【販売場所】
@催事館入り口横(2020.6現在)
備考:誰一人買う気配がない
モンキーパークに猿はいない
諸般の事情により、【日本モンキーパーク】に再び訪れる日が来た。折しもときは2020年6月。日本中のレジャー施設がコロナ禍の影響を受けまくっている中でのことである。
私の中にある【モンキーパーク】の思い出は、一にも二にも「サル」であった。サルがう○こ投げてくるから注意すべしとか、リスザルかわいいとか、海賊王におれはなーるとか(モンキー・Dさん⁉︎)、とにかくお猿さんだよ〜であった。
【モンキーパーク】なんだから当たり前だろ——そう思うかもしれない。が、現実は違うのである。
【モンキーパーク】に、サルはいない。
一匹たりとて、いない。いや、モンパ君とモンピーちゃんをサルに数えるのならば2匹ほどいるが、もちろん私が言いたいことはそういうことではない。【モンキーパーク】にいるのは、トーマスとアンパンマンとけろけろけろっぴである。
どうやら私の記憶は、「日本モンキーセンター」のものだったようである。「日本モンキーセンター」とは、【モンキーパーク】に併設されているサル専門の動物園である。私の記憶では「記念メダルを購入した後、猿を見に行った」のだが、なんと2014年から両施設は別料金となって行き来が出来なくなったとのことであった(もちろんお金を払えば行けますが)。
気持ちの上では「リスザルを見に来た」という気でいた30半ばを過ぎたおっさんが、突如として、底年齢層向けの遊園地に放り出されたのであった。
おっさんどころか、うら若きカップルであったとしても正直乗るアトラクションはない——それくらい低年齢層向けのテーマパークである。そしてサルもいない。
この場所は、家族連れのためにあるといっても過言ではない。過言ではないどころか、【モンキーパーク】側からしても家族連れ以外「何しに来たの?」と思うことだろう。
そんな中、このテーマパーク唯一といって良いほど硬派な乗り物が私の前に現れた。それは——
重機‼︎
これには衝撃を受けた。男たるもの一度は夢見る重機の操縦。ショベルカーの運転は、乗り物親父の最終到着駅である(そうか?)。
もちろんテーマパーク用のアトラクションなので、サイズはミニサイズであるし、走行はできない。しかしもちろん真にやりたいのはアームの操縦であるわけなので、それらのことは本当に些細なことである。運転席脇にあるコイン投入口に300円を投下し、あらゆる恥を忍んで私は運転席に座った。選んだ重機は丸太を掴むショベルハンドである。一度で良いから、あのマジックハンドの最強版みたないアームを動かしてみたかったのである。操作は両手のレバーを使って向きを変えたりアームを上げ下げしたりする、本物と同じ仕様である。
両手のレバーで操縦席の向きを変えロボットアームを操縦するなんて、まるでモビルスーツに乗り込んだかのよう高揚感であった。私にとってザクは、目の前の丸太である。パイロットのスキルではなく、モビルスーツの性能によって丸太を掴もうと意気込んだ。
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丸太に届かんやん!
いや、書いてあるとおりである。アームを最大まで下ろしても、さらには手首?の部分を下ろしても、地面に転がる丸太には指先?ひとつかすることすらなかった。どうやら積み上げられていないと届かない仕様らしい。何度動かしても、かすっかすっと丸太の上空をにぎにぎするだけである。さながら冷蔵庫脇の奥に転がる100円玉を取ろうとするがごとき「くーっ! 届かない!」感である。
しかし私は「重機の操縦をできた」ということに大変満足しているので、特に不満はない。わずか300円という値段で無免許でショベルカーの運転体験ができたのだから、何の不満もなかった。「300円て、茶平工業通販の送料より高いやん!」とは決して思わなかった。そう、思わなかった——
コロナ禍のテーマパーク運営
【モンキーパーク】も、「マスク着用」「手指消毒」「ソーシャルディスタンス」が義務付けられている中での営業で、スタッフの皆様の悪戦苦闘と創意工夫が見て取れた。訪れる客にいちいちいろいろなことをお願いしなければならないのはさぞストレスが溜まることだろう。
ただ正直に言えば、客の方はもはや入園したらヒャッハーなところがあり、この日は暑かったことも重なり、マスクの着用をはじめとしたいろいろなことがなし崩し的になあなあになっていた感は否めない。【モンキーパーク】は完全に幼児・小学校低学年向けの遊園地であるため、ジュース買ったりポテト買ったりアイス買ったりする度にいちいちマスクを付けたり外したり手指消毒したりするのを保護者の方がコントロールするのも正直難しいんじゃないかと見ていて思った。ソーシャルディスタンスなんて論外で、あってないようなものであった(もちろん待機列に等間隔にラインが引かれてはおりましたが)。相当な覚悟をもって入園しないとそこまで気が遣えないし、たとえ意識していたとしても疲れていくに従いだんだんおざなりになっていくのが現実だろう。何より、遊園地は残念ながら「相当な覚悟」をもって行く場所ではない。テンションあげあげヒャッハーを期待して行く場所である。
楽しい思い出を作ることと、感染症予防は、実はまったく相入れないものなのかもしれないと感じた。つまり、感染症予防を徹底しようとすると、どうしても盛り上がらないのである。せっかく訪れたこの特別な1日を楽しもうと思うと、感染症対策の客側に委ねられる部分は、どうしてもおざなりになっていってしまう(個人差があるとは思いますが)。
