邪道【パシフィックフローラ2004 浜名湖花博’04】 記念メダル

パシフィックフローラ2004 浜名湖花博’04 記念メダル のたね
パシフィックフローラ2004 浜名湖花博’04
パシフィックフローラ2004 浜名湖花博’04

花は咲き誇り、一つの恋が散る

  【浜名湖花博】は、2004年に静岡県浜松市で開催されたいわゆる「花博」である。日本で開催された国際花博は90年の【花の万博】と2000年の【淡路花博】、そしてこの【浜名湖花博】のみである(ただし「国際博覧会」扱いなのは【花の万博】のみ)。

 【浜名湖花博】のCMとキャッチフレーズはよく覚えている。当時大学生だった私、そして当時記念メダルなんかには一切興味がなかった私は、しょっちゅう流れるCMを目にしながら「こんなイベント、誰が行くねん」と鼻で笑っていた。花を鼻で笑っていたのである。

 そしたら、当時付き合っていた彼女が行った。行って帰ってきたら、フラれた。二人の間に咲き誇っていた愛という名の花は無残なまでに散った。

 そんなわけで、私自身は行ってもいないのに、非常に思い出深いイベントであった。涙の味がしょっぱいのだと、久しぶりに思い出させてくれたイベントなのである。私の未来に花は咲かなかった(さっきからうまいことを言っているつもりでいる)。

↓そのCM

 跡地は現在では「浜名湖ガーデンパーク」として再整備されている。季節ごとの色とりどりの花に現在でも彩られているらしい。無料なこともあり、浜松市のおすすめスポットとしてよく挙げられる。

 ただ残念ながら、私は花には全く興味がない。花が好きな女性は好きだが、花は好きではない。花のような女性は好きだが、花には全く好きではない。花を見て無邪気に喜ぶそんなあなたが好きなのであって、花が好きなわけではない。だから私は、この場所に自分の意思で訪れることは恐らくないであろう。花が好きなあなたが好きで、そんなあなたが行きたいというのなら、私は喜んでこの場所を訪れるかもしれないが。

 もしくは、記念メダルが発売されるか、である。

 つまり、図式としては、

 「花が好きなあなたが好き」=「記念メダル」

 ということになる。これを「記念メダルへの愛が深い」と取るか、「人への愛の深さがその程度のものなの?」と取るかは解釈が分かれるところである。しかしきっと、全国の記念メダラーの方なら、この図式の本質を理解していただけるものと信じている。わかるよね!? ねっ!? ねっ!?(迷惑な同意呼びかけ)

 ちなみに、花には全く興味はないが、多肉植物はなぜか異様に好きである。もちろん、多肉植物が好きだった人が好きだった――ということが影響している単純明快な話である。乙女か、私は。

我が家の多肉ちゃん。1年以上買ったままのめっちゃちっさい鉢に押し込められたままであったが、最近100均で購入してきた土とポットにお引越し。4回くらいしか水をあげたことがなかったのにすくすく立派に育ち、小さい鉢だとコテッと倒れてしまうようになったためである。

 さて、記念メダルそのものに関しては、なかなか凝ったデザインだな~と思ったら、販売元が「オークコーポレーション」であった。【スカイツリー】や【東京タワー】で記念メダルを販売している会社である(ちなみに茶平工業がHPの「販売場所リスト」に販売場所を載せない会社であることでも有名)。茶平工業の専務をして「オークのメダルはデザインが秀逸」と言わしめるほどのデザイン性に富んだメダルは、自社の専門デザイナーがデザインを手掛けているそうで、その辺の動物園がなんとなく製作した記念メダルとは一線を画す凝ったデザインである。【スカイツリー】や【東京タワー】の周年メダル等新発売のメダルは、そのどれもが他を圧倒するデザインであるといえる。

 で。

 最近、茶平工業HPの掲示板で【本栖湖 富士芝桜まつり】に関する投稿で「茶平さんも宣伝してくれれば良いのに」というものがあった。これに関する回答を、投稿者の方はきっとこのブログなど見ていないだろうと思いつつ、備忘録的な意味合いも込めて私がさせていただくことにする。

 結論からいえば、茶平工業にメダル販売に関する宣伝を請うのは、実は「求める先が間違っている」ということになる。ただ、実際茶平工業はHP内では実際に販売場所に関する情報を期間限定イベント等も含めて公開しているため、茶平工業にもっと情報発信をしてほしいと思ってしまうのも無理からぬことであるといえる。

 この問題は、「商品の流通」という観点で考えると、全容が見えてくる。

 多少の語弊があるかもしれないが、記念メダルの販売・流通は、書籍の販売・流通にたとえると分かりやす。

 本の販売・流通を「出版社」「印刷会社」「本屋」とざっくり分けるとする。まず「出版社」が本の内容を企画して仕上げ、それを「印刷会社」に依頼して本として仕上げてもらい、仕上がった書籍は「本屋」に納品されて販売されることになる。

