愛知県【すいとぴあ江南】 記念メダル

すいとぴあ江南 記念メダル
記念メダル販売場所

@展望フロア
備考:販売終了。販売終了リスト掲載後も1階受付にて手売りで在庫分を売っていたが、それも完売。

終わりが見えたときに、何をするのか

 【すいとぴあ江南】は、愛知県江南市にある公営の宿泊施設及び勤労会館である。江南市が市政40周年を記念して造ったいわゆる税金の塊である(ヤな言い方)。

 この程、2023年度末に閉鎖する方針であるという答弁が江南市議会であったそうで。まだ正式に決定したわけではないそうなのだが、江南市で2番目に維持コストがかかる公共施設であるらしく、恐らくはそのなんともいえない施設の存在意義からコストカットの槍玉にあげられたのだと思われる。

 で。

 繰り返すようだがまだ正式に施設廃止が決定されたわけではないということで、このことを報じた中日新聞地方版及びその記事を引用した個人のフェイスブック投稿がちょっとネット上をガヤつかせたことがある。江南市長が直々に公式アカウントでその個人の方へメッセンジャーで「一方的な情報は載せない方がいいですよ」といった暗に投稿に釘を刺すような内容のことを送ってきたというのである。

 私はこのこと自体は正直どうでもよいのであるが、一番思うことは「何やってもバレちゃう時代になったんだな」とSNSを筆頭とした個人メディアの時代における身の処し方のことである。どれとは言わないが、昨今の芸能関連の報道を見ていても思うのだが、相手に反撃されることを前提とした対応を考える必要がある時代になったのではないかと思う。しかもこの問題の難しいところは、相手の情報リテラシーが低い方が平気で無茶な反撃をしてくるという点である。何でも晒すし、その結果が招くことをあまり考えることもないし、と。倫理的に考えれば個人間のメッセージのやりとりをネット上どころかそもそも人に見せること自体が重大な倫理違反だと思うのだが、それがスキャンダルや炎上ネタとなるのであれば、結果的にオッケーになる風潮がある。

 まあ反撃することが悪いというわけではないし、むしろ、今まで闇に葬っていたことが明るみに出始めたという面の方が強いと思うので、一概に「倫理違反」で片づけられない問題ではある。この件でいえば、意見の正当性はどうあれ市長が一般人に対して圧力をかけたという姿勢が問題であるわけで、それはきっと今までもあったことなのである。ただそのことを全世界に発信する手段を個人が手に入れたというだけで。SNSのメッセンジャー機能なんて使ったら、メッセージを受けた相手は某タピオカ店と同じ手段を取ることが可能となる。まあ今やメッセージのやりとりのスクリーンショットをネットにアップするなんてのは、Twitterの世界では当たり前なんだけどね。。。。

 だから逆に、メッセージを送る側に、そういう可能性があるというリテラシーが必要となるわけで。言いたいことも言えないそんな世の中じゃ、poisonである。

 さて、そんな政治的な話はさておき、仮に閉鎖しないとなると、逆に抜本的な改革をする必要に迫られることになる。このままではダメだという判断があるからこそ閉鎖の話が出てきたのだから。

 そうなると、現在は指定管理者制度で運営していていわゆる業務委託なわけだが、例えば完全に民間譲渡をするという方針が一番現実的な手段となるのではないだろうか。しかし単純な話、これほど辺鄙な場所にあって昭和でバブリーな残り香がプンプンする宿泊施設を果たして欲しがる業者がいるだろうかというのが最大の問題であるといえる。そして仮に欲しいと手を上げる超奇特な企業が出てきたとしても、この場所は市街化調整区域らしいので、民間業者が宿泊施設を運営する許可が下りるのかという見解があるようだ。というか、そもそも市街化調整区域によくこれ建てたな。それこそが行政の裏技であったのではないかと思う。市街化調整区域にも例外規定というのがあって、区域内に観光資源がある場合は展望台、宿泊施設、休憩施設が作れる場合があるそうなのだが、観光資源あるかな?(・∀・)と周りを見渡してしまう次第である(木曽川?)。この辺の話はFP3級の勉強をすると出てくるので、気になる人はお調べください。

