【販売場所】
@展望フロアの曲がり角
備考:萌えキャラ化が著しいタワー……であったが、運営会社が変更し、路線変更。硬派でシックなイメージに。
運営会社が変わって
【別府タワー】は2021年に旧経営会社が売却し、新しい運営会社のもとリニューアルされることとなった。2023年1月に改修工事を終え、同月27日にリニューアルオープンした。
記念メダラー的には「リニューアルと共に記念メダル販売機撤去」という事態を何よりも恐れていたのだが、そんな心配をよそに、むしろメダルが増えて復活していた。茶平公式からなかなかアナウンスがなかったので、記念メダル界隈がそのことに気づいたのは有志のTwitter投稿からであった。
折しもフェリー大好き人間の私は大阪ー別府航路に就航した新造船「さんふらわ くれない」にどうしても乗りたくて、かつ、フェリーに乗ったなら行き先にはどうしても行かねばならないという理由で仕方なく別府に行く機会を得ていたので、2023年の3月、リニューアルして間もない【別府タワー】へと再び足を踏み入れたのだった。仕方なく別府に来たみたいなことを述べているが、来たら来たで、湯布院に行ったらすげー楽しかったけど。やっぱり名のある観光地は、名のあるだけの理由があるね!
そんなわけで、【別府タワー】である。
リニューアルをしてまず目についたのが、入場料の高騰である。
いや、観光地の展望タワーとしては現行料金もまったくもってオーソドックスな値段体系である。が、リニューアル前が大人200円という超価格破壊物価だったので、「入場料、4倍になっちゃったね……(・Д・)」という残念感が漂ってしまうのは、ひとえに安すぎたことの罪といえよう。200円時代に家の近くに別府タワーがあったら、絶対に自習室代わりに使っていたね。
そんな新しくなった【別府タワー】は、入場してみるとびっくり!
外観の変わり映えのなさからは想像もつかないほどに、中は一新されていた。生まれ変わったと言っても過言ではない(外観も白く綺麗になったけどね)。
まず、【別府タワー】名物「ひび割れた窓ガラス」が一枚たりとも存在しなかった。そんなものが存在する余地など1ミリもないようなオシャレ空間へと様変わりしていたのだった——
あの団地の集会所のような空気感は一掃され、快適なくつろぎ空間がそこにはあった。現在、古くから存在した観光タワーは次々とリニューアル工事を施し、その生き残りを賭けた変貌を遂げているわけであるが、そのトレンドは「快適空間」「高級路線」である。カップルが体を寄せ合って座れるようなソファーや、コンセント付きのカウンター、高級感と清潔感が溢れるシックな色の絨毯敷きといったもので統一され、恐らくは夜間のカップルの滞在を主に狙った改変であると思われる。つまり、夜景を見ながらゆったり過ごすのに適した場所を演出しようとしているものと考えられる。否——夜景を見ながら長時間イチャイチャできる場所を演出しているのだ! ファッキンジャップ!(勝手に怒っている困った人現る)
他には、「スペースファンタジー ギャラクシーウォーク」なる名前からして事故ってる危険性しか感じないコーナーがあって、新生【別府タワー】を彩っていた。
電波塔としての役割が終了してしまってから既にだいぶ時も流れ、「街のランドマークとして残り続けて欲しい」という社会的な要求がある一方で、「ではどうやって存続のための収益を上げるか?」という命題と常に向き合い続けていかなければならないタワー6兄弟を中心とした古くて低い観光タワー群は、”居心地”という方向に舵を切って生き残る道を模索している。一体何が正解なのか私のような凡人には到底理解できないところではあるが、とにかく頑張ってほしいと無責任にも切に願うばかりである。【別府タワー】の新しい記念メダル、素敵ですYO!
