【販売場所】
※販売終了※
備考:2019年の新造船就航に伴い販売終了。復活熱望! 別に同じ金型で良いから! なんなら販売機設置しなくても良いから! SHOPでの手売りで良いから良いから!
メダルが無ければ他で手に入れれば良いんじゃない?(マリー・アントワネット風に)
私は【太平洋フェリー】が大好きなので、どうしても全船制覇したい! という野望があった。10年前、北海道メダル巡りの旅に赴いたときに初めて利用し、それ以来すっかり長距離フェリーの虜となったわけなのだが、そのきっかけは往路で乗船した【いしかり】に他ならない。私にとっての恩人だ!
そんな愛し愛されてやまない【太平洋フェリー】(たぶん愛されてはいない)は全部で3隻のフェリーを所有している。「名古屋ー仙台ー苫小牧」を結ぶ【いしかり】【きそ】と、「仙台ー苫小牧」のみを結ぶ【きたかみ】である。そう——
【きたかみ】は仙台に行かないと乗れない
という試練がある。味噌カツ県民(※私味噌カツ嫌い)としてはどうしても徒労感があって、仙台まで行って乗船するのはマジで敷居が高い。だって名古屋港から乗るよりお金も時間も倍以上掛かりますからな……
しかし。が、しかし———!!
実は年に数回だけ、名古屋港から【きたかみ】に乗船できるチャンスが存在するのだ!
上記の青矢印が示す「T」の日だけ、名古屋港から苫小牧行きの便が【きたかみ】となる変則運行となる。これは年1回、所有するフェリーを順番にメンテナンスするためである。つまり、【いしかり】もしくは【きそ】がドック入りしているときは、【きたかみ】も「名古屋ー仙台ー苫小牧」間の運行をして、その穴埋めをするのだ!
ちなみに【きたかみ】は今年は広島の「内海造船瀬戸田工場」にドッグ入りしたそうな。
エビフリャー県民にとって【きたかみ】乗船のチャンスのこの時期しかない! と前々から考えており、太平洋フェリーのすすめキャンペーン当選の恩に報いるためにも、ここは一発自腹で乗船して太平洋フェリーコンプリートをしよう! と固く決意したのだった。決して「無料乗船券の有効期限が11月末で切れるから、しょうがないから自腹で乗るか……」と思ったわけではない! 120%純粋に2度とはないチャンスをくださった恩に報いるための自腹乗船であり、何より私が太平洋フェリーを愛しているからに他ならないのだ!
で。
上記の日程で乗船可能なのは1月27日(金)のみとなる。なぜなら、純然たる社畜である私は金曜日の夜に出港して日曜日に飛行機で帰ってくる日程しか実現不可能だからである。別に私がやらなくても良い仕事が私しかやらない感じでたくさんあるのだった。替えはいるが、替えられてしまうと私の生活がままならないので困ってしまう。愛社精神は微塵もないが、そこの弱みにつけ込まれている。
つまり、事実上【きたかみ】乗船のチャンスは1回限りだということなのだ!
これを逃すと1年後まで待たねばならず、そして1年後だとこの情熱は消え去っている可能性があるため、絶対にこの日に乗ろうと心に決めていた。そして決行の日、すべて(の仕事)を投げ出して、17時20分名鉄バスセンター発の太平洋フェリー直通バスに飛び乗ったのだった。バスターミナルのコンビニで買い物をする時間も含めると結構ギリギリで、危うくパンダを落とすところであった。
金曜日の夜に旅行に出かけるって、仕事に後に楽しいことしか待ってなくて、最高にテンション上がるよね! なんなら旅のピークはこの金曜日の夜なのかもしれない。
素敵な宇宙船地球号(というか【きたかみ】)
【きたかみ】のコンセプトは「宇宙船」であるらしい、というのは聞き及んでいたのだが、入船してすぐそのコンセプトを目の当たりにすることになった。
いやー、何とも言えない最高のダサさだ!(もちろん良い意味で。良い意味で?)
宇宙に【きたかみ】が飛んじゃってますからな。小田和正をもってしなくても、この良さは言葉にならない。フェリーが宇宙飛んじゃうなんて凡人には発想することすらできない。せいぜい戦艦ぐらいである。
そんなスペースシップであらせられる念願の【きたかみ】の中を余すことなく探検だ!