 以上のことから、事実上、税金を使わずして維持することは不可能だし、需要の増加を見込めないのでコストカット以外で赤字の補填をすることは不可能だし、コストカットをするなら人件費を削る以外は無理だし、人件費を削るなら業務委託費を下げるしかないわけだし、業務委託費を下げればやりたい業者なんていなくなるだろうしと、これをどうにかできるんですかね〜と他人事ながら他人事程度に心配してしまう(ほじほじ)。せめてこれが体育館等であったなら活用の仕方も周辺住民の需要もあったのかもしれないが、残念ながら現実は市街化調整区域内にある宿泊施設である。市街化調整区域内にあるというのは、平たくいえば、街として発展する可能性はゼロだということを意味する。正直、この場所に宿泊ニーズなんてもともとほとんどなかったんじゃないかな〜と思ってしまうのだが、どうなのか。本当に宿泊客がわんさか来ると思っていたのだろうか。

 そんなもろもろのことがあって私の中でちょっと気になるあの子的な存在となっていた【すいとぴあ江南】。もう二度と来ることはないだろうと思っていたのだが、せっかくなので来てみることにした。なくなる前に。(形あるものはいつかはなくなるよね〜という意味ですよ!(・∀・))。

まったく関係ないけど、遠くから見るとちょっと雰囲気が【すいとぴあ江南】に似ている施設「鳴海配水塔」。名古屋珍スポット的な本で見かけていつか忘れたけれども来てみたら、来てみたことすら覚えてないくらいの薄い記憶となって写真フォルダに残っていた。

灼熱の展望フロアを「ごゆっくりどうぞ〜」

 この施設、なんと朝7時オープンである。早朝の江南の町を見下ろすことができる。まだ記念メダルを販売していれば、最も早い時間に記念メダルを入手できる施設であったかもしれない。

 そんなわけで私も平日の朝8時に入館した。もちろん全てが貸し切りであった。

情報量の多い券売機

 展望室入場料270円を高いととるか安いととるかは、江南市の街並みを見渡したいと思うかどうかによるところである。

 ここでとんでもない事実が発覚する。

要約:エアコン壊れたからうちわでどうにかしてね❤︎

地獄は地に堕ちるのではなく天に昇った先にあったのか⁉︎

 この日はある地域で観測史上最高気温を記録したほどの猛暑日であった。それを果たしてうちわで凌ぐことができるのだろうか。ちなみにこの日はこの後【すいとぴあ江南】内のお風呂に入ろうと思っていて、それが11時オープンということで、実はそれまで展望室でブログを書こうと思っていたのだ。

 エアコン皆無の場所で果たしてそんなことが可能だろうかと不安になりつつ展望チケットを受付の昔お姉様だった方に渡すと、「今エアコンが故障してまして、あまり長居されると危険ですのでお気をつけください。それではごゆっくりどうぞ〜」と

パラドックスが強い(クセが強い風に)

 案内をされた。ますますどうしてよいかわからず混乱したままエレベーターに乗って異次元の上空へと向かうのだった。

焼け石に水=猛暑日にうちわ

親切で置いておきました的な「暑い時にはうちわをご利用ください」

いやー厳しかったね!

クマもぐったり

 写真からはまったく伝わらないでしょうが、

超暑い

どれくらい暑いかというと、うちわであおぐ腕の運動によって余計汗が吹き出るくらい、暑い。

 ただ、この状態をどうにもできないまま営業しちゃうのが、この施設の現状なのかなと思った次第である。たとえばこれ、極端な話【スカイツリー】だったら絶対にありえない話なわけである。「エアコンが故障してて暑いですが、それでもよろしいですか?」という問いを発すること自体がありえないわけである。死に物狂いで速攻修理するか、はたまた展望室を閉鎖するかは不明であるが、とりあえずうちわ配って暑さを凌いでねといっていつもと変わらぬ入場料金を徴収することなど絶対にないだろう。そんなことをしたらニュースである。

 そもそも客がほとんど来ないから微々たる問題だと思ったのか、はたまた修理する目処がまったく立たないからなのか、いずれにせよ【すいとぴあ江南】がこのまま営業しても問題ない(しょうがない)と判断した結果、私がこの場所にいる。そして残念ながら、このことがニュースになることはないし、私としても最初から期待値が低いので別に不満に思うこともなかった。お互いがお互い、料金安いしそこまで期待するものでもないからまあいいやと思っているから成り立つ3分の1の純情な感情なのである。