(タワーリニューアル前の記事)タワーを置き去りにして街は発展し、時代は進んでゆく……
タワーというのはなかなか微妙な存在で、おらが街のランドマークとしてそびえ立つ姿は真に勇ましいが、登ってみると、特にやることがなくて時間を持て余す(けどお金払ったからすぐ降りるのは癪)という、表と裏の顔を併せ持つ。特に「好きな人と夜景を見る」というお互いに下心溢れる目的があるならばまだしも(デートの締めにはもってこいだ!)、昼間に登ってしまうと、たとえ好きな人と一緒であったとしても「うん……」って感じにしかならない。いや、たまに二人掛けソファーなんかが置いてあったりすると負けじとイチャコラ(古い)している姿を見かけることもあるが、極論をいえばそれはタワーでなくても良いわけで、タワーよりもソファーが重要だっただけの話である、二人にとっては。
またタワーは大きく分けて二つの年代に分けることができる。この辺の話は記念メダル漫画【旅愁マスク 観光系】で詳しく述べられているが、ざっと説明すると、バブル期以前に建てられた昔ながらのタワー(低い:前期型)と、バブル期に金に物を言わせて建てられた高層ビル型タワー(まあまあ高い:中期型)とがある。世間的に名が知れているのはやはり前期型のタワーで、タワー6兄弟などはその代表格といえよう。(【名古屋テレビ塔】、【通天閣】、【さっぽろテレビ塔】、【東京タワー】、「博多ポートタワー」そして【別府タワー】。博多ポートタワーだけ記念メダルがないんだよね~。ここを【神戸ポートタワー】とかに置き換えると記念メダラー的には帳尻が合うのだがって何の帳尻やねん)。そんなタワー6兄弟の一角を担う【別府タワー】であるが、ここは他の兄弟たちと比べるとさらに輪をかけて「昔のまま」であった。悪い意味で(ただの悪口と化す。いや、それが良いという人ももちろんいるだろうが。特に記念メダラーなんかだと)。
デジタル放送の開始に伴い、前期型タワー達の多くが担ってきた電波塔としての役割は完全に潰え、名実ともに「ただ立っているだけ」となった。そんな時代の変革に合わせようと――否、「生き残ろう!」という強い意志で、各タワーは元来はおまけ的要素であった「観光展望」に力を入れるため、内装をリフォームしたり、様々な企画・展示を始めたりした。もちろん本来の役割を終えてしまったのでもはやそれをするしかないわけなのだが、ビアガーデンを開くなど積極的な試行錯誤をしている姿を見ると、「少しでも貢献できれば」との想いでメダル販売機にお金を投入する手つきも軽やかになるものである(まあどのみち買うんだけども)。
ここ【別府タワー】はそうした路線ではなく、昔ながらの姿、ありのままの姿で今もなお勝負?しており、逆に「そうきたか⁉︎」と驚くばかりであった。いや、本当に驚いたのである。話がそれるようだが、ここはかなり夜遅くまでやっているので、頑張れば他の記念メダルスポットを時間いっぱい回ってからも夜に取りに来れる場所である。そんなもんだから、てっきり「夜遅くまでやってるなんて、カップル向けなんだろうな〜よる行くとイチャコラしているカップルがたくさんいるんだろうな〜」と思っていたので、家で孤独なお父さんが晩酌を楽しみにくるような定食屋のような雰囲気に心底びっくりしたのであった。旅とは驚きに満ちいている。
いろいろと不満を述べているように受け取られるかもしれないが、私が述べているのは不満ではなく「危機感」であり、余計なお世話かもしれないがひとつの記念メダルスポットの行く末を案じているに過ぎない。私自身としてはこれこそまさに「一周回って面白い」というやつであったので、展望料金等を含め特に不満はなかった。駐車場の無料券も貰えるし。【神戸ポートタワー】とかの方が面白くなさでいったら上である(結局何かをディスる)。
20タワー達成のスピード感
「全日本タワー協議会」というものがあり、そこに加盟する20のタワーにはほぼ記念メダルが存在する(【空中庭園展望台】のみ販売終了。ただ専用チケットで関西ブロックの4タワーを巡ると最後に訪れたタワーで【関西4タワー】メダル銀がもらえるはずなので、【空中庭園展望台】を最後にすれば一応メダルを獲得したことにできる)。
つまり、記念メダラーであればいずれは20タワー全てを訪れることになるだろうということである。期せずして20タワー制覇を成し遂げることになるのである。
しかしもちろん、その道のりは遠く険しい。ハイレベルな記念メダラーの方々はとっくの昔に20タワー制覇を成し遂げていらっしゃるだろうが、私は2019年3月の段階では【五稜郭タワー】、【千葉ポートタワー】、【銚子ポートタワー】の3つにはまだ訪れたことがない。函館エリア、千葉エリアはほぼ未開の地なのよね……
この「20タワー制覇」を日本で最初に成し遂げた人は、ここ【別府タワー】をスタートに選んだらしい。
で、驚くべきは、その達成スピードである。なんと、10月10日に始め、10月16日に達成しているのである。計算すると、1日に平均約3つのタワーを訪れていることになる。いや、これは「別府から函館までこんな短期間で巡ったのがすごい」ということもさることながら、
タワーばかり行ってヤにならなかったのかな?
