【販売場所】
@特設展出口のグッズ売り場
備考:バットマンのメダルは見本すら取り除かれゴッサムシティの闇へと散っていたのだった……
完全にマーヴェル派な私ですが
【DC展 スーパーヒーローの誕生】は、東京の六本木ヒルズ美術館から突如として始まった巡回展である。私が足を運んだのは名古屋市博物館にて2022年3月8日〜5月8日の期間で開催される名古屋展である。名古屋市博物館は、この施設自体では記念メダルの販売はないが、特別展において時折メダルの販売があるのでちょくちょく足を運ぶ。(【オルメカ展】とか【アンデス文明展】とか)。
私は過去に映画ブログを書いていたくらいかつては映画が好きだった(現在ではまったく観ませんが)。だからこの特別展は非常に楽しみにしていた。特に、毎日のように映画鑑賞を繰り返した結果「一周回って『アベンジャーズ』シリーズが一番面白い」というアメリカの映画産業にすっかり毒されてしまったハリウッド映画万歳人間となった身としては、その双璧を成す『DCユニバース』シリーズもそれなりに好きであった。まあ”それなり”なのだが( ・∇・)
また、好きな映画監督を聞かれればダークナイト3部作を製作した「クリストファー・ノーランだすぅぅぅぅっ!」と即答するほどに『インセプション』や『インターステラー』、さらに古い作品でいえばそれこそ『メメント』も劇場公開時に当時の彼女と観に行ってその帰りに初めて手を繋いだ……みたいな個人的にも思い出深い数々の想いが詰まっており、ノーラン作品には心底心酔しているのであった。
だからそんなノーラン監督が製作した『ダークナイト』3部作ももちろん最高だぜ! と思うところ……であるはずなのだが、なぜかバットマンの大活躍は「うん、まあ、それなりに好きかな……うん』くらいにしか好きではないので、映画とはかくも難しいものなのだなぁと感じる次第である。『バットマン ビギンズ』では渡辺謙が予想以上に一瞬で死んで呆気に取られたし、世界的に超絶賛されている『ダークナイト』は確かにジョーカーの怪演には「やべ〜♪(´ε` )」と胸躍ったものの結末にはなんだかガッカリしたし、『ダークナイトライジング』に至っては全然乗れないまま終わってしまった。もはや印象にも残っていないというか……
基本的に私は「アベンジャーズ>DCユニバース」なのである。ド派手に金と爆薬とCGを駆使したヒャッハーでアメリカンジョークが満載な映画が好きなのである。だからユーモアの方向性が微妙に異なるDCユニバースシリーズとはいまいち相性が悪いな〜と思いながら映画人生をまっとうした次第である。正直にいえば、『バットマンvsスーパーマン』とか途中で寝ること数回に渡ったため何回も見直したし……
と色々と勝手にぼやいているが、なんだかんだで楽しみに足を運んだのであった(説得力ゼロの文章)。
記念メダルの収集を始めて軽く10年以上。この「特別展」なるものの作法は心得ているつもりである。
すなわち——最初から本気出さない、である。
私の経験上、「みんな最初に本気を出し、後で息切れする」というのが鉄板である。そのため、最初の方の展示は混雑しており、先に進めば進むほどまばらになってゆくというのが毎回のパターンである。しかし展示する側にとってみれば、いきなりどかーんと目玉展示を見せるよりは、中間地点やや後半寄りあたりにチケットやパンフレットに掲載されている目玉展示を配置したくなる傾向があるようで、その辺の需要と供給はまったくマッチしていないといえる。今回の展示でいえば、『ダークナイト』シリーズでバットマンが乗り回したバイク「バットポット」の実物展示が目玉であり、とりあえず元気なうちにそれを撮影しようと心に決めていた。あれは見たい!
その後、ゆっくりと他の展示を見て回ろう、さらには朝一番で入場することによって極力他のお客さんが写り込まないようにしようという完璧な作戦のもと入場したのであった(うざい客)。さらには入口にて再入場できることを確認済みなのであった! これで会場全体の広さを把握してから改めて体力配分を考えながら見学ができるという一部の隙もない計画なのだ(さらにいえば、出口にあるグッズショップで記念メダルを購入してから心の底から安心してゆっくり見学できるのだ!)