 ただそれって、本当だったら観光施設として致命的な状態なのではないかと思うのである。本当にこの施設が良いものになることを願っている人間が皆無の状態であるといえる。客も運営者も、みんな他人事なのである。この状態で営業したら、ネットでこういうこと書かれちゃう世の中な訳なのだから。

 まだ決定事項ではないとはいっても、やはり終わりに向かっている施設なのかなという印象がよりいっそう強くなった次第である。うがった見方をすれば、もう終わるのだから直したくないみたいな風にもとれてしまう。

 もちろんこの後に修理の予定があるのかもしれない。が、残念ながらそれを確認するチャンスは私には恐らく二度とないだろう。2023年以降も施設が存続していれば、きっとエアコンも直っているんだろうな〜と思うくらいである。

堤防沿いの道をずーーーっと走ってゆくと、【138タワー】へたどり着きます。写真にもちっちゃく写っております。
サッカー合宿とか野球合宿とかにも使えそうな施設で面白いんですけどね〜。ただこのグラウンドはこの施設の所有ではないので別途予約が必要ですが。
そんなわけでこの施設自体が推しているのは「テニス合宿プラン」のみなのです(テニスコートは自前らしい)
庭もありましたが、暑すぎてとてもまわれませんでした〜
江南市の街並みを見渡したいと思うか、否か
こちら方向にずーーーーーーーっと走っていけば、【犬山城】にたどり着きます。常人では行っても帰って来れないと思うけど。
実は扇風機がセルフスイッチ式で置かれておりました〜。もちろんそれでも厳しいものがありましたが。

朝一番でテーブルにクマのぬいぐるみを置いて撮影するおっさん現る

コーラフロートって実は珍しくない? メニューにあると大抵頼んでしまいます。

 あまりの暑さに耐えきれず展望室を出た後は、大浴場オープンまで時間を持て余してしまった&とても外では待っていられないので、9時オープンのレストランにやってきた。やっててよかった(公文式)。

 ここからは怒涛のブログ執筆で時間をやり過ごす。【すいとぴあ江南】の記事を【すいとぴあ江南】で書くというリアルタイムバトルもびっくりな現在進行形である。

 ただブログを書くとなると、途端に2時間ではまったく足りなくなるのであった。。。(ブログ書くのって実は時間かかるんですよ〜)

なんて読むのかわからないレストラン
木曽川に生息する魚たちの展示が店内にありました。まるで生簀のように

迷惑行為とは?

 そんなわけで大浴場である。残念ながら温泉ではないのでいわゆるただの銭湯となってしまうのだが、完全貸切状態の大浴場は素直にめっちゃ気持ちよかった。目の前にある木曽川の堤防沿いはランニング&サイクリングコースとなっているしサッカーグラウンドや野球グラウンドもあるので、運動した後に汗を流しに来るのにちょうど良い感じである。ただこの日に限っていえば日を遮るものがない場所で運動したら死にそうだったので、走るのはやめておいたが。

 中はいたって普通の浴場といった感じで、イメージとしてはフェリーの浴場である。1時間くらいゆっくり入っていたが、その間一人も客は来なかった。久しぶりに大変のんびりできて個人的には大満足であった。広いお風呂は無条件で気持ちいい。

 が、一点気になった点がある。サウナである。

公式HPよりスクリーンショット

どんな迷惑行為⁉︎

 と気になってしょうがない。実際のサウナのドアにも同じようなことが書かれた貼り紙があった。中で一体何が行われたんでしょうかね……

 正直に言えば、「男性用サウナのみ閉鎖」という点でなんとなく想像ができてしまうんですがね……何とはいいませんが。

すいとぴあのフルコース

食べて、止まって、歌えます。すいとぴあ。

 間違いなくいえることは、記念メダラーの中で私ほど【すいとぴあ江南】を満喫した者はいないだろうということである。この施設を展望室、レストラン、風呂というフルコース以上に満喫するならば、もはや宿泊するしかない。周辺には意外と記念メダル施設が点在しているので、愛知遠征の宿泊場所として利用するのは意外と悪くないと思うが、実際にそうした利用をした人は恐らくいないだろう(根拠のない推測)。

 行末の気になる施設ではあるが、残念ながら記念メダルが復活することは二度とないだろう。だからこそ、せめて記念メダルの歴史の一ページとしてここに記すに至る。永遠なれ、すいとぴあ江南。

