邪道【伊豆城ヶ崎】 記念メダル

記念メダル 伊豆城ヶ崎

メダルを集めていなければ体験しなかっただろう物事 第2位「吊り橋」

かなり忠実にメダルの図柄を再現できた納得の一枚。しかし肝心の灯台が木で見えないというね……

 【伊豆城ヶ崎】は静岡県の伊豆半島東部に位置する岬である。一言で言えば「船越英一郎が犯人と一緒に来そうなところ」である。

 ウィキペディアによると断崖絶壁がウリで観光客がよく来るところみたいな説明がされていて、ますます【東尋坊】と存在価値が被る。しかし【東尋坊】にはない魅力もある。

 「吊り橋」である。

 吊り橋効果を期待する男子諸君には、初デートにぜひここ【城ヶ崎】をオススメしたい。もし連れてきた女の子が君と手を握るのOKと思っているなら、吊り橋にてその手を握らせてくれることだろう。そこで脈がないならどの道どこであってももう一生握れることはないので、断られたその時点で諦めて帰りましょう。でも、最後まで紳士的に送り届けるのがマナーだぞd(^_^o)(何の話?)

 順を追って行程を説明しよう。

 まず、吊り橋に「近い駐車場」と「遠い駐車場」があり、遠征では必ず意図せず遠回りをする星のもとに生まれた私は、もちろん遠い駐車場へと辿り着いた。有料駐車場なので、もう後戻りはできないのである。

駐車場の向かいにある立派な何かの施設(というかこの施設の駐車場?)。しかしメダルには一歳関係ないのだった。

 遠い駐車場に辿り着いたあなたは、望むにしろ望まぬにしろ、「ピクニカルコース」へと踏み入れることになる。ピクニカルコースとは、「ピクニック」と「テクニカル」を掛け合わせた造語だと推測する。ピラルクー的な文字面。

「トロピカル」な要素も漂う「ピクニカルコース」入口
急がば回れが正解なのか不正解なのかが問われる
わずか300メートルの差が10分もの違いを生むとは、むしろ「散策コース」には一体何が待ち構えているのだろうか……
その正体を確かめることもなく「林間コース」を進むパンダと私

 まったくもって個人的事情であるが、この【城ヶ崎】から次の目的地【石廊崎ジャングルパーク】までは距離があるため、旅程を計画通りに進める上で、このとき気持ち的にかなりの焦りがあった。普段の遠征と今回との最大の違いは、なんといっても最後に旅館のチェックインあることである。これに遅れると夕食がどうなるか分からなかったので、私の旅では珍しく予定変更が絶対に許されない旅であったのだ。

 このことを通して、普段の車中泊旅はやはりいろいろと融通がきいて楽なんだなぁ〜と思った次第である。車中泊に対して敷居が高いように感じる人が多いかもしれないが、極論、何も準備しなくても出発できるという点で、むしろ初心者向けの旅手段なのではないかと考える。必要なものがあれば現地のスーパーででも買えばいいし、「ここまでは辿り着きたいな〜」という気持ち的な問題はあっても、「絶対この時間までにここに行かなければならない!」という束縛はないし。

 つまり、温泉旅館への宿泊予定が私の旅の足を引っ張っている感をありありと感じたのが、ここで抱いた率直な気持ちなのであった。まだ旅の序盤であったのに。

林を駆け抜けながら、そんなことに思いを馳せました。
やったー辿り着いた〜、と思ったら、吊り橋がないのでハズレだった、なんらかの石碑があったところ

 吊り橋までは遠かった——

 どれくらい遠かったかというと、これをまた帰らなければならないのかと思うとげんなり( ゚д゚)するほどの遠さだった。

 やはり旅は気持ちに余裕がないと楽しめない。余裕のある旅行計画が肝要である。

 すっかり気持ち的にサゲサゲ↓↓になった頃に、ようやくメダルおもて面の右の方に小さく描かれている灯台が姿を現した。

敢えて言おう。「あれ、ちょっと卑猥な形してね……?」(最低)
そんなこと考える私にはちゃんと天罰がくだりました

 ようやくメダルの図柄と一致しそうなエリアに到達したのだが、もちろん灯台にいては「灯台のある風景」は撮れない。

 そんなわけでさらに進むと、ようやく「吊り橋」にお目にかかれたのだった。好きな人との旅行ではこの行程も楽しめるのだろうが、予定詰め詰めの記念メダル巡りでは「どこだ! どこなんだっ‼︎( *`ω´)ムキー」しか頭の中にはなかった。

 人は大便をしたいときはトイレのことしか考えられない——それと同じである(格言っぽく)。

「吊り橋」の英訳が「ケープサスペンションブリッジ」だということを知る。長い。
「【東尋坊】に来ました!」と不要な嘘をついてもバレなそうな景色
進撃の巨人の足跡
船越英一郎の不在
写真にはもちろん写っておりませんが、恐らくこの吊り橋を渡って来たであろうカップルが岩場でずっといちゃいちゃしておりましてね。
「吊り橋効果」が抜群にキマっておりましたよ、はい。
屹立!
いや、もちろん岩の話です
「城ヶ崎ブルース」なるものがあるそうで。
「愛してくれた小指の爪をそっとかたみにつつんでいれた」そうなのだが、別れの時にはもっとマシなもん寄越せよと思っちゃう現代っ子な私

 という風に、寒風吹き荒ぶ断崖絶壁の海辺を駆け抜けた記録をここに残す。

 寒すぎて感慨に耽る余裕などほとんどなかったが、景勝地として見どころの多い、非常にレベルの高い観光地だったように思う。ただ私が「綺麗な景色を見ても別に何とも思わない」というとてつもなく残念な人間だったゆえに、寒い寒い寒いという感想しかないだけで。ごめんなさい【城ヶ崎】。

素敵な場所は、素敵な人と一緒に訪れたいものですな(知ったような口調)

記念メダルについて

いかにも昔メダル販売機を設置してたっぽいお土産屋さん

 【城ヶ崎】のメダルがどこで販売されていたかの詳細は不明である。が、灯台のそばに、いかにもそれっぽいお土産屋さんがあったので、ここで販売されていたのではないかと推測している。もちろんデッドストック品などなかった。残念。

 デザインとしては、冒頭の写真にあるように、風景をかなり忠実に再現したものとなっている。灯台側の木々をバッサリカットして。

パンダが邪魔なり

 最近では、販売終了メダルを元に各地を巡る旅でデザインの元となった構図を探すことが一つの楽しみとなっていて、この場所を発見できたときはかなりテンションが上がった。このメダルを企画した人がどういう思いからここをデザイン場所に選んだのかなんてことを考えみると、実に感慨深いものである。寒くて全然考えなかったけど。

 刻印から、1993年というと現在のように誰でも気軽に使えるトレースソフトみたいなものは全くなかった時代だと思うので、工業用の高価な専用ソフトウェアを用いたのか、誰かが頑張ってデザイン画を作成したのか、なかなか気合の入った一枚だったのではないかと推測する。このメダルはかなりお気に入りの一枚である。

 裏面はなんとも形容しがたいお魚さんたちの隊列である。

 これ、何かのシンボルマークなのかなぁ——「伊豆海洋公園」を表すマークなのかなぁと思ってお土産屋さんの中を中心に探してみたが、見当たらなかった。何気ないデザインであるが、実はなかなかレベルの高いデザインなのではないかと思うのである。シンプルな形象でデザインを成立させるって、実は難しいよね。

 




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