スペースシップ感を感じるならば、もちろん夜が良い。せっかくお金を掛けてとった個室を堪能するのももちろん最高の贅沢だが(マジで最高の贅沢で、もうランクを下げられないかもしれない……これが太平洋フェリーが私に優待券を当選させた策略の真意か⁉︎)、共用スペースでゆったり過ごすのもまたフェリーの楽しみである。その共用スペースが余すことなくスペースシップであることよ。
普段、カフェやマックでの資格の勉強、ブログ執筆をするのが最大の楽しみである私にとって、1歩部屋を出れば勉強してくださいと言わんばかりのテーブルやカウンターが並んでいる環境は、1日中最高の環境に身を投じているのと同義である。日本最長の40時間以上の滞在時間を誇る太平洋フェリーであっても、なんなら時間が足りない。1日フェリーにいることになる2日目も、あっという間に夜になってしまうのだよ。。。
そして勉強&ブログ執筆のお供にはセブンティーンアイスだ! 仕事の帰りの駅で電車に乗る前によく買ってしまう。これを導入した駅は仕事に疲れたサラリーマンの心理をよく理解している。
2段ベットは永遠の憧れ
〈他の2隻にあって【きたかみ】に無いもの〉
- 軽食スタンドが無い。
- ゲームコーナーが無い。
- シアターが無い。
- もちろん記念メダルが無い。
〈他の2隻に無くて【きたかみ】にあるもの〉
- WiFiが客室まで届く(クソ遅いけど)。
- カップラーメンの自販機がある。
- ロマン溢れるクロスツインの部屋が最高に楽しい。
ということで、【きたかみ】に乗船するなら絶対に「1等クロスツイン」という部屋にしようと心に決めていた。この部屋に泊まるために【きたかみ】に乗船したと言っても過言ではない。交通系YouTuberの多くも、普段はどのフェリーに乗船しても高級路線(スイートルーム級)に走って庶民との社会格差を見せつけがちだが(個人事業主でフェリーを”交通費”or”宿泊費”として見なせば経費計上できるのかもしれないが)、【きたかみ】乗船時は大抵クロスツインの部屋が選ばれている。つまり、クロスツインは【きたかみ】を象徴する部屋なのだ!
そんなクロスツインの部屋で小学生のようにはしゃいでいる中年のおっさんが一人。わーい。
アラフォーの男がぬいぐるみを手に2段ベッドではしゃぎ回る姿を地獄絵図と呼ばずに何というのか——皆様方におかれましては、カメラの後ろ側のそんな光景も想像しながら以下ご覧いただきたい。物事は一面だけ切り取ってもその本質には到底迫れないということがよくおわかりいただけることだろう。
いやー、最高だ!
この部屋に2泊できるのかと思うと、思わず着の身着のまま上のベッドでも下のベッドでも寝てみてしまったよ。これほど少年の心をくすぐる仕様の部屋が他にあろうか、いやない(反語。そしてアラフォーおっさんの文章)。
何度もいうが、我が家にこの部屋が一室欲しい。コンパクトさ、部屋の作り、全てが完璧だ!
いつか持ち家を建てる日が来たら、これと同じ構成のこじんまりした部屋を作って、そこを書斎にしよう。家を建てる日など永遠に来ないが。
フェリーは風呂に入るために乗るもの
【いしかり】【きそ】の記事でも何度も述べているが、フェリーとは風呂に入るための乗り物である。公式でもそう言っているので、これは天変地異に見舞われたとえこの世が滅びようとも揺るがない定理である。定理とは絶対に揺るがないことを指す。つまりフェルマーの最終定理と同じだということである。
そんなわけで風呂に入る。風呂に入って入りまくる。「いつでも入れる状態の風呂」というものが存在するのは、非常に勉強(作業)効率が上がるものである。「これが終わったら風呂に入って休憩だ〜」と思うととりあえず自分で定めたタスクを最後までやりきることができる、その活力となるのだ!
