【販売場所】
@3階エントランスショップ(※施設入り口自体がいきなり3階)
備考:2022年1月まで、各キャラクターの誕生月にバースデー企画として吊り下げ式でバースデーメダルが販売されていた。コンプした記念メダラーは神の領域に踏み入れている。
東京の魔境
【サンリオピューロランド】は、対おっさん結界魔法が厳重に張り巡らされた神聖なる聖域(サンクチュアリ)である。おっさんは”穢れし存在”として、結界の中に足を踏み入れようとしたならば、たちまちその身、その心が聖なる炎によって焼き尽くされ消し炭となることだろう。聖域に足を踏み入れる危険たるや、高校生が年齢を誤魔化してTSUTAYAののれんの向こう側に行く時の比ではない。のれんの向こう側は、一歩足を踏み入れる勇気さえあれば、その先で待っているのは同じ試練を乗り越えた仲間たちである。しかしながらここ【サンリオピューロランド】は、踏み入れた先こそが試練の連続なのである。ぬいぐるみを持ったおっさん——しかもサンリオキャラクターではない——がキモいポーズでパシャパシャと写真を撮る姿は、差し詰め犯罪者と何ら変わるものではないだろう。
しかしながら——そこにちいさなメダルがあるならば、記念メダラーたるもの、いずくんぞ進まざるや。
かつて”記念メダル界の魔王城”と呼ばれた【リカちゃんキャッスル】に比べれば、実はまだ突入しやすいのかもしれない。少なくても「人形で何する気⁉︎」と言わんばかりの目で見られる可能性は低い(甚だしき被害妄想)。
この”サンリオ感”は、実は最寄駅である「多摩センター駅」に降り立った瞬間から早くも始まる。そう、電車からこの駅に一人で降り立つだけで私のようなおっさんは犯罪者予備軍に仲間入りだ!
写真ではお伝えしきれないくらい、駅からしてもうサンリオワールドが展開されていた。その規模の度合いはぜひ実際に降り立ってみて体感していただきたい。この駅に私が一人で立ってたら「何しに来たの?」感がハンパない。脛に傷持つ人間は勝手に挙動不審になること請け合いである。
多摩センター駅から【サンリオピューロランド】へはゴールデンロードといわんばかりの大きな道が繋がっているので迷うことはないだろう。その道中には様々な商業施設が立ち並んでおり、なんか東京ってのはどこに行っても発展してるな〜と来る度にいちいち思ってしまう私は根っからの田舎者也。
ちなみにこの日は記録的な猛暑日で、駅から【サンリオピューロランド】に至るわずかな距離を歩いただけで滝のような汗が流れ出ていた。こんな汗だくなおっさんがこんなメルヘンなお城にに入城することが可能なのか? と心配になったのだが、全然大丈夫だった。荷物検査のお兄さんも、明らかにサンリオキャラクターではないパンダのぬいぐるみが鞄に入っているのを見て思わず「おっ?」と声に出してしまっていたが、優しい笑顔(世の中では苦笑という)で私のことを通してくれた。サンリオ市民は皆、おじさんにも優しかった。
そんなわけで、無事にサンリオの聖地へと足を踏み入れることができたのだった。入城に腰が引けてる記念メダラー(のおじさん限定)諸君、胸を張って堂々と入場しよう!
