愛知県【ラグナシア】 記念メダル

ラグナシア 記念メダル

@「ガトーズショップ」近く
備考:販売終了

ラグーナとはマラソン大会で走る場所である

朝焼けのラグーナを前にパンダを掲げるおっさんランナーをしまじろうが嘲笑っている

 愛知県が世界に誇る(?)テーマパーク【ラグナシア】は、「ラグーナテンボス」(旧名:ラグーナ蒲郡)内にある遊園地エリアのことである。「ラグーナテンボス」内には他にもアウトレットモールやレストランエリア、ライブ会場や海岸線エリアが連なる複合リゾート施設であり、すべてが中途半端な規模で存在するがゆえにいまいちパッとしない施設である。特に海岸線にあることもあり、伊東や熱海のあたりと光景がどことなく被る「バブルの名残」のような雰囲気を醸し出している。2000年代にできた施設なのに。

 万年赤字の第3セクターであったが、経営改善のために「H.I.S」が参画してからは『ONE PIECE』との大規模コラボや、「イルミネーション」「ナイトプール」といった時流に乗った企画を積極的に取り入れるなど経営努力を重ね続けた結果、なんだかんだでいつの間にやら20年以上続く息の長い施設となって、今なお存命している。この企業努力はすごい。絶対息絶えると思っていた!

 そんな【ラグナシア】には何度か足を運んだことがある。若いころにはデートに使い(いつも「初めて来た~」と言っておりました。ギャルか)、30を過ぎてからはマラソン大会で何度かお世話になるようになった。そう、最愛の人だったあの人と「COLORラン」なるイベントに参加してペイントまみれになったあの日の思い出……(おっさんのキモい妄想)。

 そんな思い出ぽろぽろなここ【ラグナシア】で、初開催のマラソン大会があるということで、愛知県の二度目の緊急事態宣言が終了する前日の令和3年2月28日(日)に、再びやってきたのであった。

こんなハガキが送られてきました。キャラクターの名前がわからないせいか、【レオマワールド】のお二人と被るのは私だけ?
参加料3500円はマラソン大会としてはまあまあ高い部類ですが、入園料も込みだと思えば高くはないです。「遊園地で遊ばない人にとってはこの規模の大会でこの値段は高いから不満!」みたいな評価が書きこまれていたんですが、結構お門違いな意見だと思うのですが。「入園しても遊園地で遊ぶ気はないから値下げしてよ!」なんて値下げ交渉術が成り立つとは思えないので。いや、記念メダラーの多くは内心では願っておりますが。

 マラソン大会に関するマニアックな話をしてしまうが、マラソン大会の主催者には大雑把に言うと2通りが存在する。「自治体」か「民間」かである。

 自治体主催の大会はいわゆる「〇〇シティマラソン」という名前を冠する大会で、公道を閉鎖して行う大規模なものとなる。そして営利目的ではないので参加費も異様に安い。参加記念Tシャツ等が貰えて2500円とかである。Tシャツ代として考えただけで元が取れる(私いらんけど)。ただ、自治体主催があるがために、コロナ禍である昨今、「シティマラソン」系は軒並み中止となっている。市民サービスでしかないのにリスクだけが存在する大会など、私でも開催しない。仕方ない。

 私は本来この「シティマラソン」系を主戦場としている。公道を大手を振って走りたい!

 一方、民間企業主催の大会は、営利目的であるがゆえに、自社の存亡を賭けて一度目の緊急事態宣言明けからは数多くの大会が開催されるようになった。それが正しいことなのかどうかの議論はここではしない。ただ、大会があって走れる場所が存在することは、市民ランナーにとってはありがたいことであることは間違いない。

 上記で「マラソン大会のために何度か訪れた」と書いたが、今までの「ラグーナ」でのマラソン大会は、マラソン大会主催を専門とする営利企業が主催する大会で、「ラグーナ」はその場所を提供するだけという役割であった。しかしながら今回はその「ラグーナ」自身が大会を主催するという初めての試みであり、会場も、初めて【ラグナシア】内が使用されることになった(今までは「ラグーナエリア」の海岸線を利用するだけであった)。テーマパーク自身がマラソン大会を主催するといえば最近では【リトルワールド】での大会が記憶に新しいが、あんな感じである。

 大会は【ラグナシア】が開園する前の早朝に始まり、大会が終了するときにはちょうど開園するという非常に無駄のない開催となっていて、よく考えられている。こんな感じの大会が増えてきたように思うのだが、流行りなんですかね?

