

新造船「くれない」に、新造船と呼ばれるうちに乗ってきた!

というのも、今はもう2年前の話なのね……
この記事を書いているのは2025年5月で、「さんふらわあ くれない」に乗船したのは2023年3月のことである。
この記事は「さんふらわあ くれない」が新造船として世間を賑わせていた2年前の出来事をだらだらと書き残したものとなる。”2年”という月日は新入学の大学生を3年生夏休みから始まる就職活動へと押しやるほどの時の流れなので、そう、もう記憶は薄いのであった。
しかし確かに覚えているのは、私が大好きなフェリーが新造船されるということで「どうしても乗りたい!」➡︎「乗るからにはブログの記事にしたい(貧乏性)」➡︎「”さんふらわあ”のメダルはヤフオク・メルカリに溢れている」➡︎「なんらかの”さんふらわあ”のメダルをテキトーに購入して無理やり記事にしよう!」と思い立ってメダルとチケットをネットでポチった——という記憶がある。
ちなみに【さんふらわあ】の大阪ー九州航路には昔から「弾丸フェリー」というパッケージがある。簡単に言うと”行った船で帰ってくる”というプランであり、復路が半額になるサービスである。つまり、それで乗った。
以前から何度か述べているが、私はフェリー旅が好きである。ハマったきっかけは【太平洋フェリー】に乗って北海道に行ったことである。乗ってみたらなんなら北海道より楽しかったまである、と感動し、それ以来戦場生活に憧れを抱くまでとなった。それくらいハマった。
そして今回、新造船の超絶綺麗な最新鋭のフェリーに乗船してみた結論としては、、、

と思った。率直に。
ぶっちゃけつまらんかったので、以下はそのときの気持ちを述べてゆく悲しい記事になるかもしれない。それでも良いという心の広い方だけお読みいただければ幸いである。間違っても「乗ってみて私は楽しかったんだけど!」という方は読まない方が良いでしょう。たぶん。この時点でまだ書いてないのでどんな記事になるのか私にもわからないけれど。
思えば、実はまったく同じことを【さんふらわあ きりしま】に乗船した時も思ったのだということを、己の記事を読み返す中で発見した。
↓何も学んでなくて草【太平洋フェリー】と比較した時の不満点というか”何がそんなに期待値はずれだったのか”という点はおいおい語ってゆくとして、とにもかくにも時系列でこの旅のことを振り返る。ちなみに前述のとおり「弾丸フェリー」プランで乗船しているので、この「くれない」には都合2回乗っている。だから記事は長くなるので、その点ご注意を。
このブログはあくまで本質的には自分のための記録であるいうとわがままブログなので(わがままボディ風に)、冗長になっても仕方ないじゃんと開き直っております。
まず大阪までは近鉄特急「ひのとり」のプレミアムシートで行った! もう何回か乗ってるので写真を見てもまるで感動が蘇らないけれど、実はこの時が初めてだった! 感動したような気がする!


大阪着いて、えっちらおっちら乗り換えに乗り換えて大阪南港へ向かう。途中、【さきしまコスモタワー】があった。

で、大阪南港に着いたら、私が乗る「くれない」ちゃんのお尻がお目見えして、圧倒的お尻派の私は大興奮した次第である。

今思い出しても、乗る前までは非常に興奮していた記憶がある。なんといっても”新造船”で”日本初”の冠が付いた船である。楽しみすぎてずっとフワフワしていた。
しかし人間が人生を真に楽しむには期待値の調整というのが非常に重要となることを改めて知ることとなる。なんでこんなに期待しすぎちゃったかな、私!
さんふらわあミュージアムに記念メダル販売機が設置されたらなぁ(仮定法)

さんふらわあ乗り場に到着すると、実は物凄く楽しみにしていた「さんふらわあミュージアム」というのがチケットカウンターの前にあった。その名の通り”さんふらわあ”の歴史を学べるコーナーである。
何度も言ってしまうが、私はこのさんふらわあ乗船をずーーーーーっと楽しみにしていたので、いわば”さんふらわあ”と名のつく物全てが楽しみであったと言っても過言ではない。だからこの「さんふらわあミュージアム」も、その存在を広報するネット記事を読んだ時には「なんならここに記念メダル販売機設置しちゃえばいいんじゃなーい( ´ ▽ ` )」などど変に期待してしまっていたのである。
しかし、その「さんふらわあミュージアム」なるものは、、、