めくるめくサンリオキャラクターたち
私のようなアラフォーおっさんにとって、サンリオキャラクターといえば「たー坊」とか「ハンギョドン」とか「キキララ」とか「タキシードサム」とかである。100歩譲って「けろけろけろっぴ」だ。異論は認めない(異論噴出)。
それこそ私が幼少期の頃は、サンリオキャラクター達が現在よりもよほどブイブイ言わせていた。えんぴつといえば何らかのサンリオキャラクターが必ずそこに印刷されていたし、寝具でもスタンドライトでも学習机でも下敷きでもノートでも、何もかもがサンリオで溢れかえっていた(我が家の話)。何を隠そう、私も「たー坊」の財布を非常に大切に使っていて、小学校低学年の時にサンリオショップ(昔はそういう店があった)で買ってもらったものを、なんと高校入学直前まで使っていた(高校生になると財布を学校に持って行ってよくなるので、周囲から何かツッコまれそうなのでさすがにやめた)。
つまり、ある一定の年齢層の日本在住の日本人は、大なり小なりサンリオキャラと関わらざるをえない人生だったということである。また、どの年代であっても、キティちゃんを一度も見たことがない日本人はさすがに皆無だろう。
世の中はディズニーにばかり視線がいきがちだが、実はサンリオ勢力は巨大である。何ならミッキーの最大のライバルはキティちゃんなのかもしれない。
ちなみにキティちゃんはあの有名な『笑っていいとも』に出演したこともある大物であり、日本という地においては、あるいはミッキーをも超え得る存在なのかもしれない。私はこの回の放送をリアルタイムで視聴したのだが、タモさんがマジで扱いに困っていたので、働くって大変なことなんだなといつの日にか社会人となる自分の将来に絶望したことをよく覚えている。
そんな最強キティちゃん軍団は、キティちゃんだけでなく、各キャラクターの個性ももちろん強い。それぞれに熱心なファンがついていることは周知のところであろう。【サンリオピューロランド】では毎月各キャラクターのバースデーイベントが催され、熱心なファンがお祝いをするために足を運び、誕生日を記念するイベントや特製グッズ等に課金するという文化がある。やっていることはキャバクラやホストクラブのバースデーイベントとほぼ一緒なのだが、そこにいるのが生身の人間か架空のキャラクターかで受ける印象の健全さがまったく異なるのだから、人間とはかくも不思議なものである。しかも言葉の印象だけで語るなら「実在する人間」と「架空のキャラクター」とでどちらに投資すべきかを問えば自ずと前者が優勢となるはずであろうに、「キャバ嬢」か「サンリオキャラ」かと実体を変えぬまま投資先の呼び名を変えるだけでその印象が逆転するのだから、物は言いようとはまさにこのことである(たぶん違う)。
ちなみに、私が一番好きなキャラクターは「ポムポムプリン」である。受験生時代、予備校の隣にあったゲーセンでぬいぐるみを取りまくった思い出あり(予備校の隣にゲーセンがあるのってマジで教育に悪いよね!)
ちなみに、かつてご縁があった女性は「マイメロディ」が好きであった。そんなものだから、私の視線は自然とマイメロディにも吸い寄せられていく。そこには抗うことのできない力学が働いている。
男というのは、過去に出会った女性の成分で形作られているのである。
ちなみに、せっかく来たので、恥を忍んで「マイメロード・ドライブ」なるものに乗車した。金にモノを言わせて(500円の優先チケットを自販機で購入したら110分待ちの行列を回避して待ち時間5分で乗れた)。
マジでハッピーな気持ち( ´ ▽ ` )
単に自動で動くカートに乗って人形や絵を見せられているだけなのに、自然と幸せな気持ちに誘われるのは、ディズニーランドのアトラクションを体験したときの気持ちとまさに同じである。
いるだけで楽しい——この魔力を備えるテーマパークは実は数少ない。そしてその選ばれしテーマパークだけが醸し出す魔力がここにはある。そう思った次第である。
やはり魅力あるキャラクターの存在は非常に重要で、それなくして、国を代表するテーマパークにはなり得ないのではないか、という話が次に続きまする。
第3のテーマパーク
日本国内の2大テーマパークといえば、誰もが【東京ディズニーランド】【ユニバーサルスタジオジャパン】の二つを挙げることだろう。
それは恐らくテーマパーク事業者であっても同じことだと推測する。だから、事業者の誰もが、ハナからその2つに戦いを挑もうという気などない。狙うのは「第3のテーマパーク」というポジションである。ベスト3に入り込む——それが国内テーマパーク事業者の目標なのである。たぶん。きっと。
