邪道【オシャレマクロスギャラリー in 有楽町マルイ】 記念メダル

 

オシャレとは?

20時までやっていたのはリーマンの味方だ!

 【オシャレマクロスギャラリー in 有楽町マルイ】 とは、2021年の10月に開催されたアニメイベントである。恐らくはアニメの名場面的なカットがパネル展示されていて、ファンに限定グッズを購入させることで売り上げを上げていくイベントであったと思われる(ミもフタもない言い方)。後日談的な話になるが、「有楽町マルイ」ではこの手のイベントが継続的に開催され、ぼちぼち記念メダルも発売されている。最近では【ようこそ実力至上主義のフェスタへ2024】が記憶に新しい。

ちなみに有楽町マルイはこんなところ

 ちなみにマクロス関連イベントも、このイベント後にも開催された。が、そのことは別の記事に譲るとして。

 残念ながら私はこのイベントには参加できなかった。そこで、本記事では近年のマクロスイベントで度々中心的役割を果たしている戦術音楽ユニット”ワルキューレ”が登場する作品『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』を鑑賞した感想をだらだらと垂れ流していくことにする(メダルになっている7人中5人が本作に登場していた)。ちなみに私のマクロス歴は劇場版のみしか鑑賞したことがなく、それも2作品目となるので、素人もいいところであることはどうか念頭においていただきたい。正直何もわからない。だからいろいろと許して欲しい。いや、マジで。

 マクロスの劇場版作品は、基本的には「TVアニメシリーズの総集編」的な位置付けであるため、とにかくストーリーの進行がハンパなく速い。観ている方を置いてけぼりどころか、そもそも観ている者の遥か先からスタートしているといっても過言ではない。ストーリーを知っているのが前提、みたいな。

 で。

 ざっくりと私が理解したところのストーリーとしては、まず、主人公たちは”敵が発する歌を聴くと発狂する”という攻撃にさらされていて、”ワルキューレの歌がそれを中和する”みたいな関係がある、と。そんなもんだから、敵との戦闘時にはワルキューレを戦地に連れて行って宇宙に設けられた特設ステージの上で歌わせるという秋元康が150年後くらいに企画していそうな状況になっている、と。

宇宙空間で「ワルキューレは止まらな〜い♪」と熱唱しているところ。ちなみにこの後、敵の強襲を受けてワルキューレ達の歌は止まります。
(『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』より。以下全て同じ)
声優陣の生歌ライブ映像がありまして、ワルキューレとは異なりみんな髪が黒かったです
マクロス童貞の私は「どういう状況やねん」としばらく呆然と観ておりました
敵との命を賭けた戦闘の最中に巨大少女が突然隣に現れたら私なら超ビビって銃乱射だと思います
こいつの歌で主人公側の軍人達が正気を失うのです
ロボットバトルはやはり大迫力なのですが、後ろにチラ見えする女の子に意識が若干削がれます

 で、なんやかんやあって一旦は敵を退けたのだけれど、再び攻め込まれる日もそう遠くないと。で、敵を出し抜こうといろいろ画策するわけなのだが、出し抜くつもりで先手必勝で先に動いたと思っていたら、それこそが敵の罠だったといういつものパータンで、5人のヒロインの中で唯一、通常時の声優と歌唱シーンの声優とが何らかの事情によって異なる「美雲」というヒロインが敵の手に陥ちる。で、この美雲女史が実はクローン人間で、最終決戦では巨大化して、敵の親玉の目的が実は戦争に勝つことではなくて人類を一つにして完全な生命体になることで……ってなんかそれもうエヴァやんという展開になり、もちろんその企みは失敗して幕を閉じるのであった。

最近のロボットアニメはクローン少女を巨大化させて人類を一つの生命体として合体させようとしがちではなかろうか。
これと同一人物だっておじさんには全然わかりませんでしたわ、はい。
なんかもう空飛んじゃってますやん。パンチラしながら。
「〜ダイスキでダイキライ〜」はモー娘。の「大キライ、大キライ、大キライ、大スキ!」から受け継がれる系譜を感じますな。
大キライ、大キライ、大キライ、大スキな人たち