小っちゃ‼︎
(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
いや、もちろん、変な期待をしてしまった私が100%悪いのである。だがしかし、”ミュージアム”という語感からは、もう少しだけ……もう少しだけ広大なものを想像してしまったのであった。「入場無料」と広報されていたので「タダで見学させてくれるなんて太っ腹ジャーン♪( ´θ`)ノ」なんて期待して来てしまったからいけないのである。入場無料というかそもそも”入場”という概念が成立しない展示方法であった。
でも、見た。


関西汽船のフェリーなのだが、関西汽船は商船三井に吸収されたので「さんふらわあミュージアム」に展示があるものと思われる

まあ、面白かったです。乗船前にちょろっと見る分には。
それくらいの期待値で行かなければならない。くれぐれも「ミュージアムがあるだなんて、ゆっくり見ちゃって乗船時間に間に合わなくなったどうしよ〜( ´∀`)」なんて考えてはいけない。決して。

新造船は乗るまでも大変

乗船手続きの列が長かったのは、恐らく新造船だからだろう。マンガを2冊読み終えるくらいは待った。



乗船手続きを終えたら、乗船時間まで待合室で待つ。『太平洋フェリー】と違ってフェリー乗り場にファミレスやらコンビニやらがある——というか商業施設内に乗り場があると言った方が正確で、待機列に長々と並ぶ必要さえなければ時間はいくらでも潰せるといった印象。食べ物とか必要な物も乗船寸前で揃えられるところは素直に【太平洋フェリー】よりも良いと思った。【太平洋フェリー】の乗り場は陸の孤島にあるので直前になるとどうしようもないところが玉に瑕である(直通便のバス乗り場にはいろいろあるけどね!)。

フェリーというのは、トラックや荷物を運ぶのが主目的であり、人を乗せるのはついでなのである。

乗船手続きで並び、人が溢れかえる待合室で待ち、ようやく乗船時間になったと思ったらフェリーにたどり着くまでにまた行列をゆく。
流行に乗るというのはかくも過酷なものなのか⁉︎_:(´ཀ`」 ∠):
自分はこなれて人が落ち着いてから乗った方がいろいろ楽しめるタイプの人間であることをまざまざと痛感した。人混み辛いわ(;´д`)
そして乗船したらまた、人、人、人である。さすが新造船。どこかお祭り感すらある。
本日は満室ナリ。

乗船したらまずはお風呂に入りがちぃぃぃぃっ‼︎

しかし【太平洋フェリー】と違って24時間オープンではないので、タイミングが考えどころ
そんなわけで人の多さに圧倒され続けていたのだが、とにもかくにもやはり新造船——見た目がまず豪華だわ! 恋はスリル、ショック、サスペンスな豪華客船だわこりゃ(どういう意味?)。


私が【さんふらわあ】に乗るたびに不満を抱くのは、共用スペースのつまらなさである。すべては【太平洋フェリー】と比較しての話であるが。
「さんふらわあ くれない」は確かに現在の時代に合わせて造られた新造船で、見た目は立派で豪華である。
YouTubeでこのフェリーのことを紹介している動画を観るとこの点について言及している動画もある。が、そうした動画のコメント欄に「共用スペースにテーブルがないのは人が集まって食事等をしないようにするためのコロナ対策なんだってさ〜」みたいな書き込みを訳知り顔でしている人がいるが、それは嘘である。なぜなら、2018年時点の【さんふらわあ きりしま】でも同じような作りであったし、何よりテーブルがまったくなかった。だから机付きの個室に泊まる人でなければ、持ち込んだ食料を食すのに困る仕様なのだ(つまりカプセルホテルみたいなベッド部屋等に泊まる人は困るということ)。
つまり、【さんふらわあ】はとにかく共用スペースに快適なテーブルを設置しない主義なのである。


