【メダルがある場所】
@プレス機が置いてある工場
備考:ハッピー!
記念メダルの聖地へ
行ってきました、記念メダルの「はじまりの地」——茶平工業へ!
何をしに行ったかというと……
詳細はまた改めて別記事にて書き記すが、私の一つの夢が形になったのであった。それを受け取りに行くついでに、厚かましくも工場見学をお願いしたら、快く承諾してくださったという次第である。ネット上に、工場見学された方の記事がいくつかあるので、「客の一人になれば受けれ入れてもらえるのではないか」という期待があったのだが、別にそうでなくても受け入れてもらえたっぽい気さくな雰囲気がありをりはべりいまそかり(もちろん業務中なので、スーパーミラクルハイパー謙虚な姿勢は必須である。)。
この記事に関しては、上記で述べたように、私個人の所用に関しては省き、この工場見学のみに関して記す。
先に結論から述べるが、ここは記念メダラーにとって「教祖様のおっしゃる楽園(と書いてエデンと読む)とはここだったのか!?」と怪しい新興宗教に感化された人間のような幸福感に満たされる場所であった。今なら空中浮揚もできるかもしれないと本気で思った。というか、気持ちは間違いなく極楽浄土まで浮き上がっていた。
特に私のような「旅派かメダル派かといったらメダル派」という人間には、たまらない場所であった。なぜなら全国のメダルが現地に行かずとも全てここにあるのだから。。。
この言葉の意味は、後ほどさらに重みをもってみなさんに迫り来ることだろう。
会社に到着してお邪魔すると、すぐに今回いろいろとやりとりをしてくださった武部専務が出迎えてくださった。めっちゃ気さくな人であった。会社に宛てたメールもそれなりに親しい上司と交わすくらいに砕けた文面での返信だったので、いつしかどんどん厚かましくなる自分がいたのであった。そんなダメ社会人の代表のような私の地が、この後いかんなく発揮されるのであった。
第一印象はとにかくそこら中に記念メダルが散乱しているである。案内された応接セットにすでに記念メダルが散らばっていた。
で、ものすごく軽くおっしゃるのである。
「どうぞどうぞ、よければ持ってってくださいね」
という禁断の言葉を。
基本的に、そこら中に無造作に置かれている記念メダルたちは、何らかの理由によって売り物にならなくなったメダルだとのことであった(キズがあるからと返品されてきたり、検品で不合格にしたものであったり)。ちなみにこの応接テーブルに置かれた記念メダルはまだ序の口で、この後いく先々に「ちいさなメダル」が落ちていることになる。ドラクエもびっくりである。いや、マジで。
応接間の壁には有名どころの「額縁メダル」が多数飾られていた。
記念メダルが生み出される母なる胎内
話を一通り聞いていただいてから、いざ工場見学へ!
平日の工場稼働日なので、当然ではあるが、従業員の方々が一生懸命働いていらっしゃった。お邪魔して非常に申し訳なかった。申し訳なかったのだが、それを上回る大興奮で、申し訳ない感じ3割り増し。
刻印機エリアの次は、最近導入され話題となっている「記念メダルプリンター」のある部屋へ。大型のメダル用プリンターが2台鎮座していた。
プレッシャーに押しつぶされるメダルたち
続いて案内されたのは、プレス機が置いてあるいわゆる「記念メダルの製造現場」である。ここで全国各地の記念メダルが生み出されているのである! そしてここには、いままで製造された記念メダルの金型が保管されている。つまり、わざわざ北海道や沖縄に行かなくても、ここに来れば全ての記念メダルが手に入るのは!(唐突なミもフタもない話)
ちなみにこの場所にも何かと記念メダルが散乱されていて、最近数多く出回っている「プリントメダル」の「プリントがされる前の状態のメダル」を何枚かいただけた! 旅派の人はあまり食指が伸びない物かもしれないが、収集癖が強い私のようなメダル派の人間にとっては橋本環奈と手繋ぎデートしたくらいの絶頂であるといえばこの喜びを分かっていただけるであろうか。なんだ、茶平とはただの神だったのか。
そしてこの場所で、プレスされる前の「記念メダルの原型」をプレゼントされる。そう、すべてはこの一枚からはじまるのである。すなわち「はじまりのメダル」である
「刻印機」「プリンター」「プレス機」とそれぞれの製造現場を見て来て、もはや私の息は絶え絶えであった。ごめん、今なら広瀬すずにデートに誘われても「いま忙しいから」と冷たく断っちゃうと思う。いや、マジで。