ここに、テーマパークの王者「東京ディズニーランド」が7月まで再開を渋っていた大きな要素があると個人的には考えるに至った次第である。従来のクオリティを維持するためには、スタッフが何でもかんでも注意することは正直許されないだろう。来園客に注意をして、楽しい気持ちに水を差すことができないのである。
「感染症対策」という単体の問題だけではなく、その中でもいかにクオリティを維持するか(あるいはできるかぎり低下させないか)は非常に繊細な問題で、早く現金収入が欲しければなるべく早く再開したいのが本音だっただろう。が、世の中が動き出し、その中で感染症対策にこなれてきて、いろいろな制約をある程度すんなり受け入れられるような土壌が必要だったのではないだろうか。資金的な余裕が許されるのならば、他の施設より後出しでの再開の方が、いろいろな面で都合が良いところはある。
感染症対策は、どこまでいっても「やりづらさ」に直結することがこれまでの期間だけでもはっきりしたと考えている。従来どおりのスムーズさで物事が動かないのである。
しかし客側は、ことテーマパークに来れば結局従来通りの感覚になってだんだんなあなあになっていくので(従来と同じ感覚で楽しんでしまうので)、施設側が一生懸命注意喚起し準備している対策が形だけのものになってしまう。
私は、【モンキーパーク】は感染症対策にとても力を入れていたと感じた。一方で、家族連れがコロナ禍前と似た形で遊園地を楽しんでしまう姿にもしょうがないものを感じた(親御さんはマスク姿であるが、まあそれくらいである)。楽しむために来ていて、いろいろなことに注意を向けることはそれに水を差すことになるからだ。水族館や植物園といった静かに楽しむレジャー施設ではなく、テンションあげあげにするために訪れる施設で「あれはだめこれもだめ」はいかにも相性が悪い。
感染症とテーマパークは、相性が悪い。それが私の率直な意見である。
繰り返すようだが、施設側はできうる限りの対策を講じていると思うので、もはや、大きな問題が起こらないことを神か仏に祈ることしかできない。無病息災の御加護を——
記念メダルについて
前回訪れたときから9年ほどの歳月が流れていたが、変わらず元気に稼働しているメダル販売機の姿が見られて、安堵するとともに大変嬉しかった。ブラウン管型の刻印機も現在ではすっかり珍しくなりましたな!
販売されているメダルは1種のみであった(2020年6月現在)。前回訪れたときは50周年記念メダルなるものが販売されていて、折しも今年は60周年を迎える年であった上に、園内には60周年を祝う看板やロゴが各所に設けられていたので、多少「60周年メダル」の存在に期待したのだが、もちろんそんなものはなかった。コロナ禍の今、それどころではないだろう。
販売場所は「催事館」という大きな建物の入り口横である。順路通りに進めばたどり着くので、それほどナーバスに探し回る必要はない。
ナーバスになるならば、家族連れでなければまったく楽しめる要素がないことである。旅する記念メダラーが訪れた際には、恐らく記念メダルを購入して即退場みたいなことになること請け合いである。
ぜひご家族で訪れ、家族から白い目で見られながら記念メダルを購入しましょう。
(過去記事:まだモンキーパークとモンキーセンターが自由に行き来できた頃の話)
ここ【モンキーパーク】は、記念メダル表面のポップなイラストからは想像し難いが、非常に歴史の長いおサルの研究施設である。50周年記念メダルを発売していたことからもわかるとおり、50年以上は存在していて、文学作品の中でもたまーに登場することがある。日本で「サル」といえば【モンキーパーク】なのである。
昔はどうだったかは知る由もないが、今はサルだけではなく、テーマパークとしても稼働しており、まあまあ楽しい施設である。それに加えて定期的に『ワンピース』やら『仮面ライダー』やらと、時勢にあった企画展も開催しており、がんばってテーマパークとしても盛り上げようとしているところが好印象である。もともとは「日本モンキーセンター」というサルの研究施設が単独でスタートしたっぽいので、テーマパークとしての機能は後付けである。「京都大学霊長類研究所」が隣接することからも、本来は研究メインの施設であった考えられる。
そう考えると、研究者とテーマパーク運営者との間に壁がありそうなところが少し不安である。超余計なお世話であろうが。
園内はサルがいっぱいで、ところかしこにサル移動用の空中歩道が設けられている。頭にしょんべんがかかろうがうんこがかかろうが、それはもう自己責任の世界なのである。【モンキーパーク】に来たからには、気を付けるべきは入場者の方なのである。
リスザルはやはりかわいい。群を抜いてかわいい。リスザルはペットとしても人気だが、購入するときは「養子をもらう気持ちで暮らしてください」と言われるらしい。それくらい知能が高く、それくらい甘えてくるらしい。そこまでの覚悟はなかなかもてない。やはり「よそん家の子はかわいい」である。
ボリュームたっぷりのなかなか楽しい施設なので、一日じっくり楽しむ気で行くのが吉。サル、あんま好きじゃないけど。リスザルは別。
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