福井県【東尋坊タワー】 記念メダル

 【東尋坊タワー】からは東尋坊は見えないーー

 これは、チケット売り場のおばちゃんから告げられた、衝撃的な真実であった。言ってみれば、ヤマザキのパン工場見学に行ったのに、売店にサトウのご飯しか売っていないようなものである(違う?)。東尋坊の近くにあるから【東尋坊タワー】なのであって、東尋坊が見えるから【東尋坊タワー】な訳ではないのである。そこを履き違えてはいけないよーーチケット売り場のおばちゃんは、暗にそのことを告げたのだろう。実際、よく正直に言ってくれたものだと思った。その正直さに、私は気持ちよく入場料を払ったものだ。中はもちろん、大したことない。別段語るような物など一切ない。全然、全く、これっぽっちもない。

 言わずと知れた、自殺の名所「東尋坊」。ここを訪れたのはキャンピングカーを購入して2回目の遠出のときである。まだ旅の仕方もよくわかっていなかったので、とりあえず「福井といえば東尋坊」的なノリで訪れたような記憶があるのだが、やはり有名なだけあってなかなかよかったような気がする(【東尋坊タワー】が良いわけではない)。

 自殺の名所ということで、記念写真を撮ると「心霊写真に……」的な話題でもこと欠かない場所であるが、私はそういうことは一切頭にないタイプである。というか、観光地に来たので、そんなことなど一切頭にない状態で、「東尋坊」と書かれた看板前というお決まりの場所で、その辺の観光客と同じように記念写真を撮った。

 がーー

 何度撮影しても、シャッターを切る瞬間、デジカメの液晶が真っ白になるという現象が起こった。そしてシャッターを切った後は、また元の通りの画面に戻るのである。もちろん記録された写真は真っ白になったものであった。

 ただこの時は単純に「デジカメの故障」としか考えなかった。事実、東尋坊内の他の場所を撮るときも同様の症状が起こり、崖をくり抜いたかのような造形で設置された公衆トイレを記念に撮影しようとしたときなどは今度は画面が真っ暗になり、「いよいよ壊れちゃったな〜」としか思わなかった。

 ただ、家に帰って来てからなんの気無しに試しに撮ってみたら、普通に撮影できたのである。何回撮っても正常に動く。壊れたそぶりなど一切ないーーここに来て、「うわーっ!」と思った次第である。

 惜しむらくは、画面が真っ白(あるいは真っ黒)だっただけに、その時の写真は全部消去してしまっていたことである。ただの故障かと思っていたので、不要な画像はその場で処理してしまったんだよね〜

 別にこの話で「霊はこの世にいるんだ! 心霊写真は本当なんだ!」とかいうことを言いたいわけではない。ただそのとき起こった事実を述べているだけである。現象がしょぼいだけに、「東尋坊」に対して別段恐怖心が生まれたわけでもない。その後も一度余裕で訪れているし、「同じこと起きないかな〜」と同じ場所でパシャパシャと何度もデジカメのシャッターを切ったが全く起きなくてがっかりしたくらいである。

 ただ、その時のデジカメはその後四年以上は正常に動いていて、仕事にプライベートにとガンガン使用していたが、同じような現象は一度も起こらなかった。あれはほんと謎である。最愛の人だったあの人をどうすれば幸せにしてあげることができたのかと同じくらい謎である。

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