ということに感心してしまうのである。正直私はタワーが好きではないので(いや、外から見る分には好きなのよ? 登っちゃうとつまらないだけで)、こんな短期間にタワーばかりに登る旅なんてほんと
修行
の境地である(しかも、割とツライやつ)。それだけに、逆に達成感は半端ないかもしれないが。
しかしそれでも巡るのは、やはりそこに「タワーそのものではなく、そのタワーにしかないもの」を求めるからである。橋本さんご夫婦の場合はそれがスタンプラリーのスタンプであり、記念メダラーにとってはそれが記念メダルなわけである。
何事にも偉大な先人がいる。この橋本さんご夫婦は、記念メダルは集めていないかもしれないけれど、「記念メダル的旅」の先駆者であるといえるだろう。心より敬意を表したい。
記念メダルについて
記念メダルのデザインとしては非常にオーソドックスなものとなっている。まあ悪くない、といった感じで、記念メダルの王道をゆくようなデザインで、記念メダラー的には好まれるタイプである。私もまあ好きな方ですな。
裏面は少し珍しい印象で、まるで刻印面が二重になっているかのようである。なんなら本当に、二段に分けて刻印できるタイプとか出してみたらどうだろうか? まあ記念メダラーしか「おおっ!」という反応はないかもしれないけれど。マニアの発想は常にマニアにウケそうなものとなってしまい、一般人への配慮が欠けるものである。この裏面は「あれ? ちょっと珍しいぞ」なんて思っている時点で、かなり深みにはまっているといえる。
——で。
2023年1月のリニューアルにより、新たにプリントメダルが加わった。同時に販売機自体も新しくなったり刻印機がタッチパネル式に入れ替わっていたりしたのだが、諸般の事情によりあたふたしていたので全体像を撮り忘れちゃったYO! 次に訪れる機会はなかなかないだろうから本当に残念である。ただ旅先でやり残したことがあるって、旅のあるあるだよね!
(リニューアル前記事)オマケ
【別府タワー】からクルマですぐ近くの距離に、謎の「いかにも記念メダルがありますよ〜」と言わんばかりのタワーがそびえ立っていた。目算では正直【別府タワー】より高いような……
これは何? 別府タワーを終わらせにきたライバル? などといろいろ妄想をかき立てながら後で調べようと思い10分後にはすっかり存在を忘れてしまっていたのだが(最低)、「別府タワー公式アカウント」からコメントをいただいたことをきっかけに他のつぶやきも見ていたら、調べるまでもなく正体が判明した。
おっとこれはコンベンションホールさんの事ですね。彼の名前は正式には「グローバルタワー」くんですスマートで市の運営なので少しお堅いところがありますが、一緒に別府の街を盛り上げてくれる一員です。コンベンションホールは国際会議やコンサートなどを行える会場です(・∀・)
https://t.co/gNgnJPsAxF— 別府タワー【公式】 (@bepputower_sei) April 18, 2019
上記写真のタワーの正体云々より、別府タワー公式アカウントのコメントのセンスの良さが光っているように感じる。いわゆる「中の人」はネットリテラシーと自分の「公式の立場」という難しい位置どりをよく理解した上で、ウィットに富んだ感じの良い投稿をしていて、素直にすげーと密かに注目している。しかも今年(2019)の4月13日に誕生したできたばっかりのアカウントのようで、早々に私なんかのツイートにコメントいただき、光栄であった。しかも添付したブログの記事内容(コレ)は決して気持ちの良いものではなかっただろうに。しかし真摯に対応していただき、なんかもう
好感度爆上がり
ですよね〜。単純な私はいまやすっかり
別府タワーの大ファン
となっている、ええすでに。相手の思う壺なのかもしれないが、それでもいいのこの愛は(ナニコレ)。
正確には「中の人」のファンということになるのだが、ここはもう【別府タワー】のファンということでオールOKである。
みんな別府タワーに行こう!
という現金すぎる発言で、幕。
コメントを残す