あなたと別れるために
先日、古参記念メダラーのgoo@chaheicollecterさんから驚きの報告があった。
まじか∑(゚Д゚)クワッ
と開眼した記念メダラーはきっと私だけではあるまい。
詳細は下記↓「過去記事」に譲るが、【関西4タワー】の金メダルはもう入手不可だと思われていた。現在では20タワースタンプラリーの「カンサイブロック制覇」でもらえる銀メダルのみが入手できる【関西4タワー】メダルであると思われていたのだが(後述)、まさかまさかの自体にあるプランが脳裏にむくりむくりと浮かび上がってきたのであった(思わせぶりな物言い)。
折しも私、クルマを乗り換えることになりまして。
オリジナル記念メダルの図柄のモデルにもした魂の愛車で、手間もお金も相当掛けて自分が隅から隅まで満足できる仕様に仕上げてきただけに、新車の契約をした今もってしても別れがたく(契約したの自分なのに)。その心持ちは、自分から別れを切り出しておいて一方的に泣き始め昔の楽しかった思い出を語り始める割には結論はまったく変わらないという女子(あるいは男子)の様相である。
そんな流れの中で、まるでこうすることが1000年前から決まっていたかの如く、自然とプランは決まった。『源氏物語』の中にこんな話なかったっけ? と思うくらい自然と(ない)。
ラストドライブは関西4タワー巡りにしよう
こうしてまたメダルに導かれて、私の旅が始まったのであった——(頑張って大袈裟に書いた冒頭文)
【関西4タワー】メダルの金と銀を両方手に入れる方法
さて、【関西4タワー】銀メダルの入手方法であるが、これは「全日本タワー協議会」が主催している20タワースタンプラリーに参加し、「カンサイブロック」として指定されている4タワー(【京都タワー】、【梅田スカイビル空中庭園展望台】、【通天閣】、【神戸ポートタワー】)を全て巡りスタンプを押して「カンサイブロック制覇」となると、どのタワーでも貰えることになっている(が、実は現在ではそうでもない。後述)。ただ、公式アナウンスでは銀メダルの配布とされていたので、過去に別の形で配布されていた金メダルはもう入手不可能だと思われていた。
しかし上記のとおり、gooさんの報告により4タワー巡りを【神戸ポートタワー】で終えれば鬼籍入りしたと思われていた金メダルを入手できることが明らかになった。ということは、単純に考えれば2周すれば両方手に入るということになる。
が。
そう——もちろん、本当に2回ずつ訪れる必要は実はない。
2冊持って回れば、2枚手に入るよね。
正確には、「2冊持って一周し、一箇所のみ2度訪れる」という手順で、金と銀の両方が効率的に手に入ることになる。
具体的には、私の場合、【京都タワー】→【空中庭園】→【通天閣】→【神戸ポートタワー】という順番で回って1冊目で金メダルを入手し、その後【空中庭園】に舞い戻って2冊目のスタンプ手帳を提出することによって銀メダルを入手した。こんなこっすいことをしたヤツは私だけだろう(2020.2.8現在)
これはもちろん、先駆者たちがあらゆる条件を発見してくれたからこそ為せることである。後から行く者は、その切り拓かれた道をただゆけばよいだけである。真の偉業はもちろん、道を切り拓いた先人の功績にある。他人の尻馬に便乗とはまさに私のためにある言葉である。
ちなみに。
「スタンプ帳を2冊持って回る」という手段には、もしかしたら否定的な見方があるかもしれない。私個人としては特に思うことはなく各人自由にしてもらえばよいと思うのだが、このような媒体で情報を発信させていただいている手前、二人で回りましたよ(一人一冊)ということをここに明記しておく次第である。いつにはなく私が被写体となっている写真があることがその証拠である。スタンプ帳2冊の問題もさることながら、愛車とのお別れ写真をどうしても撮って欲しくて友人を巻き込んだわけであるが、飲食含めもちろん費用はすべて私もちである。己の願望に他人を巻き込むのならば、それは避けては通れない道である。ちなみにその友人には私が以前ヤフオク!で買った方の【関西4タワー】メダルを差し上げた。特に欲しくなさそうだったけど。
何が言いたいかというと、この2枚のメダルにはとんでもなく莫大な金が掛かっているということである(下世話すぎる話)。
