麦わらの一味は全国津々浦々に現れる
【アクアワールドin横浜八景島シーパラダイス】は、2011年7月16日〜11月6日の期間で開催された『ONE PIECE』関連のイベントである。【八景島】の特性を生かし、水族館の展示で『ONE PIECE』の世界観を表現したり(考えてみると水族館とONE PIECEって相性良さそうだよね!)、八景島全体でウォークラリー的なものを実施したりと、混んでいなければなかなか楽しそうなイベントだったようである。ただ八景島は休日には鬼のように混むので、いつもの混雑に増してONE PIECEファンが押しかけていたのなら、これはパンクハザードよりも恐ろしい島だったなと率直に思う。
『ONE PIECE』関連イベントは全国的に展開されており、全てをカヴァーするのはなかなか至難の技である。興行的には当然東京近郊が中心となるのだろうが、小さいイベントまで含めればもはやファンの方でも全容を把握している人はいないのではなかろうか。もちろん記念メダラーには到底不可能であり、そこで「ネットでは宣伝しなかったけれど、実は記念メダルを販売してました」なんてことがあってももはやたまたま発見する以外に知る術はない。そして実際、そういったメダルも結構あるのではないかと考えている。少なくても、このイベント、このメダルのことは知らなかった次第である。
この世界はワンピースを中心に回っている
最近ふと気がついたことなのだが、(ネット上で)有名どころの記念メダラーのみなさんのなかで、「お、おら『ONE PIECE』が大好きだぁい!」という方はいない気がする。それどころか「全然興味がない」クラスの人の方が多いのではないかとすら感じる。
『ONE PIECE』関連の記念メダルは正直記念メダラー達にとって食傷気味ですらある。どこもかしこも『ONE PIECE』。新作メダルが出ると思ったら『ONE PIECE』。最近では、【海ほたる】に『ONE PIECE』関連ショップが期間限定でオープンしそこにあの青い自販機が設置されていたことが話題となり、新しい記念メダル(及び記念メダルスポット)の発見に記念メダル界は沸き立った——のだが、内心「またONE PIECEか……」と好きなんだけどままならないこの気持ちを持て余した記念メダラーも多かったのではないかと思う(何それ?)。『ONE PIECE』メダルはアニメ・漫画関連のメダルにしては凝ったデザインのものが多く(【フジテレビ】系のプリントメダルはイマイチだけど)、記念メダルに非常に——何なら歴史上最も力を入れている作品であることは間違いないので、そういうことを鑑みるならば記念メダルを愛するならば『ONE PIECE』という作品をもっと応援してあげてもよいところであると思うのだが、現実は
またか……
が一番最初に出てくる言葉である。記念メダラーとはかくもわがままなる生き物なのである。これは何も『ONE PIECE』だけに限ったことではなく、『プリキュア』でも戦隊シリーズでも、何でもそうである。記念メダラーは、メダルに描かれる図柄の出来に関してはとても注意深く見て好き嫌いを評価するのだが(当たり前だが)、描かれている作品に対して「記念メダルになったんだから応援しよう!」という気持ちは特に湧かないようである。無論、私も例外ではない。そしてこのようなことを今まで考えたことすらなかった。「記念メダル」≠「作品愛」がはっきりしている。
これは、記念メダルとそこに描かれる作品とは、完全に切り離して思考しているということを意味する。
ということは、である。逆のことも全く同様のことがいえるのではなかろうか。つまり、コアな『ONE PIECE』ファンはもしかしたら記念メダルをたくさん所有しているかもしれないが、それによって記念メダルのことを好きになることはないということである。私はコレ、まじでそうだと思うのであるよ(唐突な日本語崩壊)。
