
老舗の旅館は即物的な利益を求める現代っ子には難しい

注意喚起:私は正直、この【望川館】という旅館の宿泊体験にまったく良い印象を抱いておりません。よって読まない方が良いと思われる内容が羅列されている可能性が高いです。辛辣な言葉が苦手な人、人が一生懸命働いているのにそれを否定されることが他人のことでも許せない・読むのも嫌だという方は、速攻でブラウザバックした方が良いでしょう。
すっかり今となっては昔のこととなってしまいましたが、コロナ禍による経済停滞からの回復策として政府による『GOTOキャンペーン』的な俗称の「全国旅行支援」という施策があったわけですよ(詳細割愛)。で、このキャンペーンは2回実施され、1回目は長野の温泉旅館の旅を満喫し、2回目のキャンペーン時も「乗るしかない、このビッグウェーブにッ‼︎」ということで義務感のように温泉旅館の予約をしたのも今となっては良い思い出( ´ ▽ ` ) あの頃はこの支援施策を利用して旅行することが、微力な自分にできるせめてもの世の中に対する貢献だと本気で思っていた節がある。恥ずかしながら。
ただホテル・旅館側からしたら「旅行支援を利用してしか来られないようなヤツに来てほしいわけじゃないわッ‼︎」と思ってたかもしれない、と今では思う。
このミスマッチが、私にとっての不幸であったし、【望川館】にとっての不幸を生んだ原因であったかもしれない。ちなみに先に述べておくが「全国旅行支援」はバッチリ適用してもらっているので、金銭的にはお得に宿泊できたという事実はしっかりと存在する。単純にユーザーエクスペリエンスの部分で、がっかりだっただけである。そしてそれは、全国旅行支援なんてものが無ければ本来出会うことのなかった両者(私と【望川館】)が出会ってしまったが故に生まれた不幸だ、ということが言いたいだけなのである。
”老舗旅館”てのはぁ、わたしにはまぁだ早かったね(何者?)
宿泊は例によって「全国旅行支援」+「ふるさと納税返礼品の宿泊券」のコンボによってなされたので、宿泊自体は+1万円くらいの実費でできた。そこら辺のビジネスホテルに泊まるような感覚で温泉旅館に泊まれるのは良いね!(最近はそこら辺のビジネスホテルに天然温泉が併設されていることも多いけど)


どうせ旅行に行くなら記念メダルと絡めたい——そう考えるのは記念メダラーのSA・GAであろう。
ただ全国旅行支援だけではなくふるさと納税も絡めた選定となるので、ふるさと納税で宿泊クーポンを返礼品ラインナップにあげていない自治体には行くことができないという制限が私を縛る。また当然、時間や距離の問題もあるのでなかなかちょうど良いところが見つからないな〜と時間だけが過ぎ去っていたある日、ヤフオクにて見つけたのがこのメダルである。

このメダルの一番気に入った点は、宿からどこかに出かける必要がなく、全国旅行支援を利用した宿泊体験そのものがブログ記事になるというところだ。
バブリーな時代の記念メダル界隈では、こうしたホテルや旅館のゲーセンコーナーで記念メダルを販売していた歴史がある。これは宿泊体験そのものが観光としての価値として現在よりも重要視されていた時代があったことの証左であるといえる。昨今ではビジネスホテルも綺麗でオシャレで大浴場まで付いててお酒も飲めるなんてのは結構普通で、”宿を目的に旅行をする”なんて意気込みがなくても素敵な宿泊体験がお安くお得にできてしまうので、記念メダルに記念を残したくなるほどインパクトのある宿泊体験を提供するというのも難しくなったのではなかろうか。
最近では【有馬グランドホテル】が一時メダル販売機を常設していたが、残念ながら早々に姿を消してしまった。撤去理由はもちろん不明であるが、売れたか売れなかったかという単純な事実は気になるところ。一回宿泊してみたいな〜
なんてことを想いながら、出発だ!