元バイク乗りの私としては、これが見られただけで大満足でございました! ぜひこのバイクに乗ってウーバーイーツで配達をするようなマンガを誰かに描いていただきたいものである。
というわけで、メイン展示を見てメダルも確認して一息ついたところで、改めて最初からじっくりと展示を見て回ったのだった。思ったより小規模だったのでそれなりに時間を掛けられるな〜と思いつつ、小規模であることは果たして喜ばしいことなのか否かと思いつつ。
アメコミ文化と私
私は10代の頃、マンガ単行本を3000冊以上所有するいわゆるマンガマニアであった。マニアのマニアたる所以として、そのうち「周りの人が手を出していない領域」といったことに興味を持ち出すのが常であると思うのだが、私の場合それはアメコミであった。兄弟親戚がアメリカに行く機会が度々あったのでその度に購入してきてもらってなんとなく集めていたのだが、英語があまり読めないことを差し引いてもその当時思っていたことは、「日本のマンガは偉大だ!」ということである。
なんかまず、絵柄が好きになれないのよね、アメコミって。
私はマンガオタクであった当時から「異性は2次元よりも完全に3次元派」であったくらい生身の女性が大好きなのだが(言い方)、それでもやはり日本のマンガに出てくる女の子の方が100倍くらい受け入れられた。アメコミのタッチで描かれている女性は、なんか完全に「別の生き物」という印象を若い頃の私は抱いていたのだった。
昨今の社会情勢を鑑みると、ネット上で「女性の描き方」に関するこの辺のことに言及するのは非常に難しいのだが、しいていえば、アメリカ的な文化を色濃く受けた描かれ方なのかな〜と今では思う。文化というのも、特にジェンダー的な文化を。当然のことではあるが。
まあ要するにアメコミは私に合わなかったということが言いたいだけなのだが、しかしその後の『アベンジャーズ』シリーズをはじめとした映画界におけるマーヴェル作品はアメコミがなければ存在しなかったことを考えれば、大変偉大な存在であることは言うまでもない。マジ『アベンジャーズ』LOVEである。ごめんねジャスティスリーグ。
スーパーマンを文字ってウルトラマンって命名されたんか? と今さら気が付く
その他、実写映画関連の展示が充実しており、私としてはやはりそちらの方に心が躍った。
以下、つらつらと感想の垂れ流し。
そんなに大きな会場ではなかったが、ゆっくりじっくり回って2時間弱といったところ。そこまで映画に興味がなければ1時間くらいのあっさり目で十分楽しめると思われる。もちろん実際に映画を見て予習をしてから行く方が楽しめるのは言うまでもない。
こういう特別展は満足度の調整といったところが結構難しいと思うのだが、これは良かった!
元ネタを知らないと全然楽しめないと思うのでデートで行くかどうかは相手次第といったところで微妙ではあるが、ちょうど『バットマン』の新作映画が上映されている時期なので、その後に来るとちょうどよいものと思われる。
観てないけど。
おまけ
全然何も知らずに行ったら名古屋市博物館の入り口で名古屋グランパス関連の展示がなされていたのでついでに記録として撮影したおいた次第。
大学生の頃は【ナゴヤドーム】のみならず、実は瑞穂陸上競技場と豊田スタジアムでグランパス戦のアルバイトもしていたので、グランパスにもそれなりに思い入れがある。大学時代の友達のお姉さんが、家の近所のスーパー銭湯でバイトしてたらプライベートでやってきたグランパスの選手にナンパされてそのまま結婚したし。瑞穂でのグランパス戦のバイト帰りに塩釜口にあるラーメン屋に飯を食いに行ったらさっきまで同じ場所にいた楢崎と酒井にばったり会ったり(いや、相手はもちろん我々のことなんて知ったこっちゃなかったわけだが)。
記念メダルについて
名古屋展開催の初期の方に足を運んだのだが、バットマンメダルが影も形もなくなっていてびっくりした。名古屋に上陸した時からもうその姿は消えてしまっていたのか、私が知らないだけで名古屋でのバットマン人気というのは他の類を見ないくらいのもので猫も杓子もバットマンを追い求めて来た結果このようになったのかは知る由もないが、とにかく見本すら取り除かれている光景にはある種の衝撃を受けた。見本が取り除かれている光景というのは、私のような記念メダルに貪欲なコレクターが売り切れの際に最後の手段としてお店の人に頼み込んで見本を売ってもらう、というようなシチュエーションでしかお目にかかったことがなかったので、なかなかレアな状態である。完売の場合、多くの場合は該当メダルのボタンに「売り切れ」みたいな貼り紙をしてボタンを物理的に押せないようにするという措置が取られる。また実際にそのような措置も取られていた。
