邪道【宝塚歌劇 in TOKYOSKYTREE】 記念メダル

ケースに同梱されている紙

金型+プリント=数種量産の先駆け

 最近では定番となり始めている【東京スカイツリー】の展望回廊における企画展と、それに伴う記念メダルの販売。今後再三に渡って述べることになると思うのだが、とにかく金がかかる。それが【東京スカイツリー】の無間地獄である。

 まず入場料が2500円。プラス、企画展を行なっている「展望回廊」に登るのに1000円かかる。からの〜

 この【宝塚歌劇 in TOKYOSKYTREE】の記念メダルは、なんと一枚900円もするのである。信じられない。それが×5枚なわけなので、4500円。全て合わせて8000円の費用が必要となる。東京近郊在住でもなかなか厳しいお値段である。発売開始間もない頃、メルカリ等で5枚セットで5000円くらいで売られているのを見たときは「この転売ヤーが!」と思ったりしたものだが、実は全然良心的な値段であったといえる。仮に交通費が1円も掛からなかったとしても、自分で入手するのは最低でも上記の費用が掛かるわけなので、記念メダルの入手だけでよいと考える邪道記念メダラーであるなら、潔くネットで購入した方がはるかに安上がりであった。

 しかも、5種類の記念メダルは大変凝ったデザインで、宝塚のそれぞれの組を色鮮やかに表現しているレベルの高いデザインであるが、インクジェットプリンターによるプリントメダルであり、ベースとなるメダルは1種類である。つまり、金型の製作は1種類で良いということになる。これが何を意味するかというと、今までよりも金型代の回収が容易になるということである。この記念メダルはいわば、記念メダルの在り方にに風穴を開けた歴史的なメダルともいえる。

 記念メダルの製作で1番のネックとなるのは、金型代の回収である。プリントメダルが誕生する前は、注射器による着色を行なっていたのは周知のことだが、これだと「色あり」か「色なし」かの2種類しかメダルを作れなかった(あるいは「違う色での着色」というのもたまに見かけたが)。しかも、「色あり」「色なし」の2種類であると、デザインは同じようなものなので、記念メダラー以外の客は大抵どちらか一方しか購入しなかっただろうことが容易に想像される。

 しかし、このメダルはベースデザインが同一でありながら、全く違うデザインが5種類も生まれたのである。つまり、一つの金型代を5種類のデザインで回収可能なのである。全く違うデザインであるので、一人が2枚3枚…5枚と購入する可能性も高く、「宝塚歌劇」という記念メダラーとはまた違ったコアなファンを抱えるカテゴリーであるなら、より一層まとめ買い層が見込める。しかも1枚900円……そして、販売元は知っているのである。この客層は、値段が少し高いからという理由で購入をためらうような人たちではないということを。そりゃ、一枚2000円もすれば事情が変わってくるだろうが、「1枚1000円以下なら大体同じ」というイベント参加時のコレクター心理(あるいはファン心理)がよくわかっているのである。

 私の予想では、記念メダルの販売に精通した代理店が関わる場合は、今後このようなパターンの記念メダルが増えるのではないかと思っている(一つの金型で数種類のプリントデザインパターン)。それをどう捉えるかは賛否が分かれそうだが、プリントデザイン記念メダルの登場は、思いの外、今までの記念メダルの在り方を変えつつある。

 それにしても、スカイツリー展望回廊でのイベントメダル販売は恒例化されるとなかなか厳しいね〜。まあ【国立科学博物館】の特別展も値段だけ見れば似たようなものなのだが。ただ、あちらは値段に見合うだけのボリュームある施設だからなぁ……という、それとないスカイツリーディスり。いや、嫌いではないんだけど、そう頻繁に行きたく(登りたく)なるような場所では……。




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)