その「第3のテーマパーク」候補はいくつかあり、個人的超勝手な推測では【ハウステンボス】か「レゴランド・ジャパン」あたりがその筆頭だと広く認知されているのではないかと考えている。ご本人達がどのように自身を認識しているかはわからないが。
実はどちらも行ったことがあるのだが、まず「レゴランド」は、よく言われるように低年齢層向けであるので、事業規模とか売り上げとかで事実上のベスト3に入ることがあったとしても、「みんなが行きたいテーマパークベスト3」の3位になることは難しいのではないかと考えている。要するに、デートで行ってもあんまり楽しくないのである。「レゴランド」は、”家族連れが子供のために行く場所”という、実は遊園地の王道をゆくような施設であるといえる。
対して我らが記念メダルスポットである【ハウステンボス】は、幾度となく訪れた経営危機を乗り越えて、H.I.Sの手により不死鳥のように復活を遂げたレジェンドで、その歴史は相当長い。実は2回ほど行ったことがあるのだが、壮大な規模の敷地面積をかなり細部まで作り込んでいて、ディズニーやUSJに行くと感じる”世界観への没入”というのをかなり感じるところである。が——
その”世界観”というのが、ヨーロッパの街並みというところがなぁ……なのである。ディズニーやUSJは夢の国的な”非現実感”が、いるだけで最高のに楽しい! という心の高揚を生むのだが、ヨーロッパの街並みは「ヨーロッパ旅行すればいいじゃん」みたいな単純明快なツッコミが可能で、いまいち夢の国感を感じないというのが私の個人的な感想である。また、そこで働くスタッフの皆さんも、もちろん親切だけれど、ディズニーの「キャスト」みたいな”その世界の住人”的な演出はなく、いわば”親切な普通の人”なので、本来なら全然マイナスポイントではないはずなのに、世界観への没入という点ではなぜかマイナスに感じてしまうところがある。USJで『進撃の巨人』のイベントをしているときに、私が記念メダルの販売場所がわからず尋ねるために声を掛けたスタッフがずっと「心臓を捧げよ!」のポーズで立っていたことには感動すら覚えたものである。「君の力を調査兵団に貸してくれないかっ⁉︎」って超可愛い調査兵団のお姉さんに声を掛けられた時には、私のこと好きなんじゃないかと思いました(人の間違いはこうして生まれるという例)
この他にも、カリスマVtuber「周防サンゴ」が紹介し、その縁でコラボを実現したことによって突如として日の目を見ることになった我らが記念メダルスポット【志摩スペイン村】も一躍「第3位」のポジション獲りに名乗りを挙げたのかもしれない。ただやはり、個人的にはここも「スペイン」を題材にしていることが最終的には足を引っ張っている感がある。スタッフはまさかスペイン人になりきるわけにもいかず、「普通の親切な人」といったところに終着せざるを得ないところが、”夢の国”感を演出しきれない遠因となっているのではないかと考えている。あと、あくまで私が行ったときの話ではあるが、アトラクション担当のお兄さんがいまいち恥と外聞を捨てきれず、中途半端な演技で対応していたところに、ディズニーとの圧倒的な差を感じた。今は人気が出ただけに改善されたのかもしれないが。
長くなってしまったが、私がここで言いたいことは要するに「【サンリオピューロランド】こそ第3のテーマパークになり得るのではないか」ということである。もちろん現実的なことをいえば、「レゴランド」とほぼ同様の理由によりその道は結構厳しいと思われる。ただ、私が訪れてみて最も意外だったのは、お子様たちだけではなく、お姉さん方——つまり大人の女性グループやカップルも結構いたことである。そしてみんな何らかのキャラクターのカチューシャを頭につけていた。私もそれを頭に載せて歩けるような人生を歩みたかった(何、突然?)。
まず”夢の世界への没入感”という点では、これがなかなかある。マジである。そこは最も意外であり、【ハウステンボス】や【志摩スペイン村】ではあまり感じなかった重要な要素であるといえる。「レゴランド」に関しては、好きな人からしたら世界観の構築を実現していると言うのかもしれないが、私個人としては「レゴランド」に行くよりも『レゴ・ムービー』を観る方が世界観に没入できるな〜という感想なのであった。『レゴ・ムービー』の吹き替え版は私の大好きな映画の一つである。
「サンリオ」という文化には、そもそも長い歴史を築き上げてきたほどの確かな”世界観”が存在する。その世界観を体現しているのがここ【サンリオピューロランド】なのだ!
