【販売場所】
@マリンショップ シーガル
備考:令和9年度のリニューアルに伴いイルカショーが終了してしまうので、イルカのメダルもなくなってしまうかも。まあその前に無くなる可能性も決して低くはないが……
県外民にとって”品川”になくて話が違うよ【しながわ水族館】
【しながわ水族館】は、JR品川駅からまったく近くない品川の住宅街に存在する水族館である。こんなに遠いとつゆほども思わず、「東京行くからしながわいこ〜」と超軽いノリで考えていたら痛い目に遭う(というか遭った)。東京駅から一駅の品川駅近くには「アクアパーク品川」という東京都民が平日夜のおデートに使用する有名水族館があるのだが、そことは一線を画す昔ながらの水族館である。
最寄りは京浜急行の「大森海岸駅」もしくはJR京浜東北線「大森駅」となる。私は「大森駅」からてくてくと歩いたのだが、その道中がご近所の住宅街を横断するような道であり、ドブ板営業をしていたときと似たような感覚に陥った。これは住宅街の中にあるぽつねんとした小さな公園の横を通りかかったときに必ず湧き起こる郷愁に似た感情である。目の前にある訪問宅の扉は鉄よりも重く、開くことはあの娘が私のことを好きになってくれる可能性よりも少ない。
そんな住宅街を横切って到着した【しながわ水族館】は、住宅街の中にある水族館であった。
この水族館は”東京都内でイルカショーが見られる唯一の水族館”というのがウリだったそうなのだが、時代の流れ、老朽化……といった様々な要素から令和9年度のリニューアルでイルカの展示を終了させることがニュースとなった。私は東京都民ではないし何ならイルカショーよりもシャチショーやクジラショーの方が好き、という水族館通ぶっためんどくさい客なので、老舗水族館のイルカ展示の廃止自体には正直それほど感慨はない。が、イルカの図柄の記念メダルも廃止されるかも——という点には我が事のように危機感を覚えた次第である。イルカがいなくなったら、イルカメダルもなくなるのかしら……。まあ”バンテリンドーム”になってもナゴヤドームのメダルを売っていたり中部電力MIRAIタワーとなっても名古屋テレビ塔のメダルを売っていたりした愛知県民からすれば、メダルの図柄となった存在がいなくなってもそんなことには動じずにいて欲しいと願うばかりである。
そんなわけで、いざ入館。
時代の移り変わりよりも人の心変わりの方がよほど早い件
入館した第一印象を一言でいえば「小さめの水族館によくあるパターンって感じ」となる。
小さめの水族館は、その地域の川や近海の展示から始めて地域の特色を全面に出しがちである。対して、大規模水族館はいきなりドカンと大水槽をもってきて入館早々7割の力を出し切る。もちろんどちらも完全なる私の独断と偏見である。
で、【しながわ水族館】は前者な印象。
前者の場合、目で分かるインパクトが小さい分、時間を掛けてじっくり見学すると良さがわかってくるスルメイカタイプの水族館となる。が、この日の私には残念ながら許された時間は少なかった。それもこれも、「品川駅」から遠いからである。しながわ〜
しかし、この日の客入りはなかなかのもので、とても賑わっていた。少なくても、パンダのぬいぐるみを展示の前に置いて撮影するおっさんが周囲から完全に浮くくらいにぎわっていた。
カップル等よりも、家族連れが多い印象。敷地内の雰囲気的にも”公園”といったテイなので、家族の休日のおでかけに利用されていることが多いのかもしれない。ただお値段は、水族館なので、相場よりは安めといっても相応の価格である(大人1350円)。品川在住・在勤・在学者は割引があるらしいが(大人800円)、家族で訪れるとご飯代も含めればそれなりのお値段となる。価格帯的には中学生同士の背伸びしたデートくらいに使うのがちょうど良い感じである。中学生のときにデートなんてしたことねえけどな!
時間がなかったのでざっとした見学となってしまったが、一応全ての展示を見て回った。
感想としては「水族館の平均を集合させたらこんな感じ」っていうのが正直なところである。展示されている生き物も、展示の仕方も、施設設備も、エンタメが飽和しているこれからの時代を生き抜くにはリニューアルが必要かもね〜と率直に思った。全然ダメって感じではないのだが、目を引くようなモノも特にないというか……
まあこのオーソドックスな水族館が”都内にある”っていうところが最大のポイントなのではないかと考える。都心にあるスカイツリーの【すみだ水族館】等は完全にデートスポットなので、生き物の展示を楽しむ純然なる想いで水族館を訪れた方にはこういった水族館の方が良いのかもしれない。私は水族館をデートスポットには使わないが(使えないが。デートができないが。言わすなよ)、最近では一周回ってデートスポット水族館の方が好きになってきた。昔は「生物のことを掘り下げた水族館の方が好き! 【海遊館】とか大嫌い!」と書いていたのに、この有り様である。きっと、わかりやすいエンタメの方が楽なので好きみたいな「水戸黄門が好きなお年寄り」的ゾーンに片足を突っ込み始めたんでしょうな……
なにはともあれ、話題沸騰中のイルカだけは見ておこうということで、イルカの水槽へ。
ここまでの文章を読んでいただけたならば伝わってしまったと思うが、結構楽しむのが難しい施設であった。ただ実は、この場所には長年個人的にお世話になっている人に連れてきてもらったという裏事情があるので、その点に関しては大変楽しく充実した時間を過ごさせていただいた。記念メダルコレクターの一人として、大変濃い時間を過ごせさせていただいて実にハッピー。そういうシチュエーションで足を運べたことは幸運であった。
そんなわけで、都内のビル内にあるような目を惹く演出で客を呼ぼうとする水族館が苦手なかつての私のようなタイプの人には、素朴でとても良い水族館と映るだろう。反対に、生き物の展示よりも演出やら雰囲気やらで客を「はへぇ〜」と感嘆させようとするイマドキの水族館が好みの現在の私のようなタイプの人には、見るものがないな〜って感じですぐに全ての見学が終わってしまうかもしれない。そんなに広くないし。
時代の移り変わりがあると同時に、一人の人間の好みの移り変わりもあるのだから、水族館経営って大変よね、ほんと。
記念メダルについて
販売機はミュージアムショップの入り口に設置されている。ちなみに入場しなくても購入できる位置にあるため、急ぎ足になりがちな都内の記念メダル巡りの際には入場スルーされる確率は60%といったところ(当社比)。
デザインとしては、水族館の歴史の長さを物語っているかのようなザ・シンプルである。記念メダラー達が「やっぱりこういうのが良いよね〜」と言いがちな、ひと昔前のデザイン。もちろん、私も大好きだ!
前述の通り、この施設はイルカ展示が廃止される予定である。多くの記念メダラーの予想と同じように、私も記念メダルは廃止されるんじゃないかな〜、と考えている。もちろんリニューアルと共にメダルもリニューアルというのもあるあるパターンの一つではなるが、少なくてもこのデザインのメダルは無くなる可能性は高い。
【東京駅】から行くのがちょこっとめんどくさい位置にあるため回収が”またの機会”にされがちな【しながわ水族館】。ぜひ一念発起してこの機会に手に入れるべし。ぐずぐずしていると、【多摩動物公園】のようにいともあっさりと無くなってしまうのが記念メダルの常であることよ——
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