そしていく先々で何かとその辺に置いてある記念メダルをねだる私は、人間とはかくも貪欲なものなのかと人類が進化しても決して抑えることのできない「物欲」という怪物の強大さ、恐ろしさを身をもって実感していたのであった。この時点で手元にはすでに数十枚のメダルが収められていた。大きめのカバンを持って行ってよかった(ゲスな安堵感)。
あなた色に染まる記念メダル
そして、今回実は一番楽しみにしていた「記念メダル着色職人」との面会へと続く。メダル用プリンターの登場ですっかりその数は減ったかと思いきや、実は今でも作られ続けているそう。しかも、プリンターであっても注射器による一枚一枚の着色であっても、コストとしてはそう変わらないらしい。要するに「人件費」か「プリンターの減価償却費」かという問題で、コストプラス法で記念メダルの値段が決まっているので、結果的に値段は変わらないらしい。世の中の一般人にとってはプリントメダルで詳細にアニメキャラなどが描かれる方が需要が見込めると思うが、私達記念メダラーにとってはやはり職人による注射器での着色の方が愛着があることも多いだろう。ということを専務につい言ってしまったのが今回の最大の失敗である。専務、苦笑い。でも、この言葉を職人さんに直接伝えることができて、私は幸せ者である。だって広瀬すずより会いたかったもの。いや、マジで。
実はここでは、長年の憧れであった職人さんとの面会に感極まり、専務とも一緒に四人(私・職人さん二人・専務)で記念撮影をお願いしてしまった。さすがにこれはネットにはアップしないが、ラミネート加工して引き取ってきた金型と一緒に飾っている。私にとっての宝物である。
販売機たちの寝床
最後に、「記念メダル自販機」「刻印機」を保管している倉庫に案内していただいた。全国で記念メダラー達が探し求め、発見した瞬間思わず走り出したい衝動に駆られるあの青い自販機達が所狭しと並べられていた。
ご存知の方も多いと思うが、茶平工業は従業員10人規模の町工場といった感じの会社である。そのような会社が数十年に渡り、全国をまたにかけて「刻印記念メダル」という一ジャンルを築き続けている歴史に改めて驚くとともに、そのような規模の場所に2時間も居座り続けた自分にもびっくりである。記念メダルに興味がない人が訪れたら恐らく15分くらいで全て見て回れるくらいであるが、許されるならもう1時間くらいはいたかった! まだ聞きたいことがたくさんあったし、廃品ボックスの中身をもっと漁りたかった(最低すぎる願望)。
くどいようだが、私のようなメダル派の人間にとっては、帰路につくときにはすでにまた行きたくなっている夢のような場所である。「東京ディズニーランド」<「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」<「茶平工業株式会社」である。
まとめ
今回の訪問は、非常にセコい話だが、まがりなりにも「記念メダルを発注した顧客」という立場であったので、恥ずかしげもなくいろいろなことをお願いしてしまった。しかし、厚顔無恥の権化と呼ばれる私ですら、今思うとガツガツしすぎて恥ずかしいという反省がある。穴があったら入りたい。
しかし、恥ずかしながらも、今回いただいてきた数々のメダルの山を見ると、いろいろな思いは霧散し、そこにあるのはただただ多幸感である。
最後に、ずっと気になっていたことを質問してその詳細が判明したので、備忘録的に記す。
ずっと気になっていたこととは、いわゆる「隠しメダル」の存在である。一時期は茶平公式HPに全ての販売場所が掲載されていたのに、なぜそのようなものが存在するようになったのか。
巷でまことしやかに語られているのは、「中間業者を挟んだものは掲載せず、直接取引をしているものだけを掲載するようになった」という説である。実はこれ、全てが間違いというわけではないが、誤りであったことが判明した。
まず、ほとんど全ての記念メダルは、中間業者を挟んでいるということである。つまり、茶平工業は様々な中間業者から記念メダルの発注を受けて、その発注通りに製造・納入しているだけであり、施設と直接取引をしているのは中間業者のみなのだそうである。そのため専務が言うには、「言われたとおりにメダルを作っているだけで、ほとんどの場所に行ったことがない。直接連絡を取ったこともほとんどない」とのことであった。上記に掲載した「着色ノート」のメモ書きになんとなくその納入先の中間業者の名前っぽいものが記されているのがわかる(「茶平」というのもあるが)。
