特集ページ【I LOVE YOUを君に】

I LOVE YOUの今昔
女の顔は明らかに心を無にしている

この世界の片隅で、愛を叫ぶ

この世界の片隅に世界の中心で、愛をさけぶ

 「I LOVE YOU」メダルというものがある。これは茶平工業が「どこでも販売できる汎用メダル」として作ったもので、かつては主にフェリー内を中心に販売されていたらしい。しかしながら現在では各社フェリーでの記念メダルの販売そのものがほとんど終了してしまっていることもあり(たとえメダルの販売がされていてもこれは売っていない)、今では日本の4箇所でのみで日々愛を叫んでいる次第である。

①栃木県【華厳の滝】
②広島県【福山城】
※2022年販売終了

 【華厳の滝】を除けば割と西日本に偏っている印象である。一番安くお買い求めいただくならば【雲仙ロープウェイ】でということになる。

 このメダルを販売する利点は、恐らくではあるが「金型を製作する必要がない」という点だと思われる。金型を製作する必要がなければ、金型代の減価償却をする必要がないので、理屈の上では早くから儲けが出ることになる。メダルが売れればだが。

 上記掲載の写真のとおり、最初は「メダルの入れ方」の見本と同じデザインでI LOVE YOUを叫んでいた。が、一度大きなデザイン変更がなされており、おとなし目のI LOVE YOUとなった。新しいデザインの方はどちらかというと「I LIKE YOU」くらいのおとなしさとなった。

 このデザイン変更がなぜなされたのかは不明である。旧デザインは熱烈すぎてPTAから苦情がきたのかもしれない。何気に後ろのワンコもちょっと発情気味なのも問題だったかもしれない。新デザインでは一転して道徳の教科書にでも載っていそうなI LOVE YOUとなり、関係各所への配慮が伺える——かもしれない。

君は僕を愛しているのか?

裏面

 人は、愛していると、愛して欲しくなるものである。

 自分が愛するだけでは満足できず、相手からの愛をも求めてしまう悲しい生き物である。それが不幸の始まりでもある(何があったの?)。

 愛とは、非常にリスクの高いギャンブルのようなもの。

 愛する人が自分のことも愛してくれるなら、それは最上の喜びとなる。しかし、愛する人が自分のことを愛してくれないのなら、それは最も辛く、痛く、苦しい悲しみとなる。そのときその愛は、時として憎しみへとすら変化してしまう。

 最も大きな喜びか、最も苦しい悲しみか——同じ愛でも、手に入れられる結果は二つに一つである。だからこそ、人は愛を恐れさえもする。

「You love me」

 このおっさん、誰やねん。

 愛せと命令されても、無駄である。このおっさんは、とても寂しい人生を送ってきたんだろうなぁということがうかがえる。「You love me」という心理状態になったら、おしまいである。最も欲しているその愛は、決して手に入れることができないだろう。欲している愛が得られないと、人は相手を追い詰める行動に走りがちである。そんなことをしたらさらに離れていくだけなのに。

「You love me」は、「服従せよ」と同義である。この言葉を発した瞬間、求めていたはずの愛の形は、もう二度と手に入らない。それなのに、心の奥底では気づいているのに、銃を突きつけて命令してしまう。「You love me」。

 頭に矢が刺さってしまい、我を失ったのか。おっさんよ。

今日もどこかでI LOVE YOU

 記念メダラーたるもの、このメダルをプレゼントしてプロポーズをしてみるというのはいかがかな?(もちろん指輪もちゃんと用意すること必須)。もし答えがOKだったら、迷わずその日のうちに刻印だ! きっとそのメダルは二人の絆を刻んだ特別な一枚となるであろう。

 特別なメダルは、ぜひ額に入れて。

 記念メダルって、本来はこういうためのものだよね。思い出を込めるための存在。

 邪道とか言ってちゃいかんな!(邪道に集めるけどね〜)

おまけ

 上記メダルは愛知県の【のんほいパーク】で過去販売されていたものである。シュールの極地みたいな雰囲気を余すことなく醸し出している図柄が、古き良き茶平メダルの味わいを表している。「I L❤︎Ve Y❤︎u」ですよ、みなさん(特に意味のない締め)。

新旧の「I LOVE YOU」比較。
写真写りの違いでまるで違うように見えるが、もちろん大筋は同一デザインである。
ただ、刻印スペースの幅が異なる。ダイヤルタイプの刻印機を使用することを想定している古いメダルは刻印スペースを幅広に設ける。




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