邪道【宝塚武庫川子どもマラソン】 記念メダル

宝塚武庫川子どもマラソン2005年 記念メダル

謎のマラソン大会【宝塚武庫川子どもマラソン】

 例によってネットでまったく情報が出てこなかったイベントである。2000年代のことなので余裕で調べられるだろうとタカを括っていたが、検索でヒットするのは「宝塚ハーフマラソン」ばかりである。市民ランナーの端くれである私としてはそっちの方が気になるイベントであるのだが、とりあえず関係ないのでここでは言及しない。

 主催団体である「国際育児幸せ財団」というのも謎多き組織である。もちろんコナンくんに出てくるロン毛と小太りグラサンの組織っぽいわけではないが、これといってGoogle先生でヒットしない。ネットを通じた啓蒙活動的なことは特にしていないようで、現在も活動しているのかどうかは最後までわからなかった。

こんな服装をしなければならないという理由で入りたくない組織の一つです。
(『テレビアニメ版 名探偵コナン』より)

 ただ検索の海を深く潜って調べたところによると、どうやら「アップリカ葛西」という会社の創業者が2000年に立ち上げた団体であるらしいことがわかった。アップリカというのは、あのベビーカーやチャイルドシート等でお馴染みの子供用品を製造する業界大手の会社である。

 で、この会社の創業者の葛西さんという人がどんな人物なのかというと、なんとあの手塚治虫が破産(虫プロが倒産)したときに助けたお方であるらしい。

↓この本の主人公らしいです

 なんでもこのときに『鉄腕アトム』や『ジャングル大帝』の版権を手塚治虫からこの葛西さんに一時移し、債権者から作品を守ったらしい(債権者からしたら「守った」なんて悪者扱いされるのは不本意だろうが。手塚治虫が悪いんだから)。その後、きちんと手塚治虫に版権を戻したところがまさに偉人エピソードである。ちなみに葛西氏は2017年に91歳で死去している。

 ここまでたどり着くと、なぜこの大会が、この場所で、この団体によって開催されたのか。そしてなぜメダルの図柄が鉄腕アトムなのかが見えてくる。

 兵庫県の宝塚市は言わずと知れた手塚治虫生誕の地である。記念メダラー的な話では、販売場所リスト未掲載の記念メダルスポット【宝塚市立手塚治虫記念館】があることでも有名である。近くにはあの有名な「宝塚音楽学校」があり、そのそばには武庫川が流れている。

 「国際育児幸せ財団」がなぜ2005年にマラソン大会を主催しようと考えたのかは不明である。が、それがこの場所で、参加賞がこのメダルであった理由はわかる。

 どんな大会であったのかをご存知の方は、ぜひご一報を。いや、子どもがたくさん走ったとは思うんですが。

マラソン大会とTシャツと私

 先にも述べたように、実は私はマラソン大会への出場がライフワークの一つだったりする。といってもフルマラソンやハーフマラソンには一切出場しない、10km部門オンリーのにわか野郎でございます(たまにクウォーターも。でもわずか500mの差がすげーヤダ)。

 なぜフルやハーフに出ないのかというと、めんどくさいからである。ランナーにあるまじき発言をしているが、実際私は1時間以上走っていると飽きるという性質をもっているため、過去に2度ほど出場したハーフマラソンでは、気持ちの面で「もう走りたくない……」とポッキーもびっくりなほど心がポッキリと折れてしまった。メロスが途中で走るのムリと投げ出そうとした気持ちがよく分かる。

 というかそもそも私は、マラソンが好きなのではなく、

マラソン大会が好き

なのである。マラソン大会のお祭り感が好き——そして、そう

完走証がもらえるのが好き

なのである。はっきりいって、これは記念メダル収集に通ずるところがあるのは否めない。つまるとこは私はランナーなのではなく、完走証コレクターなのであった。

ラミネートで保護して、完璧なるファイリングをしております

 マラソン大会には実は大きく分けて2種類あり、「民間主催」と「行政主催」のものがある。で、後者の「行政主催」のものが、いわゆる「シティマラソン」という冠がつく、公道を封鎖してコースとして使用するレースである(民間主催の大会は大抵ジョギングコースがある大きな公園を会場としたものとなる)。

 私は主に行政主催の「シティマラソン」と名の付く大会に毎年出場を繰り返しており、当面の目標は県内の行政主催マラソンをすべて完走することである。というか、完走証を集めることである。完全にスタンプラリーと化している。

 実は、ここにも10kmしか出場しない理由がある。シティマラソンは大抵10kmが最長部門であることが多い。ハーフ以上の距離が設定された大会は非常に限られており、ましてやフルなんぞは全国的にも絶対数が圧倒的に少ないため、開催地がどこであろうと全国から猛者たちが集結するのである。その理由は簡単で、距離が長くなればなるほど、公道を封鎖する難易度が上がるからである。