千年の古都を華麗に素通り【京都タワー】
最初に言い訳から書きますとね
(`・∀・´)
せっかくのオープンカーなので、最後にはオープンカーらしいことをしよう——オープンカーにしかできない写真を撮ろうと思いまして。
考え抜いた末にたどり着いたのがクルマに立ってタワーのポーズをするということでありました(30代半ばを過ぎたおっさんがたどり着いた結論)。
さて、4タワー巡りでネックとなるのが、駐車場である。【神戸ポートタワー】以外は基本的に駅前及び繁華街にあるので、駐車料金の上限がないor上限が高額となっている。まあそこは割り切ってスタンプ押したらさっさと帰ってくればよいのだが、タワーと一緒に愛車の写真を撮りたい(しかもよい角度で)という話も付いてくるのが今回の旅なので、むしろどこに停めるかが9割なのである。
で。
【京都タワー】の難しかった点は、周りに高層ビルだらけというところである。逆に言えば、
あんた低いんじゃ( ゚д゚)
ということである。タワーから見て京都駅の裏側に停めると厳しかったですな。
ということで、タワー側でどこかよい場所はないかな〜とさまよった結果がこの1枚である。これも、周囲が建物に取り囲まれているという時間貸し駐車場にありがちな場所だと当然壁しか写らないもんで、タワーに近づきすぎると(=駅に近づきすぎると)だめ、しかし時間貸し駐車場なのでなるべく近い方が時間も掛からず費用も抑えられるというジレンマとの戦いであった。15分300円とか、タワー入場料なんてどうでも良くなってくるくらいの駐車料金ですからな……
4タワー巡りで最初に訪問した場所なので、ここでスタンプラリー帳を購入した。購入には展望フロアまで行く必要がある。ただ、この件の担当は13階のチケットもぎりのお姉さんだということで帰り際に気になっていたことをいろいろと質問させていただいたのだが、その中でびっくらこいた(古い)のが
【京都タワー】には関西4タワーメダルはもうない
ということである(大事なことなので大きくしておきました)。実は二度訪れる場所は、帰りの道程的に【京都タワー】にしようと考えていたため、計画の変更を余儀なくされた。たまたま最初に訪れた場所だったのでダメージが低くて済んだのだが、記念メダラーに限らずスタンプラリーをしている人でここをカンサイブロック最後の場所とした人にとっては、怒りで頭が吹っ飛ぶんじゃないかと思うのだが、どうなんでしょう(そういえば代わりに何がもらえるのか訊くの忘れた。もらえるかどうかを含めて)。
その他、訊いたこととしては、
・最後のスタンプ押印場所でなくても、条件を満たしたスタンプ帳を持っていけばどこでも記念品はもらえる(つまり、二度有料エリアに行く必要はなく、わざと1冊押さないでおく——みたいなことをする必要はない)。
・記念品のメダルは金色だったような……もうないけど。てへぺろ。(たぶん銀だと思うのだけども)
・他の施設にまだメダルがあるかどうかはここではわからない。
まさかもうメダルが尽きてしまった施設があるとは思っていなかったので、俄然不安になってきた——そんな気持ちを抱えたまま、次の目的地へ急ぐのであった。駐車料金が高くなるから。
綺麗な施設には綺麗な受付のお姉さんが多い説
お次は大阪の梅田にある【空中庭園】である。実は【空中庭園】のみ施設内に自前の地下駐車場を完備しているのだが、そんなところに停めたら当然撮影できないので、またもや周囲をウロウロすることとなる。
で。
【空中庭園】撮影の超難問ポイントは、正確にはタワーではないので横から見ると台無しとなる点である。あのトランスフォーマーの足みたいな形を最大限に生かすには、どうしたって正面(あるいは裏面。どっちか裏かわからないけど)からの撮影をする必要があった。横から撮ったらただのビルなのである。
しかし立ちはだかった三宝電機。
いやー、もうちょっと探せばもう少しマシな駐車場があったかもしれませんがね……
周囲の道路は結構ナビゲーションが難しくて、ちょっと間違える長い橋を渡ることになり(というか渡った)、力付きて三宝電機様のお膝元となりましたとさ。もしかしたら反対側にベストポイントがあったかもしれないが、それは永遠に謎のままなのであった。なぜなら、次来るときは【空中庭園】の地下駐車場に停めるからである。
