【販売場所】
@1Fミュージアムショップ
備考:水族館に入場しなくても購入できる。入場必須の2Fのミュージアムショップには「じゃない方」の楕円型メダル販売機しかない。以前は販売機ではなくキーホルダー付きの手売り販売でしか全種類揃えられなくて、キーホルダー枠が鬼のように増えました。
あれ、なんか、楽しくね……?
下記「過去記事」にて、「私の水族館人生ワースト1」の称号を得ていた水族館界の雄・大阪【海遊館】。まだ20代だった当時の私は非常に尖っており、フットサルの試合でも、自分が審判やっているときは暴言に対してすぐにイエロー・レッド・監督退席をすぐに出していたくせに、自分がプレイヤーのときは判定に不満があると平気で審判に皮肉を言いまくっていた最低人間であった(ダメ、ぜったい)
そんな私が、カップルがわんさかいる水族館に来たものだから、「キーっ」となってしまったわけである。しかも、なまじ色々な水族館を見て回っていた記念メダル収集全盛期のときだっただけに、心が小さかった私にはひときわ「値段の割に楽しむ要素が少ない」と映ってしまったのだろう。
ただ一つ、当時の私自身をフォローするならば、「一つの水槽を上から下まで見ていくだけ」というコンセプトは、当時の【海遊館】を言い表すのに決して間違いではなかったはずだという点である。そう――
海遊館は生まれ変わった
のである。いや、マジで。
きっちり9年ぶりに訪れた【海遊館】は(メダルの日付刻印を見て超びっくり)、私の記憶よりも、明らかに広くデカくなっていた。施設が増設されていたのである。
つまり、ボリュームがアップしていた。私が知っている「巨大水槽を上から下まで見るだけ」ではなかったのである。そこには、未知の楽しみと工夫を凝らした演出とが組み合わさった素敵な空間が広がっていた。
2400円でも、他の大規模水族館と同じような値段だと思えば、まあ許せた(どの目線?)。デートで特に深い考えもなしに「行くところが思いつかない」みたいな理由で水族館に訪れる男性諸君は、入場券売り場でこの値段にビビったところを決して顔に出してはいけないぞ!
いろいろと見どころが広がった! その感動を分かち合う相手はいないけど!
そんなわけで新生【海遊館】の内部に潜入する。入り口の場所からして(なんならチケット売り場の場所からして)記憶と違い、かなり戸惑う。
いきなり出迎えてくれたのは、記憶にまったくない海中トンネルである。とりあえず、カップルがやたらと映え写真を撮っていて(彼氏が彼女をマーメイドのイメージで撮っていて)、いきなりお呼びでない感に苛まれるパンダのぬいぐるみを小脇に抱えた中年のおっさんが約一名(私です)。
トンネルを抜けると、そこは暗闇だった(『雪国』風に)。
結構マジな暗闇で、自然と手を握るのに適した暗さであった。私はそっとパンダの手を握りしめたのだった。
そんな暗闇を抜けた先に、私の記憶にこれまた全くない新館?がお目見えした。ここ昔からあったっけ? あったらごめんなさい。
とある水族館プロデューサーが『マツコの知らない世界』で述べていたのだが、「水族館はいきなりメインを持ってきた方が良い。後半なんて疲れてるんだから」というのに激しく同意である。特に大した展示もないのに、この新館エリアが一番混んでいた。ゆえにのっけから疲れた。これは本当に謎であった。雰囲気としては薄暗くて水槽も綺麗で良い感じなんだけどね。。。
そんなわけで、そこを抜けるとお待ちかねのジンベエザメの大水槽である。
この大水槽は実に不思議である。
初めて見たときには、その壮大さ、そしてその中を悠々と泳ぐジンベエザメの海くん(故人)の姿にに心奪われた。しかし、再び訪れたときには、「上から下までグルグル回って見るだけやんけ」としか思わず、これで2000円オーバーの入館料はコスパが悪いと悪態をついてしまった。
そして三度訪れた今回、である。
私の素直な感想は
美しい
である。
うむ。これが年を取るということか。
いやね、なんでもそうだと言ってしまえばそれまでなのだが、何を見て何を聴いて何を食べるにしても、その時々の自分の置かれた状況が、すべてを左右するわけである。
すっかり旅に出られなくなってしまった2021年の日本において、どこに行き、何を見ても、私は感動する――そういうことであると思う。
……なんじゃそりゃ。
大水槽、イイネ!