 この「公道を封鎖する」ということに、行政は本当に苦労していることがうかがえる。なんなら「やらなきゃ良いのに」という思ってしまうほどの苦労を垣間見ることもある(開催してくれていることには感謝しかありませんよ!)。例えば、

片側1車線の道の片方だけを封鎖

 という無理矢理感あるれるコースを走ったことがある。つまり、すぐ隣を車がビュンビュン走っているのである。しかしマラソン大会は非常に混雑するので、このコース幅だと富士山の登山道並の渋滞が起こり、うまく走れないことが多い。

 で、その結果、中央車線に置かれたパイロンに接触→盛大に転倒→反対車線にセガール並みに転がり出る、という光景が眼前にて繰り広げられたことがある。当然対向車線の車は急ブレーキし、それでも「あなや!」と思ったが(唐突な古典表記)、間一髪のところでお互い止まることができた。正直、映像的には完全に事故る直前の光景であった。

 もちろん、両車線とも封鎖していればこのような危険は生まれなかった。しかし、それができないからこそこのような形だったわけなので、そんなギリギリの状況で大会を運営してくれていることにむしろ我々市民ランナーは感謝しなければならない。そして同時に、何事も起こさないよう気をつけなければならないのである。何か事故があれば、昨今の世情を考えれば、一発で以後中止となってもおかしくはない。市民ランナーのみなさんは、大会運営に文句を言うのではなく、開催してくれること自体に感謝をし、要望があれば丁寧に伝えることが肝要である——ということをRUNNETの大会参加コメントを見るたびにいつも思う。

 ちなみに、はっきりいって足は遅い。10Kmで50分を切ったことは実は人生で一度もなく、それが生涯の目標となっている。(ちなみに自己ベストは50分15秒。靴ひもが2回もほどけちゃってね……(/ _ ; ))。

 で、このシティマラソンへの参戦を続ける上で、大きな大きな悩みが一つある。これは恐らく、市民マラソン大会に恒常的に参戦しているランナーたち共通の悩みであると思う。

参加賞Tシャツが溢れかえる問題

である。この問題は非常に深刻である。

 地方自治体主催のシティマラソンに出場すると、ほぼ100%、参加料の割に豪華な参加賞がもらえる。そしてその8割以上が大会オリジナルTシャツなのである(参加費2000円とかなのにスポーツTシャツがもらえるのだ!)。つまり、全国のランナーたちはとても消費しきれないくらいのTシャツを所有しているはず、ということになる。「24時間テレビのTシャツを毎年購入する」なんてこととは比較にならないほどの行き場なきTシャツ群に、こんまりメソッドも途方に暮れる次第である。

勇気を出して(涙を飲んで)だいぶ捨てたが、これでも本当にほんの一部である。写真にあるように最近ではミズノ等のきちんとしたスポーツメーカー製の参加賞Tシャツが増えてきていて、ますます捨てづらくなっているというね……

 まったくときめかないけれど、一度も着ていないTシャツを無下に捨てるのは「心の中で『今までありがとう』って言って……捨てろ!」とおっしゃるこんまり氏を心の師と仰ぐ私でもさすがに気が引ける(※誇張あり)。しかも、これからももっと増えていく予定であるので、その廃棄に終わりがないところがなお物怖じしてしまう要因となっている。マラソン大会に参加し続ける限り重荷が永遠に積み重なってゆくのである。

 そもそも論として、マラソン大会に頻繁に出場するような人たちは、恐らく自分のユニフォーム的なものを持っている可能性が高い。いわゆる勝負下着服である。参加記念Tシャツをもらっても、正直着る機会はあまりないのではなかろうか。

 もらって心の底から嬉しいと感じるのは、恐らく日頃あまりマラソン大会に参加しないような人たち——年に一度程度、決まった大会を目標に2、3ヶ月くらい前から普段はあまりやらないランニングを楽しむ層であると思われる。

 もちろん、私も昔は嬉しかった。マラソン大会に参加したという一種の勲章のようだし、何よりスポーツTシャツなので実用的でもある。普段の練習に使えたり、寝巻きや部屋着としても使えたりと、その用途は幅広い。

 ただ私はフットサルをやるので、そもそもスポーツTシャツ的なものを十分持っている。そして何より、自分のデザイン的な好みも自ずとフットサル的な方向を向いているので、ランニングベースのデザインであるTシャツとは混じり合わない水と油にように引き出しの奥深くで日の目を見ることなく隅に追いやられている。というか、日頃は存在すら忘れている。つまり、もらえるTシャツは実用的であり、さらに世間一般の人よりもそれを着る機会は数あれど(スポーツをする機会が多いけれど)、まったく出番はないのである。

 そして何より、千歩譲って、1日2枚着て、1週間に一度しか洗濯機を回さないとしても、14枚しか消費しない。しかしはっきり言って、そんなレベルではないくらい所有している。おわかりいただけるだろうか?(唐突な語り口調)

