大阪府【関西国際空港 スカイビュー】 記念メダル

 私は飛行機に1度しか乗ったことがない割には、空港に訪れたことの多い人間であると思われる。というのは、もちろん記念メダルを購入するためである。記念メダルを購入するために訪れるのだから、記念メダルが購入できれば9割方満足であるので特に不満に思うことはないのだが、それでも敢えて言わせてもらえば、「空港」というものを「飛行機に乗る」という行為以外で楽しむのはなかなかに難しい。それはもちろん、「バスに乗らないのにバス停を楽しむのは難しい」のと同じなのかもしれない。が、空港にはなぜかアミューズメント的な期待をしてしまう何かがある。そして空港側にも、ある程度そうした期待・需要に応えようとしている姿勢が見て取れなくもない。「離着陸する飛行機を見ながら風呂に入れる銭湯」というものを設置している中部国際空港は、開業当時、訪れていた客層はどんなに少なく見積もっても半数以上は飛行機に乗る予定のない人々であった。

 関西国際空港は非常に綺麗な空港で、展望デッキ「スカイビュー」があり、飛行機が離着陸する姿を楽しむことができる。それは明らかに飛行機に乗るという行為以外の目的で作られたものであり、バス停にはバスに乗る以外の目的で作られたものがないことを考えれば、やはり「乗り場」として以外の付加価値を設けた施設であるといえる(バスタ新宿等は除く)。

 そう考えると、空港という存在の立ち位置はなかなかに難しい。

 たとえば「駅ビル」というものを目的に駅に来る客層は、別に電車を全く見られなくても微塵も不満は生まれないだろう。なぜなら話は簡単で、駅ビル内の商業施設が目的なのであって、電車に用はないからである。

 しかしこれが空港となると、途端に立ち位置が曖昧になる。空港内には飲食店をはじめとした様々な商業施設が併設されているが、その多くは、飛行機を目的とせずその店を目的にわざわざ来るほどのものはほとんどない。飛行機に乗ることを目的とせずに空港に訪れる客の多くは、「展望デッキで飛行機を眺める」→「ついでに飲食店で食事をとる」というコースになると思われる。駅ビルと違って、乗り場に発着する乗り物をわざわざ見に行くのである。だからこそ展望デッキが設けられているのか、はたまた展望デッキがあるからわざわざ見に行くのかは謎であるが。タマゴが先かニワトリが先か。

 何が言いたいかというと、結果、ひどく中途半端な施設になりがちだな~ということである。

 私は電車に全く興味がない。が、駅ビルにはよく買い物に行く。

 同じように、飛行機に全く興味がない。そして、空港に買い物に行くかと言えば、全く行かない。空港にあるショップの大半は、空港以外の場所にもあるからだ。また、飛行機に興味がないから、展望デッキも別に魅力を感じない。よって、敢えて展望デッキに行くという選択肢が生まれない。行くならそれは記念メダルが売られているという理由である。そしてそんな酔狂な理由で空港を訪れる人間は世間の日陰で生きるごく一部の人間だけである(ひどい言い様)。

 「飛行機に乗る場所」という以外の付加価値を生み出そうとするのなら、「乗る人がついでに楽しめるように」という目的なのか、はたまた、「乗らない人でもわざわざ訪れたくなるように」という目的なのかを明確にすることが、その空港の個性に繋がるのではないだろうか。と勝手なことを言ってみたとある冬の日の夜。

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