人間とは、現金なものなのである(都合の良い開き直り)。
大水槽を抜けると、様々な展示企画があった。ここも私の記憶にない。新しくできたエリアなのかもしれないし、記憶にないだけかもしれない。人の記憶とはいと儚きものなのである(責任転嫁)。
気が付けば2時間以上じっくり楽しんだ自分がいた。
もう「一つの水槽を上から下まで眺めるだけじゃん」の水族館はそこになかった。すっかり、おっさん一人でも楽しめる水族館へと生まれ変わっていた。
あるいは変わったのは私の方で、おっさん一人だからこそ楽しかったのかもしれない。20代の若者には、水族館そのものの良さを理解する器がなかっただけなのかもしれない。若い時の外出は、いつだって、異性とのデートを想定してしまっていた気がする(もちろんデートではなく一人で訪れた施設の方が圧倒的に多いのだが)。
かつて一度訪れてあまり良い印象を抱かなかった施設でも、自分のライフスタイルが大きく変容するくらいの時を経て再び訪れたときには、今回のようにすっかり印象が変わることがあるのかもしれない――そんなことを考えさせられた今回の【海遊館】訪問であった。まあ逆に言えば、前回すごく楽しかった施設が今訪れた全然さっぱりという可能性も同じだけあるわけだが。。。
人の気持ちはあっさり変わる。それを商売の相手としているのだから、長く続く商業施設というのは本当にすごい存在である(小並感)。
記念メダルについて
【海遊館】は記念メダルにかなり積極的な施設である。昔からかなりの種類のメダルを販売しており、かつ、その歴史も古い。全体像を把握することはもはや不可能である。2021年現在最も新しいメダルは「海月銀河」のメダルで、クラゲ専門館が増築されたときにリニューアル記念として発売された一枚である。【茶平工業】専務(※当時)いわく、「海月銀河」の文字はプリントを居抜くような形で下地の色を生かしたデザインにしたかったそうなのだが、きっといろいろあって普通の形に落ち着いたものと思われる。
その他、【海遊館】はジンベエザメをウリにした水族館なので、必然的にジンベエザメデザインのメダルが多く製作されてきたことがわかる。私はジンベエザメが海洋生物で一番好きなので、いずれジンベエザメメダル特集の記事を書いてみたいという野望をもっている。なかなか映えないので実現できていないが。
2020年は開業30周年を記念するメモリアルイヤーで、実はなんと20周年記念メダルも発売する予定であったのだが、諸事情(コロナのせい?)により発売中止の憂き目となったらしい。実はこの幻のメダルは【茶平工業】訪問の際、ほぼ完成したサンプル品をこの目で見て、なんなら手に取っているので、発売中止となったことは本当に残念でならない(専用の金型で土台となるメダルをプレスして、中央の図柄はプリントするタイプのやつ。見たのは金型でプレスした後のプリントする前のver.)。シンプルながらもメモリアルメダルだとわかるとっても素敵なデザインだったので、金型まで製作していたにも関わらずこれが世に出なかったというのは、記念メダルの歴史において大変大きな損失である。しかも、何があってももう二度と出すことができない(30thってはっきりプレスされてますからな……)。このメダルを、記念メダルを愛する皆様にお見せできないのが本当に残念である(所有してはおりません)。
新型コロナウイルスの猛威にさらされた2020年という年は、このような形で消えてしまった記念メダルが、きっと他にもあることだろう。日の目を見ることがなかったメダルたちの行く末に思いを馳せながら、いつかまた、旅が自由にできた日常が戻ってくる日を願う。
(過去記事)水族館の楽しみ方と魅せ方と
大阪にある【海遊館】は、私が「水族館」というものの在り方を考えるきっかけとなった場所である。
修学旅行のコースにも組み込まれるような有名水族館であるので、非常に楽しみにして訪れた。しかも、ここには私の大好きな「ジンベエザメ」がいるのである。いやがおうにも高まる期待感。果てしなく上がるハードル。このハードルはもはや、あるいは棒高跳びクラスであったかもしれない。それがいけなかったのかもしれない。
