栃木県【奥日光 戦場ヶ原】 記念メダル

戦場ヶ原記念メダル
戦場ヶ原記念メダル旧
日光東照宮記念メダル

【販売場所】
@店内キーホルダーコーナー&レジ横の白い籠(2019.8現在)
備考:店頭に出されておらず、店の人にいうと出てくるというパターンも多いらしい。さらに出てくるメダルのラインナップが異なる場合もあるらしい。困っちゃうYO!
(追記):販売終了と告げられたという報告が2度なされました。しかしその肝心のお店の方の言うことがいまいち信じられないという魔境・戦場ヶ原。

未掲載メダルの発見は記念メダラー達の遥かなる夢

大発見が眠っていたお店

 ここは栃木県の【華厳の滝】にほど近い場所に位置する【戦場ヶ原】と呼ばれる観光地である。茶平工業公式HP「販売場所リスト」に未掲載の記念メダルスポットである。2018年11月に茶平工業HPの掲示板にて発見報告があり、その存在が判明した。

 記念メダルなるものを集めていると、やがて一つの野望を抱くようになる。

誰も知らないメダルを発見してみたい

 茶平工業公式HPがオークコーポレーション関連メダルの販売場所を非掲載にしてから、いわゆる「裏茶平」「隠れメダル」等と呼ばれてきたメダルは、その多くがオークコーポレーション関連メダルであった。しかしオークコーポレーションが「刻印機設置場所一覧」を公開するようになったので、そのほとんどが表舞台へと出てくることになった。しかし、実はそれでもなお茶平にもオークにも非掲載の場所で、かつ記念メダラーの間ではよく知られている場所が存在する(【手塚治虫記念館】とか)。それらの場所がどのような理由で非掲載なのかは不明であるが、それらの存在は「未発見の場所がまだあるかもしれない」という夢を与えてくれる存在となっており、記念メダラー達はどこかしらの観光地へ行くと、なんとなくあの青い販売機を探してしまいがちとなる。おみやげ屋さんで挙動不審者な者がいたら、万引き犯か記念メダラーに違いない。

 「未発見メダル」という分野においては、上記とは別のパターンとして、「かつて販売されていたものの売れ残り」という、いわゆるデッドストック品が発見されることもまれにある。このことは記念メダル界の巨匠・ほりのぶゆき先生も『旅愁マスク 観光系』の中で述べられている。

 私が知る限りでは、茶平公式HPの「販売終了リスト」にも掲載されていないような「デッドストック系」のメダル発見は、過去に三回あった(長い歴史の中ではもっとあったと思うが、私が集め始めてからは三回。また他に「販売終了リストに載っているけれどまだ売っていた」というパターンもある)。

 一度目は忘れもしない——和歌山県の高野山の近くにある【ごまさんスカイタワー】である。ここは有名記念メダラーのお一人であるhirakkyさんがバイクツーリングで立ち寄った際に発見されたという場所である。例のごとく茶平工業掲示板に書き込みをしてくださり、私はそれを見た次の日曜日には購入しに赴いた。そのときの様子はこの記事を参照していただくとして、結果だけ述べるともうなかったのである。あの時の絶望感はハンパなかった。たどり着くまでに散々苦労したあとだっただけに、空海の導きによりピンチを脱出した直後にも関わらずこの世には神も仏もいないと思ったものであった。

苦労した一例「ここはどこですか?」

 これを通して学んだことは、「記念メダルを集めている人は、実は結構いる」ということである。そして「恐らく、買い占める人がいる」ということ。

 このときの徒労感はすさまじかった。貴重な休日丸一日をかけた壮大な徒労に打ちのめされ、思わずネットショッピングをしてしまった(関係ない)。

 二回目は京都府の日本三景「天橋立」のすぐそばにある【知恩寺】である。この場所も因縁深く、例によって掲示板に発見報告があったのだが、実は前月に「天橋立」に行っていたのである。もちろん【知恩寺】も見た。が、見ただけ立ち寄らなかったのである。

 というか、実際に行ってみてもらえばよくわかるのだが、「天橋立」に観光に行けば、【知恩寺】には自然と足が向く可能性がかなり高いようになっている。おみやげ屋さんが連綿と続く通りの終点に【知恩寺】はあり、むしろ立ち寄らない方が不自然なくらいなのである。

 その不自然なことをしたのが私である。

 股の間から「天橋立」をのぞいている場合ではなかった。しかしそんなことを言っていてもらちが明かないので、意を決して2カ月連続で「天野橋」へ赴いた。2回目は何の感慨も感動もなく、メダルを購入してすぐに帰った。観光地によくある「個人宅を利用した私設駐車場」のおじさんも、光の速さで舞い戻ってきた私の姿に不信感ありありであった。