スタンプは上記写真のレセプションで「あの〜スタンプ〜」とお姉さんの美人さに気後れしながらいうと笑顔で取り出してもらえる。ちなみに空中庭園に入場する必要はない。このタワー(というかビル)は展望フロアまでは無料で来られて、ビルとビルを繋いでいる「空中庭園」に入場するのに料金が掛かるシステムなのである。ちなみに入場料は4タワーで最も高く、1500円もする。恐らく多くの記念メダラーたちがためらうことだろう。かくいう私も、まだ記念メダルが販売されていた頃に訪れたときは、迷うことなくメダルだけ買って引き返した。「もう大阪の街並みを見下ろせたし……いいよね?」とどこかの誰かに許しを乞いながら——
さて、ここでは真っ先に4タワー記念メダルの有無を確認したわけなのだが、あったよー(親が無事だったときくらいの安堵感)。
しかし、【空中庭園】を最終目的地にした場合、すでに通常の記念メダルの販売は終了しているため、刻印ができない。しかしそうなると残りは【通天閣】しかなく、後述するが「【通天閣】に二度行くのはない」と私は考えているため、刻印はすっぱりと諦めることにした。
あきんど魂はどこよりも高く、空を突き抜けて……
【通天閣】といえば「新世界」である。そして、「新世界」といえばソースの二度漬け禁止でおなじみの串カツである。このツアーでは、昼食は絶対に串カツ屋の名店「だるま」で摂ろうと決めていたのである。
お腹が満たされたところで【通天閣】だ! と思いきや、新世界のお膝元【天王寺動物園】で最近新メダルが発売されたということで、ついでに寄った(詳しくは【天王寺動物園】の項で)。
さて、そんなわけで【通天閣】である。
私は正直、【通天閣】が嫌いである。なぜなら、無駄に並ばされているという感覚が拭えないからである。詳しくは【通天閣】の項に譲るが、「はい! つう、てん、かくにんしまーす!」「きれいに撮れタワー!」のために渋滞が起き、その渋滞は地下の入り口にまで及んでいる。そしてその渋滞でお金を消費させようとする手段に見境がない。以下、あきんど魂溢れる通天閣の罠たちを列挙。
ちなみに「新世界」一帯の時間貸しパーキングは、土日祝には最大料金が撤廃されるという鬼仕様なので、駐車料金がえらいことになる。そのため、【通天閣】での「きれいに撮れタワー」が本当に許せなくなる。
数々の誘惑に負けじとじっと我慢した先に、ようやく展望フロアへ登れるエレベーターがある。もちろん私はここに至るまでに1円たりとも消費していない根っからのけちんぼであることよ。
中の様子についてはこれまた【通天閣】の項に譲るが、もちろん他のタワーでは考えられないくらいあきんど魂あふれる活気に満ち溢れている。タワーの従業員がオール男性だったという点も、他のタワーとは目指している方向性が違うところを如実に表していると思われる。男とか女とかは置いておいて、とにかく私の肌に合わない空間であったという一言に尽きる。展望フロアを降りた先にあるお菓子をテーマにしたエリアは楽しかったけどね!
最も際立つ存在感をもちながら、最もアンニュイな空気感をもつ塔の内部:働いたら負けなのか
【神戸ポートタワー】は、個人的には4タワーの中で一番好きな形をしたタワーである。が、訪れてみると最も商売気のない施設でもある。外観の個性に相反して、一歩建物内に入ると時代を感じさせるさびれ具合である。いまどき市民プールでも内壁もっと綺麗だよという年季の入った雰囲気が訪れた者をノスタルジーに誘うのである。
さて、ここでめでたく(1冊目の)ゴールとなるわけだが、登頂前のチケット売り場で申し出るとスタンプを出してもらえるシステムとなっている。いかにも長く働いていそうな物静かな雰囲気のおじさんがスタンプ台とスタンプをセットで出してくれると同時に、入場料を間髪入れず請求してくるので何から処理したらよいかわからなくなった、お互いに。しかも私の場合「あの〜、これでカンサイブロックが制覇なんです〜」とか言い出すもんだからおじさんは金メダルも取りに行くわ「カンサイブロック制覇認定証」も用意しなきゃならんわでてんやわんやとなり、結局気がついたら金メダルを手にしていた。私ちゃんとお金払ったよね。。。?
