邪道【いきもの館Wow!】 記念メダル

いきもの館Wow!記念メダル 亀
いきもの館Wow! 記念メダル タツノオトシゴ

記念メダルを製作してすぐに閉館した悲しきメダルスポット

 【いきもの館Wow!】は、「イオンタウン水戸南」内に2018年4月7日にオープンした大変珍しいタイプの水族館であった。なんとイオンのフードコートの横に位置した「テナントショップ型」の水族館だったのである。なんでも「かすみがうら水族館」の管理会社がオープンした水族館だったそうで、展示解説ごとそっくりそのまま移設されてきた動物もいたらしい。

 で。

 「だった」を連発しているのは、なんと2018年8月17日には閉館してしまったからである。何があったのか、なぜわずか4ヶ月で閉館してしまったのかその理由はもちろん定かではないが、記念メダル的な話題に絞れば、「常設販売機による記念メダル」という観点においてこれほど短命であったメダルは他に例がない。かもしれない。実に残念である。

 これまた記念メダル的な話でいえば、「メダルのデザインが良い施設は、相対的に良い施設」という定説がなんとな〜く存在する。それを考えると、この【いきもの感Wow!】もそれなりに面白い施設だったんではないかな〜と思うのである。少なくても「入館料600円」という時点で、様々なB級スポットに涙を飲んで入場料を支払ってきた歴戦の記念メダラーにとっては「水族館が600円である時点ですでにアタリ」である。行ってみたかったな〜まじで。

 最近はとにかくイベント関連のメダル販売が多いので、常設販売機のメダルスポットはついつい後回しになりがちである。しかしながら、「いつまでもあると思うなよ!」といわんばかりにある日突然記念メダル界から去ってしまう施設があるのは、この世界の常である。「行ける時に行く」ではなく、「行く時間を作る」くらいの話でないと、記念メダラーを置いてメダル達はかの地へ旅立ってしまう。女心と記念メダルは、いつまでもは待ってはくれないのである。

 【いきもの館Wow!】が最後に教えてくれたのは、平家物語で後世へと語り継がれたものと同じ「この世界の諸行無常」である。

 しかし、このまま記念メダルの歴史の底へと埋もれてしまうかと思われた【いきもの館Wow!】であるが。こと記念メダルに関してはなんとワンチャンがあったのだから、世の中というものはわからないものである(以下へ続く)。

珍しいポイントで話題が沸騰した記念メダル——主役は君だ!

 この記念メダルが記念メダラーの間で真に注目を浴びたのは、メダル造形の美しさでも、【いきもの館Wow!】の閉館による悲しみでもなく、「ドラマに出演した」という点である。TBSドラマ『インハンド』内で、主人公の山Pが自宅兼研究所としてる部屋に、ガチャポンとともにお馴染みのあの青い自販機が映り込んでおり、「あの記念メダル自販機は一体何なんだ⁉︎」とおしっこを我慢する小学生のように記念メダラー達が大変ソワソワした。

 ドラマ内では男心をこれでもかとくすぐり続けるようにチラ見せの連続で残念ながらその全容が掴めなかったが、天下のYouTube様に「研究所セットを案内!」という動画がTBS公式でアップされ、ようやく何の記念メダル自販機かが判明した。

2:49のこの場面で青い自販機が動画内最大のアップとなる。記念メダル自販機には一切触れない字幕スーパー!
アーーーーップ。タツノオトシゴとカメさんの姿がぼんやりと見える。
更にアーーーーーーーーップ(逆に見えない?)

 この自宅兼研究所は、ドラマの設定では「箱根植物園」という架空の植物園を改装したことになっている(「箱根強羅公園熱帯植物園」という施設はあるのだが)。しかし実際のロケ地は千葉県にある「アロハガーデンたてやま」である。茶平工業公式HP掲示板に情報提供があった後、猛者が実際に「アロハガーデン館山」まで確認に赴いたのだが、記念メダルはなかったとのことだった。なんかいかにも販売してそうな施設だっただけに(記念メダラーならきっとわかる感覚)、とっても残念よね〜。詳しいことは不明であるが、この研究室のセット自体、まったく別の場所にある可能性もある。

 なんならこれを機に販売していただいても良いのになーと希望する記念メダラー。「アロハガーデンたてやま」に記念メダルの問い合わせが多ければ、もしかしたら販売開始となるかも⁉︎ メダルスポットが増えることはうれしい悲鳴であるので、ぜひ実現してほしい(と勝手に言っている)。

記念メダルについて

 とても良いデザインの記念メダルである。最近とくに考えるようになったのだが、「背景」を綺麗にまとめた記念メダルは、見栄えがよろしくなる。私がオリジナルメダルを製作した時に欠けていた感性はまさにこれで、メインとなるキャラの造形ばかりを気にしてしまった。次があればな〜

 タツノオトシゴもリクガメも、「背景」がその存在感を際立たせているといえる。かつての水族館メダルは、なんらかの水生動物をドーンと真ん中に描いてそれでおしまいという大変簡素なデザインのものが多かった。そのためどうしても「B級感」が溢れんばかりであった。

気泡一つで、雰囲気がガラリと良くなる。この発想が私には湧き出てこなかったのよね……
とめどなく溢れ出るB級感(参考:【のとじま水族館】

 最近は【スカイツリー】を始めとしたデザイン性に優れたメダルが多くなってきたおかげか、メダルデザインの全体的な質が向上しているように感じる。それはもちろん良いことだと思うのだが、やはり記念メダラーとしては「以前のダサいデザインこそがザ・記念メダル」と思うところもあり、乙女心はいつだって複雑である(30代半ばのおっさんの文章)。

 【いきもの館Wow!】は、メダルデザインに優れ、「ショッピングセンター内にあるテナントの一つとしてオープンした水族館」という独自性もあるオンリーワンの施設であった。重ね重ね、閉館が残念でならない。




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