神奈川県【日産スタジアム】 記念メダル

日産スタジアム 記念メダル マリノスケ
日産スタジアム 記念メダル スタジアム
旧メダル(【横浜国際競技場】という名称だった時代のメダル)
記念メダル販売場所

【販売場所】
@グッズショップ前
備考:【マリノスタウン】でも同じメダルを販売していたそうな。※販売終了

僕らのマリノスケはもういない

コロシアムのような立派な外観だ!

 【日産スタジアム】はJリーグの横浜・F・マリノスのホームスタジアムとして有名な施設である。実際にはプールがあったりスポーツ医学研究所があったりと複合施設の顔もあるが、地元ではない多くの一般人からすれば、サッカーの試合かアーティストのライブくらいでしかご縁のない場所であろう。

 新横浜駅から愛知に帰るための新幹線に乗るついでに立ち寄ったこの日も特に何のイベントもない日だったので、とにかく「閑散」の一言であった。しかし箱物な建物を建てた限り、たとえ何もない1日だったとしてもその箱の中には必ず人がいる。人がいるということは人件費と電気代が掛かるので、無料で公共施設を維持できる日など1日たりとてないのだ。

 そんな「税金の垂れ流し」を象徴しているかのような閑散とした無イベント日の建物であったが、強いて言えば併設されたサブグラウンド的なサッカー場で小学生の試合が行われていた。そしてスタジアムまで伸びる陸橋の上には試合を見守る保護者の方々がずらりと並んでいた。

マリノスの下部組織が試合をしていましたが、ボコボコにやられておりました。でも試合内容としてはやはり「Jリーグの下部組織だな」と思わせる組織的なサッカーをやろうとしていて、相手チームは前線の選手の個のフィジカルで押し込んで点を奪っていたなという印象。
歳をとり怪我をもっとも恐れる生活になったいま、サッカーをやりたいとは微塵も思わなくなってしまった。
が、やはり試合を見ると蠢く血が己の中にはまだ流れていますな。やらんけど。

 そんなわけで観光地としては特に見るべきものもない日に足を運んでしまったわけである。が、せっかくなのでぐるっと一周することにする。余談だが、大学生時代は【ナゴヤドーム】でバイトをしていたので、そのときのことを彷彿とさせる雰囲気で私には歩いているだけでなんか楽しめた! 何のイベントもない日のドームやスタジアムでも、実は働いている人はいるんだぜ!

意外と印象に残ることは言っていない選手達の一言コメント
扉は固く閉ざされていた
「なんかある⁉︎」とここで初めて知るのだった

屋根がる屋外ランニングコース

快適そうな周回コース。ではあるが、膝には悪そうなコンクリートなのが悩みどころ。

 スタジアムを周回する道は立体構造になっていて、階下があった。

 上の階にはほとんど人影は見られなかったが、下の階にはちらほら人がいてびっくりした。一番多かったのがランナーで、その次は自転車を練習する人々である。自転車練習に関しては、”子供の初めての補助輪なし自転車”みたいな親子連れから、日常生活上はまったく必要のないであろうアクロバットな自転車技を練習する本格的な人々まで、いろいろいた。「車が通らない広い道」という意味では、自転車を練習するにもうってつけの場所なのかもしれない。

自転車がめっちゃ停まってたし

 着替えがあれば軽くランニングしても良かったな〜ここはランナーの集う場所だよと早く言ってくれれば良かったのに〜(無理)と思いながらてくてく歩くが特に気になるものはなく、上の階を歩いているときに目に留まった「横浜市スポーツ医科学センター」という場所に行ってみることにした。

地下の秘密施設的な雰囲気を醸し出す「横浜市スポーツ医科学センター」
すごく綺麗な施設で「トイレが清潔そう!」と万年下痢気味な私は心の底から安堵する
日本中がラグビーW杯に沸いていたのももう6年前なのね……と時の経過の恐ろしさに体が震えた

 ここは併設するプールに行くために通る場所でもあるので、浮き輪を持った親子連れが結構いた。地元民にはサッカーやコンサート以外で親しまれている様子であった。反面、一人でフラフラしている中年のおっさんは「お前なにしてんねん?」感が非常に強く、怪しそうな目で見てくるというよりも目を合わさないように気をつけているようだった(被害妄想)。

