【販売場所】
@北館入り口すぐの1階ショップ横(2020.6現在)
備考:販売場所リスト未掲載。販売しているメダルはすべて他でも買えます(ミもフタもない)
山梨に広がる記念メダルの輪〜
山梨県は、かつては記念メダル不毛の地の一つであった。茶平工業公式HPの「販売場所リスト」に掲載されているのは、現在でも富士山富士吉田口関連のみである(2施設掲載されているが、どちらも同じ場所にある)。
しかし、記念メダル販売代理店の雄「オーク・コーポレーション」が【山梨県立リニア見学センター】にて販売を開始したところから、風向きが変わりつつある。
山梨県立の施設は記念メダルを販売するのではないか
そんな淡い期待を記念メダラーたちに抱かせずにはいられないのが、ここ【山梨県立富士山世界遺産センター】での販売開始である(正確には【富士山ビジターセンター】という旧施設名の時代は販売されていたが)。俄然、山梨県立の公共施設が気になってくる今日この頃である。最終的には山梨県立○○高校でも販売が開始されるかもしれない(ない)。
この施設にメダル自販機があることを発見したのは、有名なメダルコレクターである「尾張でおわり」さんである。
私の夢の一つは「誰も知らない記念メダルスポットを発見する」なので、大変羨ましい。私もいつか——そう夢見てはいるものの、一方で「メダルがあると分かっている場所しかいかない」という大きな矛盾を抱えてしまうのもまたメダル沼にどっぷりハマってしまった者のSa・GAである。
メダル優先派と観光優先派とでは、恐らく観光優先派の方が未知のメダルと出会う可能性は高い。新たなる発見というものは、いつだって、今まで知り得なかった知見から及ぼされるのである。
富士山LOVE
ということでさっそく入場。
外観もさることながら、中ももちろん綺麗で、とても居心地のよい施設である。入るなりででーんと大きなマウントフジが出迎えてくれて、山梨県の富士山に対する溢れ出る愛を感じずにはいられない。ずっきゅんLOVE(特に意味のない言動)。
順路は南館の2階からとなっており、宙に浮かぶ「富嶽三六○」を見ながらグルっと富士山に関する展示パネルを見て回ることになる。が、私にとっての順路はどこであろうとまずはトイレ(大)である。建物が綺麗だと安心してトイレに行けるので、私にとって「建物が綺麗か否か」というのは非常に重要なポイントなのである。中学生のときから自己紹介は「僕は胃腸が弱いです」である(ウケるときとウケないときがあるのは、やはり「何を言うかではなく、どう言うか」だなと思う)。
無料=税金で維持
この施設、なんと入場無料である。
そして、入場無料とは信じがたいほどに、綺麗で、内容が充実した素晴らしい施設であると断言できる。【富士山年号メダル青バージョン】は他のメダルスポットでも入手可能であるが、年が改まる等の折りを見て、ぜひ一度は足を運んでみて欲しい施設である。
私は、記念メダルスポットに限らず、「入場無料施設」に来るたびにいつも考えてしまうことがある。端的にいえば、税金がどれくらい使われているのかということである。公共施設=タダ=全額税金で維持である。
その中でも最も気になるのは、働いている人間の人数である。経理等のいわゆるバックオフィス系の経験がないとあまり考えたことがないかもしれないが、電気代とか水道代とかそういったものはどちらかというと細々したものに数えられ、ミもフタもないことをいえば、人を一人減らすのが一番手っ取り早い大きな経費削減となる。
たとえばこの施設でいえば曲がりなりにも公共施設であるので、職員は公務員ないしみなし公務員である。給与はどんなに安く見積もっても年収300万円を下回ることはないと予想する(もしかしたら運営はアウトソーシングかもしれないが、たとえ委託会社がどれだけピンハネしようが県が支払う人件費としては一人当たり300万円を下回ることはないと予想する。半日勤務の再雇用等は除く)。
