邪道【コミックマーケット82 涼屋】 記念メダル

 非常に変わり種の記念メダルを入手したのでご紹介。

 こちらの記念メダルは、かの有名な「コミックマーケット」(通称コミケ)で、「涼屋」というサークルが配布した、いわば個人製作の記念メダルである(同人メダル?)↓。

 フィルターに引っ掛かりそうだったので物凄く露骨な画像処理をしてしまったが、萌え萌えな絵柄からもうかがい知れるとおり、バリバリの成人向け同人サークルである。ネットで調べてみると、女子ドン引きな内容の同人コミックが多数ヒットする。でも、ごめんなさい。私嫌いじゃないです。(言わなくてもいいのに言って損だけする発言)。

 私は元々オタクなので、実はコミケも行ったことがある。ただすみません、転売目的で。二度としません。

 私は元々本が好きで、昔は古本屋巡りを毎週のようにしていたのだが、巡っていた古本屋の一つに「同人誌」を扱っている古本屋があった。私はそれを見て「プロの漫画家が書いた200ページ以上あるマンガが200円で売っているのに、どうして素人が書いた30ページくらいのマンガが3000円以上で売っているんだ?」と常々疑問に思っていた。ちなみに、この疑問を根底から解き明かしてくれる解にはいまだ巡り合っていない。

 それは良いとして、とにかく「同人誌というのは高い」ということを学んでいた。そして、当時我が家にいち早く導入されていたインターネットを使って、同人サークルというものを調べた。もちろん、その店で異様に高い値段で売られている同人誌に書かれた名前を元に、である。

 そうしたら、定価も元々すげー高い、という事実に二度びっくりした。素人なのに自分の本を「1500円」とかで売るなんて強気だなーと思ったが、定価1500円のその同人誌は、私が通っていた古本屋では8000円で売られていた。そして店で掲示されていた買取価格表では4000円であった。

 当時学生であった私は、セコいことを考えてしまったのである。がんばれば儲かりそうだ、と。

 そして正直、話に聞く「コミケ」というイベントに一度行ってみたかったという気持ちもあった。私の地元は神奈川なので、距離的には余裕であった(東京ビッグサイトで開催される)。当時、この「コミケ」が一般のニュースでも取り上げられ始めていた時期で、「オタクの祭典」とテレビで平気で銘打たれていた。で、オタクであった私としては、気になったわけである。

 ただ、私とは方向性がかなり違うところがあって、私はアニメも漫画もパソコンも好きであったが、女の子は生身がよいという点は1ミリたりとも譲れないラインであった。そういう意味では、エロマンガの大即売会はちょっと違ったのであった。ただ、エロマンガの大即売会なのに、女性が多数いたことには本当に驚いた。エロマンガを女性の前で購入することも読みふけることも一切おかしなことではないという、いわば治外法権の場所であった。

 

↓唐突な、全く関係のない実在の島「エロマンガ島」

 

 私は儲けようと思って訪れた部分が半分以上あるので、ネットでいろいろと勉強してから訪れたのだが朝6時に着いたのに軽く見積もっても1000人以上は並んでいたのを見たときは、自分は恐ろしいところに来たのだということを初めて悟った。コミケ常連の方にはちゃんちゃらおかしいことを言っているのかもしれないが、私は自分の考えが甘かったことを痛感して、夏の暑さも相まって行列の中ですでにめまいがしていた。そしてひたすら、待ち時間にはすることがなかったのであった。当時はスマホはおろか、「携帯でゲームをする」なんていう発想すらほとんどない時代であった。あったとしてもド定番の「テトリス」くらいなものであろう。

 人気サークルの行列も私の予想を遥かに超えるものであり、とにかく待ち待ち待ちの連続&売り切れ上等というもはや何が何だかわからない素人丸出しの状態であったのだが、とにかく「壁際のサークルは人気サークルで、高く売れる」という一線だけは死守し(がめつい)、購入できるものは全て購入するスタンスで(並んでいた人は全員といってよいほどそういうスタンスであったと思われるが)、数点購入し、ちょろっと中を見て、もちろんエロくて、でもやっぱり絵ではあまり萌えない私は翌日には売りに行ったのだった。そうしたらびっくらポンの値段で売れたので、その場で冬にもう一度行くことを決意(夏と冬の計2回開催される)。初参戦のときも、今思っても知らないなりにはかなり綿密に
調べて計画を練ったと自画自賛してしまうのだが、冬は夏の失敗を踏まえて、かなり綿密にスケジュールを組んだ。一番考えたのは費用対効果である。というか、コミケ前にネットではすでに未発表作品の買取価格表が出ていたので、「いくら稼ごう」と決めて、巡るサークルの優先順位を決めた。巨大過ぎる(人気過ぎる)サークルは商品ストックも実はかなり多いので後回しにし、ストックが少ない、かつ、それでもそれなりに人気のサークルから順に巡ることにした。エロマンガには興味がイマイチなのだが、根はオタクなので、こういくイベントに行くことを練るのは楽しかった。長くなるのでこれ以上の細かい話は端折るが、結果、余裕で元手の倍以上の値段で売れた(たぶん3倍くらい)。後に、その時の資金で中古バイクをヤフオクで購入したほどであった。まあこのバイクが安かったというのもあるが。

 時間と手間と体力と手間と体力と手間と体力(以下エンドレス)がとにかくかかるが、きちんと考えて訪れれば絶対に負けがない転売であった(少なくても当時は)。時間と体力があった超若い頃だったからできたことではあるが、2回目の参戦でもはや力尽きて、それから今日にいたるまで一度も訪れたことはない。その間にもコミケはますます発展していき、当時からしたら驚くほかないのだが「コスプレ」がなんだか市民権を得てきて、「コスプレイヤーが集う場所」としても認知されるようになり、果てしなき発展を続けている。きっともう二度と行くことはないだろうが、「コミケに行ったことがある」というのは、うっかりと言うと白い目で見られる可能性はあるものの、自分の中ではそれなりに大きな経験であり、語って良さそうな雰囲気なら語りたい経験の一つである。あの人口密度は一度体験しないととても理解できないだろう。コミケ開催日に「ゆりかもめ」でお台場を目指した人は運が悪いという言葉ではとても片付けられない悲劇に遭う。

 さて、件の「涼屋」さんであるが、正直私は全然知らないのだが、「東A-44」というサークルの配置は、恐らく「壁サークル」である。つまり、人気も人気、大人気のサークルということになる。そもそもオリジナルの記念メダルを製作してしかもそれを無料で配布しようなんていうサークルなのだから、一企業並みの収益があるということに他ならない。同人作家には、コミケ等の即売会イベントの収益のみで生活している人も実際いるらしい。

 ただ、どれだけの数が配布されたのかは不明であるが、購入特典の無料配布であったことを考えれば、数はそんなに出回っていないことが予想される。1ロットが100枚単位なので、それくらいなんじゃないかなーと勝手に予想しているが、どうだろうか。

 人気サークルのグッズである点、数が少ないことが予想される点、そして何より、同じマニアな文化ではあるものの明らかに記念メダラーとは棲息する世界が違う点を考えると、両者が巡り合う可能性はかなり低いと思われる。巡り合った奇跡に感謝である。

 同じように個人が製作した記念メダルには「平塚開宿400年」記念メダルという物が存在するのだが、それはまた後日紹介するとして。両者の趣きの違いにただただびっくりである。「記念メダル好き」が制作するメダルと「同人作家」が制作するメダルとは、志向する方向がまるで違うようである。当たり前であるが。




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