こうして無事【関西4タワー】を巡り終わったわけだが、もちろん旅はこれで終幕ではなく。お洒落スポット「メリケンパーク」に一歩も足を踏み入れることもないままに、いそいそと次の目的地【空中庭園】に再び向かったのであった。
夜のあなたは美しく、妖艶で……
ということで再び【空中庭園】にたどり着いたときには、辺りはすっかり暗くなってカップルタイムになっていた。これから【空中庭園】に足を踏み入れようなど自虐もいいところである。行くけど。
レセプションに行くと相変わらず美人なお姉さんが出迎えてくれて、「カンサイブロック制覇を達成してるんですけど〜」と鼻の下を伸ばしながら告げると、すぐにメダルと認定証の準備に取りかかってくれた。ちなみに【神戸ポートタワー】では認定証に日付しか書いてくれず「あとは自分で書いておいてください」と渡されたのでそんなもんかと思っていたのだが、ここ【空中庭園】ではわざわざテプラを持ってきてくれて日付と名前を印刷してくれた。
↓こういうやつね
前述のように実は「空中庭園」自体には入場したことがなかったので、これを機に入場してみることにした。正直入る前から夜の梅田スカイビルは雰囲気が一変されていることを感じていたので、上階からはリア中の匂いがプンプン漂ってきていた次第である。
そんなわけで、長かった関西4タワー巡りが無事終わった。もちろんクタクタである。が、かつてないほどの充実感が大阪梅田の夜景と共に私を包み込む——
記念メダラーたちの記念メダルの集め方は人それぞれで良いと私は考えていて、実際私はメルカリやヤフオク!といういわば「邪道」な手段を用いて記念メダルを購入することも多い。人から譲ってもらうことも多いし、私が行けない場所に行く人を見つけると代理購入を頼むこともままある。しかしそうした行為を「許せない!」と思う人は多いと思われ、実際私はその許せない気持ちも理解できたりする。
自分の力で手に入れたメダルは、やはり嬉しいものだからである。たぶん誰だってそうなんじゃないかなと思う。
ただ、住んでいる場所や、正味な話をすればその人の経済状況によっても「できることには限界がある」わけで。それでもメダルが欲しいと思う人がいて、そうした手段でなら手に入れられるなら手に入れたいと思う人がいて。
この関西4タワー企画はその辺のことを改めて考えさせられるものであった。
はっきりいえば、日帰りかつクルマでどうにか巡れる場所に住んでいる私でも、莫大な費用が掛かった(途中で串カツを堪能したりしたせいもあるけど)。日帰りで済んだからこそ費用が抑えられたともいえる。これを北海道在住の方がやろうとしたらなかなかの覚悟が必要だろう。私ならそれよりも大阪の記念メダルスポットをもっと効率的に回りたいと思うことだろう(まあ4タワー中3箇所が記念メダルスポットなので、どれも未入手の場合は迷わずやるかもしれないが)。ちなみにスタンプ帳の有効期限は1年間だけなので、遠方の人が「ちょっとずつ回ってそのうち達成しよ〜」ではちょっと厳しいものがある。
そういった事情を鑑みれば、正攻法では出会えないメダルというものがどうしても存在するわけで。
それを「出会えないならそれも仕方ない。思い出が詰まっていないメダルに価値はない」と考えるのも然りであるし、「本来なら出会えないメダルにどうしても出会いたい」という想いもまた茶平工業製記念メダルを愛するがために湧き出る想いであろう。私は、その両者は共存できると思うんですがね。野原ひろしがいうとおり「正義の反対は悪なんかじゃない。また別の正義なんだ!」となるにはあまりにも寂しい(ちなみにこの名言は実際には野原ひろしは言っていないという捏造疑惑がある。という余談すぎる解説)。茶平メダルが好き! で一件落着とならないもんですかね〜。
極論をいえば、「記念メダルなんて集めてどうするの?」と訊いてくる人が世の中の大半なわけで。少数派の人たちが少数派の人たちといがみ合ってもしょうがないんじゃないか〜なんてことをいうのは、こういう媒体を運営しているといろいろな意見を耳にするんですよ〜という与太話でした。ちゃんちゃん。
愛しい者との別れ——別れるときになって想像以上のその存在の大きさに気づく