女性だとまったく同じようにとはいかない事情があるかもしれないが(この年齢になってもその辺よくわかっていない)、基本的にお風呂は大浴場を使えば良いと思うので、部屋のお風呂がどうのとか、寝台はお風呂がないとか、そういうことは全く考慮しなくて問題ない。大浴場はもちろん温泉ではなく”ただの広い風呂”なわけだが、私が温泉マニアではないせいかもしれないが、「どっちでもあんま変わんなくね( ・∇・)」と思ってしまうのであった。要は、人が用意してくれた風呂にいつでも入れる。足伸ばせる。しかも掃除しなくて良い。というのが最高なのである。
【きたかみ】名物「クロスツイン」の部屋だと、部屋の水回りは「トイレ、洗面一緒のシャワーのみ」という環境なのだが、ここまで述べてきた通りの理由により、超どうでも良いポイントになるといえる。自分の部屋でトイレ、歯磨きができるという幸せを噛み締めるだけの場所となるのである。
カップ麺が美味しい条件
フェリーの中でのご飯事情は、突き詰めると実はいろいろと難しい。素直に全食レストランを利用すれば良いと言えば良いのだが、物価高めのお値段もさることながら、全食バイキングはおデブ街道まっしぐらである。私はこれを【きそ】乗船時の2日目に試しに取り入れてみたのだが、フェリーの上ではただでさえ運動量が少ないのに、その運動量に見合った食事量のみ摂取しようという意思とバイキングという食事スタイルは自民党と民主党くらい相性が悪い。値段が高いだけにどうしても「元を取りたい!」という意思が根深いところで私の体を突き動かしてしまうのであった。
そこで利用したいのが軽食スタンド(多くの場合はとりあえず”まかないカレー”を注文)であるのだが、【きたかみ】には残念ながらそれがない。その代わりに用意された(と思われる)のが、自販機界の貴公子「カップ麺自販機」である。
私はこのカップ麺自販機にはひとからならぬ憧れを抱いている。初めての出会いは、父に連れられて訪れたスケートリンクだった。初めて体験したスケートはまあソツなくこなせて、死ぬほど楽しかったわけではないが2度と来たくないと思うほどつまらなくもなかったといった感じであったのだが、それよりも何よりも記憶に残ったのが、休憩時間にスケートリンク横で食したカップヌードルの美味さであった。
あの美味さは、一体何だったのだろうか。
そもそも、当時、自動販売機でカップラーメンが食べられるということ自体に感動したというのもあっただろう。販売機から出てきたカップ麺に穴を空け、そこにこれまた販売機から出てくるお湯を注いだ(当時は蓋を留めるシールなんて付いて来なかったので一度蓋を開けると留められなかった。そのため、割り箸で蓋に小さく穴を空けそこからお湯を注いだのだ! 家ならもちろん蓋に重しを置けば良いんだけどね!)。
あの時の感動は、中年親父となった今でも私の魂の根底に根付いている。それがカップ麺自販機を見ると魂が叫び出す由縁であろう。
ということで、何となくラインナップ全種類制覇をしたくなったのだった。そこに明確な理由などない。俺の魂がそうしろと叫んでいるだけだ!(安っぽい魂)
カップ麺食べてたらお腹いっぱいになっちゃった
★( ´ ▽ ` )
ということで、奇しくもあまりお金が掛からない船上生活となった。ただせっかくなので初日の夜だけレストランは利用した。続く。
緑の惑星が屁をこいてもわ〜くさくなさそう(特に意味なし!)
太平洋フェリーにはバイキング形式のレストランが必ずある。【きたかみ】も例外ではなく、「GREEN PLANET」という名のレストランが存在する。
ただ、その規模は実にこじんまりとしている。他の2隻はフロア内に完全に別スペースとして区切られていたいかにも「レストラン」といったテイであったのに対し、「GREEN PLANET」は”半個室”みたいな感じで、レストラン内部が丸見えないやーん仕様となっている。レストランというよりも”喫茶スペース”の延長、みたいな感じ。
ただ私はこれが全然嫌ではなく、むしろこちらの方が良いとすら思った。「レストラン」的な感じだと、貧乏庶民水飲み百姓日本代表の私からしたらなんだ敷居が高いのよね〜入るのに。高速のサービスエリアでもレストランではなくフードコートを利用しがちなあたい。
だから、他の2隻にはある軽食スタンドでご飯を済ませがちな人にとっては、こちらの方が入りやすいんじゃなかろうか。値段は普通にレストラン利用の値段だけど(ディナー2100円也)。
