プレミアム車両での車内販売限定メダルとか売れそうじゃね?
突然だが、4たび我らが聖地【茶平工業】へお邪魔してきた。想像だにしなかったチャンスをいただけて感無量である。
で、実は今回、初めて電車で【茶平工業】まで行ってみた。ルートとしては、大阪入りをしたら「なんば駅」から南海鉄道に乗り、最寄りは「我孫子前駅」である。そして会社はなんと駅から徒歩5分以内の位置にあり、「電車通勤楽勝の超良い会社じゃん! 難波から意外と近いし‼︎」と変なところに感動した。公共交通機関派の記念メダラーの皆様方にも、記念メダル総本山は優しい立地であったことに今更ながら気づいた次第。
特急「ひのとり」車内では”ひのとりグッズ”が自販機で販売されているので、ここはひとつ茶平工業製記念メダルの販売もお願いしたいところ。キーホルダーセットにして販売すれば、これはそれなりに売れると思う(根拠まったくなし)。営業の◯◯さん、ここ頑張ってください‼︎ と過度な期待と負担を押し付けるいち迷惑コレクター。
そんなことを思いつつぼーっとしていたら、いつの間にか大阪難波駅に到着し、いつの間にか我孫子前駅に降り立っていた。電車旅って本当に楽ですな( ´ ▽ ` )
実は今回、この会社訪問にお誘いくださった方がいて、そのご縁で私も一緒に足を運ぶことができた次第である。その方と我孫子前駅で無事に合流し、会って早々に熱いメダルトークを繰り広げながらクルマに轢かれそうになりつつあっという間に我らが【茶平工業】の姿がお目見えしたのだった——
社長もみうらじゅん氏に会ってみたいと言っていた
そんなわけでさっそく社長にご挨拶。
先述した通りこの度の訪問では私は完全におまけである。だから、今回はあくまで私はモブキャラ——完全なる裏方に徹しようと心に決めて我孫子前駅に降り立った。人間とは、心に決めたことを実行することがかくも難しい生き物なのかと愕然とした。しゃべりすぎてしまった。しゃべりすぎてしまって、「メダル工場の見学」という趣旨で来たはずなのに、見学に至るまでに1時間以上を要する事態となった。神はなぜ、人間をこんなにも不完全な形でお造りになられたのか(責任転嫁)。ちなみに、言うまでもないが対応してくださった方々(社長、営業の方)は無論仕事中である。おお、ジーザス……( ´ ▽ ` )
で。
このとき、及び、この日に至るまでに判明したメダル関連の情報をオレ的備忘録メモのテイでまとめると……
・金銀コンビメダルの通常とは逆ver.(【京都国際マンガミュージアム】のやつ)の受注は終了した
・【あわしまマリンパーク】の2階建仕様の販売機は特注で、既製の物を魔改造して造った(現物はあれしかなく、会社の倉庫にもない)
・金メッキ超高い。やべー。
・入社4年目の(たぶん唯一の)営業社員の方が超頑張って新規開拓している
・我々「タワー6兄弟の中でどうして『博多ポートタワー』だけメダルがないんですか?」
→社長「そんなタワーがあるんですか?」
・現在リニューアル工事中の某タワーでメダルの販売が継続されたら営業の方の偉大なる功績。みんなで拝もう。ダメだったら励まそう。
・ついでに「博多ポートタワー」でも発売されるように営業がんばれの圧力をかけよう。
・【松本市立博物館】のメダルが「販売場所リスト」未掲載の理由は「何か載ってないっすね。ダメじゃないのに」(社長談)
・4月になったら色々と活気づくから乞うご期待!