 先にも述べた通り、ストーリーのスピード感にド素人の私はまったく付いていけなかったのだが、それなりに楽しめましたYO! やはり”歌”という要素があるのは、背景や展開や人間関係が全然把握できていない者にも非常にわかりやく楽しめるものとして大きな貢献をしていると感じた。戦場に流れる歌がこんなにもAKBっぽくて良いのかな? 集中できなくないかな? とパイロット達の心的ストレスを心配してしまうところがなきにしもあらずなのだが、ガンダムではバックミュージックとしてそれとなく流れている主題歌が、マクロスでは実際に戦場で流れている劇中歌として成り立っているという点は他のロボットバトル作品にはないメタ要素として非常に面白いと思った。熱狂的ファンがいるのも頷ける。

 また個人的には純粋にメダルに描かれている人たちの名前やら仕事やらが把握できたという意味で大きかった。実はこの作品を鑑賞後、別のマクロスイベントにも参戦したのだが、そこに展示されているモノの意味がわかるだけでイベントに対する楽しめる度合いがかなり違うことを実感した。要はイベントを(それなりには)楽しめるようになったのである。やはり何事にも予習は大事であることよ。

 最後に少し真面目に内容について考えてみると、言ってみれば「戦争アニメ」であるので、昨今の世界情勢と重ねて観てしまうと、いろいろと考えさせられるものがあった。特に、劇中で主人公側の星が仕掛けた戦争であるということが明かされていて、で、それが主人公側の勝利で終わって良いんかな〜ということを漠然と感じた。相手の星の人類は平均寿命が40歳以下の短命種で、30過ぎの軍人が「自分はもう十分に生きました。思い残すことはありません」と言って自分の星の未来のために戦場に出ていくシーンがあって、否が応でも大国から仕掛けられたあの戦争のことを思い浮かべてしまう。果たして大義が主人公たちにあるのか、と。

 こういうことを考えると、これからの戦争アニメ、大戦アニメの描かれ方って少しずつ変わっていくのではなかな〜と予想する。戦争があまりにも身近で生々しく感じられるようになった現在のリアルな世界では、アニメでありフィクション丸出しの巨大ロボットが出てくる一方で、戦争の生々しさを描いていることをウリとしてきた作品たちは、あまりにもリアリティ高く視聴者に迫ってくるようになった。例えば、この作品には直接、一切描かれてはいないものの、この戦争で犠牲になっているだろう無力な子供や女性たちの姿といったものが、作品の余韻が残る中でなんとなく点けたテレビのニュース映像の中で映し出されていて、戦争が起こった限りどう終わろうとハッピーエンドなんかないという現実を目の当たりにする。敵のラスボスの企みが失敗に終ろうがなんだろうが、何もできずに犠牲になった人たちにとってはどうでも良いことである——という現実が生々しさをもって実感できる世界となってしまった。しかもその戦争が主人公達側から仕掛けられたものであるとなると、大義は一体どこにあるのかと、そんなことを鑑賞後の余韻の中で感じるのであった。

大国側(主人公側)の世の中ではこんなムフフな感じなのも素直には見れなくなってしまったね。

マニアが喜ぶ歴代主人公達の登場

「俺の歌を聴け〜!」の人たちは、当時リアルタイムでCMで観て覚えております。全然歌を聴いてもらえないほど売れないロックバンドが副業でロボットに乗るアニメなのかと子供心に推測しておりました。

 劇中で主人公の女の子がマクロスの歴史を振り返るシーンがあって、歴代の歌を歌っていた人たちが総出演していた(一瞬だが)。この辺、マニアとしては熱狂するポイントではなかろうか。かつて『∀ガンダム』という作品で”すべてのガンダムシリーズが同一線上の歴史で繋がる”という荒技を「黒歴史」という一単語でやってのけたときの衝撃はいまだに語り草であるが、この”過去シリーズと繋がりがある”という要素が出てきた時に言葉にならない興奮が呼び起こされる現象は何なのか? 別に過去作品を観ているわけでもないのに呼び起こされるのだから、観ているマニアの方々にとっては脳汁ものだろう。”前作の主人公が仲間になる”とか何故か異様に興奮するよね!