実は下呂に電車で訪れたのは初めてだったのだが、印象としては”うらびれ”という単語がぴったり来る感じである。同じ岐阜の温泉地の飛騨高山駅前のような華やかさが一切なく、昭和の香りをふんだんに残した駅であった。それを”趣”や”侘び寂び”と取れる高レベル帯の旅人にとっては旅情溢れる光景だったと思うのだが、私のように「最新設備と飲み放題食べ放題サービスを提供してもらってあとはほかっておいてほしい」みたいな現代っ子なピヨピヨ旅人としては駅の旅情からこの先の行く末に一抹の不安を感じてしまうのだった。


老舗旅館の洗礼

宿に到着すると激混みでおったまげた。全国旅行支援の効果なのか人気旅館だからなのかいちげんさんにはわからなかったが、とにかく番号札を渡されてチェックインするにも昼時の駅ナカのレストランのようにベンチに座って待たねばならぬほどの混雑ぶりであった。
私がこのお宿で最も記憶に残っているのは、スタッフの半数あるいはそれ以上の人が外国人の方だったことだ。歴史と由緒がある老舗温泉旅館で留学生っぽい日本語ペラペラな外国人が躍動するように働いている姿からは、日本が新たな時代を迎えつつあることを如実に物語っているようであった。天晴れ!
15分くらい待った後、そんなわけでお部屋に案内される。







古めかしい
( ´ ▽ ` )
それを趣と取るのかマイナスと取るかは旅人レベルによって異なるだろう。私は「最新設備勢揃いで飲み放題バー食べ放題朝食付きの最新カプセルホテルさいこー!( ^∀^)」みたいなしょぼい人間なので、この趣を味わうにはレベルが足りなかった次第である(´•ω•`)
すげー綺麗で広いベッドとかの方がワクワクするのよね、実際。ベッドでゴロゴロして過ごしたいから。じゃあ来るなよって話なのだが、記念メダルが導くもんだから(責任転嫁)。
ただ和室の畳はそれはそれで好きなので、その点は実はあまり問題ではない。畳の上でゴロゴロ〜である。
最大の問題だったのは、トイレである。

トイレだけは、”趣”だけでは片付けられないものがある。やはり昔ながらの、古い小学校を彷彿とさせるようなタイル式のトイレは、なんかもう落ち着かない。「うわっ」って思いながら用を足す、しょぼい現代人となってしまった。
私は1日に2、3度はトイレにこもる下痢体質の人間なので、トイレの快適さは生活の中で非常に重要な要素なのである。その点、これはどうしても受け入れられなかった。別に汚いわけではないのだけれど。
トイレだけでも”趣”を排除した無味乾燥な最新のものに改装してあって欲しかった。
もちろん、1泊素泊まり4000円くらいの部屋であるなら、今まで書いてきた全てのことはまったく問題にならない。が、これが一人当たり1泊2万前後の宿泊体験だと思うと「同じ値段でものすごく綺麗な最新のビジネスホテルの良い部屋に泊まれたな〜」と思ってしまうのであった。今はもう、ビジネスホテルにも温泉大浴場が付いている時代ですからな(ドーミーイン最強説)。

穴掘って下に深い湯船は初めて見たので斬新でございました。
その他 私による私のための記録の数々












正直「すっげー美味い!」みたいな感想ではないです。もちろんそれなりに美味しかったですが。

温泉♨️むすめを捕まえて

わたくし、全然こういった2次元キャラな女の子のことに関しては詳しくないんですが、世間一般て『◯◯娘』なる存在が数多く誕生したことは普通に生きているだけに目にする機会が多くあった。その筆頭はモーニング娘。であると思うのだが、これは3次元なので置いておいて。
愛知県で言えば『知多娘。』が有名である。詳細全然知らないけど、たぶん有名。名古屋駅の「ハンズ」で一時期専用コーナーがあったような気がするから、たぶん渋谷ハンズにコーナーがある『ワールドマンホールコレクション』並みの立ち位置であるはずだ!
『◯◯娘』と書いたが、『娘』という単語に縛られなければさらに世界は広がって、私が現時点で最も衝撃を受けているのは『四国萌ぇ隊』である。

