邪道【さようなら国鉄】 記念メダル

 

 相変わらずな話だが、私は鉄道には全く、全然、これっぽっちも興味がない。そのため、この記念メダルを見ても何も感慨は浮かばないのである。が、無知をさらすようだが、87年まで国鉄として存在していたというのには少し驚いた。私も余裕で生まれていた年である。生まれた時からJRであったような気がしていた。

  が、結局は全く記憶にないので、私にとっての「国鉄」といえば、「下山事件」である。 国鉄総裁あった下山定則が国鉄線路内で轢死体となって発見されたこの事件は、「国鉄三大ミステリー」の一つに数えられている(残り二つは三鷹事件と松川事件)。人の名前が事件名に名付けられたのもこの事件がほぼ最後であるという点も非常に歴史の深さを感じさせる点である。 私がこの事件のことを知ったのは、卒業を控えた中学三年生の3学期に、すっかりやる気のなくなかった生徒たちを相手に「現代社会」の先生が1時間を割いて事件のあらましを解説してくれたのである。で、「興味がなかったら静かに寝てろ」と潔く言ってのけていた。それを受けて面白がって寝ていた奴は確かにいたが、話は面白く、私は静かに聞いていた。 

 事件の概要はググればいくらでも出てくるのではしょってしまうが、一番興味を引いたのは捜査一課が「自殺」、捜査二課が「他殺」と異なる主張をした点である。何よりもまず「なぜバラバラに捜査するの?仲悪いの?」と思ったのだが、実際仲が悪かったのでだろう。 本来は殺人事件を捜査するはずの捜査一課が「自殺」としたのも興味深いし、捜査二課は本来知能犯を担当する課なのだがそこが「殺人」として捜査をしていたというのも、歪みを感じる。とにかく、ミステリー小説を地でいく事件なのである。実際 ミステリーの大家・松本清張が謎解き本を出しちゃったしね。

  現代のジャーナリストも何人かがノンフィクション本を出版している。その中で私は森達也著『下山事件』を読んだことがあるのだが、「亜細亜産業」やら「陸軍軍属」やら漫画や小説のような組織が登場してきて、そして証言者たちがこれまたテンプレートのように「このことには関わっちゃなんねえ……」と怯えて忠告するのである。本当だったらすごい世界である。日本もまだまだ捨てたものではない(何が??)。 実際GHQ占領下ではキナ臭い話が絶えなかったので、昔の日本はなかなか怖い国であったのだろう。他人の不倫で盛り上がっているのは平和な証拠なのかもしれない。

  国鉄の終焉と共に、これらの事件もまったくもって風化していった。国鉄総裁・下山定則という大物人物の死が、現代ではどうでもよくなってしまっているのである。そういうことを考えると、「時代を操っている者」という存在が実際にいるのではないかと思えてくる。占領下の日本では、それは間違いなくGHQでありアメリカだったのである。漫画みたいな設定が実際に日本を支配していた時代が、確かに存在するのである。




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