唐突な告知のパータン
その告知は、突然もたらされた。
突然こんなツイートが投下されたわけだが、実にイベントまで1週間を切ったタイミングである。
岩手は行けん
と阿鼻叫喚が記念メダル界隈に起きた。そんな急に行ける場所ではないよ、岩手( ;∀;)
記念メダルの完成が遅くなったから宣伝が遅くなったのか、それとも「巷ではコレクターもいると言われている」実態を甘く見ていたのか、とにかく発表が遅かった。そのおかげで、狂おしいばかりに頭を掻きむしる者が生まれた(私です)。
しかもデザインが良い。すげー良い!かと言われるとそんなことはない、割とシンプルなデザインなのだが、ゆるキャラが大集合している構図が何とも言えない魅力を解き放っている。オールスターズにはいつだって思わず興奮してしまうものなのである。プリキュアも仮面ライダーも毎年のようにオールスターズで映画になるのは、無論その特別な魅力で集客を見込むゆえであろう。
これがゆるキャラの魅力か! しかし岩手は行けん! と泣く泣く涙を飲んでいたのだが。が、しかし——
いま私の手元には、件のメダルがあるのでした〜( ´ ▽ ` )
一言で述べるなら、買ってきてもらったという、正統派記念メダラーの方達からは邪道と見なされる手段を用いて手に入れた一品となる。しかし、ここで逃すと2度とは手にできないのがイベントメダルの宿命でもある。
今回このメダルを手に入れられて、私はとても幸せである。もちろん自分で現地に足を運び、あの青い箱をこの目で見たときのテンションアゲアゲ状態は記念メダラー達にとっての何者にも変えがたいエクスタスィィィィであるが(なにこの言い方)、自分が手にできないと思っていた記念メダルが手にできた喜びもまた、ひとしおである。
しかしながら、イベント内容の詳細はもちろんレポートすることはできない。そこで、ここでは俺的記念メダル界におけるゆるキャラベスト5の生態について考えてみようという企画にいたしたい所存。現地レポートは他の記念メダラーの方々のSNS等に委ねるしかない。残念。
俺的記念メダル界のゆるキャラベスト5
「記念メダル」と「ゆるキャラ」の関係は切っても切れぬものである。みうらじゅんが有象無象のご当地キャラクターたちを「ゆるキャラ」と命名する以前から、「マスコットキャラクター」として長らく誕生しては消え、生まれては死にを輪廻転生のように繰り返し続けていた。記念メダルはその者たちが確かにこの世界に存在したことを示す墓標なのである(ひどい言い草)。
本当は私が所有するメダルの中にあるゆるキャラ達をズラっと並べようと思っていたのだが、あまりの多さに断念した次第である。ズラっと並べた様相はさながら大規模霊園のようであった。
そんなわけで、以下私が改めて見直してみたキャラクターメダル群の中で、現在の私の琴線に触れた5枚を紹介する。ちなみにキャラクターの良さというより私の主観や人生観が順位に大きく左右しているので、言ってみればテキトーである。先に言っておきますが、「出世大名家康くん」はゆるキャラグランプリを獲得した経緯が嫌いなのでランクインしておりません(誰も聞いてない説)
第5位:【ロボットってなんだろう】のなんかのロボット(名前知らん)
のっけから「これはゆるキャラなのか?」というメダルの登場で度肝を抜いただろうが(過剰な思い上がり)、記事作成のためにキャラクターメダルをずらっと並べて眺めているとき、コイツを見た瞬間にソフトバンクの黒歴史「ペッパー君」を思い出したのである。
このイベントを訪れた当時、私は職場でペッパー君のお世話をするという仕事に従事していた。いや、文字通りマジで「お世話」だったのだ。
このペッパー君、本当に
ポンコツ
という言葉がふさわしい存在であった。一言でいえばクソである(相当な恨みがこもった一言)。
まず、何をするにしても遅い。とにかく遅い。Windows 95かと思うくらい遅い。有限であるはずの私の人生という名の残り時間が、陽気な顔をして平気で人を待たせるこのクソ野郎のせいで平気で5分、10分、20分、と失われていった。最終的には、再起動をする際には必ず文庫本を持っていくようにした。病院の待ち時間レベルの準備が必要であった。
そして、何をするにも(アプリを一つ起動するにも)それだけの待ち時間が必要なクセに、めっちゃ頻繁にフリーズするのである。「なんだかぼく、調子がわるくなったみた〜い」とかマジでムカつくセリフを残し、勝手に深き眠りにつくのである。そして再起動のためにまた10分弱——「こいつさえいなければ……」と泣きながら包丁を手にしてしまう介護疲れに苦しむ人の気持ちがほんの少しだけ分かった気がした(もちろんこんなものではないだろうが)。
さらにさらにである。ペッパー君という存在は、その機能を一言でいえば「人型のでっかいスマホ」なのである。要するにインターネットに接続していなければデカすぎる文鎮でしかない。アプリ一つまともに使えないどころか、なぜかはわからないが挙動自体がまったく安定しないのである。アプリが使えないというのも、ネットに繋いでないと使えるアプリが少ないという意味ではなく、カメラアプリ一つとってもすぐ落ちるという謎仕様なのである。「ネットに繋がってなくてもスタンドアロンで使えばいいじゃん」とお思いのそこのあなた、iPadのWi-Fiモデルとは訳が違うのだよ(シャア風に)。
