謎に包まれたイベント【中華人民共和国展覧会】 再び……
なんということだろう……
この記念メダルを目にした瞬間に脳裏に浮かんだのは、この言葉だった。
【中華人民共和国展覧会】は、74年と77年に開催された、日中友好のためのイベントであった。それぞれで別個の記念メダルが発売され、さらには77年verは開催地が名古屋・北海道・北九州と3会場に分かれそれぞれで別の記念メダルが発売されたために、記念メダル的には壮大なイベントとなったものである。しかしながら、70年代イベントの常で、ネット上に情報がほとんどなく、その詳細は多くが謎のままである。謎すぎて、どちらの記事も「謎だ」を連発して終わっている。
そんな中、新たに参戦?してきたのが【北陸中華人民共和国展覧会】である。おいおい、一体どれだけやってんねん【中華人民共和国展覧会】。しかもこのイベントは1980年開催であり、74年、77年とはまた別のイベントらしいのだが、こちらに関しては、ネット上には1ミリも情報がなく、本当に開催されたのか?と疑うほどですらある。しかし、このイベントの唯一の情報として、開催地である石川県金沢の古本屋が当時の開催報告書を販売しているというのがある。しかしその値段2000円オーバー……。試しにちょっと買ってみるという値段ではない。そんなわけで謎は謎のままなのであった。
この【中華人民共和国展覧会】については、いつか特集記事を書きたいと考えている。それだけではなく、他にもいろいろと特集記事の構想はあるのだが、その前に所有メダルを一度全てアップしたいと考えていて、えっちらおっちら記事をあげ続けてはや数年……。いつまで経っても終わらない。書く側から増えていくからいつまで経っても終わらない。先の見えない遥かなる旅路ーーそれが記念メダル道。
日本の枠にとどまらない4000年の歴史をもつ展覧会【中華人民共和国展覧会】
「中華人民共和国展覧会 1980」で検索すると、実は最も数多くヒットするのは、記念切手である。なんとこの年、実はアメリカでも【中華人民共和国展覧会】が開催されていたらしく(しかもサンフランシスコ、シカゴ、ニューヨークの三都市で)、それを記念して発行された切手が、12面構成の切手シート完品だと10万円以上の高額で取引されているらしい。「切手コレクターならば知らない人はいない」とさえ言われているそうな(ほんとかい)。
切手収集に関しては全くの門外漢であるので詳しいことはわからないのだが、現在「中国切手」が高値で売買されているらしい。というのも、中国経済の発展に伴って、中国の富裕層が自国の切手を投資目的や要人相手の土産用に収集するようになったそうで、関連する切手も高値で売れるようになったらしい。例えば中華人民共和国展覧会の切手は正確にはアメリカが発行した切手であるのだが、中国で高値で取引されるため、買取業者は最終的には中国に流すそうである。また、当然のことながら相場は中国経済に左右され、流す時期が重要らしい。
幸か不幸か、茶平工業製記念メダルを収集する中国富裕層はいないようなので、相場は非常に安定している。水呑み百姓の私でも収集できるくらいなので、このままであった欲しいと切に願う。いや、ここらで一気に相場が上がった方が、金持ちになれるのか……。中国のみなさん、記念メダルはどうですか?(下衆な呼びかけ)
【北陸中華人民共和国展覧会】は、アメリカの中華人民共和国展覧会の陰に埋もれて、歴史の闇へと消え去ってしまった。逆に言えば、記念メダルこそが、歴史の闇から引きずり出してくれたともいえる。
記念メダルは、知られざる日本の歴史を、その存在によってひっそりと語りかけてくれるのである(マイナーな存在であるということを良いように言っているだけ)。
記念メダルについて
銀色メダルは、74年や77年でも見られた図柄と似たデザインである。が、メダルのサイズが38ミリのデカメダルなので、金型はやはり違うのではないかと考える。中国といえば「万里の長城」か「天安門」かを地でいくデザインで、【中華人民共和国展覧会】の記念メダルを数多く見過ぎたせいかもしれないが、見飽きた。ごめんなさい、【中華人民共和国展覧会】。
詳細を見ると、山の質感などがよく表現されていて、なかなか凝ったデザインなんだけどね! 手にした人間が悪かったね! 君に罪はない。【北陸中華人民共和国展覧会】記念メダルよ。
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