【販売場所】
@店内
備考:期間限定ショップなので期間終了とともに販売終了。が、東京、横浜、大阪の同ショップで販売しているらしい。※店舗終了
いつの間にか二人だけじゃなくなったプリキュア及び名古屋飛ばし問題
『ふたりはプリキュア』という作品がプリキュアの始まりである。そう、始まりはたった二人であった。それがいつのまにやら、「オールスターズ」と冠された映画作品が公開されるほどに人数は増え、それと比例するようにプリキュアを愛するファンたちが世の中に爆発的に増えていった。プリキュアが一人増えると、ファンは1万人くらい増えているのではなかろうか(勝手な当社比)。
その人気は衰え知らずどころかとどまることをしらず「プリキュアプリティストア」
なる専門店が主要都市に爆誕するに至った。記念メダラー達にとっては東京駅のキャラクターストリート内にある【プリキュアプリティストア東京店】が馴染み深いであろう。ここではいち早く記念メダルが吊り下げ式で販売されており、世のおっさんメダラーたちを「ここに一人で行くのか……」と戦慄させた。ただ記念メダラーたるもの、【サンリオピューロランド】や【リカちゃんキャッスル】に比べれば、このような場所は屁でもない(ちなみに【サンリオピューロランド】では毎月いずれかのキャラクターの「バースデーイベント」なるものが開催されていて、その度にそのキャラクターにちなんだ記念メダルが発売されているっぽい。と誰もはっきりと情報をあげないので書いときますね〜)。記念メダラーたるもの、旅の恥はかき捨て、ですな(知ったような口調)。
そんな「プリキュアプリティストア」であるが(店名を口にするのも恥ずかしいくらいのおっさんです)、店舗は「大阪本店」「東京店」「福岡店」と見事なまでの名古屋飛ばしであった。ここまで来ると、むしろ清々しい。やはり三大都市の三番目は「名古屋」ではなく「福岡」なのだと実感する次第である。
と思っていたら、突如として誕生したのがこの【プリキュアプリティストア名古屋出張店】である。名古屋の中心地「栄」のさらに中心「オアシス21」内に、期間限定ショップとして2019年3月9日〜5月6日までオープンした。「期間限定ショップ」であり常設店ではないところが、やはり名古屋は儲からないと見られている証拠に他ならないぜ!
そんなわけで、私にしては珍しく「オープン初日の開店と同時」を目指して訪れてみたら
まったくもって、「プリキュア」という一大文化をなめていた次第である。オープン前からビッグサンダーマウンテン並の行列ができていて、おじさんは本当にびっくりしてしまった。やはりプリキュアが一人増えるたびに比例してファンは1万人増えているという計算になる(超勝手な当社比)。そして同時に絶望した。「私がこの行列に並ぶのか……」と。
プリキュアを愛する人たちの列に、プリキュアを別に愛していないおっさんが並ぶ。それは背徳行為以外のなにものでもない。というか、家族連れや小中学生くらいの女の子達の中にむさ苦しいおっさんが入っていくだけで申し訳ない。係りの人が「二列になってお並びくださ〜い」と連呼している。そんなの私の隣に来ることになった女の子は運が悪いとしか言いようがない——私はいったいどうしたらよいかとしばらく列の近くでうろうろしてしまった(ザ・不審者)。しかし、そんなことを言って引き返すなんていう選択肢は初めからないわけである。
記念メダルを購入しない記念メダラーは、ただの旅行者だ(飛ばねえ豚はただの豚だ、風に)。いや、そっちの方が正常じゃないか? という内なるツッコミは聞こえなかったフリをして、列に加わること数時間。開店しても入場規制がかかっていたため、文庫本を半分以上読み終わった頃、ようやく店内へと入ることができた。その間にもはや申し訳ないとか面目無いとか恥ずかしいとかいった感情はどこかへ消え失せ、代わりに芽生えたのは「プリキュアオールスターズの映画、ちょっと観てみたい!」という今までの自分の中には全くない感情であった。
いやね、ちょうど私の後ろに並んでいた女の子二人組が、やっぱりすごくプリキュアが好きみたいで、すごく嬉しそうにいろいろなプリキュアの話をしてたのよ。しかもその二人は恐らく中学生か高校生くらいでなかなか綺麗なお二人で、私が若かった頃はこういった魔法少女もののアニメは本当に小さい女の子しか見てないようなイメージだったので、「作品の内容を分析・議論する」なんてことが起こり得るなんて想像だにしていなくて、二人があーでもないこーでもない「キュアなんちゃらのあの時の行動にラブズッキュン」(こんな言い方はしてませんが)みたいな話に、「へー」とおじさん素直に感動してしまった次第である。で、そんな話の中に上記の「プリキュアオールスターズ」の映画の話が出てきて、「オールスターズが今にも全滅しそうな窮地に陥ったときの救済方法」に話題が及び、「えー、そんな手があるの!」と一人驚いてしまった。