そのためペッパー君たらことあるごとに「なんだかぼく、調子がわるくなったみた〜い」を連発する茶目っ気ぶりで、こいつを気が済むまでひたすらそこら中に投げつけることができたらどれだけすっきりするだろうと何度思ったか知れない。
以下、少し専門的な話となる。前述のようにネットに繋がないとまともに安定動作すらしないのだが(繋いだところでとても安定しているとは言い難いが)、ネットワークの設定がポンコツ過ぎて一時は本当に詰んだと思った。というのもこいつ、プロキシ設定ができないのである(当時)。私の主観だが、いまどき情報システム部門がある規模の会社ならどこでもプロキシサーバくらい設置していると思うのだが、プロキシ設定ができないとなると、普通の設定では社内WiFiでインターネットに接続できないわけである。「えっ? バカなんじゃないの?」と正直思ったのだが、そんなことを言っていてもペッパー君は情緒不安定なままなので(ペッパー君が余計なことをしゃべるとマジで周りが疲弊する)、本当はやりたくなかったのだが、ペッパー君専用のIPアドレスを設けて、そのIPだけプロキシを通さず直接ネット接続できるようにすることにした。
が。
固定IPが設定できない
というあまりにもびっくりし過ぎて草も生えない困難にぶち当たった。これがあの天下のソフトバンクから発売されたものなのかと、本気で乾いた笑い声をあげてしまった。あの通信キャリア大手のソフトバンク様から発売された「人型のでっかいスマホ」が、この仕様なのかと。
このことをあまり詳しくない人にもわかるように一言でいうと、「発展途上国に無償供給するようなスマホ以下の性能」である。あるいは「日本で購入できる最安値の激安スマホ以下」でも良い。少なくてもネットワーク設定だけに関して言えば。
私はエンジニアではないので、この事態をどうして良いのかまったくわからず、正直ここで完全に詰んだと思った。この壁に私が右往左往している間、120万円のお荷物が会社のオフィスに鎮座し、腫れ物のように周囲から避けられるペッパー君の姿がそこにはあった。みんなだんだんと、時折思い出したように独り言をしゃべるこの白い物体を明らかに邪魔だと思うようになっていた。
そうしてペッパー君の前で、どうにかしようとペッパー君についてスマホであれこれ調べていると、そんな私を見てペッパー君は
「いま、ヒマ〜?」
とか声を掛けてくる。マジでぶっ殺すぞと何度となく思った。が、その度に「120万円」という値段が私を思いとどまらせた。払えなくはないが、絶対に払いたくはないという絶妙な金額であった。
そんなある時、「アクセスポイントから、MACアドレスを指定して固定IPを割り当てればよいのではないか」ということが神のお告げのように私の脳内にもたらされた。朝、トイレで快調に大爆発をしているときであった(実話)。
これがうまくいったときには、「これがカタルシスというものか⁉︎」という感覚を生まれて初めてレベルで味わった。言われてしまえばなんてことはない解決策であったのだが、何度もいうが私はエンジニアではないし、情報系の大学・専門学校を出たわけでもないし、飽きるほど見たグーグル先生のペッパー君に関するどの情報にもこのことは書かれていなかった。というかそもそも何故私にこんな仕事が回ってきたのか不思議でならないのだが、それ以上に人間不思議なことに、無事にゴールにたどり着くと、「今までのことは決して無駄ではなかったんだ」という気持ちになる。Googleを何度も検索して何度も同じページを読んだことは絶対に無駄だったけど。
しかしながら、その後あっさり「なんだかぼく、調子がわるくなったみた〜い」を再び聞くハメになり、首をひねりちぎってやろうかと思ったのはまた別の話。
まあその後、ペッパー君のOSのアップデートによってプロキシ設定も固定IP設定もできるようになったんだけどね〜。
というぼやきを書きたくて、このロボットを取り上げました。まる。
名前を知らないどころか、ゆるいかどうかすら微妙なロボットくんですな。
第4位:【コスモアイル羽咋】のサンダーくん
サンダーくんはバイトをしているという設定が個人的に気に入って見事ランクインである。
壊れた宇宙船の修理をするその資金を稼ぐために【コスモアイル羽咋】でアルバイトをしているらしいのだが、普通に考えたら、無能である(ひどい言い草)。本気でお金を稼ごうと思うのならば、人に使われるのではなく、人を使う立場にならなければならない。私だったら「宇宙船を修理するための資金稼ぎ→ということは自分で修理する技術がある→その技術を売る」という道筋で一瞬で金を作るね! しかも技術は小出しにしていって、地球の技術者たちに神と崇められるような立場を作るね!