 何よりTシャツは、かさばるのでコレクションに向いていない——と額装メダルセットを押入れの奥でかさばらせているやつが通りますよっと。

記念メダルについて

 非常に珍しいパッケージングがなされていて、ネックレスとキーホルダーがセットで付いてくる仕様となっている。「メダルが付いてくる」「ネックレスが付いてくる」という強制イベントはよくあるが、このようなセット内容は他に知らない。メダルが一枚しかないので、どちらかが余る仕様である。

 ネックレスを付けたのは「完走メダル」として(しかも金メダルだぜ!)、そしてキーホルダーを付けたのは実用的に使用できるようにするためとして——と予想する。この予想が正しければ、まさに「子どものためのメダル」であり、なんて顧客のニーズを捉えた素晴らしい配慮なんだ! と感動ものである。いや、マジで子どものためを考えていると思う。私が子供であれば、金メダルを首からかけるのに憧れるし、カバンにも付けて幼稚園や学校に行きたいと考えることだろう。

 残念な点としては、せっかくの茶平メダルなのに、刻印ができない仕様であることである。自分の名前と、この時のタイム等を刻印することができたら恐らく最高の思い出の品となったのではないだろうか。

 そこで考えてみたいのが、「茶平工業製記念メダルとマラソン大会参加賞との相性」である。具体的には、ゴールをしたら完走証がもらえるように、「自分の名前とゴールタイムを刻印した完走メダルをその場で受け取ることができる」というシステムを構築可能かどうかである。

 結論からいえば、個人的には十分実現可能であると考えている。現在でも選手が身に付けているゼッケン番号を入力するとすぐに完走証が発行されるシステムがどんなに小さな地方大会でも導入されているほどスタンダードとなっているので、それをそのまま応用すれば良いだけの話である。つまり、出力先をプリンターにするか刻印機にするかの違いしかないのである(もちろん両方に出力だってできるだろう)。

 これ、実際にやろうと思えば割と簡単にできるはずである。といってももちろん現在のタッチパネル式の刻印機の詳しい仕様を知っているわけではないし、昔あった「刻印機はMSXなのか?」みたいな話と通じてしまうかもしれない。そして刻印機のソフトウェア的な部分は恐らく外注であると思われるので、茶平工業に問い合わせてみても知りたいようなことはわからない可能性が高い。

 上記リンク先記事にもあるとおり、古い刻印機はパソコンではなく独自規格の基盤を使用していたとのことであるが、個人的にはタッチパネル式の刻印機はAndroidベースのOSな気がしている。つまり、でっかいスマホである(もしくは何らかの組み込みLinuxのディストリビューションかなぁと思ったりするのだが、個人的にはAndroid推しである)(ちなみにMSXについては語りたいことが山ほどある! 我が家に最初にやってきたパソコンは実はMSXで、なんと私、ドラクエⅡはMSXでプレイしたのだ! 「あぶないみずぎ」ですよ!)。

でっかいスマホといえばコイツです。何かにつけてすぐ止まる、役立たずのクソみたいなやつでした(マジな恨みあり)。で、コイツの説明でよく使われるのが「でっかいスマホ」という表現なのです。

 そう考える理由は単純で、安上がりだからである。安い中華製タブレットを想像していただければ簡単であろう。

 で何が言いたいかというと、要するに仮にこの推測が正しければ、ソフトウェア的な制御だけで刻印すべきデータを送受信できるということである。それが「割と簡単にできるはず」と考える根拠となっている。もちろんアプリの開発にはお金がかかるので、そういう意味では簡単ではないかもしれないが(そんなに難しいアプリではないと思うけれども、組み込み式のAndroidやLinuxに精通しているエンジニアは少ないと思うので、人件費が高単価な気がする)。

 またマラソン大会にこのシステムを導入する最大の難点は、メダルをはめるのはあくまで人力という点であろう。データの受信は自動化できても、現在の仕様であればメダルをはめるの絶対に1台につきスタッフ一人が必要になる(よって刻印のスタートも人の手によるものでなければならなくなる)。ただここは、「ランナー自身が自分でメダルをはめて刻印する」等にすれば、もしかしたら改善できるかもしれない(ソフトウェア的には、「自分のゼッケン番号を入力すると、自分の名前と記録が自動的に刻印される」みたいな仕様変更をする。その際はもちろん選手のデータベースにアクセスできる仕様になっていることが大前提である)。

 まあ実際にやってみたら何かと問題が出ることは世の常なので、想像しているよりもうまくいかないことは多いだろうが、実現したらいいな! という思考実験でありました。

 このアイデアの実現のためには、茶平工業のみならず、マラソン大会主催者にも売り込まなければならないので、なかなかハードルは高い。が、任せてくれればやってみたいものである。実際に任せられたら困る可能性大だけど。




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