邪道【開国博Y150】 記念メダル

開国博Y150 記念メダル タネマル
開国博Y150 記念メダル タネマル
開国博Y150 記念メダル タネマル
開国博Y150 記念メダル タネマル
開国博Y150 記念メダル ペリーテイトくん

にちべいしゅうこうつうしょうじょうやく、という早口言葉

 【開国博Y150】とは、2009年に横浜港開港150周年を記念して開催された地方博である。

 日米和親条約締結の地である横浜のみなとみらいには、それを記念した石碑が建てられている。

↓けん玉

 私は神奈川県出身であり、横浜とは縁遠からぬ関係である。で、前々から思っていたのだが、中学校の日本史で「日米和親条約」から「日米修好通商条約」という不平等条約締結への流れを教わったときに純粋に思ったのが、「日米和親条約を記念して石碑を建てる」というのはいかがなものか、ということである。屈辱の歴史を記念碑にするというのは結構な自虐である。

 そういうことを考えると、「横浜港開港150周年」を祝うというのも、結構自虐的なのである。横浜の開港は「日米和親条約」から約5年後、「日米修好通商条約」によるものである。件の条約は日本の国としての主権を踏みにじられた絶対的なまでに不平等な内容であったが、一方で、関税自主権がなく、さらには外国人の治外法権を認めてやりたい放題に商売をさせていたからこそ、日本国内の経済が活発になり近代化の急速な発展に寄与したという見方もある。つまり、「あの時はいじめてくれてありがとう。おかげで僕は強くなれました!」といった感じでかつてを祝っていたのかな?

 そんなアンニュイな感じであったせいなのかどうなのか、この地方博は大惨事といえるまでの大赤字になったらしい。その額なんと28億円である。もはや「わっしょい( ´∀`)わっしょい( ´∀`)」という言葉しか出てこない。

 主催者は神奈川県庁ベースの「横浜開港150周年協会」という財団法人なのだが、イベントの運営委託をした業者との間でこの大赤字問題により相互訴訟となったらしい。私の考えでは上記の通り「『日米和親条約』『日米修好通商条約』を祝う」という企画からしてすでにスベっていると思うので、企画した方も請け負った方もとにかく先見の明がなかったと思うのである(まあもちろん結果論だが)。そう考えると、「お前が悪い」と互いに罵り合うのはなんだか恥ずかしい限りである。数十億円規模の訴訟を起こされたら対抗しないわけにはいかないだろうが。ちなみに赤字の補填には当然税金が投入されている。10億円規模で。

 【開国博Y150】は、地方博ブームの終焉を象徴するようなイベントであったといえる。もちろん今現在でもどこかしらで地方博は開催され、成功したり失敗したりしていることであろう(【平城遷都1300年祭】は割と成功した。せんとくんのおかげだ!)。しかし、バブルの頃のようには儲からない。一方で、行政というのは何かと記念事業が好きである。「お祭りで地域活性化」というのは町おこしの基本なのであろう。田舎であろうと都会であろうと、その基本思想は変わらないのである。

 マスコットキャラ(ゆるキャラ?)の「たねまる」と「ペリー・テイトクン」は、横浜に出向いてももはやどこにも見る影はない。「せんとくん」や「モリゾー・キッコロ」のように生き残るのはなかなかに厳しい。まずペリー提督をもじって賛美しているようなところが、なんだか負け犬的な感じが否めなく、よくないと思うのである。造形は意外と好きなんだけどね〜ペリー・テイトクン。




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