【販売場所】
@入店して右の方
備考:販売元からAmazonでも購入できる。
横浜で奏でる六甲おろし
2023年9月20日、阪神タイガースが18年ぶりのセ・リーグ制覇を成し遂げた。
2000年代は、プロ野球のシーズンが終了する度に、チームに関係なく優勝チームの記念メダルが製作されていた。が、2011年の中日ドラゴンズセ・リーグ優勝以来いつしかその文化も終わりを告げ(たぶん)、たとえメダルが製作されたとしても茶平製ではない、どこか安っぽいメダルが来場者無料配布という形で配られるくらいであった。
しかしこの度の、実に18年ぶりの阪神タイガースセ・リーグ優勝では、関西のめでたいムーブメントが大阪に籍を置く会社【茶平工業】にまで届いたのか、「しのびや」という販売代理店の企画のもと久しぶりにプロ野球優勝メダルが誕生したのだった。ちなみに18年前のタイガース優勝メダルは↓。
後述するが、このメダルは通販で購入できることが先に告知された。そのため、多くの記念メダラーがその時に通販で購入手続きをしたことだろう。
ただその数日後、横浜にあるここ【阪神タイガースショップ 横濱店】のTwitter公式アカウントがこのメダルを販売する旨を告知したため、”実店舗に足を運んだ方が記事にしやすい”という己の事情からやってきた次第。
【阪神タイガースショップ 横濱店】は、横浜の関内駅の近くにある。つまりそれは、横浜DeNAの本拠地である横浜スタジアムの近くであるということだ。
そんな敵地の懐の中で悠々と軒を構えるとはさすが阪神タイガースである。しかも関内といえば、いうなれば横浜みなとみらい地区の一角である。おしゃれな格好をした男女がおしゃれなデートをしておしゃれと本能にまみれた夜を過ごす——そんなキラキラした街である。
さぞかしきらきらした店構えなのだろう。もしかしたら虎マークが黄金に輝いているかもしれない——そんな想像をしながら、いかにも大人な男女が二人で入りそうなお洒落なバーや酒処が立ち並ぶ通りを歩いてゆくと、Googleマップが指し示す店が私の眼前へと現れた。
なんか思ってたんと違った。
いや、私がいろいろと勝手に想像してしまっていたのが悪い。全てが悪い。
でも、そうはゆうても結構なかなかな外観じゃない?
この雰囲気、居心地を例えるなら、”別に知り合いが住んでいるわけではない古い団地の踊り場”である。本当に中に入って良いものかどうか、たじろいでしまう。
しかしここまで来て引き返すという選択肢もまたありえないので、意を決して足を踏み入れる。そこかしこにタイガースのポスターが貼ってあるので絶対に大丈夫だとは理解しつつも、なんか不安。
そんな不安に苛まれながらも入り口をくぐり抜ければ、それまでの”古びた団地感”が嘘みたいな、清潔な店内が目の前に現れてそのギャップに何が現実で何が夢なのかわからなくなる。
これは現実なのか?
