【販売場所】
@店内レジ横
@オンラインショップ
備考:店頭販売限定2種と、オンラインショップ限定2種の2系統に分ける珍しいパータン。その後、店頭でもオンラインでも販売する2種が追加された。
彗星のごとく記念メダル界に現れた伝統工芸
ある日突然、Twitter上にて静かに告知された。
何の前触れもなかったので、記念メダル界隈には衝撃が走った。
な、なんじゃこりゃーっ‼
(松田優作世代ではないです)
一目で茶平工業製記念メダルであることが明らかながら、明らかに今まで存在したどのメダルとも異なる雰囲気を纏っていた。
【印傳の山本】とは何なのか?
というか、「甲州印伝」とは何なのか?
いったいこれは何なのか?
記念メダラー達は色めき立ち、まるで吸い寄せられるように、かつては「記念メダル不毛の地」であった山梨県へと足を向けるのだった(現在では結構販売場所がある)。
ということで到着。
朝10時開店で、ほぼ朝10時ぴったりに到着するという我ながら神がかったタイムマネジメント。開店と同時に、シーラカンスを手にした不審者が現れた。
入店すると女性の店員が出迎えてくれて、同時に「あの~、記念メダルぅ~」挙動不審になりながら伝えると、その一言ですべてを察したかのようにメダルのもとへ案内してくれた。
店内の撮影をして良いか尋ねると、快くOKいただいた。そんなわけで、しばらくシーラカンスを持ってウロウロするおっさんが店内を跋扈した。
店内をパシャパシャと写真に収めているいると、やがて30代くらいの男性が店内に入って来た。これはどう考えても「ヤツだ!」と思い(超失礼)、蚤の心臓よりも小さいと言われる私の中にある勇気を総動員して、頑張って声をかけさせていただいた。その方こそが、この記念メダルの製作者、社長の山本さんであった。そして私にとって、今回の旅で己に課したテーマは、この「山本さんに声をかける」ということであった。
社長の山本さんは記念メダラー
見ての通りで、かなりコアな記念メダラーなお方なのである。
そんなわけで、これはチャーンスとばかりに、私の名刺代わりの一枚である「スマローオリジナルメダル黒」を持参してお渡しさせていただこうという野望を抱いた旅路だったのである。
しかし、渡すのがなんか恥ずかしい。気後れする~。
自分が「すごいメダルを作った!」と思っている人に、「いや~これ、私が作ったメダルで~」とかいうの、超ダサくね? まあ渡したけど(・∀・)
そんなわけで、緊張で会話を上滑りさせながらもいろいろとお話させてもらった。個人間の会話なので詳細は省かせていただくが、その中で、デパート等の催事に出店する際にいろいろな土地へ行くというお仕事柄をお伺いし、なるほどな~と思った。そのいったことで購入する記念メダルは、まさに記念だなと感慨深い思いである(今更)。
記念メダルを愛する方とのお話は大変有意義な時間であった。お忙しいところありがとうございましたー!
記念メダルについて
唯一無二である。
この記念メダルを形容する言葉は「美しい」では足りない。伝統工芸と茶平工業製記念メダルの融和という、いまだかつてない文化の誕生なのである。
この記念メダルが発売されたとき、それは衝撃的であった。今までの価値観の中にはないメダルが現れ、Twitter上のメダル界隈の話題を一息にさらっていった。「凝ったメダル」や「面白いメダル」、「カッコいいメダル」というのは現在まで数あれど、「美しいメダル」というものは思えば存在しなかったかもしれない。このメダルは、記念メダルの新しい可能性なのである。
ただ、その可能性を掴むことは、容易なことではない。同じようなことを素人が真似ようとすれば大火傷になることは火を見るよりも明らかである。本物の伝統工芸士が描いた図柄であるからこそ、この美しさなのだ。
私は2度ほどオリジナルメダルのデザインに挑戦し、1回目よりも2回目の方が納得のいくメダルが完成し、3度目があるならばああしたいこうしたいという構想や想いもあるのだが、正直この域に達することは絶対にできないと打ちのめされた想いですらある。2枚目の【高田寺】メダルのように専門のデザイナーとプロジェクトを組んでも、この発想に達することは自分の管轄下では絶対にできないと思う。私なんかを引き合いに出すこと自体が超絶失礼だとは思いますが。
いままで存在したメダルは、ほぼ例外なく、中心に描く対象物があった。つまり、描くべきモノがあり、それをメダルにどう落とし込むかという構成なのである。
しかしこの甲州印伝のメダルにあるのは、「柄」である。
その「柄」が、美しい。
そこに描かれているのは、「甲州印伝」という文化そのものなのである。
あまりにシンプルで、壮大で、美しい――
今後、他者からこのような記念メダルが誕生することは限りなくゼロに等しいだろう。たとえコンセプトを真似したとしても、このレベルに達することはほぼ不可能に近い。唯一ありえる可能性としては、【印傳の山本】の山本さんが、新メダルを発売するくらいなものである。
誕生からして既に唯一無二な存在――天上天下唯我独尊である。
その中でも私はやはり、記念メダルの原点ともいえる金メダルと銀メダルが好きである。シンプルさが際立ち、最高に美しい。芸術だね!
こういうメダルを純銀で製作して欲しいよね!
この美しさに魅了された記念メダラー達が、発売から3日以内に続々と山梨へと出向いたのはもはや伝説である。別に数量限定メダルでもないのに居ても立ってもいられなくなった記念メダラー達の気持ち、よくわかるぞ!
実は「メダルの図柄を見て、欲しくなる」という現象はどちらかといえば珍しいことである。「このイベントでメダル販売するんだ! ほしーっ‼」はよくあるが、「この謎の旅人フ―、超欲し―!」とはあまりならない。
また、どちらかといえば「実際に購入するまで、どんな図柄であるかを知るのは楽しみに取っておく」ということも多いだろう。ネットで情報収集しているとどうしても目に入ってしまうが(というか私自身も晒している)、実は私は割とその手のタイプで、昔から販売している施設等に行く場合は、図柄を把握せずに行く場合は多い。
記念メダルは、デザインそのものが「記念」でもあるのだ。
しかし、【印傳の山本】の記念メダルは、そうした概念を超越したところに存在する。伝統工芸に心打たれるのと同じように、記念メダラー達の心を強く惹きつけたのである。それは同時に、「甲州印伝」という文化を、記念メダラー達の間に広く周知することにも繋がったことになる(狭い世界で広く周知されるのは、果たして広いのか狭いのか)。
茶平工業製記念メダルの歴史において、とても意義深いものとなったことは間違いない。記念メダルという文化が今よりもさらに世間に認められ、人気が出たら、今後も我々が想像だにしなかったような記念メダルが販売されるかもしれない。例えばそう、記念メダルの「記念」という概念を打ち破る、ガチャポンのようにランダムでメダルが出てくるトレーディングメダルのようなものが…………ってもうあるしー( ;∀;)
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