正直に忌憚なき意見を述べれば、太平洋フェリーの食事は”まあまあ”といったレベルである。フェリーの中は何でも多少物価高めなので、仮に地上であれば残念ながら値段に見合った味ではない。が、海の上で作りたての食事が堪能できるという点で、少々お高めの値段設定にもまったく不満はございません。納得いなかければコンビニ弁当でも持ち込もう。というか、コンビニ弁当の品質が高すぎるという見方もできる。添加物の美味しさの恐ろしさよ。
太平洋フェリーが提供する食事に関して個人的に考える最大のネックは、お米の味である。なんか「サトウのごはん」を真似た不味い類似品のレンチンご飯みたいな感じがあるのよね……せめて「サトウのごはん」並に美味しかったら良いのだけれども。
下船の時〜太平洋フェリーとの永遠の別れ?〜
苫小牧の港に入ると、景色は一変し、人々の慌ただしい息遣いが行き交い始める。
旅の終わりはいつだって寂しい。本当なら、フェリーはあくまでも移動手段であり、北海道という目的地に到着することこそ「始まり」であるはずだ。しかし私にとって、それは旅の終焉を意味する。
フェリーこそ、旅。
フェリーこそ、目的。
フェリーこそ、風呂(個人的見解)。
フェリーこそ、かけがえのない時間。
悲しいけれどお別れであり、そしてこれは、もしかしたら私と太平洋フェリーとの永遠の別れかもしれない。なぜなら全て船に乗ってしまったし、ブログ記事にもしたし、キャンペーンもさすがに2度は当選しないだろうし、そして何より、北海道に行くにしても他のフェリーにも乗らねばならない(【ふらの】【さっぽろ】【津軽海峡フェリー】)。
1年間で4回も乗船することになるなんて夢にも思わなかったので、もしかしたら、いつの日かまた乗船できる日が来るかもしれない。しかしその時には、どうか新メダルが発売されていて欲しい——そんなエゴイスティックな願いをいつだって抱いてしまうのが、記念メダラーという悲しき生き物である。ああ、悲しい。
オレ的太平洋フェリーランキング
みんな違ってみんな良い——それはこの世の真理である。一片の疑う余地もない。
ただ、個人的に率直かつ直感的な感想を述べるならば、私が抱いた順位は上記のようになる。同じ値段で同じ日数乗るならこうかな、といった感想だ。
【いしかり】(3位)と【きたかみ】(2位)との順位は物申したい人が多数いるかもしれないが、私としては”現代風””清潔感”といった要素で【きたかみ】に軍配を挙げた。やはり設備そのものの綺麗さ、現代的価値観に基づく造りといった要素では【きたかみ】が抜きん出ていて、他2隻に負ける要素は規模感しかないというのが正直なところである。ただ【きたかみ】はやはり他の2隻と航行距離が短い航路を担当しているだけに小さくまとめている印象がある。それをどう捉えるかという話で、個人的には今流行っているオシャレなカプセルホテル感が醸し出されているのがかなりの好印象で【いしかり】の上に付けた。
それでも【きそ】のラグジュアリー感には総合的に敵わない。【きそ】には、コロナのせいで使えてないけれどサウナがあるし。
【いしかり】がまるで劣っているかのように聞こえるかもしれないが、【いしかり】こそが私に太平洋フェリーの良さを教えてくれた恩人である。初めて乗った長距離フェリーが【いしかり】であり、まったく下調べもせず無知のまま乗船したら、その豪華さに度肝を抜かれた。これ、豪華客船やん……と。
あの時の衝撃はいつも私の胸の中に【いしかり】と共にある。だから【いしかり】は私にとっての特別なフェリー。特別なあなた。
でも3位です。ごめんなさい。
皆様もぜひ乗り比べてみていただきたく候。
記念メダルについて
冒頭ですでに言及しているが、現在の【きたかみ】では記念メダルの販売はない。2019年の新造船就航に伴い姿を消してしまった。だからもちろん、入手は裏ルートによる。
で。
金・銀ともに無事入手できたのだが、金メダルの方がちょっと特殊で、本当なら入っているはずの青いラインがなかった。ちなみにメダル自体は経年劣化をまったく感じられないくらい綺麗である(写真うつりは撮影者の腕のせいで悪いが)。
青い塗料だけが全て剥がれてしまったのか、はたまた何らかの事情で塗料を流し込み忘れたエラー的な一枚が手元にやってきたのか——真相を知る術などもちろんない。が、コレクターにあるまじき態度かもしれないが、私は正直あまり気にしていない。メダルが一枚あればそこに行けるからあとはどうでもいいや〜( ´∀`)という、メダルに縛られた人生を歩む悲しき中年親父でしかないのである(あれ、何でこんな否定的文章になった?)。
コメントを残す