 もちろん私も、ここで何をしているのかはわからないのだった。

この施設のスポーツドクターが日本代表に帯同したというヒストリー

カフェでお茶してみた

ものすごく遠慮気味の「cafe」

 昔はカフェでお茶しながらブログを書いたり勉強したりするのが大好きだったのだが、今では「マックで120円のコーヒーを飲みながらでも同じことできるじゃん」という決してたどり着いてはいけない真理に辿り着いてしまったので、すっかりcafeに入るのにも一杯400円以上するコーヒーを頼むのにもすっかり二の足を踏むようなつまらない男になってしまった。全ては株式投資が楽しいのがいけない。株式投資は入金力が命だ! だから節約するんだ!(見るからに成功しないタイプな奴の玄人気取りな発言)

 だから「cafe」と輝くお店を見つけた時も、入り口で入ろうかどうか非常に迷ってしまった。でも結局入った。そのとっきの自分の気持ちの落とし所としては、この後に新幹線に乗る予定があったので「駅弁買って食べるよりマシか」といったところであった。駅弁と同じような値段で、少なくても駅弁よりも温かいご飯が食べられる分お得かと(駅弁嫌い)。

 どちらにしろ、なんかすげー消極的な理由でカフェに入るようになってしまった自分にびっくり。趣味が変わると、人間そのものも変わってしまうものですな(知ったような口調)。

ささみのおしゃれなカフェごはんでありまして、「ザ・健康!」みたいなお味で大変美味しゅうございました。味噌汁からも健康の味がした。
1500円くらい。
景色は絶望的に悪いのが玉に瑕。

記念メダルについて

ゴーンが去って、再び赤字を垂れ流し始めた日産の名を関したネーミングライツ
ゴーンがいたらネーミングライツ料をコストカットされそう

 記念メダル販売終了場所であり、現在はメダルの名残のようなものは一切ない。一応販売機が置かれていた「トリコロールワン」というグッズショップにも立ち寄ってみたのだが「記念メダル? そんなもの置いておくわけないじゃない( ´ ▽ ` )」と言わんばかりに何にもなかった。当然だが。

スタジアムをぐるっと回っていたら出会った懐かしのグッズショップ(※記憶にまったくない)
ナゴヤドーム】でもそうなのだが、試合が開催されないお客さんがすかんぴんな日でもレストランやグッズショップって営業しているのよね実は。
この辺に販売機が置かれていたような記憶があるようなないような……

 【日産スタジアム】はマリノスのスポンサーである日産が命名権を取得してそう名乗っており、正式名称を【横浜国際競技場】という。実は【横浜国際競技場】時代の記念メダルも存在しており、そう考えると息が長かったメダル販売場所であった。

 話は全然変わるのだが、ひとつのネタとして偶然知った話。

 以前にアーティスト”藤井風”のライブが【日産スタジアム】で開催されたのだが、実はそのとき、記念メダルを販売するボツ企画があったそうな。

もちろん茶平製かは不明

 実は私、藤井風が【日産スタジアム】でライブをする日と、実家から自宅へ帰るべく新横浜駅から新幹線に乗る日が重なったことがあり、いまだかつて経験したことがないほどにごった返しになった新横浜駅で四苦八苦した思い出がある。

 恥ずかしながら名前はどこかで聞いたことがある程度にしか知らなかった”藤井風”なるアーティストが、これほどの影響力がある人物だと体に刻み込まれたのはこの日であった。とにかくどこの店も満杯で、真夏の日にホームのベンチで時間を潰すしか術がなかった苦しみの記憶が刻み込まれている。

 このメダル計画がその後実現の道を辿れたのかどうかは、もはや私にはわからない。しかし、アーティストの方々の中にも実は記念メダルを好きな人というのは結構いるんじゃないかと推測する。仕事でいろいろな場所に行くだろうし。

 有名なのは【BUMP OF CHICKEN】のギターの人である。

これは茶平製であると茶平社長が言っていた

 あと、ご本人が記念メダルを好きかどうかは不明なのだが、ファンクラブ向けの記念品として記念メダルを製作した宇都宮隆。

小室哲哉じゃない元TMネットワークの人

 こういった感じの、”コレクターは知らないけれどそのアーティストのファンは知っている”という記念メダルは、他にもたくさんあるかもしれない。しかしそれをコレクター陣が知るには偶然の力が圧倒的に必要であり、知ることのできなかったメダルというものがきっと数多く存在するのだろう。