 そんなわけで、「開園前のテーマパークを散策する」という大変貴重な体験ができる。

「開園してもこんな感じじゃね?」と超失礼なことを思っていたのだが、帰る頃には入園者してきた人たちがここでちゃんと記念撮影をしていた。大変失礼いたしました。
ここだけ見るとまるでディズニーシーのようだぜ!
コインロッカー代が500円掛かり100円硬貨しか受け付けないのだが、両替機が故障するという致命的トラブルに見舞われていた。この辺の行き届かなさがまだまだディズニーやUSJには及ばない点なのかもしれない。手で直接両替してくれたので問題はなかったのだが。
着替えが済んだら、記念メダラーとしてはやはり気になるのがメダル販売機の行方ですな!
いかにも撤去されたあとのようなスペースがある光景。残念。
テーマパークをジョギングするという背徳感に酔いしれてペースが上がる!
人がいないテーマパークからは哀愁が漂う
バブル期に開業したわけではないのにどことなくバブルの臭いがする光景!
ちなみにこの施設は、夏には施設全体が大規模なプールになるというなかなかすごいテーマパークなのである。水着のままアトラクションに乗れたり。もっと流行っても良いと思うんですがね~。
パンダも出動前
こういうのを置いちゃうところが一流にならない要因かもしれない。子供はもちろん喜ぶと思うのだが。しかしその喜びはディズニーランドのそれとは異なる喜びなのである。
なにこれ! めっちゃ面白そう‼ と本当に思ったアトラクション。
でもよく考えたら、シャッターにこんなに素敵な広告を描いても、本当だったらスタッフしか見る機会ないよね。開園前に入ることなんてないんだから。
ドラクエとFFを見るととりあえず反応してしまう世代です。
現在世の中的に打てば響く「鬼滅コラボ」を当然取り入れており、代わりにワンピースコラボが消えてなくなりました。時代の変化⁉
掲載を省くが、園内はびっくりするほど鬼滅まみれでございました。
ずーっと昔からある(たぶん開園当初からある)、スタンプラリー的なやつ。
スタート地点となった場所。
昔、こんなのなかった気がする。頑張ってるな~

 ランニングと勉強には共通するところがあり、それは「やり始めるまでが一番難しい」という点である。久しぶりのマラソン大会、朝起きたら正直「めんどくさい」と思うところがあったのだが、歯を食いしばって出発し会場に到着したら、やはり楽しかった。「開園前の遊園地が走れるっていってもね……」と思っていたのが、「開園前の遊園地を走れるなんてサイコー‼」と思いながら駆け回ることになるんだから、人間って不思議ですな(知ったような口調)。

走る走る~俺たち~

開会式ではなんと大会に参加するという社長が登場(写真一番左)
「写真を撮りながら歩きます!」と宣言しておりました。。。

 マラソン大会自体は、ごくごく普通の大会であった。まあ、ガチ勢の方々からしたらいろいろと不満のあるコース設定だったかもしれないが(一部コース幅が極端に狭いとか)、回数を重ねて定着すれば「この大会はそういうもんだ」と参加者側が走るか走らないかを選んできたんでしょという自己責任論を確立していけるだろうと思われる(ヤな考え方)。

タイムの自己申告でスタート位置を決める方式を採用していた。速くサバを読むか遅くサバを読むかでその人の人間性が出るよね(サバを読む前提)
絶対いると思っていた炭治郎
スタートしたら、テーマパークを抜けて海岸線をメインに走る。
海風が気持ちいい~、と思うほど海が好きなわけではない私。風情がわからない人間なので、平安時代に生まれていたら生きていけなかったことでしょう。
鬼殺隊の声援を受けました。
ただ私は鬼滅がわからないのでした。
「根拠のない大丈夫」が永遠に抜かせなくて、大丈夫ではありませんでした

 そんなわけで走り終えたラグーナマラソンこと「第1回星越海岸マラソン」。

うーん、厳しい

 10キロマラソンでは、「どんなに手を抜いて走っても1時間は切ろう」という自分の中の目安があるのだが、目安箱もびっくりなくらい目安が生かされずあっさり超えてしまった。

 そもそも今回は「クォーターマラソン」といって、正確には10キロではなく10.5キロなのですが(フルマラソンのクォーター、つまり4分の1なので)。この残り0.5キロが本当に厄介で、あんまり好きではないのですクォーターマラソン。初心者の頃は「まあ500メートルくらい(´ω`*)」と思って特に考えずにエントリーしたのだが、いざ走ってみると「500メートル、〇ね!」と感じることうけあいである。考えてみれば1キロの半分――つまり、1キロ5分ペースで走っていても2分30秒はタイムが加算されることになる。10キロを1時間切ればいいや~程度の感覚で走っていると、終盤結局死ぬ物狂いで走ることになる。というか、なった。でも間に合わなかったのよね~( ;∀;)

ぴったり1時間を切るくらいのペースでは走ってたつもりなんですがね~

  そんなわけでちょっぴり甘酸っぱい結果になったものの、コロナ禍の中でも開催してくれただけありがたく、スタッフの方々の対応もテーマパーク水準の非常に心地よいものばかりだったので、とっても好印象なマラソン大会だったのでした。まる。