これは裏を返せば、どこの職場にも必ず一人はいるであろう「口だけ動いて手と頭は全然動かない人」を一人切るだけで、昼休みのたびにせっせと明かりを消したり冬でも我慢して便座のヒーターを消したりするより、よほど経費削減となるという厳然たる事実がある。人を一人職場に置くことは、物の購入よりも環境を構築することよりも、実は一番お金の掛かることなのだ。「一度ハコを建ててしまうと維持費がかかる」というのは、電気代やら水道代やらといったことを指しているのではなく、そのハコの中に常駐させる「ヒトのコスト」が大部分を占めるといっても過言ではない。
入場無料ということは、この莫大な人件費を動的に補填する仕組みが無いということを意味している。そして、私がこの施設内で出会っただけでも5人のスタッフに遭遇した(当然もっといると思われる)。つまり、この施設が存在する限り、山梨県は年間で1500万円以上を垂れ流すように拠出し続けることを意味するのである。
言うまでもないことだが、私はこの施設がいらないと言っているのではない。むしろ良い施設だと思うからこそきちんとお金を取るべきではないかと考えている。
本田圭佑が「有料が悪で無料は善みたいな風潮は日本を沈没させる」というようなことをツイートしていたが、文脈は異なるし別に本田圭佑シンパでは全然ないが、私は昔からこの意見と同様の考えをもっている。
とりわけ「人を常駐させる必要があるなら、多少でも補填する金銭的な仕組みが必要」という考えをもっている。これは組織の経理を担当した経験から「人件費には莫大な費用が掛かり、捻出するのは容易ではない」という経験則によるものである。(「常駐させるなら」という点がポイントで、別に普通の公園に入場料を設定しろとは思わない)。経費の面から物事を見ると、それくらい人件費というのはコストの高い要素なのである。話が逸れるが、よくある「無料出張見積もり」的なものは、必ずその人的コストを補填する何らかの仕組みがあるはずなのである(よくあるパターンは「手ぶらで帰ったら私が上司に怒られちゃいます〜」等の、罪悪感を抱かせたり押しの強さで押し切ったりで、暗に「取引成立を前提」としたシステムの無料見積もり。BtoBビジネスの営業では相見積もり取るなんて普通のことなのに、引越し業者のような個人相手の出張見積もりって無料な上に米を配るとかして弱みを作り、平気でつけ込んでくるよね〜)。
交通の便がイマイチな立地を考えても、この施設に「無料だったから来たけれど、有料だったら来なかった」みたいなパターンはあまりないのではないかと思うのである。皆「富士山の施設に興味をもったからわざわざ来た」という話で、少なくても500円程度の入場料であれば躊躇なく支払うのではないかなーと予想するのだが、どうだろうか。図書館等と比べるとそこまでの公共の福祉的なものもないと思うし。公民館や体育館だって施設の一部をレンタルするときは使用料を払うのは当たり前なのだから、そこまで無料にこだわる必要はないと思うんだけどね〜
そして核心的なことをいえば、山梨県民にとっては、たとえこの施設に訪れようが訪れまいが、ある意味では税金という形で入場料を常に支払っているという見方もできるのである。それも、他県民の分まで。
もちろん、無料にするにはそれだけの意図が何かあるのかもしれないが。ただ「無料を有料化する」というのはかなりハードルが高いことなので、舵を切り方を間違えたんじゃないかな〜と率直に思う次第である。レジ袋の有料化だって別に大した金額じゃないのに無料だったものが有料になるだけでなんだか「めんどくせ〜」と思うでしょ?
