博覧会なのか、イベントなのか
【ワールドインポート・フェア】は、1985年に愛知県の「名古屋市国際展示場(ポートメッセなごや)」で開催されたイベントである。これを「地方博」という括りにするかどうかは非常に微妙な規模のイベントである。会期日数25日間というのは、地方博と呼ぶには少し短いような気もする。まさに「フェア」と呼ぶくらいがちょうど良い日数である。入場者数は188万人と目標数を上回って大成功で剰余金も5億円近くも残り、資金運用財団までできたらしい。このあたりのエピソードも、当時の景気の良さを感じる話である。
また、大成功イベントだったせいか、現在でも周年イベントを行っているっぽい。ネット上では25周年イベント(2010年)の様子がアップされていたが、なかなか息の長い話である。びっくり。大阪万博などもいまだに◯◯周年といった記念パーティをやっているのだろうか。
「輸出」地域である名古屋が「輸入」振興イベントを開催するという逆説的な催しがウケたわけだが、バブル前や渦中のときの「地方博ブーム」の様子を調べるにつけ思うのは、「みんな金が余ってたんだなー」ということである。ぶっちゃけた話、来場者の「消費」が多いイベントの方が成功している感じがある(個人の感覚的な感想で別に裏付けはないが)。このイベントはまさにそれを具現化したようなイベントで、もちろん現在よりも輸入品の流通が整っていない時代のことなので物珍しさも大きかったと思うが、「輸入品を売る」ということをメインに据えたイベントがこれほど成功をするというのが信じられない。今だったら、輸入だろうとなんだろうとネットでポチっとすればどこよりも安く手に入る時代だからなぁ……
なかなかシュールなマスコットキャラクターが配された記念メダルである。現在の「ゆるキャラ」とはどこか一線を画す古臭さがにじみ出ている。不思議なもので、私は素人なので言葉ではうまく言い表せられないが、「マスコットキャラクター」と「ゆるキャラ」とでは、やはり何かが違うのである。80年代90年代の「マスコットキャラクター」は、どこかしらに古臭さというか、現代からみれば「ダサさ」というのがある。ただ、そのダサさがよい。洗練されていない感じと、媚びている感じがあまりないところが、まさにマスコットキャラクターとしての存在意義を体現している。あくまでそのイベントを象徴するマスコットなのであって、キャラそのものが計算し尽くされたような可愛さで消費者に迫ってくる感じではないのである。それを一言で言えば、「ダサい」ということになる。その「ダサさ」にこそ、意義があるのである。
というテキトーなマスコットキャラクター論。
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