樽型テレビってAmazonとかで売ってそうよね(なかったけど)。
スピーカーの埋め込みも丁寧に仕上げていて、何気に好感度高し。

記念メダルについて

 これで記念メダルがまだ販売されていたらブログネタとしても最高だったのだが、残念ながらそうはならなかった。昨今の記念メダル界のブーム「デッドストックが売店のキーホルダーコーナー(とか)で販売されているかも」ということもなかった。かなりじっくり探したのだが、屈託のない笑顔を向けるマスコットキャラクターたちの中にあの丸く輝くあんちくしょうはおらず、挙動不審に動き回る割には何も買わずに移動していく怪しいおっさんがいただけであった。。。

いかにもありそうなところ①
過去事例により、販売終了リストに掲載されていても販売機が置かれていることもあるので、周辺をとにかく探してしまいがち
いかにもありそうなところ②
過去の事例より、ガチャガチャで販売されてないか見てしまう。が、そこには鬼滅一色に染まった光景が広がるのみであった
いかにもありそうなところ③
過去の事例より、売れ残りがキーホルダーとセットになって売られていないかチェックしてしまいがち。
君ではないのだよ、君では……

 かなりあちらこちら探し、雰囲気的にはなんだかありそうだな~(根拠なし)と思ったのだが、やはりなかった。まあそんなもんだとは思うのだが、こうしてまた「メダルの発見者」とはなれなかった無念を抱え、次なるメダルスポットへ旅立つのだった。

近年の凝った図柄ばかりを見ていると、こういう昔ながらの単純なデザインにほっこりして、「やっぱりこういうのが良いな~」と思っちゃう人間のわがままね、これ。

悪夢の第3セクター

 【ラグナシア】とは、旧「ラグーナ蒲郡」、現「ラグーナテンボス」内の遊園地エリアのことである。「ラグーナ蒲郡」は第3セクターで設立・運営されてきたが、御多分に漏れず経営不振となった。私が訪れた時はこの「ラグーナ蒲郡」時代であったのだが、別にそんなに悪い施設だとは思わなかった。遊園地としてもそこそこ楽しめて、非日常の雰囲気もそれなりにある。またプールも大規模な展開をしていて「水着でアトラクションに乗れる」という着想の先駆けでもあった。移動をすればアウトレットモールもあったり飲食施設もあったりと家族連れでもカップルでもそれなりに楽しめる施設であったと思うのだが、万年赤字経営であったのは、やはり経営手腕によるところなのだろう。第3セクターというものの難しさを改めて感じる。

 赤字脱却のために、【ハウステンボス】の黒字化で一躍名を挙げた「H・I・S」に経営が引き継がれ、名前もある日突然「ラグーナテンボス」へと変更された。名前からも分かる通り【ハウステンボス】の姉妹施設となり、かなり【ハウステンボス】に近い施設へと改変されつつある。【ハウステンボス】と同じく、近くには「変なホテル」というロボットが従業員をしているホテルが建設され、夜にはイルミネーションがガンガン瞬き、今話題のナイトプールでインスタグラマー達を呼び込んでいる。わかりやすいほどの経営改革が行われているのは、やはり「H・I・S」の手腕であろう。経営者が変わると全てが変わるということをこんなにも見せつけられるとなると、旧経営陣は立つ瀬が無いであろう。あんたらがダメだったと間接的に言われているのと同じである。

 あえてケチをつけるならば、やはり【ハウステンボス】の系統であって、ディズニーやUSJとは違うという点である。どこまでいっても「第3のテーマパーク」という感が否めない。結婚式の二次会の景品で1等が「ディズニーペアチケット」であるのと「ラグーナテンボスペアチケット」であるのとでは、蟻と大宇宙くらいとの違いがある。ディズニーチケットはもらえれば全国どこに住んでいようと喜ばれそうだが、ラグーナテンボスチケットは愛知県民ですらそんなに喜ばれないかもしれない。行きたければ行きたいと思ったときに自分でチケットを買って行くだろう。

 キャラクターの魅力というものがないと、コアなリピーターはなかなか獲得しづらいのではないかと思われる。記念メダルに描かれているこの人は、やはり魅力に欠けている。はちまき(バンダナ?)がイケてない。ダサい。

 しかしまあ、それくらいの立ち位置を狙っているのかもしれない。「ディズニーに行くのはいろいろと大仕事だから、ラグーナテンボスくらいにしておく」という受け皿にはなっていると思われる。それもまた一定の需要であるので、ニッチなところを狙うとよいのかもしれない。「レゴランド」の評判がそこまでよくないことはチャンスであるかもしれない。

 といろいろ勝手なことをいう素人の話であった。ちなみに「ラグーナテンボス」内の「ラグーナビーチ」は、私がマラソン大会10キロの部で自己ベストを出した場所である(当時)。私にとっては「マラソン大会をする場所」という認識である。そんな人間があーだこーだ言うおこがましい記事なのである。




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