その他、実はここに書けない内容の方が多かった今回のお話。具体的には「◯◯のメダルを製作中!」的なお話はいくつかうかがったのだが、まあそりゃ書けませんよねって感じでございます。結構特殊なメダルもあって、情報を追うのがちょっと難しそうだった。がんばりますが( ・∇・)
また、ところどころ小話も挟まれて、聞いてるだけで楽しかった。【さきしまコスモタワー】の販売機を入れ替えるとき、エレベーター最上階から展望室へはエスカレーターしかないので、あの長いエスカレーターを社員二人で販売機を抱えて降りたとか。
また、印象的だったのは、営業の方のアニメメダルへかける熱量である。
ご自身も実はアニメ好きらしく、アニメ関連の集まりにも参加するらしい。そこでマニア達の動向・傾向をうかがいつつ、アニメ関連メダルの受注に情熱を注がれている様子だった。当然のことながら、メダル化されたアニメの情報にも普通に強く、好きと仕事を結びつけた結果よい仕事が生まれている好例であった。
私はその情熱を注ぐ姿勢に素直に感動した。そういった話を傾聴すると、おもて面プリントのみのメダルであっても全然異なる輝きを放ち始めるのだから、人間って勝手なものね( ´ ▽ ` )ナゼオネェ
何度か述べてきたが、キャラクターをプリントする場合はデザインの制約が強く、明らかにこっちの方が良いと100人中100人答えるであろうデザインであっても大人の事情で非常に簡素なデザインに落ち着いてしまうことがあるらしい。ボツ案になったサンプルメダルを実際に見せてもらったことがあるのだが、ボツになったデザインのメダルの方が作品のファンも制作会社も記念メダラーも全ての関係者が幸せになれるようなデザインであった。にも関わらず全ての関係者の首を絞める着地を時として強制するのが”契約”という名の大人の世界のしがらみである。もちろん、権利を守るために結ぶんだけどね。
そういった制約もある中で、非常に前向きに、情熱的に仕事をがんばっておられる様子であった。マンホール以外でも「ガンダムメダルを実現させたい!」と夢を語られていたので、「これは『ガンダムSEED』の新作映画を観てきたばかりだな」と心の中で勝手に思った。
そして何より、営業の方の真摯に仕事に取り組む姿、自分の仕事が成果に結びついたことを素直に喜ぶ姿に、アニメ関連メダルの入手性の困難さに対する見方が変わっていく自分がいた。入手が困難なのはメダルが売れているということに他ならず、それはすなわち営業の成果なのである、と。
だから、今度歌舞伎町タワーのマクロスフェスを観に行く予定なんだけれども「メダルもう売り切れちゃってるよね〜……」と鬱々としていたのだが、「まあいいや( ´ ▽ ` )」と思うことにした。よくないけど、まあいいや。よくないけど。まあ、いいや。よくないけど(無限ループ)
そんなわけで、私はすっかりアニメメダルに好意的な気持ちになった。むしろ、メダル化されたアニメの方を私自身が勉強しなければならないんじゃないかと、私の方から歩み寄るべきなのではないかと考えを改めるに至った次第である。
ということで、とりあえず『マクロスΔ』をアマプラで観ようかなと、歌舞伎町タワーへの訪問予定に想いを馳せつつ考えるのであった。
↓ちなみに”営業の方”とはみうらじゅん大賞2022に登場したこの方です。お会いしたらみんなで「博多ポートタワー、まだ?」って圧をかけよう。工場見学
工場見学は、会社自体は4度目の訪問ながら、実は2回目である。実に5、6年ぶりくらいになのだが、記憶の中の茶平がそこには変わらずに佇んでいた。もちろん良い意味で。
工場2階の専用の部屋で、着色職人の方とも2度目のお話をちょろっとさせていただいた(たぶん向こうは覚えてないけど)。このときは【名古屋城】の小判型メダルに黒色の色入れを行っていた(ちなみに初めて工場見学したときもこの小判型メダルに同様の作業をしていた。売れてんな小判!)。
相変わらず気の遠くなるような細かい作業を、テキパキと澱みなく行っていて「職人だっ!( ´∀`)」と思った。ちなみに全メダルの中で【名古屋城】小判型メダルのみ注射器の他に筆を使った色入れが必要らしく、工程が多かった。天守閣にほんのりと陰影を付けるのに使用していて、その一手間が例えば発注量1000枚とかの全てのメダルに加わると考えると、受注してきた営業に対して内心で舌打ちしてもおかしくはない。とストレートに営業社員がいる前でズケズケと訊いてみたら「そんなこと思ったこともないですよ〜」と天使のような笑顔で答えていて、茶平のメダルはバファリン以上に優しさの含有量が大きいことを知った。ちなみに最近、20代の若者が頭いたそうに仕事をしているときに「バファリンの半分は優しさでできてるって知ってた?」と訊いたら、「はっ?」って返されてごめんと素直に謝った(なにこの話?)。
その後、メダル用のプリンターが置かれた部屋へとご案内いただき、そこで通販メダルのデザインを手掛けるデザイナーの方にお会いした(1年半ぶり2度目)。そこで見せていただいたのが上記掲載のマンスリーメダルアクリルセットである。ちなみに非売品だった。
見ての通りめっちゃ素敵で完成度が高い”作品”として仕上がっているといえよう。だが、あまりの完成度に鼻息を荒くした私が「このアクリルケースは販売はしないんですか?」と訊いたら「コレクターのみなさんはきっとメダルはアルバムに保管するでしょうから……」と、まだお若いのに超冷静な商売眼で鼻息荒いおっさんの甘い考えをやんわりと一蹴した。まったくおっしゃる通りで、素敵な物を作ったから売れるわけではないというビジネスの厳しさをまた一つ考えさせられた。実際鼻息を荒くした私自身、購入しないと思うし。物増えるのヤダとか言って。【ヴァイオレット・エバーガーデン】のアクリルメダルフレームがバカ売れしたのは、ヴァイオレットファンが購入したからであって、コレクターが購入したからではないのだ。
