【販売場所①】
@エントランス入場後右手「スーベニアショップ アスタ ラ ビスタ」前
備考:周防サンゴのぬいぐるみ集団に見つめられるメダル販売機&刻印機。
【販売場所②】
@フィエスタ広場「ファンタシア」前
備考:記念メダラー層はエントランスにあるショップで購入する者がほとんどだと思うので、こちらで購入したことあるメダラー0人説。
Vtuberによって奇跡の繁栄を見せる三重県のスペイン
「並ばずに好きな時に好きなだけ乗れます!」というのが公式からの正式なキャッチフレーズであった【志摩スペイン村】。しかしその長い歴史を刻んだ自虐ネタも、2021年12月のとある日に突然終わりを告げる。
人気Vtuber・周防サンゴが、第50回雑談配信にて【志摩スペイン村】に行ったときの思い出を熱く語ったのだ。
【志摩スペイン村】も、突然降った湧いたこの千載一遇のチャンスに思いっきり乗っかった。乗っかりまくった。本気出してフットワーク軽く乗っかり尽くしている現在進行形である。スペイン村に入場(入村?)してエントランスから広場までは周防サンゴ尽くしである。
ここはやはり周防サンゴ記念メダルを発売すればバカ売れ間違いなし——と考えてしまうのが記念メダラーのSA・GAある。が、別に記念メダルでなくても売れるのでそれが記念メダルである必要がないというジレンマをも抱えてしまうのもまた記念メダルが背負う業の深さなのであった。
ただ記念メダラー視点でいえば、日付や刻印ができることは推し活をする方々には意外とマッチしたサービスであると思うし(推しの名前を刻印しているツイートとかよく見るし)、なにより販売グッズに記念メダルを加えるだけで何の労力も掛けずに入場者に記念メダル勢をプラスαできるというお得感満載の施策であることを訴えたい。
今は亡き【あわしまマリンパーク】のラブライブ!メダル達のように、発売すればとにかくキャラクターファン+おまけの記念メダラーを呼び込める施策であるので、【志摩スペイン村】に記念メダルを卸している販売代理店の方には猛プッシュしていただきたいところである(まあ周防サンゴのグッズ販売の会社と別だろうから、本当はグッズ制作会社にお願いすべきでしょうが。にじさんじにお願い?)。
廃村寸前の村が人口的には町になっていた⁉︎
そんなわけで現在の【志摩スペイン村】には休日に訪れれば結構たくさんの人がいる(平日はまだ寒村)。かつてのような何でもかんでもやり放題乗り放題の自由さはなくなったものの、不思議なもので、ある程度の賑わいがあった方がなんだか楽しいような気がしてくるから人間というのまことに不思議な生き物であることよ。
経営的に”成功”といえるまでに盛り返しているのかどうかはかなり微妙なところであると正直感じるのだが、昼時のレストランは席の確保が程々に難しい程度には混み合っていたし、待ち時間が発生しているアトラクションも多数あった。そのおかげか、私が前回訪れた時と比べて圧倒的な差を感じたのは、スタッフの方々のやるき&熱意である。前回は「客が来たから動かしますか〜( ´Д`)y━・~~」というアンニュイな空気を感じることが正直多々あったのだが、今回はみなさん活き活きと働いていらっしゃった。例えば「不思議の国のアリス」のアトラクションでは、最後にスタッフが一部参加する場面があるのだが、前回訪問時は超がつくほどの棒読みだったスタッフのセリフパートが、今回は照れがありながらもそれなりに熱を込めて読み上げたといったレベルになっていた。もちろん【USJ】のジョーズの船員には到底及ばないものの、頑張っている感があった。
やはり仕事には”やりがい”という目に見えない要素が相当重要であることがよくわかる体験であった。
立場を追われつつあるオリジナルキャラクター達
「Vtuberは人間なのかキャラクターなのか」という議論が薄らと湧き起こっているのは主に法律の世界でのことである。わかりやすいのが誹謗中傷で、Vtuberに対してネット上で悪質な書き込みがなされた場合、それが画面上に表示されるキャラクターに対してなのか、いわゆる”中の人”に対してなのかで、法的に対応できるかどうかが変わってくる。当然、キャラクターに対してであれば、倫理上の問題はさておいて法的に訴えることは格段に難しくなるし、逆に言えば誹謗中傷を受けた側はそれが”中の人”に対してのものであることを立証しなくてはいけない難しさがある。
などと語ってみたが今はそんなことを言いたいわけではなく。
ただ単に”スペイン村のキャラクター達、周防サンゴに立場奪われ気味じゃね?”ってことである。
そんなわけで、応援の意味も込めてうだつの上がらないオリキャラ達を見かける度に撮っていった次第。
どこにでもいるな、こいつら
(*´∇`*)ドンダケインネン
マジでそこら中にいて、”出し惜しみ”とか”希少性”とか、そういう概念は皆無であった。そう思うと、ディズニーランドって実はミッキー・ミニーを結構出し惜しみしてるなってことに気づく。もちろんシンボルマーク的なミッキーは隠れミッキー含めそこら中にいるが、肝心のご尊顔等は出し惜しみしている感がある——ということに改めて気が付くくらい、志摩スペイン村のキャラクター達はそこかしこの壁の中を走り回っていた。笑っちゃうくらいそこら中にいる。