重要なのは、要するに「公式HPで販売場所を掲載しているのは、まったくの善意である」ということである。なぜなら、茶平工業にとっては中間業者との取り引きで利益はすでに確定しており、極端な話、そのメダルが売れようが売れまいが損益には関係ないからである(もちろん売れて再発注があった方がお得ではあるが)。つまりあの「販売場所マップ」は、我々のような記念メダラーのためにわざわざ善意で作っているものであって、むしろリスクしかないものなのである。なぜなら、「行ったけどもう無かった」という文句を言われる可能性がある上、販売終了したかどうかは実は茶平側には正規ルートでは把握のしようがないからである(メダル販売施設とは中間業者が取引しているのであり、茶平は関与していないため)。あのマップの商売上の立ち位置をあえて位置付けるなら、「取引先のため(中間業者のため)」ともいえる。自社にはメリットがほとんどないといえる。
そんな中、ある取引先と、掲載に関してトラブルとなった。敢えてその業者の名称を述べることはここでは避けるが、記念メダラーにとっては有名なあの業者である。
件の業者と、「まだ販売前のメダルを掲載しちゃった」ということでトラブルとなり、その後はその業者との取引のものは掲載しないようにしているらしい。
つまり「特定の」中間業者のものだけが掲載されないというのが真相である。
ただし、他にも茶平側の判断で掲載していない(しなかった)メダルというのも少数ではあるが存在するらしい。最近の例でいえば【D23】である。あれは「3日間しかなかったから」とのことであった。3日間しかないのに2500枚×2種類の発注があったとのことでびっくり。そのうち世に出てくるかな!? ちなみに「混雑するから刻印機は置けなかった」とのことである。ディズニーって規格外すぎね?
また、【ゴジラルーム】に関しては「間に入っている業者が一つではない」とのことでらしい。その辺は深くはここでは述べられないが、茶平と直接取引をする業者は東京・新宿とは全く縁もゆかりもない会社で、「ビジネスとはこのように複雑な関係で成り立っているんだな~」と小並感な感想を抱きましたとさ。
そんなこんなで、幸せすぎる時間はあっという間であった。正直、行く前に寄った道頓堀で食べたお好み焼きの味など完全に抹消されたくらいの興奮で、本当に「記念メダルを作ってよかった!」と思えた会社訪問であった。製作した記念メダルの詳細はまた専用の記事でアップ予定である。とにもかくにも、茶平工業株式会社最高! の一言である。なんなら、その株式が欲しいとすら思っている。利益など全くいらないので投資したいーー記念メダラーとしていくところまでいってしまった、そんな1日であった。
いつも読ませて頂いてます。
今月11月22日に愛知県のエジプト展に行く予定になってます。
その時に美容院IEさんに訪問させて頂いて、メダルを1枚買わせて頂きたいのですが宜しいでしょうか?
こんにちは。記念メダル図鑑管理人です。
ブログ記事へのコメントありがとうございます。
【美容室IE】の記念メダルですが、まず前提として、こちらのメダルは販売していたものではなく「カット予約をして髪を切っていただいた希望者の方にプレゼント」という形で配布していたものであります。そのため、メダルのみの販売は全てお断りしていただいておりました。位置づけとして、「美容院の販促グッズ」という形をとらせていただいていたので、この点をどうかご理解いただければ幸いです。
その上でさらにですが、Twitterと茶平工業公式HP掲示板で告知させていただいた通り、配布は11月14日までにしていただいた予約までで終了とさせていただき、残っていたメダルは全てお店から引き上げてしまいました。この日までにご予約いただき足を運んで髪を切ってくださった方々が損とならない形を取るためにも、当方としてはこの告知通りとさせていただきたい所存です。申し訳ございません。
現在お店に残っているのはディスプレイ用に店長さんに進呈したものだけとなります。
このディスプレイ用のメダルに関しては、私が介在すべきものではありませんので、私からのお答えは差し控えさせていただきます。
店長さんがこのメダルのことをどのようにお考えなのかは私にもわかりかねます。また、どのような扱いをされても、他の方が私が製作したメダルを売買しても譲渡しても破棄しても構わないと考えているのと同様に、どのような処遇にされても私は特に気にしないということだけ、せめてお伝えさせていただきます。
ご期待に添えず、重ねてお詫び申し上げます。
承知しました。
ルールもわからずコメントしてしまいましたが、丁寧に返事をして頂きましてありがとうございました。