である確率が高まる。有名どころでは「オークコーポレーション」「東海メモリー」「日本メモリー」といったものがあり、特に「オークコーポレーション」であればまず間違いなく茶平製であるといえる。最近では【東京タワー60周年記念純銀メダル】という刻印面のないタイプの記念メダルが発売されていることが有名な収集家によって発見された。一見すると非常に判断に迷うデザインであったが、販売元がオークコーポレーションであった。
そんなわけで、記念メダル道は一度のめり込むと非常に奥が深く、かなり難しい道であることを突きつけられる。それでも何度でも立ち上がり突き進んだ者だけが、いつかメダル王の称号を得て、来るべき勇者にメタルキングの盾やきせきのつるぎを与えられるのである。
茶平工業と販売元 〜あくまでビジネス!〜
記念メダルの中には発売がアナウンスされないモノもまれに存在する(あるいは今までたくさんあったけどアナウンスされていないゆえに発見されずに終わっている)。記憶に新しいところでは【富士芝桜まつり】の記念メダルで、これはイベント開催期間終了の前日に公式HP掲示板にて発見報告がなされたため、涙を飲んだ記念メダラーが多数いたと思われる(ただ土曜日に情報が上がったのがせめてもの救いで、翌日日曜日に頑張って買いに行った記念メダラーが多数いた)。
で。
こういったときに、公式HP掲示板等でたまに見かける「茶平さんがもっと宣伝してくれたら良いのに〜」という要望は、実はなかなか複雑で難しい話を含んでいる。そのためもちろん私も全容を掴んでいるわけではないのだが、判明していることのみをここに記す。
まず、そもそも茶平工業は「記念メダルの製造」のみを請け負う会社なのである。つまり、「記念メダルの販売」は別の会社が請け負っており、直接関与することはないのである。そして「販売」には「中間業者」と「販売店」の最低二社が関与していて、そこにはれっきとしたビジネスの形が存在する(※例外あり。後述)。その販売形態を、私はよく以下のようにたとえている。
[ 記念メダル⇄本 ]
【茶平工業】=〈印刷会社〉
【販売代理店(販売元)】=〈出版社〉
【記念メダル販売場所・観光地】=〈本屋〉
細かいことをいえばもちろん「本の流通」とは違いがあるだろうが(本みたいに返品専門業社なんてないし)、イメージを捉えるという狙いで上記の対応表は書いている。本の流通でたとえるなら茶平工業は「印刷会社」にあたる。印刷会社は、本の宣伝も小売もしない。出版社から依頼されたとおりに本を印刷し、納入するだけである。それがどのように流通し、販売されていくかは出版社が企画・決定することであり、印刷会社はノータッチなわけである。「言われたモノを、言われたとおりに造るだけ」というのは専務の言葉である。このように考えると、茶平工業公式HPの存在は、実は善意以外の何者でもなく、茶平工業にとっては別に無くても良いものなのである。なぜなら、販売代理店の注文通りに記念メダルを納入した時点で茶平工業の利益は確定するからである——つまり、あの青い自販機の設置場所でメダルが売れようが売れまいが実は茶平工業には関係ないのである。しかしそれでも「販売場所リスト」をHPに載せて記念メダラー達を導いてくれるのは、「善意」に依るものでしかない(収集家達にとっても、販売代理店にとっても、販売場所にとっても)。もちろん売れ行きが良ければ追加発注があるかもしれないという点で広い意味では関係あるのだが、はっきり言ってしまえば、所詮記念メダラー達がリストを見て訪れたところで記念メダルの売り上げ自体は微々たる増である。収益的には「記念メダルを買うために、入場料を払って施設に入る」ことの方がよほど意味のあることであり、そしてそうした収益はやはり茶平工業には関係ないのである。なかには【あべのハルカス】のように「茶平工業が販売店舗と直接取引をしている」施設も数例あるのだが、いずれにしても業販なので、直接の商売相手は、実は記念メダラーではないのである。
何が言いたいのかといえば、「宣伝してくれない」「更新が遅い」という文句を言うのはいけないよ〜ということである。善意でやってくれていることにケチをつけてはいけないのである。感謝だけして、どうしてもというならば「お願い」という形にしよう。それよりも、現代は高度情報化社会なのだから、記念メダラーのみんなで総力を挙げて探し出そうじゃあないか!(謎の呼びかけ)。発見したら、みんな報告すること、お兄さんと約束だぞ!(30代半ばのおっさんより)。
ところで、最近になって大手記念メダル販売元である「オーク・コーポレーション」が記念メダル販売先を公開した。この会社が納入する記念メダルは諸事情により茶平工業HP「販売場所リスト」から全て消え去ってしまった経緯があり、設置場所は記念メダラー達が発信する情報のみに頼るしかなかった。それが全面公開されたので、今まで「隠しメダル」の代表格であった「オーク・記念メダル」がついにその全容が明かした! と大ニュースとなったのである(まあ数年前も自社HPで公開してたんですけどね〜)。
ただ、「オーク・記念メダル」以外にも「隠しメダル」は存在するので、全てが明らかになったわけではない。「イベント期間が極端に短いから」等の理由で茶平工業側が敢えて情報発信しなかった例も存在する(【D23 EXPO JAPAN】など)。そういった「まだ誰も知らないメダル」をいち早く発見するのは、記念メダラーにとっての一つの醍醐味である。そんな夢を見ながら、記念メダラーは果てしなき旅を続ける。
記念メダルの価格について
価格については、最近では本当に流動的で「この値段!」と断言するのが難しくなってきている。古くからある価格帯ではおおむね「500円」くらいが相場で、着色メダルであれば100円プラスで「600円」というのが通例であった。よって、通常であれば「400円」〜「600円」程度であると考えて良い。
