【販売場所】
@特別展出口
備考:いつものところとも言う。
小さな恐竜博士がたくさん集い、おじさんは撤退する
【恐竜博2023】は、【国立科学博物館】にて2023年3月18日〜6月18日の期間で開催された化石展である。巡回展なので大阪(大阪市立自然史博物館)でも開催予定であるが、「科博の特別展が自然史博物館に巡回されたときには記念メダルの販売がぞんざいになる」というジンクスがあるので(すぐ売り切れて再入荷はされなかったり、そもそも販売されなかったり)、可能な限り東京で手に入れておきたいというコレクター心理が働くのが科博の特別展。いつだって日本は東京が本命で、大阪はついでなのである(名古屋とか福岡なんて「余力があればね〜」みたいな)。実際、各地へ巡回すると、イベントクオリティも科博の劣化版となるのが常である。
そして例によって「科博トラップ」が見事に発動したイベントであった(後述)。
記念メダルを集め始めて10年以上、幾度となく恐竜展には足を運んだものだが、最近は特に”時代の進化”を感じるようになった。恐竜の進化の過程よりも恐竜展の進化をより身近に感じる次第である。
恐竜展・化石展というと、どこか土臭いというか、無骨なイメージを個人的には抱いていたのだが、もはや時代はそんな感じではない。CGを使ったアニメーションがバンバン導入され、化石や解説パネルにはプロジェクションマッピングを用いた演出が加えられる。ライトアップもひと昔前の「スポットライトで照らすだけ」ではなく、展示場面に応じた工夫がなされている。化石の詳細を語るよりも、いかに短絡的に「すげー( ´ ▽ ` )」と思わせられるか否かがショートムービーが跋扈するコンテンツ消費時代の特徴である。
ただ、実は本恐竜展は解説パネルもそれなりに充実していて、そこに「博物館」としてのプライドを感じた。そして多くの人がそれをしっかりと読んでいて、こういう客層もまだきちんといるんだなと再確認した次第である。新しくできる水族館等は軒並み解説が簡素化される傾向にある中、その辺のバランス取りに非常に長けたイベントでもあった。
演出含めおっさんとしてはもう凄すぎてもはや何も言うことはないといった感じの特別展であり、この恐竜展を”標準”として育った子どもたちが大人になったときには、恐竜展はきっと変なゴーグルをつけずともVR演出でCGのティラノサウルスに襲われる演出が当たり前になっているかもしれない。もはや化石いらねーじゃん、みたいな。もしくはジュラシックパークがリアルに生まれいずるか。
科博はいまだに入場時間制による入場規制を設けているのだが、それでも人でごった返していた。入場規制がなかった時代にここで特別展を見学していた自分がもはや信じられない。
客層としては、ファッキンカップルもたくさんいたが、家族連れも多かった印象である。そしてそこにいた子どもたちの多くが恐竜博士であった。
私は幼少期に恐竜にも電車にも働くクルマにも——いわゆる”男の子が好きなモノ”にまったく興味を示さなかったタチで、小さい頃から好きなこと・モノは収集癖とエ◯だった。ガンダムが好きというより、ガンダムのカード出すを集めるのが好きといった感じ。あと近所の公園に何故かよく落ちていたエ◯本をこっそり見て大人の世界に憧れているだけであった(損しかない不要な暴露)。私がみうらじゅんに唯一対抗できる要素は記念メダルよりもエ◯である。
小さい頃に恐竜とか電車とかが好きだと、その後の人生に地味に役立つような気がする。恐竜も電車も、実は地味に自分の人生にずっと関わるものだしね!
ファッキンカップルで来ていた男性側は、実は幼き日は恐竜博士だったのかもしれない。
攻守交代
ティラノサウルスが展示のメインになることは数あれど、今回の恐竜博は「攻・守」がテーマということで、「攻」担当にゴルゴサウルス、「守」担当にズールという恐竜が選ばれフィーチャーされている。この2匹が争ったと思われる化石が発見されたことによるテーマであるらしい。
私の観測範囲ではこれらの恐竜がここまでフィーチャーされたことはそうそうないと思われる。ズールの尻尾で脛を折られたと思われるゴルゴサウルスの化石が発見されたことから「草食恐竜の反逆‼︎」みたいな形で一躍名乗りをあげたようである。
競走馬が骨折を原因に安楽死の道を辿るのと同じように、脛を折られたゴルゴサウルスも自身の体重を支えることができなくなって死に向かうのだろうか? 捕食対象に命を奪われるというのが自然界の厳しさなわけだが、考えてみれば人間界は捕食するわけでもないのにいたぶらることがあることを鑑みれば、どちらが厳しいのかはちょっとわからないね!
記念メダルについて
科博特別展の記念メダルはオークコーポレーションが担当することが多いので、いつもカッコいいと相場が決まっているぜ!
”恐竜展といえば記念メダル”といえるほど記念メダルとは縁の深いイベントが恐竜関連イベントであり、この【恐竜博2023】も開催が告知されたタイミングから記念メダル発売が予想されていた。しかしここで恒例の「科博トラップ」が発動した——科博トラップとは、大まかにいえば「開催初期には記念メダルが販売されず、会期途中で発売される」という先行者の行動力を踏みにじる残虐行為である。しかもいろんなバリエーションがあって、「途中から販売開始となるものの、途中で売り切れて結構長めの空白期間ができる」(今回)とか「マジで会期終了間際に発売される」(【ミイラ展】)とか、記念メダラー目線で見れば「もっと計画的に仕事して!ヽ(`Д´#)ノムキーッ」とちゃぶ台をひっくり返したくなる所業である。しかし、いざ自分が日々の仕事を計画的に進められているかと問われれば答えは胸を張って「否」なので、人類は他人に優しくならねばならないのである。
開催初日は販売開始されておらずTwitter上には「記念メダルの販売無し!」という報告が勇気ある先行者により即座になされた。その後、多くの記念メダラーが予想していた通り、記念メダルの販売が会期途中から開始された。ただ科博トラップの真骨頂はここからであることは記念メダラーの誰もが分かっていた。当然のように一度売り切れて空白期間が生じ、その期間に訪れた記念メダラーの悲しみのツイートがTwitterに生み出された。記念メダルとは何故こんなにも多くの悲しみを生み出す存在なのか——それでも僕たちは求め続ける。その先に何があるのかもわからないまま(それっぽい文章。
私がこのメダルで好きなのは実は裏面である。
最近ロゴアートがなぜか好きなので、ただの「2023」で終わらせず展示のメインとなった2匹の恐竜を添えたり、「0」をタマゴに見立てていたり(タマゴの化石もあった)、今回の展示のメインテーマである恐竜「ズール」の特徴である尻尾ハンマーでそのタマゴを砕いていたりとか、このロゴ一つでこのイベントの多くを語っているところがマジでセンス高すぎだなと思う次第である。凄すぎ。
こういうところに常人を超越したセンスを出せるのが、オークコーポレーションのメダルデザイナーの凄みですな!
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