記念メダル的には、【嵯峨野トロッコ列車】の『鉄道むすめ』である”嵯峨ほづき”嬢がいらっしゃる。

これらの『娘』たちに共通しているのは、”擬人化”である。
『知多娘。』であれば、知多半島の市町村の擬人化。
『四国萌ぇ隊』であれば、四国4県の擬人化。
『鉄道むすめ』であれば、嵯峨野トロッコ鉄道の各駅の擬人化。
そして我らが『温泉♨️むすめ』であれば、全国各地の温泉地の擬人化である。
この『温泉♨️むすめ』についてちょっと調べてみたら、すげーいっぱいいてびっくりしている。
↓くわしくはこちらで!めちゃくちゃ壮大なプロジェクトだったことを、ここ【望川館】で”下呂美月”嬢と遭遇した時には全然知らなかった。なんかまたおるわー( ´ ▽ ` ) くらいの気持ちで、記憶より記録に残そうとパシャパシャ写真を撮った有様である。事実、写真を見返すまですっかりその存在を忘れていた。



そしてこの日本には”温泉♨️むすめガチ勢”なる人たちが存在するものと思われる。というのも、この日この旅館では何らかの温泉♨️むすめイベントが開催されていたようで、大変盛況な様子であった。旅館の奥深くの一画で催されていたようなので詳細はまったくの不明であるが、外には気合の入った勇者カーが並んでいた。

世間一般から見れば記念メダル界隈というのも謎に包まれた世界だと思われるのだが、世の中には同じレベルで謎に包まれた界隈が跋扈しているものなのだなぁと、記念メダルを通した思わぬ出会いにしんみりしたのだった。


下呂の街並み

私が”下呂温泉”と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、「くさかべアルメリア」か、駅の近くを流れる川の橋の下にある足湯である。駅チカにありながら、秘湯感漂う雑さが私の心を魅了する。

冬に足湯を見かけたら必ず入るという人生縛りをして生きている私なので、当然このときも入った。10年以上前に来た時には雨が降っていたのだが、それでも入った。屋根が無い雑さが「情緒あふれる〜」って言っているのに、いざ雨が降ると「屋根くらい付けてくれよ……」と思ってしまうのだから、人間とは実にわがままな生き物である。

”げろ”という音感から、私を始めとした多くの人間が真っ先に思い浮かべるのは「この前飲みすぎて道ゲロしちゃった〜てへ」の”ゲロ”であろう。しかしここ下呂市はかたくなにその”ゲロ”をないものとし、ゲロゲロなくカエルで”げろ”のイメージを払拭させようとしているところがある。
街中のいたるところにカエルがいる。ゲロゲロ。





Macで「げろ」と入力すると「🐸」が出てくるくらい、げろ=カエルは世の認知を獲得している。にもかかわらず、下呂地域は永遠に「道端のゲロ」のゲロのイメージとも戦い続けねばならない宿命を背負っている。下呂の街並みの全てが、道端のゲロをカエルのゲロゲロで上書き保存しようと頑張っている——それが私の下呂の街並みに対する所感であった。

記念メダルについて

38ミリサイズのデカメダルで、風光明媚な経年劣化が鈍く光る趣ある一枚である。
私としてはこのような温泉旅館メダルがまた復活してくれると嬉しいな〜と常々思っている。しないだろうけれど。
やはり「ホテル・旅館に泊まる」という行為は特別なことで、特別な思い出だと思うのである。ホテル周辺の観光施設に行くよりもよほど”旅”そのものだし、私の中では、何ならビジネスホテルに泊まるのだって大きな思い出である。むしろビジネスホテル大好きだ。ドーミーインの夜鳴きそば大好きだ。
記念メダルコレクターは記念メダル収集を旅の中心に据えているので宿泊場所は「安く、より安く」となりがちである。私もかつては車中泊がメインであった。しかし世間一般で言ういわゆる”旅”は——特に家族連れでの旅は、お宿を旅の中心に据えるものだと思うのである。
自分家じゃない場所で寝る。
それだけで特別な体験なのだ!
↓そんな私イチオシの漫画だ!だから2016年頃の【有馬グランドホテル】のように、ホテル・旅館が再び、特別な1日であることを記念として刻めるこの記念メダルの導入に前向きになっていただきたいものである。

でもレストランでビフテキは食しましたぞ!
なんて考えながらツラツラと文章を打っていたら、唐突に今なお特別な宿泊記念日を記念メダルに刻むホテルが存在することを思い出した。
【ホテルグレイスリー新宿】だ!


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