私が購入した中で最安値は「300円」である(【のとじま水族館】にて)。オリジナルメダルを製造した時のメダル一枚あたりの単価を考えると、これ以上安くすることは不可能であると思われる。反対に最高値は【東京オリンピック】の「1200円」であるが、これはキーホルダーがセットであることを考えると、実質「1000円」であるともいえる。「1000円」であれば、他に【有馬グランドホテル】等があった(なお、純銀メダルは特殊枠ということで除く)。ただし、【シアタープロダクツ】という東京・青山に店を構えるアパレルブランドが記念メダルを「アクセサリー」というカテゴリーに昇格させて販売したことがあり、そのときはネックレスかキーホルダー付きで「1980円」であった。青山のアパレルショップのアクセサリーとして見るならそんなに高くはないが、記念メダルとして見るならば超高い−−という微妙な位置付けの存在である。
かつては記念メダル自販機には「おつり」という機能が備わっておらず、価格ちょっきりの硬貨を投入しなければならなかった。しかし近年では100円、500円のみならず1000円札にも対応するようになり、おつり機能が備わった。最近ではさらにというかようやくというか、10円、50円にも対応するようになり、「普通の自販機」として昇格した。それに伴い、今まで100円単位であった価格帯から10円単位に価格設定されたメダルも登場するようになり、新しい時代を迎えたのであった。
また最近では【東京スカイツリー展望回廊イベント】で販売される記念メダルが軒並み「900円」という高値なので、ちょっとしたインフレが起こっているように感じる。少なくても記念メダラー達にとってはもはや「700円」がそう高くないと感じられるようになってしまったのではなかろうか。キーホルダーがセットで付いてくることを考えれば実質同様の「700円」であるとも考えられるのだが、逆の見方をすれば「キーホルダーを必ず買わせている」という販売戦略であるとも捉えられ、一概に「ならまあ良いか」とはならない。キーホルダーも毎回購入する記念メダラーは恐らくかなり少数派なので、確実に利益を稼ぐ相手の販売戦略にまんまとやられている感がある。しかしそれが商売というものなので、文句があるなら買わなければ良いだけの話ということになる。スカイツリーを管轄している記念メダル販売元は、かなり上手に記念メダルを活用しているといえる。
付属品について
記念メダル販売機でメダルと共に売られている「付属品」は、大きく分けて「キーホルダー」「ネックレス」「ストラップ」の三つである。実は私はストラップの販売を見たことがない(のか記憶にないのか)ので、所有しているのはキーホルダーとネックレスのみとなる。価格はいずれも「200円」である。
写真は全て31ミリ用のものだが、実は38ミリ用のキーホルダーもかつて所有していた。が、経年劣化で砕け散ってしまった(マジで)。
このように並べてみると、キーホルダーも実は時代とともに進化していることがわかる。この変化は「記念メダルキーホルダー」だけに限った話ではなく、キーホルダーという存在そのものの進化であるといえる。時の流れは立ち止まることを許さないのである。
ネックレスに関しては、正直購入した人を直接見たことがない(インスタでアップされているのは見たことがあるが)。記念メダルを首から下げて歩くのは正直私でもなかなか勇気のいることであるのだが、【シアタープロダクツ】のようにアクセサリーとして昇華させるファッションセンスの持ち主ならばいけるのかもしれない。どなたかぜひ【東大寺】の大仏メダルをオシャレに身につけてみてほしい。いや、マジで。
終わりに
いかがだったでしょうか?
【記念メダルとは】という基本に立ち返った記事を、私なりにコアにそしてディープにアレンジして書いてみたのですが、不特定多数の人の「記念メダルとは」という疑問に対する答えとなりうるものになっているでしょうか。最初にも述べましたが、「茶平工業公式HPよりも記念メダルについて深く知れる」というのをコンセプトの目標にして構成してみました。言い足りないこと、後から思いついたことなどがあれば順次追記していく予定ですが、今自分の中にある「記念メダルとは」をそれなりに形にしたつもりです(刻印機の変遷は手持ちの資料が足りず書けませんでしたが)。
ここからは−−というよりこの項目自体まったくもって書かなくても良いことなのですが、この記事を書いた最大の目的はSEOの勉強です。平たく言えば「狙ったキーワードでの検索順位を意図的に上げる」ことが自分に可能かどうかを試す意味合いがあります。
このブログははっきり言って趣味のものですが、長くブログ運営をしているとSEO(検索エンジン最適化)についてもそれなりに知識が深まってくるので、「学んだことをちょっと試してみたい」という思いが湧いてしまったのです。
「記念メダル」という検索単語に対して、茶平工業に次ぐ検索順位2位を獲得できるのかどうかというのを狙っています。それができてもできなくてもブログ運営上は正直あまり影響はないのですが、できたらまた一つ知識が増えたなーという自己満足があり、そしてこのブログ自体自己満足の塊のような存在です。
それにお付き合いいただき、私のブログのような自分勝手な駄文を読んでくださった方に、深く感謝いたします。お互い、良い記念メダルライフを送りましょう!
昭和57年のポートピア博覧会で売っていたメダルは
金色2000円、銀色1000円、銀色に青ロゴ1500円でした。
金色を親父にねだって買ってもらいましたが、
いま考えるとバカ高い買い物でした。
コメントありがとうございます。
そんなに高かったんですね〜メダル。現在の平均価格500円でも、女性陣からは「高っ! 何に使うの? どうするの?」という詰問に遭うというのに……
私も幼少時に父親に数枚のメダルを買ってもらった記憶があるのですが、一枚も残していないのが悔やまれます。
昭和56年でしたね。