帰りの道中はもう何回死線を彷徨ったかわからないくらいの疲労で、もちろんSA・PAで仮眠もした。そして「こんなとき車でゆっくり寝られたらな〜」と思って購入したのが、新しいクルマだったりする。そう、ニューカーは車中泊仕様車なのであった。
このクルマの前は軽キャンピングカーに乗っていて、どこに行くにもフラッと思い立ったらすぐに出発できた。実際金曜日の仕事終わりに唐突に「富山に行こう」と思い立って訪れたのが【クロスランドタワー】であった。今の時代、ご飯を食べるところも風呂もどこにでもあり、着替えは何なら1日くらい無くたって良かった。
そんな活動の幅が最大限に広がっていた末に次にやってきたのが、人が乗らない、荷物載らない、寝られないという真逆のようなクルマで、スタイリングはかっこいいものの運転しているときは肝心のその姿が見られないYO! というジレンマを抱える一台であった。
5年くらい乗ったのだが、常にあったのは「窮屈感」であった。このクルマで記念メダル巡りをしているときにいつも感じたのが「車中泊ができたら、もっと楽だったのに」「もっと遠くに行けたのに」という想いであった。
だからこそ乗り換えを決意した。人生は有限であるので、サンクコストに囚われて最善の判断ができなくなるのはよくないという思いで行動に移した。かつての自由を取り戻すのだ! という強い決意であった。
でも。
関西4タワーを巡る旅を終えて、家に帰ってきて真っ先に感じたのは、大きな喪失感であった。「これで終わりなんだ」とぼーっとベッドの上で思った。
もうよい大人なのでこんなことで泣くことはないが、良いクルマだったなと素直に思った。外装を自分の好みに仕上げて、走りも足回りから吸気、排気、果てはビッグスロットルを付けてコンピュータの書き換えまで行った。気持ちの良いサウンドで突き抜けるような加速ができるようになり、信じられないくらい気持ちよく曲がり、クルマから降りてもその佇まいを眺めるだけで満足だった。
君は、私のためだけに存在するクルマだった。
さようなら。
(過去記事)
【関西4タワー】記念メダルは、コンビニ等で「関西4タワー共通展望券」を購入し、その券で【神戸ポートタワー】【京都タワー】【通天閣】【空中庭園展望台】の4つを巡ってチェックを受けると、最後にチェックを受けたタワーでもらえた物である。すべてのタワーで記念メダルが販売されている(いた)ため、関西地区が未開の地であった記念メダラーにとっては絶好の機会に、全てのタワーに登ったことがある記念メダラーにとっては絶望の機会となった企画である。もっとも、【京都タワー】と【通天閣】は頻繁に新しいメダルが発売される場所なので、すべてがまったくの無駄足となることも少なかったかもしれない。共通券の販売は2010年10月~2012年9月までの間に3回に渡って一定期間で実施されたため、入手難易度がそこそこ高い割にはわりと出回っている印象である。ちなみに「銀メダルバージョン」も存在し、こちらは「20タワーズスタンプラリー」という企画で「カンサイブロック」を制覇するともらえた(要するにやることは全く同じであった。未入手)。
私はこの企画が行われた当時、現在ほど記念メダル熱が高くなく、割と行くチャンスはあったものの「全部もう行ったからな~」という思いで、重い腰が「重いで~」と全然上がらなかった(唐突な不要なダジャレ)。尻は軽い最低野郎なのに腰は動かざること山のごとしであった。尻が軽くて腰が重いというのは想像すると不思議な状態である。尻が腰の重みで潰れるね。
しかし今にして思えば、共通券販売期間中になんだかんだで【空中庭園展望台】以外の3つタのワーは結局行く機会があり、メダルも金(共通券は安かった)も損をしたという、ほんと仕事のできない男の貧乏性ぶりが発揮された。変にケチって結果すごく損をするという、あれね(どれだ?)。