あと、せまい。見た目は豪華なのだが、船内でくつろげるスペース、遊べるスペースというのは本当に少なくて、フェリーの中をウロウロして遊ぶとかほんとない。行く場所が甲板しかない。そして甲板も別に大して面白くない。
これが【太平洋フェリー】だと、共用スペースにもちろんテーブルがあるし、しかもテレビが観ながらゆっくりできるエリアが数箇所ある。そしてカフェがあったり、海を眺めながらゆっくりできるカウンターがあったり、お茶が飲めたり、ゲーセンがあったり、映画館があったり……など、とにかく共用スペースでできることが多く、どの部屋に泊まろうとこの共用スペースが使えるなら部屋はただ寝るだけでいいからなんでも良いや( ´ ▽ ` ) という気持ちになる。実際、Twitterのキャンペーンで無料乗船券をもらってツインの快適な部屋に泊まった時も、結局は共用スペースで本を読んだりブログ書いたり映画観たりして過ごす時間が全体の8割以上を占めていた。
要するに、このフェリーでは遊べないのだ。
私がフェリーで楽しいと思った瞬間てこういう時間だったんだなぁ……と痛感した。のぼせるまで風呂入って、海を見ながらビール飲んでくつろいで、また風呂入って……というのも、広大で充実した共用スペースとテーブルがあってこその贅沢であり、とにかくテーブルがまったくないことに心底がっかりした。人間はテーブルがないとくつろげないものなんだなぁ……
そんなわけで、私は【さんふらわあ くれない】の評価はかなり低い。これは同じ航路をゆく新造船【さんふらわあ むらさき】でも同じことだろう。
ただこれは、【さんふらわあ】が悪いのではなく、【太平洋フェリー】が最高すぎるだけなのかもしれない。日本で数多く運行されているフェリーはむしろこれがスタンダード——むしろこの「くれない」は最高グレードに位置しており、ただただその上をゆく【太平洋フェリー】が他のフェリーを置き去りにするように抜きん出て最高なだけなのかもしれない。
しかし私はフェリー筆下ろしが奇しくも【太平洋フェリー】であった。それゆえに、それクラスのフェリーでしかもう満足できない体になってしまったのだ。それはきっと、舞浜周辺に住む小学生が家から一番近い夢の国に行くことが日常になってしまい、日本全国どこの遊園地に行ったとてまったく満足できない体に人知れずなってしまうことと同じように……
何もわからず良いものを知るというのは、あるいはこの上ない不幸の始まりなのかも知れない。
部屋は可もなく不可もなくなビジネスホテル

どんなに人が溢れかえっていようと、部屋に入れば遮断されるのが個室の良いところ。
この「さんふらわあ くれない」には、フェリーで定番のいわゆる「雑魚寝部屋」は存在しない。最低でもカプセルホテル型の部屋であり、つまり”全室個室”と割り切られているところに現代的な価値観を感じる。
私が泊まった部屋は「スーペリアシングル」というランクで、部屋にトイレとシャワーが設置されている”まあまあなランク”のお部屋といったところである。ただ、風呂はどうせ展望台浴場に入るし、共用トイレも綺麗でたくさんあるので、別に全然部屋に付いてなくても良かった。実際、トイレは使ったがシャワーはマジいらんて感じ。ではなぜこの部屋にしたかというと、ただ空いてなかったからである。何度もいうが、私はフェリーは共用スペースで過ごす時間にこそ大きな価値があると考えているので、寝る部屋は極論なんでも良いと思う。しかも”全室個室”なので、そうなったらもう寝るだけの場所なら何でもええやんという話である。荷物も部屋に置けるわけだし。
なんなら、高い部屋にわざわざ泊まることは損した気分になるまである。なんて貧乏性なんでしょう、わたし。
でも実際、カプセルホテルタイプの部屋以外、個室ならどこもそれほど変わらず快適に寝られ荷物も置けるので、安ければ安いほどお得感が増して逆に幸せになるという理屈も成立する。「プライベートシングル(部屋にトイレ・シャワーなし)」「スタンダードシングル(トラック運転手用の部屋がたまに一般販売されるやつ)」あたりが一番幸せに慣れる部屋である(私の価値観ではね!)。


余談だが、出航時間を見てもらえれば察していただけると思うのだが、フェリーの最大の利点は「出発が夜なこと」=「宿泊施設代わりに利用できること」である。
今回の場合で言うと、夜まで大阪で遊んで、【さんふらわあ】で宿泊。早朝に別府に到着するので、由布院まで観光に行きつつ夕方まで別府で遊んで、2回目の【さんふらわあ】宿泊。早朝に大阪まで戻ってきて、また大阪で遊んで帰る——というスケジュールが決行できた。
つまり「ホテル代で移動もできる」という点がフェリーの最大の利点となる。

