↓38ミリメダル(デカメダル)
↓競技種目シンボルマークセット(全て31ミリの通常サイズ)
幻の代表選手たち
【モスクワオリンピック】は、言わずと知れた、1980年代に開催された、かつ、日本がボイコットした夏季オリンピックである。スポーツの祭典に政治が絡んだ例としてよく挙げられる。最近では、平昌オリンピックにおける北朝鮮の参加がニュースになった際、大抵このときのことと比較された。多くの人間が、北朝鮮にオリンピックがいいように利用されているのが気に入らなかったのだろう。しかし、それをどうすることもできないのもまた一つの現実であることが突きつけられた形となった。
そもそも、国際大会において「スポーツの独立性」というものが果たして本当に存在するのかという話になる。「国」というものを背負ったとき、大会への参加はその競技者個人のものから、国の威信をかけたものへと劇的変貌を遂げる。国の威信を背負うかぎり、そこに政治が絡むのはある意味必然といえる。このことは、在りし日の宇宙開発競争と似ている。建前としては「人類の夢=宇宙」に向かって開発を進めていても、真のところでは国と国との、負けることの許されない戦いであった。
そのように考えると、「オリンピックの参加の可否」というのは外交カードの威力としては十分あることになる。「国として参加」して少なからぬ国家の予算で動くわけなのだから、その費用対効果として国が有用な外交カードとして使いたくなるのはある意味では道理であるといえる。競技者や各国のオリンピック委員会にとってはたまったものではないだろうが。
この【モスクワオリンピック】は、ボイコットが発表される直前までは、割と参加に楽観ムードであったらしい。そのためテレビでは協賛CMが流されたり、テーマソングが作られたり、数多くのグッズが製作されたらしい。この記念メダルも、いわゆるその先走って作られた物の一つだと思われる。
前の前の前の職場に、「幻のモスクワオリンピック代表だった陸上選手」という人がいた。しかも副社長であった。私はこの逸話を聞いたときに、「ボイコットしたのになぜ代表選手だったと言えるのか? 名乗ったもん勝ちじゃないのか?」と超胡散臭い目で見てしまった。しかもそれを自分で吹聴するところがいかにも怪しい。やたらと携帯電話の登録者を見せてきて、室伏広治の妹やら為末大やらが登録されていることを誇示するところも超怪しいなんて思っていた。飲み会の席で室伏広治の妹にいきなり電話して「お兄ちゃん、いくらで呼べる?」とプチ講演依頼をしてみせたりしていた(いくらだったかはわすれた。そして講演も別に開かれていない)。要するに私はあまりその人のことを信頼していなかったわけである。が、たださすがに室伏広治の妹に平気で電話を掛ける姿は只者じゃないとも思った。
で。
まず、「モスクワオリンピック代表」であるが、実はこれは正式に決定し、JOCが承認までしていたということを知るに至る。派遣しないと確定していても承認だけはされたことで、そのとき選ばれたメンバーは少なくても「オリンピック代表」という肩書きは手に入れることができたということになる。
で。
時代は発達し、インターネットの世界にはみなさんご存知「ウィキペディア」なるものが登場し、いろいろなことがお手軽に調べられるようになったわけである。そしてウィキペディアのなかには、、「1980年モスクワオリンピックの日本選手団」という項目が存在する。
で。
それを見て思うことというかハッキリすることというのがあるわけだが、それはまあ重要じゃないのかなぁとも思ったり思わなかったり。その人ももう故人だし。
モスクワオリンピックの記念メダルを見て、そんなことを思い出したある平日の夜のちょっとした時間。
記念メダルについて
ヤフオクやメルカリ等で割と頻繁に目にするメダル群なのだが、実はかなり多彩な展開がなされており、コンプリートは結構難しいと思われる。そもそも全容もいまいちはっきりしない。
シンボルマークのメダルセットは実は金色バージョンも存在することが判明している。また、38ミリバージョンのシンボルマークメダルが一枚ずつ個別にケース入りで出品されることもよく見かけるため、どれだけ出してんねんというくらい種類が多い。種類数だけでいえば【大阪万博】を上回ると思われる。当時のオリンピックへの期待の高さを表しているのかもしれない。
茶平工業製記念メダルとオリンピックの種目別シンボルマークって、かなり相性が良いと個人的には感じるので、【東京2020】でもそのうち発売されそうな予感。現在の種目数で製作したらとんでもない数になりそうだけど……
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