邪道【関門橋・火の山展望台】 記念メダル

関門橋 記念メダル
火の山展望台 記念メダル

記念メダルが消える日

 【関門橋・火の山展望台】記念メダルは、2016年まで存在した記念メダルである。2016年12月31日を以て販売場所であった「火の山展望台」が閉鎖され、翌年3月に解体された。老朽化が原因の閉鎖であり、リニューアルの計画だけはあるのだが、幾度かにわたる入札は不調に終わり、いまもって目処は立っていない。それは、

官製談合が行われてない

 という立派な証拠でもあるのだが(当たり前のことを当たり前にするのは素晴らしいことである)、下関市が地元ゼネコンから不人気なのか、最低入札価格がナメた価格なのかは定かではないが、このまま再建計画がなくなりそうな勢いである。

 記念メダルを収集するようになって考えるようになったことの一つに、「ハコモノを建てると金が掛かる」という当たり前の現実がある。

 というのも、今でこそ記念メダルのマーケティング方法は多岐に渡り、必ずしも「記念メダル販売機を置くような施設はB級スポット」といったイメージが払拭されつつあり(少なくても記念メダラー的には)、新作メダルの多くはきらびやかなイメージのある場所で販売されるようになってきたが、現存する多くの記念メダルスポットはいまだ「うわっ! いかにも記念メダルを置いてるっぽい!」と思うような昭和の香りが色濃く残るような場所で販売が続いている(伝わります?)。それは我々記念メダラーにとっては全然悪いことではなく、むしろ記念メダルに導かれてそうしたマイナースポットを訪れることこそが記念メダル収集の旅の醍醐味ともいえるのであるが、施設運営側の観点から見れば自分のところがマイナーである必要はなく、もちろん客がガンガン来てくれた方がよいのはいうまでもない。そんな中、「どうやって採算取っているんだろう?」と率直に思う施設がいくつもあることは日本の七不思議である。休日に訪れてもこんなにガラガラなのに、休日なんてどうしてんだろう〜と思った施設は一つや二つどころの話ではない。というかぶっちゃけ記念メダルスポットの過半数がそうであるといっても過言ではないかもしれない(いや、過言か?)。

 建物を建ててしまうと、まずはそこに常駐させる人間を最低でも一人は雇わなければならない。人を一人雇うということは、どんなに安く見積もっても社会保障費やら保険やら厚生年金やらを含めたら年間で最低300万円は掛かる(これでもどんだけブラックやねんという話だが)。光熱費とか税金とかの前に、人を雇うということが最も経費が掛かるという現実があり、だからこそ終身雇用制という文化が崩壊しリストラが蔓延したわけである。こまめに電気消すより仕事しないやつ一人辞めさせる方が圧倒的にお得なわけである。

 で、数多ある記念メダルスポットの中で正直この施設でどうやって人件費捻出してるの? という施設は数多くあり、あまりにもあからさますぎるので施設名を挙げることは控えるが、コンクリート像がいっぱい並んでいるところとか、アピタの近くにある山というか丘の頂上にある城とかは、入場料の安さや土地の規模から考えて一体どうやってやりくりしているのか、許されるなら詳しく聞いてみたい最近FP3級を取得したにわか経済かぶれの自慢ね、これ。

 だから正直、ここまで入札がうまくいかないのには、それなりの理由があるのではないかと考える。

 個人的な100%勝手な予想では、やはり最低入札価格を相場よりかなり高めで設定しているのではないかと思うのである。そしてそれは恐らく、過去の経営状況を鑑みた清算計画に基づくものであると考えられ、つまりはこの手の展望台にありがちな「あまり儲かってなかった」という現実があるように思うのである。うがった見方過ぎるかな?

 本来の計画では2019年夏にはリニューアルオープンしていたはずなのに、いまだまったく目処が立っていないという、ずるずると遅れている感は否めない。まあ無くても今困ってないならもういらないのかもしれないという現実もありをりはべりいまそがり……

 展望台がなくても、公園から展望できるわけだしね。。。
 というか、展望台よりもロープウェイの発着場の方が綺麗だったという話もあるし。。。

那須与一のせいで壇ノ浦がどこにあるのかわからなくなる問題

 【那須与一の郷】は栃木県にある「道の駅」で、旧記念メダルスポットである。2019年の夏に訪れたときに「1ヶ月前に販売終了しました〜」とお土産屋さんの店員さんに言われ、那須与一こそを的にして射抜いてやろうかと思った次第である。