家族等で利用した時に人数分のキーを用意できると、風呂等の利用のときに便利。


ベッドだけど、テイストは和なお部屋。










部屋はほんと、ビジネスホテルって感じで、全然不満はない。ただ、感動もない。ついでにいえば、窓もない。
この「スーペリアシングル」というグレードの部屋でも、大阪中心地のビジネスホテルに宿泊すると大体トントンくらいのお値段設定であるので、宿泊施設代わりにフェリーを使って移動までおまけで付いてくるというのは本当にお得であることよ。
フェリー旅ってもっとメジャーになっても良い気がするよね〜

ご飯は【さんふらわあ】>【太平洋フェリー】

レストランビュッフェは、はっきり言って【太平洋フェリー】なんて目じゃないくらい充実している。【さんふらわあ】の圧倒的勝利である(【太平洋フェリー】がしょぼすぎ説もあるが……)。
船の上じゃなくても、2000円ならギリOKなクオリティの料理が並んでいたところが非常に好印象。楽しい食べ放題である。この点、【太平洋フェリー】はお安めの茶色い冷凍食品フェスティバルなので、陸で買ってきたコンビニ飯が一番うまいという厳然たる事実がる。










フェリーの上での食事をどうするかというのは、非常に悩ましい問題である。多くの人は基本的にはお安く済ませたいからフェリーに乗っているという大前提があるため、すこし高額になる船上ビュッフェをわざわざ利用せずにコンビニでご飯を仕入れてから乗船するなり(乗り場のすぐ横にコンビニあるし)、出航は夜だということもあり少し早めの夕食を事前に済ませて来るなり(乗り場のすぐ近くにファミレスあるし)、わざわざレストランを利用する必要というのは実はなかったりする。実際、私も20代の頃にフェリーに乗った時にはコンビニ飯とカップラーメンをしこたま持ち込んで乗船した次第である。
しかし、せっかくなら船の上の料理を楽しむのもまたオツなものである。すげー美味いわけじゃないけれど、”フェリーのレストランで食事をした”ということもまた思い出である。思い出は時を経て熟成され、いつの間にか他では味わえない深い味わいへと変化しうるかもしれない。
【太平洋フェリー】の食事はそうはならんかったけど。【太平洋フェリー】でやたらと評判のよい”まかないカレー”、私いまでも全然好きじゃないけど。カレーであんまり美味しくないと思うって相当だぞ!


プロジェクションマッピング

【さんふらわあ さつま】でも行われたが、【さんふらわあ】では夜になるとプロジェクションマッピングが行われる。これが天井のスクリーンで上映されるため、普通に首が痛い。年寄りだから、私。



正直あんまり面白くはないのだが、こういうものは何を見たかというより誰と見たかである。
一緒に見た人が愛する人であるならば、プロジェクションマッピングを見上げる君の横顔が最高に綺麗な景色となるわけである。プロジェクションマッピングを見上げる私の横顔は最高にただのおっさんであったことだろう。きっと私の横を通りがかった人はそう思ったに違いない。「おっさんがプロジェクションマッピングを見上げている」と。ただの事実やん。

甲板に出ると寒い

私がフェリーに乗って一番意外だったことは”甲板に出ても意外と楽しくないし気持ち良くもない”という事実である。
いや、船って言ったら、開放的な甲板やん。気持ちの良い海風やん? 夜になると瞬く無数の星々のイメージやん。
そのどれもが、別にない。床が滑るから何かと気を遣って開放的な気分になれない甲板であり、海風という海の上だけに普通に風つよっ‼︎ ってなる海風であり、夜になってもちっとも何も見えない漆黒の闇である。
甲板でロマンチックに大海原を眺めるとか、別にない。冬なら寒いから船内に入りたいし、夏なら暑いから船内に入りたい。春や秋でも別に甲板にいたい理由はない。
それがフェリーの甲板である。

