物事を側面から見ることの重要性
【北海道庁】とは、北海道にある庁舎のことである(あまりにも不要な一文)。
【太平洋フェリー きたかみ】に乗船する予定を作ったため、太平洋フェリーに乗るからには北海道に行かねばならない。しかしながら、つい最近までは北海道に行くことに恋焦がれていたのに、1年間で4回目の上陸ともなるともはや感動とは無縁となる。北海道に罪はない。記念メダルなんてを罪深き物を集める者に罪がある(茶平工業の大罪)。
私はただフェリーに乗りたかっただけなので、なんなら千葉県沖あたりにまで行ってそのまま名古屋港に帰って来てくれても良いくらいの気持ちだったのだが、そんなことしてくれるわけもなく。そのため、北海道に行かざるを得ない。で、せっかく北海道に行くからにはどこかもう1ヶ所くらいメダルスポットを巡りたいと考えるのが記念メダラーのSA・GAであるのだが、苫小牧港から新千歳空港に向かう道程、及び札幌駅周辺に取り逃がしている記念メダルはもう無い。ここで真っ当な記念メダル収集家の皆様であるならばそれは仕方のないこととして割り切ることだろう。しかしながら私は邪道記念メダラーの名をほしいままにする中年親父。ブログの記事を量産するために、行き先に合わせた過去メダルを前もって邪道な手段で入手するという、ここまで来ると末期症状を飛び越えて人として大切な何かすらも超越した症状であるといえる。一体どこに向かっているのか、それは本人にすらわからないのだった。
で、ちょうどヤフオク!に【北海道庁】の記念メダルが出品されていたので、もうこれしかないと意地の落札をした次第である。
そんなわけで、苫小牧駅から特急 北斗に乗って雪に覆われた札幌駅までやってきた。札幌駅から徒歩5分のところに【北海道庁】はそびえ立つ。
現在の北海道庁のお隣に、明治21年に完成した「赤レンガ」と呼ばれる旧北海道庁がそびえたっている。正確には「北海道庁旧本庁舎」であり、現在では北海道立文書館として一般公開されている——そう、本来は中に入れたのだ。本来は。が——
眼前に広がっていたのは、「幕」であった。
もちろん改修工事は前々から始まっていて、その計画だって数年前から立てられていて、なんなら仮に改修工事をしていると知っていてもなお、私はこのメダルを落札してこの場へ足を運んだことだろう。他に選択肢が無かったし。
が。
人の悲しみとは、理屈を越えた先にあるのである。
なんてことでしょう。こういうタイミングに出くわすと、決まって他人は「今しか見られない光景だから、逆に貴重だったんじゃない⤴︎?」みたいなことを軽々しく口にする。しかし”今しか見られない貴重な光景”という慰めが虚しく響くこの残念な気持ちは、地獄よりも奥深き地底から湧き上がってくる感情である。
この悲しみ、どこかで似た想いを抱いた気がする。一体どこだったかなぁ、大好きだったあの人に別れを告げられた時だったかなぁ……などと考えていたら全然違って、【姫路城】だった。
あるいは、2023年現在も続く、広島は安芸の宮島で行われている大鳥居の大改修での光景。
つまるところ全てはメダルを優先した旅の結果であるといえる。メダルが先にあって、目的地が後に付いてくる。つまり、メダルがまだ販売されているかは血眼になって調べるが、目的地が今どんな状況なのかは大して調べないのが記念メダラーという生き物のSA・GA(2度目)。
さらにもう一つ、悲しい事実を加えれば、私がうひょ〜と雪にはしゃぎながらパシャパシャと撮影したポイントは、北海道庁の側面であった。つまり、横から見た図だったのである。
この記事を書いているときに、メダルに描かれた【北海道庁】と工事幕に描かれた建物がびみょ〜に違くね? となんとなく感じ調べてみたら、正面玄関は別にあった。まったくクレイジーだぜ!(謎の陽キャ)
それもこれも、滞在制限時間が30分以内という厳しい条件の中で雪に覆われた札幌の街を駆け抜けたせいである。記念メダラーの旅はいつだって時間が無い。
飛行機の搭乗受付時間に遅れることは絶対に許されない。上記掲載写真で13時5分にここに到着しているが、札幌駅35分発の新千歳空港行きの電車に乗らなければならない中、精一杯に中年男がパンダのぬいぐるみと雪で戯れた記録が本記事となる。読者の諸君は一体何を見せられているんだと魔訶不思議な気持ちだろうが、それは私も同様である。
時間に追われながらひたすらメダルを追い続ける旅は、いつだって、自分が一体何のためにこんなことをしているのかを問いかけてくる。そしてその問いの答えを考えたら負けだ!
記念メダルについて
世にも珍しい官公庁の記念メダルであることに心惹かれて購入した次第だが、図柄となっている建物「赤レンガ」は上記で述べた通り、現在は一般公開されている文書館となっている。さすがに現役の役場内にあの青い販売機が置かれていたなんてことはないだろうが、道営の”文書館”なら可能性は無きにしもあらず、といったところだろうか。ただ、本当にこの旧【北海道庁】に販売機が置かれて販売されていたかはもちろん不明であるし、刻印によるとこのメダルは昭和59年頃のものなので、当時のことを調べるのはもう不可能に近いだろう。どなたか何らかの情報をお持ちであれば教えてプリーズ。
裏面は北海道の観光施設で現在でも使用されている図柄(金型)である。
北海道って、過去メダルも含めて深掘りしていくと色々なところに色々なメダルがあるので、頑張れば一生遊びに行ける気がしている。逆に言うと、メダルがないと遊びに行くのが億劫になる記念メダラーのSA・GA(3度目)。
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