行くのを渋った理由としては、「タワーはつまらん」という私の個人的な想いがあるのも大きい。古くからあるタワーに関しては、私が記念メダルの収集を始めた当初と現在とではかなり様相が変わってきていて、その最も大きな変化の一つに「やたらと記念写真を撮りたがる」というのがある。「そんなことどこでもやってるじゃないか」というくらい第2級のテーマパークあるあるで、入り口でカメラマンが待機していてとりあえず写真を撮り「購入するかは自由ですよ~」と言いながら現像までされている写真を見せつけ断ることに不必要なほどの罪悪感を背負わせて入り口を通過させるという、あれである。
あれが、最近の関西のタワーではかなりえげつない。
特に【通天閣】はかなり苦手である。収集を始めた当初はなんならて展望台まで登らなくてもだれでも入れる無料エリアにも記念メダルの販売機があったのに、現在では「入場するにも長蛇の列。その列の正体は強制イベント『記念写真撮影』の順番を待つ列」というシステムに変わり、「きれいに撮れタワ~」という関西ノリのお姉さんたちの声が少しずつ近づいてくる(というか自分たちが近づいていく)のを延々延々延々延々延々延々と待ち続けた先に、展望室へのエレベーターがあるのである。
しかし、別に待つのが嫌なわけではない。一人で行きづらい(なんなら生きづらい)のが嫌なのである。
行列を待つ人たちの中で圧倒的に多いのは、当然カップルである。次いで家族連れ、その次は恐らく女子グループである。そんな人たちが文字通りひしめく中、ミニチュアサイズのタワーの前に立たされてハイテンションで写真を撮られるなどというのは、まな板の上の鯉を死なないように生きたまま少しずつ薄く捌いていって少しずつ内臓が見えてくる様子をぴちぴちしたまま大衆に晒すようなものである。
ひそひそひそひそひそくすくすくすくすくす――
いっそ殺してくれ!
幻聴だよ、なんて言うのは簡単である。ただ絶対に「あの人、一人だね」くらいは言っているはずである。だって私なら言うもん。隣に人がいればだけど。。。
「はい、つう、てん、かくにんしま~す」「きれいに撮れタワー」を一人で受け止める猛者は、恐らくクリスチャーノ・ロナウドの無回転シュートもガッチリ止められるかもしれない。
【京都タワー】などは、そうして有無を言わさず撮られた記念写真を購入しなくても、サンプルとして小さいカードにして一枚もらえるのである。一人で行けば一人しか写ってないからどっちがもらうかモメなくていいね!
そしてこの4タワー、致し方ないのだけれども、古いだけあってどれも致命的なまでに低いのである。展望室から見える高層ビルよりも低い。仕方ないけれども【あべのハルカス】よりも圧倒的に低い。【通天閣】から【あべのハルカス】までは歩いて行ける距離なのだが、【あべのハルカス】から見た【通天閣】は変な形をしたボールペンである(HITACHIの販促品)。【京都タワー】など、なんなら「目の前の京都駅ビルの方が高いんじゃない?」と思わせるほどの控え目ぶりである。存在感はすごいけどね~(ビル群の中で異質なので)。
これが「4水族館」などであれば個人的にはもう少し意欲的になれたと思うのだが(ただ【海遊館】は大が付くほどキライ)、「タワーかぁ……登っても10分くらいで降りるな×4」という思いからついに腰が上がらなかった。まあだからこそ、やろうと思えば1日で4タワー巡るのは余裕でできたと思うのだが。
ここまでいろいろグチグチと書いてしまったが、この記念メダルそのもののデザインは、実はかなり好きなデザインである。やはり4タワーのコラボ感が満載な、シンプルだけど贅沢な一枚であると思う。普通に入手していたら、恐らくこのメダルを手にして見たときにかなりの達成感を味わえたことだろう。そしてそれこそが、本来茶平工業製記念メダルがもつ最大の魅力なのである。
だから私の入手方法は邪道な行為であり、忌むべきものなのである。それでももはや、引き下がるわけにはいかない。もはや背を向けることが許されないほどの大量の記念メダルが、私の逃げ道をずっしりと埋めつくしているのである。
だから私は、前に進み続けるしかないのである。たとえそれが、記念メダラーとしては「邪道」と呼ばれる道であったとしても……
あっ、これ↑、YouTubeでよく見る【削除覚悟!】と書くことで逆に削除されないように予防線を張るセコい行為と同じやつね!
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