映画作品にはよく「第三の壁」という概念があることが話題に上る。簡単に言えば、「登場人物と観客との間にある壁」のことで、例えば映画内の登場人物が突然観客に向かって語りかけてくるなんていう演出がたまにあるのだが、これを「第三の壁が破られた」と表現する。
以下は私が全く知らない女の子二人の話を盗み聞きして(いや、自然と聞こえてきたのよ、まじでまじで)得ただけの知識と情報をまとめただけなので、いろいろと誤解があるかもしれないが、こんな感じの話であった。
①映画のラスボスは思い出?を奪う敵である
②思い出?を奪われると赤ちゃんになる(なぜかは不明)
③赤ちゃんになっても、思い出してくれる人がいれば元に戻れる(なぜかは不明)
④全員、いっぺんに思い出?を奪われて全員あかちゃんになる
⑤大ピンチだ!
という流れであると思われる(実際どうかは知る由もない)。で、私が感心したのは、④全員赤ちゃんになって⑤大ピンチとなった後の、救済策である。恐らくここが映画のクライマックスシーン、最大の山場であったところであろう。みなさんはどうやってプリキュア達がこのピンチを切り抜けると思いますか?(唐突なクイズ)
正解は、「観客が覚えているから全員復活!」である。らしい。
観客参加型の映画であったということになる。しかも参加の仕方が劇中で登場人物達が実際にやっていることと同じことをする(プリキュアを思い出す)という行為なのである。この発想には、感動である。
と同時に、それを聞いて私は驚愕した。「私が家で一人でDVDで観てたら、プリキュア達全滅じゃん!」と。私はプリキュアを誰一人として知らない。記念メダルに描かれている彼女達が一体誰なのか、日本人であるのかどうかすらしらない。思い出など何一つ存在しない。私に観られた時点で、プリキュア達の死が確定する。そんな申し訳ないことは決してできないのである。
私は映画マニアでもあるのでお二人の会話の内容からプリキュア映画作品が俄然気になってきた。なんならアマゾンプライムビデオで検索すらしてしまった。
が、すんでのところで思いとどまった。私のせいでプリキュア達が巨悪との戦いに敗れてしまっては本当に申し訳なく、とても償いきれるものではないと気づいたからだ。
この列に並んでいる全ての人たちの想いに支えられ、プリキュアたちは今日も(というか毎週日曜日の朝に)戦いにその身を投じている。
記念メダルについて
一目瞭然であるが、記念メダラーからは評判が悪いことが予想される「オールプリント型メダル」である。金型で成型したあとその凹凸に合わせて改めてプリントするタイプは割と好意的に受け止められるが、今回のメダルのように、「平面にプリントするならもはやなんでもありじゃん」メダルは、記念メダラー達の間ではすこぶる評判が悪い。
ただ、別に記念メダラー達に向けて作っているわけではないというそもそも論のシビアな現実があり、今後キャラクターもののメダルについてはこのような形のメダルがどんどん増えていくことだろう。実際、記念メダルとは思えないくらいよく売れていた(言い方)。キーホルダーも一緒に購入する人が大半であったことから、記念メダラーではなくプリキュアファンであることが一目瞭然であった。
裏面の金型は、【プリキュアプリティストア東京店】で販売されていたものと同一である。そのことから、経費的にはそれなりに安く済んでいると思われる。
また、私の勝手な予想であるが、恐らく他店舗でもそのうち販売されるのではないだろうか。なぜなら、その方が儲かるからである。ただ東京店とは違って「販売機で買える」というのは記念メダラーにとってはとても重要な要素であり、ひとつの醍醐味でもある。遠目で販売機を見つけた時のあの高揚感は、まるでプリキュアの魔法にかかったようである(怒られそうなテキトーなたとえ)。
何はともあれ、購入しにいく方は少し落ち着いてから行くのがよいかと。夜遅くまでやっているし(閉店21:00)。
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