【国際花と緑の博覧会】は、1990年に開催された国際博覧会事務局認定の国際博覧会である。日本で行われた国際博覧会は【大阪万博】【つくばEXPO】【愛・地球博】とこの【花の万博】のみであるので、他の地方博とは意図するところや規模そのものが異なる。来場者数は2300万人を超えるという、その規模の大きさが伺い知れる。元々は大阪市市政100周年を記念した地方博として計画していたようだが、当時の国の政策と合致したため、国際博覧会として開催されたらしい。開催場所は大阪市の鶴見緑地であり、ここはかつて記念メダルが販売されていた【咲くやこの花館】のある公園である。【咲くやこの花館】は日本最大の温室を有している施設であるが、このネーミングセンスはいただけない。「咲くや」の「や」は詠嘆であるので「咲いているなぁ、この花」という訳となる。「咲いているなぁこの花舘」である。ダサい。
ただ、その由来は由緒正しい。元々は「難波津に咲くやこの花冬ごもり今を春べと咲くやこの花」という和歌からとられたと思われる。この和歌は「競技かるた」が行われる際、一番最初に読まれる「序歌」として知られている(知らない人の方が多いだろうが。ちなみにこの歌の札はない)。また、大阪市の「浪速区」と「此花区」は、この和歌から引用して名付けられたらしい。どうかしてるぜ!
そういうことを思えば、温室(花が咲く場所)であることも考慮すると、このような名前になることは致し方ないかもしれない。しかし私は、そんなことよりも何よりも、「ごろがなんかダサい」と思うのである。一番いただけないのは、一単語であるはずなのに切れ字「や」により句切れが存在するところである。「句割れ」というやつで、元になった短歌の二句目の途中で句切れを作っているのである。で、何が嫌なのかというと、ものすごく簡単にいえば、物の名称であるので一単語であるべきなのに、声に出して読むと二単語として読まれてしまうということである。無理やり一単語として読もうとするとさらにダサくなること請け合い。
閑話休題。
国際博覧会だっただけに、規模も大きく、小説やドラマ等に出てきたり、テーマソングが豪華だったりした中で、個人的に一番「国際博覧会だな!」と感じる点は、期間限定の郵便局が開局された点である。これは【愛・地球博】でも開局されたもので、一般人ももちろん利用できるが、何より各国のパビリオン関係者が事務処理に使うことを想定した設置なのである。記念メダル収集と同じベクトルの趣味に通称「局めぐ」と呼ばれる「郵便局を巡る旅」がある。これは、郵便局に行き、窓口で預金をし、通帳に局名を入れて全国制覇を目指すというもので、その歴史は記念メダルよりも古い(と思う)。「局めぐ」の方々は、こういった特別開局の機会は早々ないだろうから絶対に来たいところだと思うのだが、「局めぐ」の最大の壁は、郵便局窓口は「平日しかやっていない」「金融業務は四時までしかやっていない」という2点である。その点、記念メダル収集より難易度がかなり高い。
閉幕後もしばらくの間営業されていたようだが、もちろん現在では手に入れたいと思ってもどうにもならない。そこも記念メダル収集とは違う困難さがある点である(記念メダルでもヤフオク等は邪道とされるが)。
そんな「花の万博」であるが、一番の問題は私が花に興味がないという点である。だからいまいち詳しく調べる気が起きないのである。ただ、収益的に成功を収めているので、世界にはそれほどまでに花を愛でる心豊かな人々が存在するということである。私もそのような人間になりたいものである。
花がーーとりわけバラが大好きだった人は、大好きだったんだけどね〜というどうでもいい話ね、これ。
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