もしかしたらすんげー性格の悪い人とかが混じっている可能性はあるわけだが。




グッズショップでメダルを探してしまうのは記念メダルコレクターのSA・GA

絶対にないとわかってても、一応探してみてしまう存在——記念メダル。
もちろん、販売されていない。どこを見ても売っていなかった。残念。






その他の船内設備

しかしまあ、別に使いたいと思うような豪華さはなかった。スイート取った客しか利用できないため、スイートの部屋の方がよほど快適なんじゃね?って感じ。
先にも述べたが、【さんふらわあ】はほんとに遊べるところが少ない。基本的には風呂に入ったらあとは部屋に引き篭もるのが船内の基本的な過ごし方になると思われる。それだけに、カプセルホテル型の部屋がちょっと辛いかも。
やはりパブリックスペースが充実していないと、フェリーの醍醐味があまりないなと思う。どんなに綺麗でも、どんなに新しくても、テーブルがないとお酒とおつまみとスマホ(タブレット)が置けないのである。これらをソファーの横のちょっとした板の上に置くのは違うんだな〜
以下、すごくおしゃれで綺麗な内装の写真が続くのだが、見た目の華やかさほど楽しくはなかったということを声を大にしてお伝えしておく。
やっぱりテーブルがないと話にならんのだわ( ´ ▽ ` )







しかし、それらを置くテーブルはパブリックスペースにはないのだ。

大型タッチパネルディスプレイで船内情報等が見られる。が、これたぶんいらない。金が掛かってそうな割に、意外と面白くない。
タッチ感度があまりよくなくて、つくづくiPadで偉大なんだなと改めて実感する。
思ひ出ぽろぽろ写真

あとは、船から降りて由布院へ向かうバスの中で印象に残った風景を収めた写真等を私の記録のために残しておく。ちなみに大分の”ゆふいん”には「由布院」と「湯布院」の2通りの表記の仕方がある。違いは
- 「湯布院」……湯平村との合併したに伴い、湯平村を含む広域な地域を指すときに使う
- 「由布院」……温泉地を指す場合に使う
という使い分けが一応あるらしい。が、どちらがどちらかは今では曖昧になりがちでまあどっちゃでもって感じらしいっす。




記念メダルについて

私も全然詳しいわけではないのだが、フェリー業界というのは歴史が長く、統廃合が繰り返されてきて今に至る形になった業界であるようで、結果的に「さんふらわあ」という船名はいろいろな会社に引き継がれてくることになった——らしい。とにかくどのフェリー会社も複雑な歴史を抱え、吸収合併を繰り返して淘汰されてきた複合体のような様相なのである。
本記事のテーマである「さんふらわあ」に限って話を進めると、まず70年代に「大洋フェリー」というのが大阪ー福岡間の航路で誕生した。「さんふらわあ」という船名はもともとこの大洋フェリーが運行するフェリーのものだった(大洋フェリーも日本高速フェリーから買い取ったのだが)。ただこの大洋フェリーが、のちに商船三井の出資を受けて傘下に入ることになる。
次に、現在も存続するフェリー会社「名門大洋フェリー」というのがあるのだが、これは「名門カーフェリー」と先ほどの「大洋フェリー」が合併して誕生した会社である。しかし、合併に併せて大洋フェリーは関西汽船へ「さんふらわあ」を等価交換譲渡しており、関西汽船が運用するフェリーとなる。ちなみに関西汽船は商船三井に吸収され完全子会社化されている。で、なんやかんやあって関西汽船とこれまた商船三井系列のダイヤモンドフェリーとが合併し「フェリーさんふらわあ」という社名になる。で、「フェリーさんふらわあ」が関西ー九州航路を担当し、「商船三井フェリー」が関東ー北海道航路を担当してそれぞれで【さんふらわあ】を名乗っていたのだが、2023年10月「ややこしいから全部まとめて【さんふらわあ】だ!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」となり、商船三井フェリー側にフェリーさんふらわあが吸収合併される形で現在の「商船三井さんふらわあ」という会社が誕生した。
ここまで読んでいただいたみなさんは恐らく「何がなんだかʅ(◞‿◟)ʃ」だと思うのだが、書いている方も何がなんだかわからないのでどうかご安心ください。
要するに、
商船三井が最強
ってことで良いんじゃないですかね、たぶん。きっと。
つまり、フェリー業界の歴史を紐解くと、いろいろな社名で「さんふらわあ」というフェリーが存在し、それがそれぞれ記念メダルになっているということである。だからこの世に「さんふらわあメダル」は様々に存在するのだった。

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