私はそれもなんかB級感あっていいなと思ったのだが、B級感があることが果たして本当に良いことなのかどうかという難しい問題が人類には提示されているのであった。
スペインであることの是非
改めて訪れてみて最も感じた私の個人的な感想としては「別にスペインに興味がない」である。そしてそれは「スペインであることが足を引っ張ってね?」という点に繋がる。これは【ハウステンボス】でもまったく同じことを思ったのだが、ヨーロッパの街並みを忠実に再現していてもそれは現実世界なのである。「ディズニーランド」や【UFJ】の最大のウリは”非日常感”にあるわけで、それを”夢の国”と形容するのは人間の根底にあるファンタジー世界への憧れのあらわれだと思われる。その”非日常感”があるようでないのが、ここ【スペイン村】のあと一歩足りない点である。
例えば、その”非日常”を演出する最たるものが”パレード”である。そのパレードが、フラメンコを基調とした構成になっているので、そもそもスペインとかフラメンコとかに興味がないといまいち気持ちが盛り上がらないというのがある。あるいは周防サンゴの配信で述べられていた「五人構成の本場のフラメンコショーが500円で観られる! 値段のバグ!(ちなみに今までは二人構成で200円だった)」という点も、確かに人件費的に考えれば圧倒的に破格だし値段のバグだとそこは同意するのだが、私はフラメンコにもスペインにも興味がまったくないので別に500円払って観たいとは思わないのであった。もちろん一緒に行った人が「観たい」というのなら、その人の分の料金も払って鑑賞することはやぶさかではないが。
これは記念メダルに興味がない人が「今どき記念メダルが600円で売ってるなんてお得だよ! マクロスなんて900円もするのに⁉︎」と言ったところでメダルを買わないのと同じである。
ただこれがミッキー、ミニー、ドナルド、ダッフィー、シェリーメイの冒険活劇のショーが500円で観られるとなったら、基本的にディズニーキャラクターに興味がない私でも「せっかくだから……」と期待値が高くなってたぶん観るだろう。もちろん元々あるネームバリューの差があるのは当然のことではあるが、私が言いたいのは自分の中で予測がつくかつかないかみたいなところである。要するに、私は今までの人生でテレビ等でフラメンコの映像を見たことがありそれを面白いと思ったことが一度もないのに対し、ディズニー作品を面白いと思ったことは幾度となくあり何ならディズニーオンアイスを毎年観に行っているくらいだ、という点に差があるのである。無論、実際に本場のフラメンコを生で観てみたら圧倒的な迫力に感銘を受ける可能性は大いにあるのだが、自分の中で何か予想がついちゃう(それが正しいかどうか別として)というところが、期待値の低さとなって現れているのではないかと思うのである。
【志摩スペイン村】を作り込んでいけばいくほど、それは本物のスペインに近づいていくことになる。【USJ】のように『ハリー・ポッター』の世界観を作り込めば作り込むほど魔法の世界にいるかのような非日常感を味わえるようになるのと比べると、そこには絶対に超えられない壁が存在する。夢の国や映画の世界には勝てない、”現実世界の模倣”という点がネックになって、”あと一歩”のその一歩が越えられない。それが【志摩スペイン村】が根幹に抱える弱点であるといえるのかもしれない。
ただ私は「富士急ハイランド」より好きだし「レゴランド」より楽しいと思っている。しかし【ハウステンボス】>【志摩スペイン村】ではある。第3のテーマパーク争いは密かに熾烈となっているのであった——
記念メダルについて
ここは2019年から突如として毎年プリントメダルを発売するようになって、記念メダラー達に行脚を強いることによりメダルへの忠誠心を試してくる施設と化した。
普通の人生を生きていれば三重県民と周防サンゴファン以外はどんなに多くても一生に1回くらいしか縁のない施設である上に、交通の便がとにかく悪い点が難易度を飛躍的に上げている。そして何より、テーマパークであるが故に大の男が一人で入るのも憚られ、100歩譲って入場するのは良いとしても一人で来たところで楽しめるものがほとんどないというところが購入必須の1日フリーパスポートの値段(5700円)とも相まって相当痛い。単独行のメダラー各位は午後2時以降限定のアフタヌーンパス(2900円)を購入して傷口を少しでも小さくすることをお勧めする。そして入場後、3分以内に我々の目的地へは到着してしまうのもまた虚しさに拍車をかける。
メダル販売機&刻印機は2箇所に設置されているのだが、ラインナップはまったくの同一である。そのため、メイン広場にある販売機まで行く必要がマジでない。メダルを購入するだけならば(倒置法)