まじで殺ってやろうかと思いましたが、それはもちろんただの八つ当たりであります。はい。
時計の柱も弓なのです。

 源平合戦の(というか『平家物語』の)那須与一にまつわるエピソードをなまじ知っているせいで、「壇ノ浦」ってどこにあるかわからなくなることないすか〜?(唐突な馴れ馴れしさ) もしくは「那須」がどこだかわからなくなるパターンもあるのではないかと。

 自分の無知をさらけ出しているだけでお恥ずかしいが(と書く時って全然恥ずかしく思ってないよね、実際)、考え出したら私は壇ノ浦がどこだかわからなくなってしまった。【那須与一の郷】を訪れるにあたっては、「あれ、壇ノ浦って栃木県だっけ……?」と思い始めてしまった。栃木県が海なし県であるにも関わらず

 「波の下にも都のさぶらふぞ」(波の下にも都がありますよ)と言われておばあちゃんと一緒に入水する憂き目となった安徳天皇も「沈みようがねーし」とさぞ浮かばれない想いであることだろう。

 もちろん、壇ノ浦は山口県でございます。都落ちして西へ西へと逃げてきたわけですから。
 そう、ここ関門海峡こそが壇ノ浦——かの有名な「壇ノ浦の戦い」の舞台となった海である。そしてこの「火の山展望台」からは、当時と変わらぬその海を一望できたわけである。

 記念メダラー的には、やはり記念メダルの復活とともに展望台の復活を望むところであることよ。

展望台を回転させたい問題

 「火の山展望台」は回転したらしい。
 「展望台が回転」といえば、記念メダラー的には秋田県の【寒風山回転展望台】である。どちらが先かは不明だが(調べればすぐわかるが)、やはり思うのは「展望台は回転したいんだな」ということである。他の展望台・展望タワーもできることなら回りたいのかもしれない。回って、座ってても360°を見渡してもらいたいのかもしれない。

 【寒風山回転展望台】に行った時は正直「自分で見て回りゃええやん」とミもフタもないことを思ったのだが、この「火の山展望台」はなんと展望レストランがあり、座って食事をしながら見渡す景色が移動していく仕組みであったらしい。そういうことなら「いいね!」である。下関のフグを食べながら移りゆく景色を楽しめたらしい。フグ食べられるほどの予算を掛けられたかは不明だが。

 ただ、こうした機械仕掛けの仕組みを作ると、メンテナンス代等の維持費が跳ね上がると思うんだよね〜。マンションにおける立体駐車場の維持費をどうするかで管理組合が揉めるみたいな問題が。直すにも金がかかり、壊すのも金が掛かる。それがハコモノというやつである。という最近FP3級を取得した以下同文

 ここまで計画が遅々として進まないなら、やっぱりもう作らない方が良いような気がしなくもないような予感がしないでもなくないことはない。

記念メダルについて

 関門橋の図柄は、この橋を渡ったならばぜひ欲しい一枚である。

 私は「九州メダル制覇の旅」に出たときに、帰路に「福岡→山口」というルートで渡った。

 いや、これがなかなか良かった! 「瀬戸大橋」もそうだが、大規模かつ長距離な橋をクルマで渡るのは、なかなかオツなものである。

関門橋を渡る直前に立ち寄ったスーパー銭湯を意味もなく貼っておきますね。ちなみに本社は愛知県の銭湯です。なぜ北九州市に……? ちなみに愛知県発祥のスーパー銭湯のコアな話題では「竜泉寺の湯」は北海道にもあります。というどうでもいい情報

 なんというか「程よい不安感」ともいうべきものが走っていて湧き上がってきて、独特の快感がある。メダルを見ると、あのときの情景が思い出されることよ。

 一方で、火の山展望台があった火の山公園には山口県を回ったときにちょろっと寄ったのだが、ほとんど記憶にない。「ああ関門橋が見えるな〜」と思ったとは思うのだが、先に訪れた【海響館】からすでに関門海峡も関門橋も海の向こうの北九州市も見えていたので、まったく感動がなかった。そう、私は無感動な屁理屈人間なのである。

 しかし二枚とも昔ながらの味のある図柄で、「思い出を込める」「メダルを見てあのときの楽しさを思い出す」という役割においては、非常に良い仕事をしそうなデザインである。裏面が異なるのも、記念メダラー的に得点高いよね!

 展望台を再建するのならば、ぜひメダルもセットで復活することを願ってやまない。




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