 「できる範囲で記念メダルの足跡を残す」というのが本ブログの立ち上げ当初の趣旨の一つであったのだが、私もまたいつの間にか燃え尽きようとしている。アーティストのファンに”ファン以外の人生”があり、むしろ生きていく主軸はそちら側の人生であるように、私もまた”記念メダルコレクター以外の人生”が記念メダルを追い続けるその裏で絶え間なく進行している。その主軸となる生活の移り変わりの中で記念メダルに対する価値観もまた絶えず移り変わり続けていて、いまは自分がブログを続けるためにも自分の好きなことを好きなように書いている側面が強い。はっきりいって、ブログを書いていなかったら記念メダル集めも続けていないだろう。

 ブログを書くためにそのネタとして記念メダルを集めるのか、記念メダルを集めているからその記録としてブログを書いているのか。

 「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」とはよく人生を言い表しているね鴨長明。

 

(過去記事)一番かかるのはいつだって人件費なり

 私はサッカー小僧なので、サッカー系の記念メダルはとりわけ嬉しい。(【セレッソ大阪】などもよい思い出)。【日産スタジアム】は、言わずと知れた「横浜・F・マリノス」のホームである。マリノスの練習拠点であった横浜みなとみらいの「マリノスタウン」でも販売していたようだが、残念ながら「マリノスタウン」そのものがもうない。横浜・F・マリノスは昨年度、チームの内外で大きな変革を迎えた。中村俊輔のジュビロ磐田への移籍は大きな話題となったが、私はどちらかというと「サッカーチームの運営」という点の方が興味があるので、素直に「費用対効果が薄れたのかな」と思っただけである。中村俊輔が年俸3000万くらいでずっとプレーしてくれるのなら、まだマリノスに残っていたと思うけどね。そういうわけにもいかないだろう、お互いに。

 プロサッカーチームの運営というのは、研究してみると、どのチームも薄氷を踏むような経営の仕方がなされていることがよくわかる。それは単純に「収益がなかなか上がらない。採算が取れない」みたいな話だけではない。そもそも来年度予算を、来期のスポンサーが決定する前に組まなければならない点に、構造の歪みを感じてならない(今は変わっているかもしれないが。どうなの?)

 例えば、名古屋グランパスのように運営母体がそのままメインスポンサー(世界のトヨタ)であるようなチームはまだマシだろう。しかしかつての大分トリニータのような、小口のスポンサーを集めまくってどうにか運営を成り立たせているようなチームにこれは厳しい。わかりやすくいえば、名古屋グランパスは今期も来期も来々期もその先も(恐らくは)ずっとトヨタが胸スポンサーになって一定額(多額)のお金を渡してくれるだろうし、決定ではないにしろ予算を組む段階でいくらくらいもらえるか大体把握させてもらえるだろうが、大分トリニータは一年ごとに「今年はどこがスポンサーになってくれるかなぁ……」という不安が常にあり、毎年スポンサー集めを必死こいてやらねばならなく、全然収入の見通しがたっていない段階で予算を組まなければならないのである。プロ野球と違って巨大企業がチームの運営を担っているわけではなく、あくまで企業は「スポンサー」としてお金を渡すだけであり、スポンサーであるかぎり「スポンサードをやめる」という選択肢が常にある。大口スポンサーにやめられると、チーム運営は簡単に傾くことになる。「薄氷を踏むような経営」というのは、このような点を述べている。胸スポンサーがないようなチームがあったら、超絶マズイ事態を表しているのである(かつての大分トリニータは胸スポンサーがない時代があった。いろいろと複雑な事情があるが)。

 横浜・F・マリノスのメインスポンサーは言わずと知れた日産自動車である。そういう点で、横浜・F・マリノスの経営は今までゴーン元社長が間接的に握っていたといっても過言ではない。運営側としては、もらえるお金の中で経営を考え、その枠の中でどの選手と契約をするかを考えていくわけである。