 では、本屋に置いてあるその本は一体だれが宣伝するのか――メディアや広告等を使って大々的に宣伝するとしたら、それは「出版社」の仕事であろう。また、「本屋」でも、最近では「書店員のおススメの一冊」みたいな感じでその本に関して独自の宣伝を展開し、本の売り上げに貢献していることも多い。だが、この「宣伝」という行為に、「印刷会社」が絡むことはまずない、ということを頭に置いておいて。

 記念メダルの販売・流通を、書籍の場合に当てはめて考えると、「出版社」=「代理店(オークコーポレーションとか)」、「販売場所」=「本屋」、そして「印刷会社」=「茶平工業」という図式が成り立つ。代理店が記念メダルのデザインをして(デザイナーは出版社でいえば作家等に相当する)、茶平工業にメダルの製造を発注する。印刷会社が出版社に指示された通りに印刷・製本するのと同じように、茶平工業は代理店からの依頼通りに記念メダルを製造する。製本された書籍が本屋に納入されるように、製造された記念メダルはイベント会場等の記念メダル販売場所に納入される、というわけである。つまり、茶平工業は基本的には代理店から言われた通りに記念メダルを製造するだけであり、製造した記念メダルを代理店に納入したら、それで製造した枚数分だけの利益が確定する。

 早い話が、製造して代理店に納入した記念メダルがその後各販売場所で売れようが売れまいが、茶平工業の利益には直接的には関係ないのである。これは印刷会社が自社で印刷した本が本屋で売れようが売れまいが関係ないのと同じである。わかりやすい例では、自主制作の同人誌がコミケで売れようが売れまいが印刷会社にはどうでもよいのと同じである。だからこそ、私のようにオリジナルの記念メダル(同人誌にあたる)を製作してほしいという依頼にも、きちんと決められた料金を支払いさえすれば、快く応じていただけるのである。

  つまり、記念メダルが販売されていることを宣伝するなら、上記の本の流通・販売と同じように考えれば、本来は「代理店(出版社」か「販売場所(本屋)」がすることなのである(実際オークコーポレーションは自社HPで自分のところが製作した記念メダルの宣伝をしている)。印刷会社は印刷した本の宣伝などしないのである。

  ただ、先に述べたように、茶平工業はHP内で「印刷会社が印刷した本の宣伝をしている」状態となっている。それは純粋に善意から、平たく言えば自社の利益には全く関係ないことをしているといえる(細かくいえば利益に繋がるのかもしれないが。メダルに人気が出れば再発注が増えるとか、そういうデカい規模の話で。でも印刷会社は増刷を狙って自分のところで印刷した本を宣伝したりはしないじゃん?)。

 だからみなさん、「更新が遅い!」とか「掲載されていないところが多い!」とか「販売場所リストに載っているのに、販売終了していた!」とかいったあまり文句を言わないであげてほしいと思うのである。掲載されている情報に振り回された場合等はその怒りはもっともだとも言えるのだが、何度も言うように、茶平工業はやらなくても良いことをやって文句を言われているのである。じゃあやらなければいいじゃんと言われればその通りで、本当に、別にやらなくても良いのである(少なくても自社の利益には関係ないという意味で)。

 【本栖湖 富士芝桜まつり】で具体的にいえば、このイベントに関する記念メダルの宣伝を望むならば、「代理店(東海メモリー?)」か「販売場所(まつりの実行委員会? 運営会社?)」に求めるべきであるといえる。

 もちろん、たとえそうしたところが宣伝してくれたとしても、かなりの情報収集上級者でなければ、その存在を知ることは難しい。私もこのようなブログを偉そうに書いているものの、新発売や未発見の記念メダル情報はほとんど知らない。ツイッターとインスタグラムはやっていないので、おのずとそれらに上げられる情報にも疎い。

 だから、製造会社である茶平工業がもっともっと情報を開示してくれたら、という想いは100%理解できる。しかし一方で、「製造会社でしかない」というしがらみが、情報開示を不可能にする事情もよくわかるのである。極端な例では、記念メダルのデザインの著作権はメダルをデザインした代理店にあって、茶平工業にはないわけである。アニメ関連メダルの権利問題もまた然り。印刷会社に、自分の会社で印刷した本がどこそこの本屋では売り切れになったなんて情報が入ってこないのもまた道理なのである。

 記念メダルについてきた台紙の裏面に書かれた「オークコーポレーション」の文字を目にしたとき、こんなことを思ったよ、という話でした~

 




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