結論から言うと、非常につまらなかった。記念メダルのおかげで恐らくは世間一般の人よりも数多くの水族館を訪れているが、個人的ランキングではワースト1である(ただし、期待値が高かったことも原因としてあると思われる)。
何が一番つまらなかったかというと、「結局は1つの水槽を上から下まで見ただけ」という点である。海遊館の造りは、ジンベエザメのいる巨大水槽を上から順にらせん状に降りて行ってグルグルと見ていく構成となっている。無論、その途中にいろいろと他のこまごました水槽やエリアもあるのだが、「人が多いからまあここはこんなもんでいいかー」と私のように辛抱ができない人間がサラッとしか見ないと、結局は巨大水槽をただ上から下まで見てきただけ、という思い出となってしまうのである。
これで2000円超えはキツイなー、というのが率直な感想であった。
水族館というのは、動物園と比べて、一般的にかなり入場料が高い。倍では済まないくらいお高いのである。動物園は1000円以下の場所が多いが、水族館は2000円を超える場所がザラである。この違いはきっと維持費等の経費の違いによるものであると思われるが、非常に淡白なことを言えば、訪れる客からしたらその辺はあまり関係ないというか、関知しないというか、「維持費が高いんだから仕方ないよね」と割り切っている者は少ないと思われる。動物園や例えば映画鑑賞なんかと比べても高いのだから、倍とは言わずともそれよりも楽しくあって欲しいなぁと期待してしまうのである。デートで彼女の分の入場料も払う男からしたら尚更であろう。その改善を水族館の仕組み自体に求めるのは酷というものだろうが、少なくても、ただ展示するだけではなく、入場者を楽しませる何かがあって欲しいとは思うのである。もちろんそれを目指していろいろな企画展示があったりするわけだが、ここで、「学術的志向」と「カップル向け志向」とに分かれ、水族館の在り方を二分していると考える。
私の趣味嗜好からすると、水族館に求めるのは「学術的な知見」であるのだが、【海遊館】はその方向ではなく、「カップル向けの雰囲気づくり」というものに重点を置いているように感じられた。
繰り返すようだが、水族館には大きく分けて「学術的展示」と「カップル向け展示」に分けられると考えている。後者は、展示生物そのものやその解説よりも、館内全体の雰囲気づくりや、魚等の生物を使ったパフォーマンスに重点を置いている。他の水族館の話だが、「イワシトルネード」なんかはカップルがキャッキャするためのその最たる例だと思われる。が、私の好みとしては、それよりも「マンボウの解体」の方が好きなのである。
「カップル向け」水族館は、「見せ方」に重点を置く。【海遊館】は巨大水槽にジンベエザメをはじめとした様々な生物をいっしょくたに入れて、巨大水槽自体も含めてそれを一つの世界のように見せる見せ方がメインの施設となっている。カップルで訪れれば、その世界の中で繰り広げられている生き物の悲喜こもごもに思いを馳せて水槽の前で顔を寄せ合うのだろうが、一人で訪れれば、ただらせんスロープをひたすら下に降りていく作業と化してしまう。それが性に合わなかったという話である。
雰囲気重視のカップル向け水族館としても、イマイチだと思う。雰囲気だけで成り立っている水族館、【すみだ水族館】の方がかなりその点もうまい。ジンベエザメを楽しみたいなら【のとじま水族館】の方がはるかに楽しめるし。
「高い」「勉強にならない」「展示が少ない」と、私にとっては良いところがない3拍子が揃っているので、オールワースト水族館として名を馳せている。ただ、この話を大阪近郊にゆかりのあった人に話すと、大抵すごく嫌な顔をされる。きっと美しい思い出がこの場所にあるのだろう。
私も美しい人と訪れることができていれば、美しい思い出の場所として私の胸に刻まれていただろうに。
全ては私がモテないのが悪かったのである。ごめんなさい、【海遊館】。
明日、久しぶりに海遊館に行きます。気になるメダルの情報もあり、参考になりました。
しかし、購入するメダルを絞り込まないと大金を払うことになりそうです。
コメントありがとうございます。
そのうち、現地で購入するメダルの金額なんか気にならないようになってきますので、そうなったら末期症状です( ・∇・)