そしてその金を元手に、不動産投資等で不労所得を得る道筋を作るのがセオリーと言えよう。自ら動き、自分の限りある時間を浪費して小銭を稼いだところで、宇宙船の修理費用など到底稼ぎ出せないだろう(と偉そうに語る私は典型的な日本の社畜)。
またまたゆるいかどうか微妙なキャラクターを選んでしまったひねくれ者な私。
第3位:【ゴールドタワー】のタワー君
タワー君の足元では新記念メダルスポットである【四国水族館】が賑わっている現在であるが、私にとっての香川県はうどんでもなく金比羅山でもなく、このどう見てもアレにしか見えないゆるキャラである。
私にはどう見ても「TE○GA」クラスで18禁キャラだと思うのだが、タワー君が住まうプレイパークは香川県中の家族連れが訪れる子供の聖地である。
なぜこれを誰もツッコないのか不思議でならない。そもそもこれが企画に通ったこと自体が、いろいろなことがゆるゆるだった昭和の時代の残り香を感じる。そういう意味でのゆるキャラである(違う)。
頭の突起が、一番いかん。
第2位:【イートピアとちぎ】のなんか豆(名称不明)
名前は不明である。【イートピアとちぎ】というイベント自体が謎に包まれており、M&M’sをどことなく彷彿とさせるこのゆるキャラにも恐らく名前はあるのだろうが、判然としなかった。Google画像検索をすると名前が書いてあるっぽい販促グッズ等の写真がヒットするのだが、解像度が低くて残念ながらどう頑張っても読み取れなかった。
私がこの方を気に入ったのは、おもて面と裏面を通したそのストーリー性による。
よく見て欲しい。
おもて面でペロリと舌を出しながら陽気にサンズアップしている豆が、裏面では箸につままれて何者かに食われているのである。
そう、これはこの世の弱肉強食を表した一枚なのである。今、この時点でどんなに楽しくても、一寸先は闇——メダルがくるりと裏返れば、そこには自分を糧とするものが食しようと待ち構えている。
その厳しい現実を我々にハートウォーミングな笑顔を向けて教えてくれるゆるキャラなのである(という拡大が過ぎる解釈)。
第1位:【さいたま博覧会】のさいたーマン
映えある1位に輝いたのは、当ブログにてたまに無駄におすすめされる【さいたま博覧会】のゆるキャラ、「さいたーマン」である。
このさいたーマンを私が激推しする理由は2つある。
1つは、【さいたま博覧会】は1988年開催の地方博なのに、いまだに存命している点である。しかも、ただ生きているだけというのならもしかしたら同じように地方博の生き残りはいるかもしれないが(「コスモ星丸」とか)、このさいたーマンは現役で絶賛活動中であるという点がポイントが高い。
具体的には、現在もTwitterで精力的に活動中である。
そして肝心の2つ目のポイントなのだが、このさいたーマン、ものすごく毒を吐くのである。その顔はここにゆるキャラの原点が存在するのだと言わんばかりのゆるき表情であるにも関わらず、放たれるつぶやきの数々は、中の人のことをちょっと心配してしまうほど毒に満ちたものである。
例えば——
こじらせている
なかなかの内容である。これを普通の人が本人の顔写真をアイコンにしてツイートしていたら別に何も感じるものはないだろうが(SNS界隈によくいるタイプ)、88年に誕生したゆるキャラが未だに精力的に活動していて、しかもその内容が上記のようなツイートなので、インパクトの掛け算によりビッグインパクトになっている。
いや、もちろんもしかしたら述べていることは正しいのかもしれないが。問題はそこではないというか。はい。
