【’88さいたま博覧会】は、1988年に埼玉県熊谷市で開催された地方博である。観客動員は目標の200万人を大きく超えた250万人を達成し、成功した地方博の一つだといえる。ネット上にも資料がふんだんに残っていることから考えても、大規模地方博であったことがわかる。博覧会自体まったく行ったことがない門外漢が書く記事としては非常に助かることである。
YouTubeにも当時の様子を収めた動画がいくつかアップされていたので、その中でも個人的に一番伝わるものがあったものを紹介↓
この動画を観るとまず思うのが、大規模博覧会にはとりあえずリニアモーターカーが展示されがちだということである。やはりリニア(HSST)は70年代から80年代にかけて(あるいは90年代も)、未来を象徴する物であったのだろう。そして博覧会は、いつだって未来の形を提示する場所だったのである(一部地方博を除く)。
他には3Dシアターなどがあったようで、動画の字幕に「24年前にすでにハイビジョン3D映像が公開されていた」という一文が付けられている。『アバター』から端を発した3D映画ブームが起こった時にまず思ったのは、「ディズニーランドで昔から3D映画やってたじゃん」ということである。それだけでなく、ファミコンでも87年発売の『とびだせ大作戦』というゲームで、すでに3Dメガネをかけてタイトル通り飛び出した映像でゲームをしていたので、3D映画ブームになったとき「何をいまさら」という感覚があった。そして何より、「別に進化していない。というか、昔の方が飛び出してたんじゃね?」とすら思ったほどである(細かい技術などはわからないけどね〜)。
3Dもリニアも、現代においてもいまだ引きずっている「未来」だということになる。現代でもしこのような大規模博覧会が開かれたなら、「その先」の未来の形を展示するものとなるのだろうか。
また、この博覧会に合わせてC58型蒸気機関車が牽引する特別列車「パレオエクスプレス」なるものが運行を開始し、なんと現在も継続運行されているらしい。おそらく鉄道マニア達の間では大井川鐵道と同じく現役SLが走る路線として有名なのであろうが、鉄道に全く興味がない私は「大井川鐵道以外にもあったんか!? そりゃ大井川鐵道もリアルトーマスを走らせるとかして差別化を図るわけだ!」とちょっと現実的なことを思った。SLって今でも意外と走ってるものなのね。ただ、現役で走らせることを維持する各企業の努力には感謝しなければいけないね!
↓牽引する客車が現代のものなのがミスマッチで○。
そして、この博覧会最大の目玉は、記念メダルにも描かれているマスコットキャラの「さいたーマン」である。マスコット? いや、ゆるキャラだ! 30年間生きぬいて、「マスコット→ゆるキャラ」と昇格し、いまなお活動を続けているという超希少キャラである。私が知る限り、博覧会公式マスコットが閉幕後も生き抜いて長年(地味ながらも)活動し続けているのは、【愛知万博】の「モリゾー&キッコロ」と、【大阪万博】の「太陽の塔」だけである。そういう意味で素晴らしい存在であるといえる。しかも、「さいたーマン」に関しては埼玉県がもはや著作権にはノータッチとなっているらしく、そのあたりは「モリゾー&キッコロ」と違い、自力で生きぬいているともいえるサバイバルな奴なのである。
以下、公式(埼玉県的には非公式)サイト↓。
公式サイトを見ると、「消えかけていた」とか「彼女が五人いる」とかなかなかめんどくさい臭いがプンプンする感じでどこか闇を感じずにはいられない。そして極め付けは公式ツイッターの方で、最近のつぶやきを読み進めていくと、厨二病というか、人生に疲れた社畜のような嘆きが数多く、病んでる感がハンパない。なんか組織ではばにされるようなことでもあったの? という感じのツイートが多数存在し、キャラクターがするツイートとは思えないくらいの生々しさがある。「最期」という言葉をわざわざ使って自殺をほのめかしながら、それでいてカラ元気に振る舞うツイートが年末にされているあたり、その闇は深そうである。ちょっと付き合うのがめんどくさそうなキャラである。
しかしながら、30年間生きながられた希少なキャラクターなので、今後もぜひがんばっていただきたいーーそんな気持ちを込めて、この記念メダルの紹介とする。
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