【販売場所】
@入場後すぐ右手側にある休憩スペース(2020年4月現在)
備考:キーホルダー一体型メダルがかつては販売機隣のタバコ自販機で、現在は売店で販売されていた(が、もうないかも)。
「本物」にこだわり続ける公共施設
石川県は能登半島の付け根あたりに位置する羽咋市は、「UFOの町」であるらしい。風土記にUFO的なものが現れた記述があるのがその所以であり、そのためかUFO目撃情報も多数存在する。らしい。
私は「宇宙人は存在するが、地球には来ていない」と考えている。なぜなら、地球に来たならば侵略するはずであることは、コロンブスがアメリカ大陸を発見してインディアンを虐殺→アメリカ大陸を侵略した歴史から証明されているからである。ただ、もしも宇宙人が侵略戦争を仕掛けてきたら、かつては数多の国々に分かれていた日本が黒船の来航をきっかけとして明治維新を成し遂げ、国として一つとなり西欧列強に対抗したのと同じように、世界が「地球」という枠組みで一つになれるチャンスかもしれない。このことは別に冗談で言っているのではない。例えば、明治維新がなる前は、この日本には自分のことを「日本人」と呼ぶ者はなく、「土佐人」「三河人」「薩摩人」「長州人」etc……とそれぞれが所属した「国」を基にしたアイデンティティだったのである。それがアメリカからの侵略の憂き目に遭い、皮肉なことに「日本」という国が一つとなり、そのとき初めて「日本人」というものが生まれたのである。この辺のことは司馬遼太郎著『竜馬がゆく』に詳しい。
だから、この世界から人種というものをなくして「地球人」として一つになるには、他の星から侵略戦争を仕掛けられるしかないのである。『インデペンデンス・デイ』である。
さて、ここ【コスモアイル羽咋】は、「本物」というものにこだわった施設である。B級感がものすごく滲み出ていたが、めちゃくちゃ楽しかった。
ここの「本物」へのこだわりは並大抵ではなく、本物の宇宙服、本物の宇宙食といったちょっとした小物レベルではなく、本物の宇宙船(帰還用カプセルや月面着陸船)や本物の月面探査車も展示されている。マジでこんな辺鄙なところにあるには惜しいくらいの充実した施設なのである(超失礼)。
極めつけは、この「本物」へのこだわり・追及の最高到達点ともいえる展示品がミュージアムの最終局面に待ち構えている。それは「宇宙人解剖映像をテレビで再現VTRにした際、その時に使用した宇宙人の人形の本物」という、それは本物と呼ぶべきものなのか? という無粋なツッコミなどとてもできない最高の一品である。これを「本物!」という触れ込みで展示する姿勢に、並々ならぬ意欲を感じずにはいられない。実に素晴らしい。こだわりとはこのようなことをいうのである。
そんなわけで、私はこの施設はそこら辺にある科学館なんかより200倍くらいおすすめである。ぜひ宇宙船ものの映画を一本鑑賞したあとに訪れていただきたい。『アポロ13』なんてベストである。
ちなみにメダルに描かれている宇宙人は「サンダー君」といい、壊れた宇宙船の修理のためにここでバイトをしているらしい。
何かしらが「本物」の宇宙船たち
本物とは何か——
これは、考えだすと禅問答のように意外と深い問いかけである。本物を定義することによって、逆説的に条件に合致するもの以外は「偽物」というレッテルを貼られることになるからである。それはエゴではないのか——
そんな悩みを一気に解決するのが、この【コスモアイル羽咋】である。「もっと柔軟に本物を考えようよ!」ととても気さくにサンダーくん(a.k.aアルバイト)が語りかけてくれる。最後の方には「本物とか偽物とか、しゃらくせぇっ!」という気持ちにさせてくれるここ【コスモアイル羽咋】の本物にこだわった展示群の中で、ここではとりわけ「本物」の宇宙船を見ていくことにする。
他にもあったかもしれないが、あればそれらは撮り忘れてしまった。しかし、それらもまた「本物」であることは揺るぎない事実であることだろう。羽咋市の手にかかればすべてが「本物」へと導かれる……
この施設の本物へのこだわりがわかっていただけたであろうか。
これほどまでの本物たちをたった400円で見ることができるのだから、私はすっかり羽咋市のファンである。もし宇宙人なるものが存在し、そしてそれが地球に飛来した際には、ぜひここ羽咋市に真っ先に訪れてあげてほしいものである。このブログをご覧になっている宇宙人の方がおりましたら、ぜひそのようにご連絡ください(いない)。
アメリカンなノリのよいところ