初代歌姫のミンメイさん
まったく存じ上げませんが、リコーダーみたいなマイクが気になります。
星が瞬く宇宙空間にさらにアニメ調の星が輝いているというある種カオスな状況

 完全なる余談だが、”黒歴史”という言葉は現在では「隠しておきたい恥ずかしい過去」みたいな意味で使われ完全に市民権を得た言葉となっているが、語源はマジで上記で述べた『∀ガンダム』での「今までのガンダムシリーズが実はすべて歴史として繋がっていた」という設定を成立させるための言葉である。『∀ガンダム』の主人公達がこの「黒歴史」を遺跡(?)で発掘してそれが明かされる。このシーンでは、歴史として繋がっていたことが重要というよりも「ガンダムシリーズで繰り返されてきた悲惨な戦争の歴史」を”黒歴史”という単語で表現した。

 戦争は、良くないものなのである。

ワルキューレが止まらない人たちにもそのことに気づいてほしいぜ

その他、気になったシーン

古典的なアイドル特訓シーンが逆に新しい。
おっぱいもみもみは不滅です
電車内でPCを開いたら編集途中のこの写真が出てきて、隣に座っていた女性に見られて死にたいなう
このシーン、風呂でやる必要あったんかな?

記念メダルについて

「オシャレマクロス」ってのが未だによくわかっておりません。

 デザインとしては、この頃の記念メダルににわかに増えてきた「キャラクターの切り抜き+放電(梨地)」の組み合わせである。現在では超スタンダードとなった組み合わせであるが、一昔前は同様なキャラクター切り抜きメダルでも背景が「テリ(つるつる)」であることが多かったので、革新的なデザインに感じたものである。

マクロスメダル名物”キャラクターメダル量産”
しかしこの頃のメダルの種類の多さはまだまだ序の口だったことが後の歴史が物語ることになる……

 マクロスメダルは現在進行形で歴史を重ねており、恐らく今後も増えていくだろう。マクロスイベントではとにかくメダルがよく売れる。茶平の生産が追いつかないのかイベント担当者の予想売り上げに対する発注量がイマイチなのかは不明だが、マクロスマニアと記念メダラーが先を争うようにメダルに群がり、結果購入できずに屍と化した者のツイートが溢れかえることになるのが常態化した。

マクロスメダルの歴史

 裏面は「有楽町マルイ」を表すオンリーワンな金型を製作している。が、現在のところ結果的にはこのイベントオンリーでの仕様となっており、非常にもったいない。何でなんかね?

 もちろんそこには”大人の事情”的な臭いが感じられるわけなのだが、私の超勝手な予想では”事情云々よりこの金型を製作したこと(及び使用できること)を把握している担当者がもういない”説を推す。引き継ぎがうまくいってないとか、社会人あるあるである。私がかつて担当した過去の職場での属人的な仕事もほとんど引き継がれないまま今に至り、それがどうなっているかはもはや永遠の謎である。

君はいま何処へ?

 もちろん私なんかがいなくても、仕事なんてものは誰がやっても成り立つものではあるのだが、成り立つことと過去の財産を生かすこととはまったく別次元の話である。過去の担当者が積み上げたものをうまく引き継げなかったから新しく担当者になった者がまた一から考え出す、なんてことはよくある話である。そしてその方が結果的によい仕事ができることもあるので、結局は担当者の能力次第で、誰でもできることであってもその出来の良し悪しは大きく異なるのである。私がかつてしていた仕事も、新しい担当者に良い意味で刷新されている可能性は正直高い。

 ただ個人的にはいつの日かもう一度、この金型が日の目を見る日が訪れて欲しいと願ってやまない。だって、あのマルイが記念メダルになってるんですよ⁉︎




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