また「わんぱくラッコ」と「メダル坊や」のドット絵メダルに関しても製作秘話をお伺いできた。なるほどね〜と感心しきりでありましたよ。
例えば、古い刻印機のデモ画面で流れる両者であるわけだが、色調の点で元絵のRGBと制作でのCMYKとの違いで色を寄せるのに苦労したとのことだった(超ざっくり説明すると、RGBはディスプレイ表示の色、CMYKはプリントするときの色、って感じ)。言われてみれば確かになー、という苦労を一切作品に見せないのがプロよね!受け取る方は、違いがわからないくらい完成度が高いと違和感がないのでむしろそこにある苦労が見えないのである。
それに加え「元絵は誰がデザインしたのかわからない」「メダル坊やの名付け親もわからない」等、とにかくほとんど何もわからないことがわかった。つまり、もう誰もわからないということだ。
私はメダルのデザインに触れる機会に恵まれたので改めて思うことだが、1枚1枚のメダルには、デザインした人の想いやこだわり——いわばストーリーが込められている。直接デザインソフトを扱えるわけではなくても、「ああしてほしい」「こうしてほしい」と伝えたことがメダルのデザインにきちんと反映されたときの感動はなかなか筆舌に尽くし難い。それに加えて、茶平デザイナーさんは全てを自分でデザインでき、何ならメダルに仕上げる工程まで自分でできるのだから、1枚1枚にまつわるデザインエピソードも想いも相当あるんじゃないかなぁ〜と思われる。
そういう話をぜひインタビューしてメダル別にまとめて記事に仕上げてみたいという希望がある。が、この企画の最大の難点は相手の仕事中にしかお伺いできないところにある。こちらは趣味で、相手は仕事というすれ違い。
これはもうみうらじゅん氏にやってもらうしかないのかもしれない。
次のメダルデザインはぜひ劇画調メダル坊やと少女漫画風わんぱくラッコでお願いいたします。私は買いますが責任は取れません。
ちなみにこのデザイナーの方は、自分で現地までメダルを購入しに行くらしい。直近では【横浜マリンタワー】や広島メダル巡りをして(福山から広島市周辺も1日で回ったらしい。もうメダラーやん)、きちんとお金を払って現地設置の販売機から購入し、刻印もするそうな。薄汚れた中年代表の私が「そんなことしなくても工場のそこら辺に転がってるじゃないですか〜」とヘラヘラとのたまわったところ、「ディスプレイとか、自分が手がけたメダルとかが、どんな感じで並んでいるかを見てみたいんです」と満面の笑顔で答えてくださり、汚れちまった私の濁った目ではまぶしすぎて直視できなかったぜ……
営業の方も、デザイナーの方も、自分の仕事に誇りをもっていて、その姿は輝いていた。一方の私ときたら……と、「自分の人生とはいったい何だったのか?」と自分の仕事ぶりを振り返り自問自答するばかりであった。
そんな【茶平工業株式会社】(雑なまとめ)。
聖地巡礼を終えて……
ということで、今回も約2時間も滞在させていただいてしまった。自分の仕事中に2時間も相手しなきゃならん奴が来たら私ならたぶん発狂するが、みなさん終始笑顔で丁寧に対応していただき、改めて記念メダル愛が深まってしまった。単純な話だが、これからもメダルを集めて日本を回ろう、と初心に還るような心持ちで帰路についた次第である。
さて、最後に、なぜ私がこの度再び聖地へと足を踏み入れたのかといえば、もちろんメダル製作関連の話である。
いつの日かお話できる時がきたら、またそのときに改めて詳細をアップさせていただきたい。このメダルに込められている様々な想い、背景、ストーリーを私は聞いているので、私の手元にあるこのメダルたちはよりいっそう輝いて見える。とっても素敵なメダルだ∑(゚Д゚)クワッ
果報は寝て待て!
記念メダルについて
会社訪問4回目ともなると「記念になんかメダルください」と自分から超あつかましくお願いして(最低過ぎる)、いただいたのがこのメダルである。そう、もうお分かりだろうが金銀コンビメダルの元メダルだ。今回の工場見学中に初めてこれを見せていただいて、その時から私の心は「今回はこれが欲しい……」という思いで真っ黒だった。どうして大人はこんなにも汚くあつかましくなってしまうのだろうか。不思議でならない(他人事)。
これ、写真で見てもわかるくらい実際の金銀コンビメダルと比べて結構印象が異なる。まあ加工前のメダルなので、正確には【無地メダル】とはまた違った様相であるのは当然なのだが。
実は結構単純な見たまんまの作りで、銀メダルの真ん中をぶち抜いた輪っかと金メダル真ん中からぶち抜かれたミニサイズのメダルを物理的にはめ込んでいるだけである。このメダルを、デザインが彫刻された金型でプレスすると強固に圧着されるという仕様であると推測される。
こういう”プロトタイプ”が欲しくなってしまうのがマニアのSA・GAであるといえよう。
ただ——もはやここでは多くを語らないが——この”プロトタイプ”製品の扱いに関して問題になったのは記憶に新しいところである。考え方はいろいろあり、立場によってもまた受け取り方はいろいろあるだろうが、私はとりあえず「茶平工業を悲しませないようにしたい」という基準でこのメダルを大切にしたいと思う。
高校を舞台にラブコメの主人公が吐くセリフかよ、という言い回しで、完。
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