邪道【天皇皇后両陛下奉祝金婚式記念】 記念メダル

昭和天皇金婚式 記念メダル

詳細不明だが、「1974」という年号から察するに、昭和天皇の金婚式を祝っての記念メダルであろう。ヤフオク等で38ミリ主流時代のものを掘り当てていくと、「こんなものまで茶平工業が作ってたの!?」とビックリするような物がお目にかかれることがあり、これもその一つであった。今ではもっとライトでポップな記念メダルを担当していて、こういった「記念硬貨」に似たようなものはあまり製造していないイメージである。が、実は製造しているんだけどメダラー達が見つけられてないだけかもしれない。天皇生前退位が議論される昨今、改めて昭和天皇の在位の長さが際立つ。在位が長いというのは、裏を返せばその前の「大正」が短かったということに他ならない。また、昭和天皇は即位も早かったが、長生きもなされた。加えて、戦前戦中戦後の激動の時代を生きたし、急激に発達したコンピュータの時代も生きた。戦前戦中は間違いなく時代の中心に位置し、憲法で「象徴」と謳われるようになってからも、国民の前に立ち続けた。歴史的に見ても、ある意味ではスーパーな天皇であったことは疑いの余地がない。

 ちなみに、昭和天皇崩御の日、テレビではその報道一色であったことは幼かった私の脳裏にも焼き付いている。一番覚えているのは、「危篤状態!」とばばーんと画面に映し出されたチャンネルから別の局にチャンネルを変えたら「天皇崩御!」となっていて、「チャンネルを変えたら亡くなった」という兄のつぶやきである。

 天皇の皇位継承問題は生前退位だけでなく、実は次の次が一番問題である。そこには「女性天皇」と「女系天皇」という問題がある。平たく言えば、現在の皇太子の「次」を誰にするかというのが、必ずやってくる大きな問題なのであるが、「愛子様がいるじゃん。別に今の時代、女性天皇だっていいじゃん。男女平等だよ」みたいなことを気軽に言う人ほど、「女性天皇」と「女系天皇」の違いを知らずに気軽に言っていることが多いような気がする。

 別に今の時代ではなくても、昔から「女性天皇」は存在する(持統天皇とか)。むしろ昔の方が女性天皇はなりえたのである。なぜなら、現在の「皇室典範」では女性に皇位継承権を認めていないからである。つまり、女性天皇は現在では法律で禁じられているのである。

 という説明を上記のような人たちにすると、大抵「それがもう時代錯誤。そんな法律からして変えなきゃ」という話になり、今の時代だからこそ男女平等にできないという考えが浮かばないのは、恐らく「女系天皇」というものを理解していないからである。

 「女系天皇」というのは、母親が天皇であるということを根拠にして次に即位する天皇のことである(つまり男でも「女系天皇」となり得る。まあこの点、この言い回しはちょっと正確ではないのだが)。そして最大の要点は、「女系天皇はいままで一度も存在したことがない」ということである。

 それはなぜか。

 何が問題かというと、皇子は、夫の姓を継ぐことになる点である。つまり、仮に愛子様が結婚なされたとして、そして皇子を授かることができたとして、その皇子は男であろうが女であろうが、天皇家の人間ではないということになるのである(この辺はいろいろと認識の相違があるようだが)。これを回避するためには愛子様が皇族と結婚なされることが平和的解決なのだろうが、昔と違い現代では宮家と呼べる家柄がほとんどなく、それこそ現在では「自由恋愛が許されないの!? そんなかわいそう!」みたいな議論が沸き起こりそうである。

 まとめると、愛子様が天皇に即位されることは、歴史的に見ても決してなかったことではないのだが、問題はその「次」だということである。

 この辺の認識も含めて、「女性天皇」も「女系天皇」もOKというのならそれは個人の主張であり認められるべきだろう。日本で未だかつて一度たりともなかったことをやるというハードルを乗り越えることと、何より、皇位継承権第一位の女性と結婚してその後の人生をすべて公務に捧げても良いなんていう肝っ玉の据わった一般男性が現れるということは奇跡に近いと思うが(もちろん可能性はゼロではない)。




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