宇宙へ飛び立つミッションでは、毎回そのプロジェクトに関するポスターが制作される慣例があるらしい。で、このポスターたちがまたアメリカンなテイスト満載でとてもよく、解説付きでずらっと並べて展示してあった。日本人がやるとスベリそうなこの企画も、アメリカの土壌で行うとセンス抜群(に見えるよう)になるのだから、アメリカンマジックである。日本人ももっとアメリカンジョークで笑えるくらいにセンスを磨かなければならない(親父ギャグを冷笑されるようになってきた30半ばを過ぎたおっさんの戯言)。
いやー、日本でもこうしたパロディポスターが製作されると面白いんですがね〜。例えば「第○○次政権」の度に。階段のところであんな集合写真を撮るのではなく(無茶ぶり)。
または、Twitterを見ていると、こうしたパロディポスターを定期的に製作してアップする人とか人気が出そうな予感がある。記念メダルはいまいち伸びないよね〜という自虐(°▽°)
記念メダルについて
販売機は入館してすぐ横の休憩スペースのような場所に鎮座しており、入場料を払わなくても購入することができる。が、この施設は絶対に見学していってほしいわたくし激推しの施設である。入館料400円だし。
販売機にある4種類の他に、有名記念メダラーのkaraさんが隣に佇むタバコ用自販機の中に茶平工業製記念メダルがあるのを発見した。
この自販機、売られているのは主にピンバッジである。これがかなりの数にのぼる。が、どう見てもタバコ用自販機であるし、ディスプレイもタバコとそっくりなので、私の目にはまったく映らなかった。どれくらい映らなかったかというと、この情報を得てここに訪れ、真っ先にこの自販機を探したにも関わらず見つからなくて焦ったくらいである。販売機の隣にあったのに。
完全にタバコ過ぎて、タバコを吸わない人間にはまったく目に映らない仕様である↓。
で。
上の写真をよく見ていただければわかるのだが、なんとこの自販機に件のメダルはもうなかったのである。目的としたメダルが無かった——これを記念メダラー達の間では
絶望
と呼ぶ。この瞬間、メダルが無事購入できたときには決して考えない「ここまでの交通費」を考えがちとなる(記念メダラーあるある)。そして、その交通費があれば何が買えたか(あるいはできたか)に想像を巡らせ、絶望の二文字はより濃いものとなってゆく。
しかし私もいまでは10年以上のキャリアをもつ歴戦の記念メダラーの一人として日々金を散財する男である。記念メダルには「売れ残りは売店で販売する法則」なるものが暗黙のうちにあることを知っている。これはどの施設も決して示し合わせたことはないはずなのに、二割くらいの確率でそのような末路を辿るのである(当社比)。
で。
嬉しさより安堵感ね、これ
我々記念メダラーは、いつしか「メダルが主役で、観光がおまけ」となりがちである。そんな泥沼メダラーには記念メダルの有無が最も重要であり、記念メダルが無いことは掛け算の片方が0になるに等しいのである。私はこれを
記念メダルの不幸
と呼んでいる。だって、たかが記念メダルが無いだけで、観光が何も楽しめなくなるんだから……それを不幸と呼ばずに何と呼ぶのか。
一般の方にはない業を無駄に背負っている——それが記念メダラー。
そんなわけで、無事目的のメダルを購入でき、ようやく安心して見学ができた次第である。記念メダルが手に入るまではソワソワして見学どころではない——これも記念メダラーの悲しいSA・GA……
ちなみに、このキーホルダー一体型メダルに関しては、先日茶平工業を訪問した際に見せてもらった資料の中で、そのデザイン画を発見した。つまり、茶平工業製で間違いないということである。発見者のkaraさんご本人も茶平製かどうか一抹の不安を抱えていたというが、その気持ちわかるわ〜というのが茶平工業を訪問した際に過去メダルの資料を見せて欲しかった理由である。私のようなヤフオクやメルカリを利用する邪道メダラーは、日々そうした疑問と戦っているといっても過言ではない。
その確認ができてからというもの、寝ても覚めてもこのメダルのことを考えるようになってしまったのだから、これは私ですらもう病気だなと思う。いや、マジで。
悶々とした日々を過ごすよりも、これはいっそのこと手に入れて楽になってしまえと思い立ってやってきたのが2回目の訪問である。いや、だからこそ手に入れられなかったらそれは地獄の業火に焼かれるに等しいことなのであった。
よかった、本当によかった……( ;∀;)
コメントを残す