乱立された「富士山世界遺産センター」
実は【富士山世界遺産センター】なるものは山梨県と静岡県とに二つある。そして二つはそんなに近くはない。関東側から訪れる場合は結構余計な旅程となるので、ついでに寄るにはちょっとしんどいかもしれない。
が、ぜひ二つセットで訪問することを強くお勧めする。二箇所ともそれぞれの個性があって、とても良い施設である。
が、最大の問題としては、静岡の富士山世界遺産センターには記念メダルがないことである。記念メダラー達が最も「う〜ん」と困っちゃうポイントであるといえる。ここは「山梨は青の年号メダル、静岡は赤の年号メダル」みたいに棲み分けをして販売したら、きっと、うまくいくんじゃないかと記念メダラー的には考えるのだが、一般的には超どうでも良い話であるかもしれない。
というか、両施設で販売するメダルは、せめて文字色を他の施設と別の色にすれば特別感が出て記念メダラーたちへの需要が広がるのではないかと思うのだが、どうだろうか。黄色と緑とか。彩色の手間はまったく同じなのだから(まあ「記念メダラーへの需要」など施設の方々は知る由もないことだろうが)。そして一般の方も、「文字色が青だったら買うけど、黄色だから買わない」ということはあんまりないんじゃないかな〜と予想する。買う人は文字が何色だろうが買い、記念となる文字を刻印していくことだろう。で記念メダラー達は、その「違い」を求めてわざわざ足を運ぶ。なんなら毎年足を運ぶことにもなりかねない。そういう販売戦略ではどうですかね、東海メモリーさん!(富士山メダルの販売代理店)
話が逸れたが、とにかくここには記念メダルがない。そのうえ、駐車場は有料(200円)だし、入館料もかかる(300円)。そうなると「山梨県の方がお得だね〜」となって相対的にちょっと悪い印象となりがちであるが、そこは協調してもいいんじゃないかなーと願わずにはいられない。片方に訪れたからこそ、もう片方にも行きたくなるのだから——
ということで、静岡県でも記念メダルを販売し、山梨県でも入場料をとる——これで万事解決である(しれっと記念メダルを割り込ませるおこがましさ)。
そんな「静岡県富士山世界遺産センター」を紹介。
他にもタッチパネル式の展示で富士山に関する様々な知識が得られるのだが、軒並み撮影不可であったので残念ながらここでは紹介できない。もしそれらも含めて全てをじっくり味わおうと思ったら恐らく1時間では足りないくらいなので、きちんと計画を立てて訪れたい場所である(サーっと流せば30分も掛からないかもしれないが)。
静岡県、山梨県、両県とも「富士山世界遺産」に対する並々ならぬ意気込みが感じられる良い施設であった。
他にも観光名所あり
実は「静岡県富士山世界遺産センター」には、山梨側ではどうしても太刀打ちできない要素がある。「観光」である。
静岡の世界遺産センター近くには、なんとあの浅間大社があるのだ!
他にも、B級グルメ人気の火付け役「富士宮やきそば」の屋台がズラっと軒を連ねる一画等があり、観光感満載である。かたや山梨県の世界遺産センターは「山の中」感が半端なく、他に見所は皆無である。
そういう意味では、観光スポットとして純粋な意味では軍配は静岡県に上がると言わざるを得ないだろう。しかしながら、記念メダラーにとってはその全てを補って余りある「記念メダル」が山梨県にはある。
それを踏まえてどちらに軍配が上がるか——言うまでもないことだろう(さてどっちかな〜)。
記念メダルについて
すでに述べたが、他のメダルスポットでも手に入る「富士山年号メダル」である。他にも富士山関連施設ド定番のメダルが2種ある。さらには売店内にはキーホルダー一体型メダルも販売されている。
これもすでに述べたが、デザインは同一でもよいので、せめて彩色だけでも他の施設と差別化してくれたらテンションの上がり方がまるで違うんだけどな〜とついわがままを言ってしまう私は30半ばを過ぎたダメなおっさん。
しかしやっぱりあの青い自販機を目にするとテンションが上がってしまう私は生粋の記念メダラー。不幸なことに。
↓現在(2020年7月)、オンライン販売もされております
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