邪道【天皇陛下御在位六十年記念】 記念メダル

天皇陛下御在位六十年記念メダル
天皇陛下御在位六十年記念メダル外箱

平成も30年と長い歴史を築いたが、昭和はその倍の長さであったという果てしなき時の流れ

 【天皇陛下御在位六十年記念】メダルは、その名のとおり、昭和天皇の在位六十年を記念して作られた記念メダルである。六十年、という果てしなき時の流れを天皇として生きたその記念は、この記念メダル以外にも様々な記念品が作られた。最も有名なのが記念硬貨であり(後述)、数ある記念品の中にすっかりこの記念メダルは埋もれてしまったといえる。

 現在、「平成最後の~」を枕詞にいろいろなことをフィーバーさせようと世の中が騒がしくなっているが、対照的に、昭和の最後は突然やってきた。昭和天皇崩御のときの記憶はうっすらとだが私の中にも残っている。もっとも印象的だったのは、家族で見ていたニュースで「天皇陛下、危篤状態!」という見出しが躍っていたところ、別のチャンネルを回したら「天皇陛下崩御!」となっていたことである。この「チャンネルを回したら容態が急変した」という現象は家族の記憶に色濃く残っているようで、ちょうど現在、このときのことを話すようになったわけだが、家族みんな覚えていた。あのときはどのチャンネルもこのこと一色であった。ちなみに「テレ東だけはブレずに番組表どおりムーミンを放送していた」という話がちょくちょく出るのだが、都市伝説であるらしい。私もてっきり、他に観るものがなくてムーミンを観ていた気になっていたのだが、真相は如何に。

 「大正」という時代が短かったために若くして天皇の役目に就き、63年とちょっとの間その役目をまっとうした。その間には世界大戦があり、対戦前と後ではまっとうすべき役目が大きく変わった。国家元首から「国の象徴」という未だかつてない存在となり、その史上初の役目の礎を築いた唯一無二の存在であった。

 現在いろいろと皇室が揺れているが、これを空の上からどう見ているのかと、気になるところである。特に、良くも悪くも世俗っぽい話題が多いことについてどうお考えになるのか。歴史を紐解けば、世俗っぽい話は昔からあるといえばあるんだけどね~

在位六十年記念といえば

 記念メダルと双璧を成す趣味に「記念硬貨収集」があるわけだが(相手の方が遥かに高い壁。こちら側が見えないくらい)、在位六十年記念10万円金貨は、大量の偽物が出回ったことで有名である。当時幼少の身であった私でもうっすらとそのニュースを覚えているくらいだから、当時の世間のインパクトは相当大きかったと思われる。記念硬貨は額面保証があるため、どんなにその輝きがくすんでも、どんなに汚くても、どんなに時が経っても10万円の価値を下回ることはない。そこが記念メダルと多く違うところだよね! 理解を得られやすいよね!

 そんな10万円金貨が、スイスから大量に輸入され、その全てが偽造されたものであったという事件が1990年に起こった。最終的には10万枚以上の偽造金貨が流入していることが発覚し、しかもそのうちの8万枚以上が日本銀行に還流されていることが判明した。

 なぜこんなにも大規模な偽造事件になるまで発覚が遅れたかといえば、ポイントなのは、偽物といっても、全て本物と同じように純金製であった点である。そして、当時の「円高」も大きく影響していると言われている。

 偽物だけれどもこだわりの「純金製」なので、事実上ほぼ本物なわけである。それも、当然のことながら本物から鋳型をとって鋳造したので、これはもうむしろ本物とどこが違うの? とわけのわからない話となってくる。ということを聞くと、ここで「本物と同じで純金製ならまあいいじゃん」と消費者サイドは細かいことを抜きにしてなんとなく思ってしまうかもしれないが、話はそう単純では無い。「偽物である」という事実以外で何が都合が悪いかというと、要は記念硬貨はれっきとした「硬貨」なので、上記で既に述べたとおり、額面保証がなされる点である。つまり、純金製といえども一枚あたり10万円以下で偽造できれば、作れば作っただけ儲けが確定するわけである。極端な例でいえば500円硬貨の一枚あたりのコストは30円くらいという説があるのだが、要するにそういうことである。

 また、当時の為替レートはかなりの「円高」であったので、外国から日本に額面で輸出しても、円高差益が得られた(FX的な話)。このことから外国から大量に流入していても、これを狙ったものだと思われて看過されていたとの話もある。

