邪道【特別展 毒】 記念メダル

言いたいことも言えないこんな世の中じゃ

ポイズン

 【特別展 毒】は2022年11月1日(火)~2023年2月19日(日)の期間に、上野の我らが【国立科学博物館】の特別展として開催されたイベントである。が、私はこれには行っていない

 私が訪れたのは、2024年7月13日(土)〜9月23日(月)の期間に開催された「名古屋展」の方である。こちらの最大の問題は記念メダルが販売されていないことであろう。ちなみに「福岡展」も開催されるのだが、たぶん販売されないだろう。この「カハク特別展の巡回先ではメダルが販売されない」というパターンはたまにあって、直近では【化石ハンター展】がそれに該当する。

 記念メダラーにとって「記念メダルが販売されない」という事象はイコール”用無し”なのだが、私は裏ルートからメダルを入手した。そして入手したメダルをブログに掲載せねばならないという純度100%の義務感から足を運んだ。嫌なら行かなきゃいいじゃんという正当なツッコミはもっともなものであるが、そこは理屈じゃないのである。義務だとしても、人から課されたものではなく自分で課したものであるならそれは楽しい。

 ということで、到着だ!

このロゴはとてもカッコいい

 会場の【名古屋市科学館】は、休日はいつ足を運んでも大盛況で、着いた途端めんどくさくなる。これがカハクなら言葉にならない謎の納得があって(そんなには)苦ではないのだが、【名古屋市科学館】だと「名古屋市科学館なのに苦労するのヤだなぁ」と思ってしまうのだから、人間とはかくもわがままな生き物である。しかもこの地に記念メダルはもうない

 しかし来たからには行かねばならぬので、いやいや行くのみである(超迷惑な客)。チケットを購入するにもめまいがするような行列が形成されていたので、WEBチケットをその場で購入した。カハクの「常設展チケット販売&入り口」と「特別展チケット販売&入り口」をまったく別に分けているシステムは、実は非常によく考えられたシステムなのかもしれないと思うなどした。

 入場すると、さっそく巨大なヘビとキラービーにお出迎えされた。

どっちも出会ったら絶望的なまでに嫌なお二人。

 「水も摂り過ぎれば毒だよね〜」「空気も毒だよね〜」とよく聞くトリビアから、「なぜ毒を体内に宿していても死なないのか」の科学的な説明まで、大変勉強になる話が書かれた解説パネルがズラッと並んでいた。私の経験上、この解説パネルの最初の1枚から丁寧に読み込んでいくと、大体3分の1くらいで力尽きること請け合いである。これには二つの理由があって、一つはどれくらいの枚数の解説パネルが展示されているかという”規模の見通し”がもてないため、力の配分を誤るからである。もう一つは単純に最初の方が人が多いからである。特別展に通い尽くしている歴戦の記念メダラーたちは、最初は諦めて後の方をじっくり見るという高等技術を身に付けているものである。まあカハク開催の人気特別展だと、最初だろうが後半だろうが人、人、人、で満足に見るなんて土台無理な話なのだが。

会場は毒々しくおどろおどろしい演出が施されていてとても良い感じだった

 展示内容に関して、結論としては私としてはそこまで楽しくなかったというのが正直なところである。しかしこのことは事前に察知できていて、2015年くらいに名古屋PARCOで開催された「毒展」(今回の特別展とはまったくの別物)に足を運んだ際にも「あれ? 私、意外と『毒』に興味ないかも……」と己を知った経験があったことに由来する。”毒”って一見すると激アツそうなテーマであるのに、並べて見てみても意外と面白くないなっていうのが当時の私の感想であった。

 しかし今の私にとって、ハマらない特別展の方が逆に都合が良い。いまいちハマらなかったことを良いことに、サラッと見学して、サラッと写真を撮って、そしてサラッと退場した。これくらいの温度感がちょうど良い。何事もサラッとした感じで関わった方が心地よい、だって趣味だもの(byスマロー)

これくらいわかりやすく毒々しいお方であると、わざわざ関わりに行ったりしないのでお互いにとっての幸せである。
死んだ魚の目をしたおっさん
カモノハシのツメには実は毒があるということは、高校生のときに英語の教科書に書いてあったことで知りました。
夜間に砂浜で歩いていると赤エイの死骸を踏んで尻尾の毒針が刺さって激痛に苛まれるという事故があるので、湘南の夜の海でイチャつこうとしているカップルは要注意やで‼︎
アカエイに関する注意喚起に富んだ動画
なんかキノコってその姿形に異様な魅力を感じるよねって私だけ?
己に無い立派さをもっているからか?(まさかの下ネタ)
なぜ食用とされることがあるのか?

 サラッと見て、ブログのネタになるような写真が撮れるだけで良いやと思うと、とても気楽に展示を楽しめた。これが料金分の元を取ろうと考える呪縛にかかると、途端にいたる所で足止めを喰らうし、ブログのボリュームも際限なく膨らんでいき辛くなる(そしてボリュームたっぷりになったからといって読まれるわけではない)。

 人生が楽しめなくなる”毒”は、いつだって自分の内なる心の中に潜んでいるのである。

草間彌生

似ている、似ていない問題

これは似ているのか?