世界観もさることながら、演出手法やアトラクションのシステム等もひとことでいえば「小っちゃいディズニーランド」といったテイである。待ち時間とか(110分待ちとかザラ)、施設の混雑具合とか、お金払ってファストパス買えば通常列とは違う列に並べるとか。そして何よりも、スタッフの方々の「サンリオ世界のキャスト感」が私に”準ディズニー”を感じさせた。何があっても丁寧な対応をしてくださったことはもちろんのことながら(フードコートにいたスーツ来た責任者っぽいおじさんはイマイチだったけど)、入り口にいた荷物検査のお兄さんもショップで記念メダルの在庫確認をしてくれたお姉さんも”サンリオの世界を案内してくれる人”という、ただのスタッフにとどまらない笑顔と言葉遣いがあった。ディズニー風にいえば”ホスピタリティ”というやつである。
この”スタッフの完成度の高さ”が、「第3のテーマパーク」になり得るのに最も重要なポイントであると考えている。それをここ【サンリオピューロランド】から感じた次第である。
最大のネックは、規模の小ささであるといえよう。元々は子供向けに設計されたテーマパークであることから、本来のコンセプトからいえばこの小ささこそが適正サイズであるともいえる。が、かつて”女の子”だった人たちも大人になり、大人になってもまた足を運ぶ——恋人や、家族を連れて——そうした循環のある世界を考慮すると、すこしサイズ感が物足りない。
ただ、世界観への没入という観点では、そこに確かな存在感があったことを繰り返し述べておきたい。テーマパークとして名を成すには「世界観」と「強烈なキャラクター」の2つ要素が不可欠であるといえる。USJはいっときキャラクター面で苦労していたが、外部から個性強めのキャラクター達を取り入れ(マリオとかハリー・ポッターとか、エヴァとか進撃の巨人とか)、そしてそのキャラクター達の世界観を細部まで再現することによって経営的に復活した。【ハウステンボス】も【志摩スペイン村】もオリジナルキャラはいるがまったく人気がない。「レゴランド」はレゴの人形キャラクターは有名だが、有名であるが故に何をどう装飾しても「モブキャラの集まり」のような形となってしまうところがネックである。
一方で【サンリオピューロランド】は、ディズニーランドのように「強烈なキャラクターが先に存在し、そのキャラクターたちに会えるテーマパークを後から作った」という経緯がある。キャラクターとその世界観が先に世に浸透しているからこそ、誰が来てもある程度楽しめる施設となっているところに、ディズニーのような魅力を感じた次第である。
もうちょっと大規模な施設になれば、全然上位2つを食ってしまえるテーマパークとなるような気がするのだが。
その他 気になったモノ
記念メダルについて
この施設はかつて、毎月「キャラクターバースデー」という企画が実施されていて、その月にお誕生日をお迎えになるキャラクター様の記念メダルが販売されていた。メダル界屈指のハイテク技術を駆使して作成容易なプリントメダルが量産され、コレクターの間では「ツライ」「苦行」「信仰心が試されている」と言われていた。 記念メダラー達の間ではよく「スカイツリー無間地獄」という言葉が聞かれるのだが、新作発売頻度だけならば実はこちらの方がより地獄度が高かった。無垢な笑顔で笑いかけてくるサンリオのキャラクター達におじさん達が無限に搾取され続ける構図がここにはあったのだ。
が、2023年1月にバースデーメダル企画自体が終了した。
終了してみると、実に寂しいものだった。失ってみて初めて気が付く尊さ——本当は愛していたんだと、もう手に入らなくなってから気がつくものである。そう、いつだって……
人間はどうしていつだって手に入るときにはその大切さに気づくことができないのか。
それをつぶらな瞳で訴えていたのが、サンリオのキャラクターたちであったのだ。
しかしながら、たとえバースデイメダルが我々の前から姿を消したとしても、販売機の存在が我々のことを優しく包み込んでくれる。販売機&刻印機が、記念メダラーの到着をいまかいまかと待ち受けてくれているのだ。
エントランスショップのめっちゃ隅っこで。
以前の情報だと、ラインナップは同じであるものの、販売機が2台設置されていたはずなのだが。
私が訪れたときには、つぶらな瞳の「ハローキティ記念メダル」が一台鎮座するだけで、「マイメロディ記念メダル」と書かれた販売機の姿はなかった。まあラインナップが同じだったので誰が見ても無用の長物であったことは間違い無いのだが、無いとなるとこの目で見てみたかったとなるのが、いと難しき人の心情なるかな。
ここは記念メダル界の雄・「オーク・コーポレーション」監修施設であるだけに、販売機や刻印機のラッピングも高次元で凝っているので、マイメロちゃん販売機もぜひ記録に収めたかったね!
オーク製だけにデザインも非常に凝っていて、サンリオキャラクターたちの魅力をまったく殺していないところがさすがである。ドラゴンボールのメダルとかとは一線を画すよね! 私は金型マイメロメダルが一番好きかな〜
余談だがマイメロメダルといえば、超激レアのAUC版マイメロメダルというのが【ライブ・エンターテイメントEXPO】限定で配布されている。来年も開催&出展するなら、今度こそ行きたいものだ!
2024年6月18日に行きました。
スマローさんのブログを見てメロディちゃんのメダルが欲しくて関西から行ったのにすでに無くなっていて泣きそうになりました😢。仕方なくキティちゃんのメダルだけ買いました…(主人はメダラーなので全種類購入しました)。
遠征して目当てのメダルがなかった時は泣きたくなりますよね(/ _ ; )
たしかにメロディちゃんのメダル、かわいいです。
ちなみにメロディちゃんのメダルにはスーパーレアなメダルがありまして、こちらはまだ入手チャンスがあるかもです。
入手難易度が異次元に高いですが。
https://twitter.com/yokohama_cyahei/status/1674727286493581313