ちなみに私、大学生の頃には【ナゴヤドーム】で毎日のようにバイトをしていたのだが(プロ野球開催日以外もバイトしていた)、プロ野球にはほぼ興味がない。致命的なまでにない。そのために店内に入った時のタイガース一色の光景、BGM、流され続ける映像を見た時の印象としては「職場の人が私から記念メダルについて熱く語られたときの気持ちはこんな感じなんだろうな」といったものだった。
その熱量が自分とは別世界の出来事のように感じる、みたいな。
実は私がここを訪問したのは23年10月28日(土)17時半頃のことである。
この日の18時に、このお店の公式アカウントより以下のツイートがなされた。
何が言いたいかというと
クライマックスシリーズ優勝メダルが買えなかった
(*´∇`*)
ということである。「明日発売!」というツイートが投稿される30分前に来ちゃったもんで、買えるかな〜という期待を胸に訪れてしまったのであった。オーマイガっo(`ω´ )o とアメリカ人ばりに天を仰いだものの「まあAmazonで買えるからいいか( ・∇・)」と秒で切り替えられたのは現代文明の発達のおかげである。ビバ、通販。
記念メダルについて
この阪神優勝記念メダルについては、非常に珍しいことに【茶平工業】公式から記念メダルを製作したことがアナウンスされた。
で、そのしのびや自身の公式アカウントからも発売がアナウンスされる。
この現象をひとことで言い表すならば
ザ・関西
といったところだろう(関西の方々を無駄に敵にまわしそうな発言)。商魂が逞しいのもあるし、主張が強いのもあるし、何よりタイガースの優勝が超嬉しいのもあるし。阪神地方の中心でタイガース愛を叫んでいる。
今回の優勝記念メダルそのものについては上記ですでに触れているので、ここでは”プロ野球優勝メダル”という括りで現在私が把握していることを書き留めておきたい。
プロ野球の優勝メダルは実は80年台から2010年代前半くらいまでは茶平製が盛んに製作されていて、以前は揃っていくのが楽しくて結構本気を出してフリマアプリ等で収集していた。優勝記念メダルを揃えていきそれぞれについてブログ記事を書いていくと、自然とプロ野球の歴史に詳しくなり、まるでプロ野球通のようにシーズン毎の特色を把握していくという現象が起こる。そしてこの知識によって、プロ野球好きの上司に話を合わせるのがうまくなるという副産物を得た。特に90年代から2000年代初頭くらいまでのプロ野球の歴史をプロ野球優勝記念メダルの歴史と共に俯瞰的に把握しているので、ちょうど上司世代が好きだった年代と合致していて、酔いが回った上司が話すつまらないプロ野球談義に合いの手を入れるのがうまくなる。大魔神・佐々木とかイチローとか松井とかの頃だね!
話を記念メダル視点に戻すと、優勝記念メダルの製作に関する特徴としては、セ・リーグの球団が圧倒的に多いというのがまず挙げられる。パ・リーグで製作されたのは、私が確認できているのはダイエー(現ソフトバンク)とオリックスのみである。私が知らないだけで他にもあるかもしれないが。
90年代は特に、現在では考えられないことだが「パ・リーグの客席はガラガラなのが当たり前」と言わんばかりの不人気ぶりが周知の事実というか「そういうもんだƪ(˘⌣˘)ʃ」という世間の認識であった。『プロ野球珍プレイ好プレイ』というテレビ番組でガラガラの観客席でいちゃつくカップルの映像がみのもんたのナレーション付きで特集されるくらいであったほどだ。
という点を考えると、パ・リーグの記念メダルがあまり作られなかった理由がなんとなくわかる。要は需要のボリュームがセ・リーグと比べて圧倒的に小さかったわけである。
だからいざ製作されても🤔製造数が少なく、今では入手困難かな——かというと、案外そうではなく(まあ巨人とかメジャー球団の物よりは圧倒的に困難だが)。私の経験上、ネットオークションやフリマサイトで最も見かけない優勝記念メダルは【1993年ヤクルトスワローズリーグ優勝】である。
これ、なんでこんなに見かけないのか、本当に理由不明である。
ちなみに99%同じデザインの【1992年ヤクルトスワローズリーグ優勝】のメダルはめちゃくちゃよく見る。
93年優勝メダルは、私は出品されているのを2回しか見たことがなく、しかもそのうちの1回は私が購入した。そしてその後も1度も見たことがない(最近は熱心にネットオークション系を閲覧してないが)。
いつの日にかプロ野球優勝メダルをコンプリートしてその全容を解き明かすことこそが「記念メダル図鑑」と名乗るブログの使命である——とこそ思えど、皆様も知っての通り、それは事実上不可能であろう。これと似た話で”地方博メダルの全容”というものもあるのだが、それはまたいつかどこかで。
記念メダル図鑑の完成を目指すことは、終わりなき旅路と分かりながらも目的地へ向けて歩き続ける流浪の民のごとき所業である。それでも私は歩き続ける。
マツコと出会える、その日まで……
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