プロ野球選手も輩出した江南市
『旅愁マスク 観光系』にも地獄の行程として登場する【すいとぴあ江南】

記念メダルについて

 記念メダルの販売はだいぶ前に終了している。有名記念メダラーである「横浜茶平会」さんが販売機が撤去された後も展望タワー1階の受付にて手売り販売されていたことを報告されたのが2017年。3年の間に無事完売したようで、一応確認してみたところやはりもうなかった。

売り切ったというのはある意味奇跡かもしれない。なんだかんだずっと売れ残っている施設もありますしね〜
どこをどう探しても、もうないのだ

 デザインとしては「古き良き」といった感じで、ザ・記念メダルといったテイである。観光地メダルでイメージするメダルの典型的デザインであり、今となってはこういうデザインもよかったなと思ってしまうのだから、人間とは本当にわがままなものであることよƪ(˘⌣˘)ʃヤレヤレ

 刻印を見ると、初めて訪れてからちょうど10年が経つ。それは、10年経ってもやってることが同じだということを意味する。恐ろしい……恐ろしいことよ……

(過去記事)めっちゃ低いし温泉じゃないし

↑税金の塊

 ここ【すいとぴあ江南】は、江南市が建設し運営する公営宿泊施設である(もちろん運営は請負業者がしていると思うが)。江南市市政40周年を記念して建設されたらしい。記念事業だけあり、ランドマークの役割を担う外観は確かに個性的である。よく「スタンプ」と称されている。

 ただ、タワーだけでなく「宿泊施設」としたのはなかなかチャレンジャーだなぁと感じる。なぜなら、周辺には観光名所・施設が一切ないからである。つまり、「誰が泊まるの?」という疑問が生じるのである。ビジネスユースを見込むにしても、正直江南市へビジネスで訪れる人はごく少数であろう。また、たとえ江南市に泊を伴う出張で訪れる要件があったとしても、多くの人は名古屋駅周辺で宿泊し翌日江南市へ移動するという手段を取ると考えられる。その方が夜が楽しいし(ゲスの極み)。

 とにかく周囲には何もない。コンビニもない。

 だから、静養目的で訪れるなら、目の前に木曽川も見えてなかなかよい景観で心休まる場所だと思うのだが、静養目的ならば、これまた「江南市」という場所がリストに挙がる人は非常に稀であると思われる。まず真っ先に「軽井沢」等有名どころを想起すると思うのである。

 しかも、肝心の記念メダルはその特徴的なタワーの展望室にあるのだが、そのタワーが明らかに低い。100メートルもない。どころか、「江南」にちなんだのか「57メートル(公式HP発表値)」である。すぐ近くに一宮の【138タワー】が空高くそびえ立っているのが見て取れる。つまり、記念メダラーにとって次の目的地が見て取れるということである(あるいはそこからやってきたか)。この展望室に登った人の誰もが思うであろうことが「あっちの方が高い」である。

 そんなわけでなかなか運営的に難しい施設であることが推察される。しかし、前述の通り市の事業として建設された「箱」なので、これまた切るのもきっと難しいだろう。ランドマークとして造っておいて、そのランドマークを切るというのは、市の象徴=シンボルを切るということでもある。後には引けない物を造ったとも言える。

 個人的には、せめて宿泊施設としてではなく、運動公園や体育館など、県内の遠隔地からでも一定の需要が見込めるものであったらなぁ、、、と考えるのは素人の考えだろうか。体育館に展望タワーという組み合わせは意外とないので良いと思うのだが(ライバル?の【138タワー】がまさにそれをやっているのだが)。

 ただ、宿泊施設としてはなかなかよいらしく、施設も外観の古臭さに反して結構綺麗である。従業員の方々のがんばりが見て取れる。テニスコートがあるので、テニスサークルの合宿等に利用されることもあるようだ。

 公共の宿なので、値段はまあまあ安い方であり、その点「合宿」等のニーズはあるかもしれない。フィットネスもあるので、フィジカルトレーニングもできる。ただ、テニス限定ではあると思うが。

 【すいとぴあ江南】から木曽川沿いの堤防をずーっと走ると、【138タワー】に着く。そういうマラソン大会を企画してもよいかもしれない。マラソン大会は大規模なものにすれば、県外からの参加者も多く、宿泊施設も潤うのである。大規模なものにできるかは不明だが。

 いろいろ考えてみても、しょせん素人の私には良い経営策は思いつかないなぁ〜。という、超余計なお世話な戯言でした。




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