 そして三度目がここ【戦場ヶ原】ということになる。

 【ごまさんスカイタワー】の経験があるせいで、とにかく急がないと売り切れてしまうという感覚が私の中にはあるのだが、半年以上経った2019年8月に訪れてもまだそれなりに残っていて、非常に嬉しかった。たとえなくなっていても「ま、まあ【華厳の滝】のついでに寄ってみただけだし!」と自分を慰める準備までしていたのだが、無事にお目にかかれた途端興奮はMAXとなった。

キーホルダーコーナーにあった【戦場ヶ原】のメダル。無駄に整頓してみた。

 やったね〜と思いながら意気揚々とレジに向かいお金を払おうとしたときに、事件は起こったのである。

栃木といえば日光東照宮問題(行ってないけど)

 記念メダルを購入するときに、店員さんが不思議なことを始めたのである。まず、訪れた時は気がつかなかったのだが、レジ横のおまんじゅうとかが置かれているコーナーにカゴが置かれていて、その中にも記念メダルがあったのである。

 で。

 今もってなぜだかはわからないのだが、お金の処理をする前に、店員さんがそのレジ横のメダルを手に取り、何枚かを確認したのである。その謎の待ち時間にただ「?」となったのだが、その後普通に会計処理が行われた。

 そのときは不思議ではあるものの別段何かあるとは思わず、「まだあったのね〜」という単純な思いから、会計後そのレジ横のカゴも確認しにいった。上から見ただけでは「あー、まだこんなに残ってたのね〜」くらいにしか思わなかったのだが、「もしかしたらもっと綺麗なやつがあったかなぁ」というちょっとした思いから(デッドストック品なためか結構くすんでいる物も多かった)何気なく一つを手に取ったら——

あれ、これなんか違くね?

 昔のメダルの造りのせいか、上からちょっと覗いただけでは全て同じに見えていたのだが、近くでみると「日光東照宮」と書かれているではないか……

 えっ? えっ? えっ? となった私は、脇目も振らずカゴの中のメダルを一枚一枚確認していった。その様子は1週間ぶりに餌にありつけたハイエナのごときものであっただろう。明らかに様子がおかしくなった30過ぎのおっさんのもとに、恐る恐る店員さんが近づいてきた。

「メダルは2種類だよ。戦場ヶ原と、日光東照宮と」

「えっ? そうなの?」

 突然のタメ口に、店員さんは面食らっていた。我を忘れるとはこのことである。しかし同時に、私の手には明らかに「3枚目」の存在があった。【戦場ヶ原】メダルの、裏面がつぶつぶバージョンである。

「いや、3種類あるみたいですよ」

「いや、2種類だよ」

「ほら、これ」

「あ、ほんとだ。そうなんだねぇ……」

(店員さん、カウンターの下から何やら新たなカゴを取り出し、その中のメダルを確認する)

何その新たな謎の行動!?

 ちなみに、カゴの中には数枚のメダルと、何やら怪しげな筒状のものが収められていた。私はその「筒状のもの」にはなんだか見覚えがあるような気がした。

まだ何かあるんじゃね?

 と思い、何気ない様子を醸し出して話しかける。

「まだあるんですか? メダル」

「……いや、出ているだけで全部ですよ」

最初の間は何?

 と思ったが、もちろんここで話は終了である。新たに発見した2枚を手に取って会計を済ませ、ホクホクした気持ちで後にしたのだった。

 以下、考察。

 真相はもちろんわからないのだが、新たに発見されたこの「日光東照宮メダル」は、また後から出てきた物なのではないか——という可能性も無きにしも非ずだと考えている。

 というのも、まず「今まで誰も気が付かないなんてあるのか?」という問題がある。私は記念メダラー達の中ではかなり後発で訪れたと思うのだが、その間誰も気がつかなかったなんて、そんなことある? と単純に思う。ネット上で有名な記念メダラーの方であれば、誰かしらはかなり入念にチェックすると思うのだが、今まで気づかれた方はいない(少なくてもネット上では)。

 また、やはり気になるのはカウンターの下から出てきたカゴの存在、およびその中にあった筒の存在である。「出ているだけで全部」という店員さんの言葉は、重箱の隅を突っつくようなことをいえば明らかに誤りで、少なくてもカウンターの下のカゴには複数枚のメダルが確保されているのをこの目で見たわけである。そこにどんなメダルが残されていたのかまでは残念ながら確認できなかったが、店員さんがその中のメダルを手に取り「何かを確認していた」のは間違いないのである。