例えば、ONE PIECEファンの方のブログ等を拝見すると、大抵推しのキャラクターのメダルのみを購入していることが多い。好きな人と結婚することが必ずしも幸せに結びつく訳ではないということと同じレベルで自明のことであるが、ファンの方はそのキャラクターが好きだからこそその記念メダルを購入したのであって、好きでもないキャラの記念メダルまでをもわざわざ買おうとは思わないわけである(というかあなた何があったの?)。「作品のファンたる者、全種類のメダルを買わねば!」という思考にはなりにくい——それが「作品のファン」という存在である。チョッパーのメダルはたくさん持っていても、他のキャラのメダルは一枚も持っていないなんてことが余裕であり得る。なぜなら、作品のファンの方は記念メダル以外にもたくさん購入しなければならないグッズがあるからである。記念メダルは、あくまでファングッズの一つでしかなく、チョッパーのメモ帳を購入したからメモ帳収集家になるわけではないように、チョッパーのトナカイのツノ付き帽子を購入したからといって帽子マニアになるわけではないように、チョッパーの記念メダルを複数枚集めたからといって記念メダラーになるわけではないのである。チョッパー好きはチョッパーの物を集めるのである。
こうした背景もあり、『ONE PIECE』関連メダルに関しては、実はそのうち【特集ページ】を書いてまとめてみたいと考えているのだが、全然全容が把握できず、頓挫している。とにかく種類が多いし、何より実は詳細不明のメダルもちらほらある。また「そんなイベント知らないし! メダルがあったことなんてもっと知らないし!」ということもあり(実はこのイベントもそう)、網羅された情報がないからこそ特集したいのだが、頑張っても私自身が網羅できないというジレンマがある。
最近では私のような雑食な記念メダラーがだいぶ増えたこともありかなりネット上にも情報があがるようになったが、基本的にはアニメ関連メダルは記念メダラー達に不評であることも多い。そのため、当時から人気だったとはいえ現在の世界規模ともいえるブームまでではなかった10年以上前のイベントに関しては情報がほぼない。また、これは間接的な要因であるが、Yahoo!ジオシティーズのサービス終了により、古い記念メダル情報を記載してくれていたサイトが軒並み消えてしまったので、わずかにあったそうした情報もネット上から失われてしまったのも地味に痛い。
『ONE PIECE』関連のメダルを時系列で体系的にまとめることができれば、そのまま『ONE PIECE』そのものの歴史とも重なり非常に面白いと思うし何より私のブログに今までとは違った層の方に訪れてもらえるページになるのではないかな〜と思っているのだが、難易度があまりにも高く、予定は未定である。自分が全く収集しきれていないことが何より痛い。前職で【ハウステンボス】に仕事で訪れたとき、『ONE PIECE』関連のメダルの販売場所を探しきれなくて(当時スマホを持ってなかった。そして店員さんに訊いてもわからなかった)、買いそびれちゃったな〜とかいろいろ悲しい思い出もあり、正直『ONE PIECE』系には痛い目に遭っていることがそこそこある。何より発売されるときは1枚だけということはまずないので、お財布に痛い!
私自身、『ONE PIECE』を読まなくなって久しい。こんなにも記念メダルとなって記念メダラー達の前に現れる麦わらの一味たちであるのに、海賊王を目指す者達とメダル王を目指す者達との間には、「偉大なる航路(グランド・ライン)」よりも長く、深く、厳しい隔たりがあるのである。
記念メダルについて
恐らくこのチョッパーメダル以外にも販売されていたのではないかと思われる。
おもて面は、円におさめるのではなく、円から飛び出す感じでチョッパーが描かれているところに躍動感があり、なかなか凝ったデザインなのではないかと思う。別に好きな訳ではないが(余計な一言)。少なくても、【フジテレビ】系ONE PIECEメダルの手抜き感溢れるメダルとは一味違ってよい。
裏面はイベントのロゴである。よくよくみると結構細かいデザインで、凝っているといえば凝っている。発想としては単純ではあるものの、ロゴのデザイン自体がそれなりに良きものなので、まあ良いかな〜という感じである。
ただいずれにしても、やっぱりONE PIECEメダルはあんまり萌えないな〜というのが率直なところであるなぁ。昔は『ジャンプ』を毎週買って、楽しく読んでたんですがね〜
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