実は2023年までは”誕生日は入場料無料”というチートな裏技が存在したので「タダで入って入り口でメダル買って速攻出る」という暴挙が実行できたのだが、今は無理である。もう素直に家族を作って毎年遊びに来るのが最良の”無駄がない策”であるといえるかもしれない。
またもう一つ、メダル収集においてやる気の削がれる要素としてなんだか毎年似たようなデザインであるという点も地味に見逃せないポイントであると思う。いや、マジでもうちょっと頑張ってほしい。
上でも書いたが、ここは一つ来年は周防サンゴコラボメダルを一発発売して、メダル文化の更なる布教に一役買っていただけるとこの上ない幸いである上に、デザインの差別化にもなって一石二鳥であるので、ご担当者様におかれましてはよろしくご検討いただければ記念メダラー一同の望外の喜びであります。
(過去記事)「並ばずに乗れます!」が公式のウリ(本当)
「遊園地」あるいは「テーマパーク」と聞いて多くの人がまず思い浮かべるのは、「ディズニーランド」か「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」なのではないかと予想する。その2強の次点で「富士急ハイランド」や「ハウステンボス」あたりが入ってきそうだが、先の2つと「富士急ハイランド」「ハウステンボス」の間には、深くて広く、超えられない溝がある。私はメダル王になるべく割と多くのテーマパークを旅して経験してきた方だが、この2強の完成度に打つ勝つことができる施設は皆無である。違いを挙げれば数限りないが、一番大きな違いは「異世界としての完成度」で、現実から切り離されたかのような時間が体験できるかどうかだ。要するに、2強は、その場にいるだけでももう楽しい世界なのである。一つ一つのアトラクションだけではなく、街並み自体がもうポップでハッピーなのである。そこにいるスタッフもその世界観を壊さないように洗練されていおり、冷静になって傍からみたらバカみたいに見えるかもしれないやりとりが、その世界では全く違和感を感じさせないハッピーな雰囲気を、その施設に関わる全てのものが一致団結をして作り上げているように感じる。それにはもちろん、人件費やその研修費用を含めた莫大な費用がかかることは明白であり、大きく金をかけて大きく儲けるというアメリカンなやり方である。
その点、地方のテーマパークは同じ方向性を真似れば真似るほど厳しいものがある。2強テーマパークで人気のものと同じようなコンセプトのものをやろうとしても、かけられる費用が全く違うだろうから、「ものすごくしょぼいマネ」みたいな残念な着地になりがちである。
その典型例が、マスコットキャラである。
メダルに描かれたこのマスコットキャラクター達、特に男の子と女の子の二人組は某ネズミの男女ペアの構成を彷彿させるが、広く認知してもらうにはかなり厳しいものがあると言わざるを得ない。このマスコットキャラクターが園内を歩いていて一緒に写真を撮影できるわけだが、家族連れが子供を横に立たせて撮影する姿はあっても、某ネズミの男女ペアのように大人もカップルも老若男女が寄ってきて撮影待ちの行列ができるようなことは皆無であった。この点は「USJ」でも少し似たものがあったが、キティちゃんやスヌーピーといった、初めから人気が見込める定番キャラを取り入れたことや、最近は「ミニオン」の人気が異様に急上昇中なのでここぞとばかりに前面に出して攻勢を図っている。
何が言いたかったかというと、「地方のテーマパークは、巨大産業のマネをするのではなく、独自路線で行くべきなんじゃないかな~」ということである。「富士急ハイランド」は「フジヤマ」というランドマークを作ることで絶叫マシンに特化した施設であることをイメージづけて、2強との差別化を図って成功した。「ハウステンボス」は第3セクター時代は見事なまでにポシャっていたが、H.I.Sの傘下になって、『ワンピース』等とのコラボ企画を連発して、いわば「自分の施設以外の人気」を取り込んで一定の成功を収めた。2強にはなかった路線で成功を収めたわけである(「USJ」はむしろこれに便乗するような企画を始めて成功し、なんかずるい感じだが)。
そんなわけで、「志摩スペイン村」も、地元に愛されるだけではなく、全国から人が呼び込めるような施設になるには、独自の路線というものが求められると考える。あの広大な敷地面積に全く見合わない閑散とした各アトラクションや施設内の雰囲気は、バブルの名残のようなものを感じる。ここまで言ってなんだが、私は「それなりには楽しい施設」として一度くらいなら行っても良いと思わせる魅力が現段階であると思うので(2度目に訪れたときはうらびれ感の方が強く感じられてしまった)、その点、起死回生の一手をぜひ打っていただきたいものである。志摩スペイン村をスタート・ゴールにしたマラソン大会は、私は好きでした。ただ、距離が「15キロ部門」とか、悪い意味で他のマラソン大会にないカテゴリーばかりなのが難点であるが。
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