 そして、筒——あの中身は一体何だったのか? もしかしたら戦場ヶ原メダルのストックなのかもしれないし、あるいはまったく別の新しいメダルなのかもしれないし、私が全然的外れな推測をしていて1ミリも記念メダルと関係ない物が包まれていただけかもしれない。

 真相は藪の中である。ただ「発見からだいぶ時間が経った」&「発見当初に『10枚取り置きしてほしい』などといった連絡等もあった」割には結構残っているなぁという印象である。というか、改めてツイッター上のみなさんの購入報告を順に見返してみたのだが、なんかあんまり減ってないような気がしなくもない(減っているとは思うのだが)。

 何が言いたいかというと、どこかで一度補充されたのではないのかなということである。「売り切れたらおしまい」というのは、再生産はしないという意味であって、店頭に並んでいる分以外にも在庫はまだあったんじゃないかな〜という推測である。で、補充をしたら、あれ何だか違うメダルが混じっているぞ……みたいな。

 くどいようだが、真相はもちろんわからない。そしてそんなことをいちいち訊くのもちょっとどうかと思うので、謎は謎のままである。女心と記念メダルはこの世のミステリーなのである。

 違うか。

人は興奮すると往往にして目的を見誤る

 戦場ヶ原に行き忘れた件ね、これ。

湯葉丼。栃木って湯葉が有名なんすか?(ザ・無知)
三本松茶屋の裏にあった、何かの岩
戻ってきたらクルマのアンテナにトンボがとまっていたよ〜というただそれだけの一枚

 肝心の「戦場ヶ原」に行き忘れた今、みなさんを代表して私が私に述べよう。何しに行ったの? と。

 記念メダルを前にすると、本来の目的を忘れがちである。それが記念メダラー、悲しき存在。

 予想だにしない「3種類のメダルの入手」という私にとってほとんど経験したことのないビッグトピックによって熱に冒され、セーラームーンばりに思考回路はショート寸前だったのだろう(『ムーンライト伝説』より)。正直「戦場ヶ原」はかなり見てみたかった場所なので、やっちまった感が満載である。しかし、もう行けない。遠いよ、栃木県……

 それと同じく、せっかく日光東照宮メダルを入手したというのに、肝心の日光東照宮に行っていないという大失態である。メダルを手に入れたのだからそこは行けよとメダル優先主義の私でも思う次第である。やっちゃったね、これ。家康様もカンカンなことだろう(いや、記念メダラーなんてどうでも良いと思ってらっしゃると思うが)。

 何が一番大切かということを忘れることがないようにしたいものである。

 余談だが、ここではしゃぎすぎたバチがあたったのか、今回の旅でこの後に空振りを2回経験することになる。しかもそのうちの一つはあの【スカイツリー展望回廊】だったので、ダメージがあまりに大きく、記念メダル収集活動において、非常に大きな決断を下すことになるのであった……

記念メダルについて

 この度3種類のメダルを購入することができたのだが、「戦場ヶ原メダル」のさらに古いバージョンは、少なくともカゴの中には残り一つであったものを私が購入させていただいた。新旧比べてみると(といってもどちらも古い物なのだが)、メダルの造りの部分が異なるのは一目瞭然であるが、デザイン的にもわずかながら差異があって面白い(草原の様子とか)。ご当地メダルとしてかなり良い味を出しているので、それこそ正式なメダル販売の復活を期待してやまない。そうしたら、もう一度行こう。行って、今度こそ戦場ヶ原を見て来よう!

 日光東照宮メダルは、そもそもなぜこの店にあるのかが謎である。おもて面はもちろん、裏面もあの有名な「見ざる、言わざる・聞かざる」なので、どう考えても日光東照宮に置かれていたのではないかと思う次第である。謎は深まるばかりである。

 何はともあれ、日光東照宮こそ真に記念メダルに相応しい販売スポットであるので、販売を開始(再開?)してほしいものである。さすれば今後こそ行(以下同文)。

追記

 2020年7月に、この場所に関してなんと続報が入った!

なんか増えてるし⁉︎

 このツイートによると、日光東照宮メダルも新旧2種類あったようである。

 ただし、私が訪れたときには、少なくても店頭には絶対に並んでいなかったと確信をもっていえる。なぜなら、全てのメダルを一枚一枚手にとってきちんと確認したからである(お店にとって超迷惑)。だからこそ戦場ヶ原の旧バージョンを発見できたのである。

 そんなわけで、まだ出てくるんじゃないか? という期待を今もって醸し出す【三本松茶屋】なのであった。




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