 昔懇意にしていた非常に聡明な女性が、自分が「有名人の◯◯に似ていると言われたことがある」というエピソードを紹介するときは、枕詞として「残念な」を付けるようにしている、ということを言っていて「聡明だ∑(゚Д゚)」と思ったことがある。例えば私は、まったくジャニーズファンではない女性から「嵐の二宮和也にちょっと似てるね」と言われたことがあるのだが、このエピソードをジャニーズファンの女性に安易に語りでもしたら逆鱗に触れることになるので、飲み会等で「似てると言われたことあるエピソード」という人生において最も無駄な時間を過ごさざるを得なくなったときに披露するコンテンツとしては「二宮和也をすごく残念にした感じだと言われたことがあります」と答えるようにしていた。そうすると大体「あ〜……まぁ……」という非常に歯切れの悪い反応でその場が収束される。

これは激似である。むしろ見分けなどつかない。

 要するに全然似てないわけだが、一方で、興味がない人からは大体同じように見えるという現象は確かにあるのかもしれないとも思う。私にも二宮和也にも興味がない女性から見れば、髪型と背格好と腹の出っ張り具合と年齢層が大体同じの両者は、大体同じように見えるのかもしれない。

 それがつまり”記念メダル”という存在であり、楕円型のメダリーフを「これ、集めてるでしょ?」とお土産としてもらったときに、人間の視覚情報というのは実にいい加減なものであると痛感させられるわけである。

 人間の視覚情報がいい加減ならば、それよりも脳が小さい生物群であれば言わずもがな、なのかもしれない。

かなり微妙なラインの似てる度。私と二宮和也くらい(ジャニヲタに殺されそうな一文)

 毒を持つ生物に姿形を似せて身を守る進化を遂げた生物たちには、なぜ「我が身にも毒を宿す方向性にしなかったのか?」という進化という現象の中での”こじらせ”を感じる。どんな世界にも「お前、その努力をどうしてもっと別な方向に向けなかったんだ?」と思ってしまう存在というのはいるものである。

 ブログ界隈の私はまさにそれにあたるといえる。

 記念メダル界隈という非常に狭い世界ではそれなりに認知があるブログとなっているかもしれないが、アフィリエイター含めたブログ界隈という衰退期を迎えている世界においても「このアクセス数でこれだけの年数、よく続けているなぁ」というのが当ブログの正直なレベル感である。

 ニッチな世界をテーマとしたブログだけに爆発的なPV増は見込めず、正直WEB上に現在も更新を続けている競合他社は他にないので(そのうち出てくるかもしれないが)、内容が面白かろうがつまらなかろうが”販売場所一覧”さえ記しておけば一定数のアクセスは確保できると同時に、そのアクセス数は頭打ちなところがある。

 広がりようがないこの世界観を更新し続ける努力——この努力を他のところに向ければ、また違った成果が生まれる可能性は正直高い。一番わかりやすいのは資格試験の勉強で、ブログ更新に費やす時間と労力をそのまま学習に向けていれば取得していた難関資格の数は今の倍くらいはあるかもしれない。

 しかしそれでも基本的にはブログが好きだから更新を続けているわけなのだが、「『マツコの知らない世界』に出演する」という大義名分を失った今、その存在意義は大きく揺らいでいる。

 さてどうしたものかね〜などということを、有毒フグにすっかり姿形を似せる進化の道を選んだ無毒なハギの姿を見て「そんなことよりも『自分の中に毒を持て』」とぼんやりと考えたのだった。

強いていえば「オークコーポレーションのメダルデザイナーの方に会ってみたい」というのが現在の儚い希望といったところ

記念メダルについて

いつもメダル販売機が設置される場所にはとってもオシャレな図録が
許されるなら、このブログもいつかこんな感じの装丁で本物の図鑑として出版したいものであるなぁ

 最初に述べた通り、私が足を運んだ「名古屋展」では記念メダルの販売は行われなかった。たぶん福岡展でも販売されないと思うが、名古屋だけ異様に嫌われていて福岡ではあっさり販売される可能性もなきにしもあらずなので、勝手な思い込みで勝手な判断をされぬよう気をつけよ。

 メダルのデザインは文句なしに最高ランク”SS”クラスであろう。

 オークコーポレーションのメダルデザイナーの実力が恐ろしいまでに発揮されたコスト度外視の最高なデザインであるといえる。

金型+プリントの組み合わせデザインを極めていると言えるのは現状オークだけだと断言できる。
恐ろしいのは、オークのメダルデザイナーは最初からこのクオリティだったことである。

 裏面もまた素敵、かつ、特殊型である。私は特殊裏面が大好きなのでテンションうはうはだ!(何ソレ?)

このロゴを敢えて円で囲わなかったところが非凡といえよう

 めちゃくちゃ良いデザイン、かつ、名古屋展でも大盛況な客入りだったことを考えれば、販売すれば普通にバカ売れしたんじゃないかな? と人様の機会損失を憂いてしまう次第である。もったいないね!

 しかしまあ、その辺にはきっと大人の事情があるんだろうなぁと推測する。

 個人的にはベニテングダケの巨大ぬいぐるみを販売するよりは利益を生み出せたのではないかと確信しているだけに、残念でならない。

なんとなくオークの他のキノコメダルと並べて
絶対これより売れたと思うのだ
博物館の裏向かいにある隠れ家的喫茶店でおいしいランチを食べたという私のための記録。
ちなみに勉強も1時間くらいさせてもらったぜ。




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