 このように、二方面からの利益を狙った非常に頭の良い犯罪であったといえる。そして、特に偽造防止の工夫もなくそのうえ加工がしやすい純金であったので、精度が高く発覚が遅れることとなった。

 とまあいろいろと発覚が遅れた理由は並べられるが、総称して言えるのはまさか10万円の金貨が本物クオリティで偽造されるとは思っていなかったということに尽きるのではなかろうか。偽札が出回るときに大抵1万円札なのは、それが一番利回りが良いからである。純金を用意してそれをそっくりに偽造しようなんて手間も金も製造コストもかかって能率の悪いことは誰もせんだろ〜と思っていたら、まさかの10万枚以上偽造された! 嘘⁉︎ というのが、10万円金貨製造側の正直な想いなのではないかと勝手に予想する。

 発覚のきっかけとなった偽造金貨はスイスの貨幣商から輸入されたものだったらしいのだが、どう考えても単独犯なわけがなく、背後には大量の金塊と10万枚規模で生産体制を取れる設備を用意できる大規模組織がいたことが容易に想像できる。が、結局それは闇の中へと姿を消してしまった。そもそも利益の狙い方がプロ過ぎて言葉ができない。株でも投資信託でもギャンブルでも商売でもいえることだが、10万円を使って10万円儲けることは至難の業だが、1億円使って100万円儲けることは容易である。そういう犯罪であったといえる。

 余談だが、偽物の金貨は、表面を潰して10万円金貨とは見なせないようにしたただの金塊として、所有者へ返還したらしい。損をしたのかもしれないが、れっきとした純金なのでまるっきり損をしたわけではないのが唯一の救いであるし、「返還しない」という選択肢もまた取りにくかったと思われる。

記念メダルについて

 皇室系の記念メダルはよくヤフオク!やメルカリ等で見かけるが、茶平工業製か否かを判断する材料がなく、判別できないため「どうなんだろー」とモヤモヤしている方もいるのではないだろうか。

皇太子殿下御成婚記念メダル
こんなんとか
大嘗祭記念メダル
そんなんとか

 上記二つのメダルは、見た目は非常に茶平製っぽく、大きさも38ミリメダル(デカメダル)と同一である。なら茶平なんじゃね? と思うわけだが、判断する上で決定的な決め手がない。茶平工業訪問時に聞こう聞こうと思っていたのに、他のことで興奮しすぎてすっかり忘れてしまった。

 が。

 この【天皇陛下御在位六十年記念】メダルに関しては、茶平工業製であると断言できる。なぜなら、茶平工業の事務所の本棚に飾られていたからである。

茶平工業の棚
飾られていたというか、置かれていたというか、放置されていたというか

 そんなわけで間違い無いのである。ちなみに写真のメダルは恐らく「純銀製」のもので、製造した金型は同一でも本メダルとは材質が違うと思われる。実は過去にこの純銀メダルもヤフオク!で出品されたことがあるのだが、競り負けたため入手できなかった。そのときの掲載写真に「純銀保証書」みたいなものが添付されていて、そこに記されていた「メダル謹製者」の項目にデカデカと「茶平工業株式会社」とあった。以上のことにより、くどいようだが茶平工業製であることは間違いない。

 そうなってくると、他の皇室関係のメダルもやっぱり茶平製なんじゃね? と思えてくるわけである。皇室関係のメダルは彫りが細かく雅な図柄のものが多いので、【赤目四十八滝】系のデザインが好きな記念メダラーには好まれるのではないだろうか。私も好きである。というか、この記念メダルのデザインは何だかよくわからないけどかなり好き!

 図柄としては、これは皇居内なのか? この橋は【天皇陛下喜寿記念】でも描かれているものである。

天皇陛下喜寿記念メダル
これは31ミリメダル

 茶平製っぽい皇室関係の記念メダルは実は盛りだくさんにあるので、「これは茶平なのかなーどうなのかー」と思いながら細々と収集していく予定。在位が長かったから当然といえば当然であるが、特に昭和天皇関係の奉祝メダルが多い。逆に今上天皇関係のものは【大嘗祭】メダルくらいしか見たことがないし、流れとしては昭和天皇関連のメダルの流れと捉える方が自然である(メダルの流れって何?)。

 平成の終わりにもなんかでるのかな〜どうかな〜


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