「一本列島」という言葉があるーー
青函トンネルと瀬戸大橋は、実は同年に開通している。ゆえに、同年に【瀬戸大橋博】と【青函博】という地方博がそれぞれ開催された。しかも、【瀬戸大橋博】では香川側と岡山側、【青函博】では青森側と函館側でそれぞれ別個で開催されるという同じような形式であった。せっかく開通したのに仲悪い感じである。
で。
「一本列島」というのは、そのときJR各社が一つとなってPRしたキャッチコピーである。説明無用かもしれないが、「日本列島」が「一本」に繋がった、ということで「一本列島」である。この開通によってJR全線に渡るダイヤ改正が行われたらしい。
私は鉄道には全く興味がないので、瀬戸大橋を渡るときはいつでもクルマで、北海道にいったときもフェリーであった。ただ、瀬戸大橋はともかく、青函トンネルは一度は通ってみたいものだと思っている。かつては、青函トンネル内の駅で記念メダルが販売されていたんだよね〜
今でこそ飛行機の時代、しかも日本国内ならば格安航空の時代であるが、当時は電車一本でどこまででもいけるということに胸踊ったことであろう。現在でも「青春18切符」の登場により、電車によって日本列島のどこへでもいけるということには大きな価値がある。「青春18切符」、買ったことないけど。クルマが好きなので〜
さて、「日本列島」という言葉の中には、いつも「沖縄」の存在は抜け落ちている。沖縄には今もってフェリーか飛行機でしか行けない。ゆえに、正確には「一本列島」はいまだ達成されていないはずなのだが、当時このキャッチコピーを聞いた沖縄県民の方々はどう思っていたのだろうか? そんなものだと気にも留めない感じなのか。
沖縄には、ご存知の通り鉄道がない。ゆえに、「終電を逃す」「もう終電だから帰らないと」という概念が存在しない。沖縄出身の知人は、平日であっても朝まで店で飲むということがザラだし、そもそも「朝までやっていない飲み屋が許せない。なぜ2時なんかに閉まるんだ」と憤っていた。
文化の違いとはまさにこのことである。沖縄に鉄道がないことは周知の事実であるが、そのことから派生する考え方や価値観の違いというものに考えが及んだことがなかった。「鉄道がない」という一つの違いで、「飲み会の切り上げどき」「家に帰って寝る」といった私が当たり前のように、考えるまでもなく行動していたことが、彼の中には全く存在しなかったのである。私は終電を逃してタクシーに乗って帰るなどお金がもったいなくてとてもできないのだが、沖縄では飲んだらタクシーで帰るなど当然のことで、莫大にかかる費用に全くためらいはないらしい(友人談)。
JRのみなさま、今度はぜひ沖縄に鉄道を敷いてみたらどうでしょうか? 「人の移動」「物の移動」ということ以上に、「終電までに家に帰る」という新しい文化を沖縄に導入することに繋がりますよ。さすれば、沖縄ではちょっとしたベビーブームが生まれ、少子化にも貢献できるのではないでしょうか? ぜひご検討ください(超余計なお世話)。
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