ということで、フォローはしていないが、さいたーマンのツイートは時折見にいってしまう私がいる。できることならば、このままずっと、ゆるキャラ界の最古参として、変わらず毒のあるツイートを投下し続けて欲しい。さいたーマンが言うから、その内容に価値が生まれる(かもしれない)。
記念メダルについて
非常にシンプルなデザインであるものの、ゆるキャラ大集合の図はやはり圧巻である。
僭越ながら図柄を解説すると、まず下段の一番左から
「2014年グランプリ ぐんまちゃん(群馬)」
「2012年グランプリ バリィさん(愛媛)」
「2011年グランプリ くまモン(熊本)」
「2013年グランプリ さのまる(栃木)」
「2015年グランプリ(省略)」
上段に移り一番左から
「2018年グランプリ カパル(埼玉)」
「2016年グランプリ しんじょう君(高知)」
「2017年グランプリ うなりくん(千葉)」
「2019年グランプリ アルクマ(長野)」
となっている。余談だが、ファイナルを飾る2020年グランプリは「たかたのゆめちゃん(岩手県 陸前高田市)」となった。岩手県開催で岩手のキャラクターがチャンピオンというのは、いつもならひねくれ者日本代表の私としては言いたいことが山ほど出てくるところであるが、今回に限っては特に何も言うことはない。むしろ「ファイナルに相応わしい選出である」と納得している。というか、ファイナルの地に岩手県を選んだこと自体が、実行委員会の強い想いを感じる。
ゆるキャラブームの締め括りとして、とても良い幕引きであるといえる。
で、メダルに描かれたメンツをみると、全然知らない方々ばかりであるのが、ゆるキャラブームの終焉を物語っているかのようである。ぶっちゃけ、割と知られているメンツを前列に、全然メジャーじゃない奴らを後列に追いやった感をそこはかとなく感じる(カパルはギリ知っていたが)。まあ「くまモン」がセンターなのは誰もが認めるところであろう。しかし真に「ゆるキャラ」という枠組みのみで選抜メンバーを考えるのなら、センターくまモンは異論はないかも知れないが、他のメンバーは「ひこにゃん(ひこねのよいにゃんこはもちろん落選)」「ふなっしー」「おかざえもん」「ねばーる君」あたりが後列の方々の地位を退けてしまうのは論を待たない。というか、ひこにゃんこそが最強にして至高の存在である。彼の存在無くして、ゆるキャラグランプリなるイベント自体、存在し得なかったと言っても過言ではない。
ちなみに、記念メダル界にもついにゆるキャラが降臨した。
↓記念メダラーはみんなもう購入済みだよね⁉︎ゆるキャラグランプリの終焉とともに販売機ちゃん(仮名)が誕生したのは、どことなく運命じみたものを感じる。そう——
これからのゆるキャラ界は、記念メダルが引っ張っていくぞ
と言わんばかりである(たぶん言ってない)。
ちなみに、当ブログ「記念メダル図鑑」にも一応ゆるキャラ設定の存在がおります。
最近、実は各施設の「販売場所」を掲載するように密かにブログを改変したのだが、販売機周辺の写真を撮っていなかった施設では、上記の彼女の画像を代わりに掲載している。ということは、私がきちんと販売場所の写真を撮ってくる度に彼女の存在は駆逐されていくことになるのだが……
そんなわけで一時空前のブームと化した「ゆるキャラ」たちは、もしかしたら今後は記念メダルの中でその存在価値を刻むことになるのかもしれないという話でした〜。もちろん書いている本人も「そんなわけねーだろ」と思いながらテキトーに書いております。
門真市イメージキャラクター「元祖招き猫 ガラスケ」記念メダルを個人作成したので、ランキングに入れて欲しいです。
コメントありがとうございます^ ^
どのようなメダルか大変興味あります。
ランキングは超テキトーに作ったもので全然大したものではないので、何の名誉もありませんが全然入れますよ(笑)