何はともあれ、バットマンは名古屋から姿を消した。
しかし私は当記事冒頭に掲載しているとおり、バットマンメダルを所有している。これは例によって「裏ルート」からのものによる。この辺はコレクター間でも賛否が分かれるところであるが、私としてはやはりメダルが我が手にあることは喜びである。
デザインとしては記念メダラーの間では不評なプリントタイプである。記念メダラー達のようにアルバムで保管するわけではなく実際にキーホルダー等で使用する一般人の方々にとっては、その耐久性が心配なところ。Twitterでたまにあがる一般の方々のメダル使用状況の写真を見ると、キーホルダーにカバンにつける等していると多くの場合がやはり剥げている。ドアラの半身が消滅していたりする。
この辺は正直かなり課題だと思うのだが、ただそれはコレクター目線の話であり、”使っていればメダルは傷む”というごく当たり前の話の一部でしかないと考えるならば、それほど大きな問題ではないのかもしれない。キーホルダーにして使用している私のメダルも、結局は使用感満載であるし。
そんなわけでプリントメダルの是々非々に関して私が言及するのはこれで最後にしたいと思う。昨今では「まずプリントメダル」という潮流が確実にあるので、それが時代の流れであると受け入れざるを得ない。多彩なデザインを可能にした新技術を歓迎しようではないか。そして何より重要な点は、”多彩なデザインが可能になることによって新たな購買層を獲得でき、様々な場所で記念メダルが発売されるようになった”という厳然たる事実である。記念メダルはもはや観光地だけのものではないのだ。現在の潮流では、もはやキャラクターイベントにおいてその本領を発揮しつつある。そしてそれを可能にしたのは、紛れもなくプリント技術なのである。
で。
もう一つの潮流——というか流行りとして、「キャラクターのみをトリミングして背景はメダル素地」というデザインが頻繁に行われるようになった。この【DC展】メダルにおいてもそれである。
このタイプのデザインでも意外と奥が深く、背景に使用するメダルの素地を「ツルツル」か「ザラザラ」かにする選択によってだいぶ印象が変わる。
感触的には、少なくても記念メダラーの間で好評なのはどちらかといえば「ザラザラ(梨地)」タイプじゃないかなーっといった感じである。梨地は記念メダルのアイデンティティ「刻印部」に使用されるものであるので、記念メダラーとしてはやはり思い入れが強い仕様なのではないかと予想する。「えっ? 梨地の方が単純にかっこいいじゃん!」と思ったそこのあなた! あなたはもう、記念メダル中毒に冒されているのです……
今回のメダルデザインは、単純なプリントメダルであるけれど、私としては結構好きである。たぶんキャラクターの描き込み具合が味濃いめカロリー高めな感じなので(何それ)、映えてるな〜( ´ ▽ ` ) という印象なのである。そう考えるとワンピースメダルとかドラゴンボールメダルとかのプリントメダルも(@【フジテレビ】)、もうちょっと構図とか切り抜くシーンとかキャラクターの表情とかに凝ったデザインにすれば、ちったぁはマシになるんじゃないかなぁと思ったりらじばんだり。
トリミングのプリントメダルの場合、色濃いデザインの方が恐らく映える確率が高いことが窺える。逆に梨地に場合は、ライトでポップなカラーの方が映えるかもしれない。オリジナル記念メダルSHOPさんでの注文もPNG形式の画像が切り抜かれた形で印刷されるようになれば、この辺のことが個人でも検証できるようになるな〜と思ったり思わなかったり。
今回のメダルは時代の趨勢を考えるきっかけとなった良いデザインのメダルでありました。劇画調と記念メダルの愛称は実は良いのかもしれない。
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