 どの仕事でもいえることだろうが、高給取りの年寄りを一人雇うより、同じ金額かそれ以下で若者を二人雇う方が良いな~、と経営的に判断したい場面というのはないだろうか。公務員や一般企業であれば、たとえそう思ってもおいそれとはそれを実行できるわけではない。しかし、プロスポーツ選手の世界は、それができるのである。逆に言えば、それができるような仕組みにわざとしているともいえる。

 仁義や恩義が絡むと話は複雑になるが、金などの数字だけでみると、「費用対効果」というものを常に考えなければならない。極端に言えば、他より結果を残しているだけでは足りないのである。「費用に見合っているか」という点が常に求められる。

 私もだいぶ年寄り方面に片足を突っ込んできたので、若者たちから「あなたは費用対効果に見合っているんですかね? 若い人一人雇った方が、安くて仕事もよくできるんじゃないですか?」と言われないように気を付けなければならない。もう言われているかもしれないけど。

世の中はネーミングライツ戦国時代

 冒頭に掲載した旧メダルの裏面に書かれている【横浜国際競技場】は、現「日産スタジアム」の正式名称である。いわゆるネーミングライツ(命名権)という金の話である。ネーミングライツを最初に考え出した人は非常に頭が良いと個人的には考える。年間億単位の赤字を計上する市財政のお荷物であったこうした運動施設に対して、基本的には何も必要とせず利益を補填する仕組みとして考え出されたこの制度は、今ではやらなきゃ損くらいの勢いで広く浸透した。愛知県にある「一宮総合体育館」なんて、3つあるアリーナに別々にネーミングライツを設定して収入源を3倍にするというウルトラCをやってのけている(ちなみにメインアリーナが「DIADORAアリーナ」、サブアリーナ二つがそれぞれ「いちい信金アリーナA」「いちい信金アリーナB」である。いちい信用金庫の大盤振る舞い)。ちなみにこの体育館と大きな意味では同じ敷地内に、完走までに12ヶ月間を要するスタンプラリーメダルがあることで有名な【138タワーパーク】がある。

 これはネーミングライツを批判する内容では全然なく、むしろもっと積極的にやるべきだと訴える話である。こうした行政の施設(【横浜国際競技場】は横浜市所有)は大抵利益を生み出せずに維持費だけで赤字となる施設と成り下がるのだが、いわばニックネーム権を貸し出すだけでその赤字をある程度補填できるのである。まあ「日産スタジアム」という呼称に関しては、現在では初期の契約時より半額になってしまったが(日産側に「高くて契約更新できない」と言われたので他に公募をかけたが借り手は現れず、半額にして再公募したら日産が応募してきたというオチ)。

 利用者の目線からいえば、例えば先に出た「DIADORAアリーナ」で言えば、私はフットサルプレーヤーなので、サッカー用品でわりと大手の「DIADORA」の名を冠している場所でフットサルをするというだけで、妙にテンションが上がる。行ってみるとほんと普通の体育館なのだが(かなり広くて綺麗だけど)、「今日はDIADORAアリーナで試合ね」と言われると、フットサルの聖地でプレーする感が生まれる不思議。実際、この「DIADORAアリーナ」ではほぼフットサルの利用しか見たことがない(休日昼間は近隣の学校部活動の市民大会が開催されているみたいだが)。

 つまり、ネーミングライツの契約先によっては、思わぬ神格化が生まれることもあるのである。需要(想定される施設利用者)とマッチすれば、契約料以上の効果が生まれる可能性がある。ただこのマッチングがこれほどぴったりとハマった例はどちらかというと少ないかもしれない。

 また、ネーミングライツは文字通り「名」はあるものの実態はない非常に曖昧な「商品」であるので、ほどよい価格設定というのが難しい。【横浜国際競技場】の例では、言ってみれば日産の思惑通り当初の半額(年1億5000万円)で再契約できたわけで、横浜市からしたら一度は年3億円で契約できていただけに苦渋を舐めさせられた思いであることだろう。しかしながら、ではそもそも年3億円という価格が果たして適正だったのかどうかという問題がある。適正かつ合理的判断による価格であるとしたら、日産が再契約を蹴って他に公募をかけた時点で、どこかから応募があったはずであるわけで、それが一社もなかったというのは、普通に考えれば「高すぎ」ということでしかない。それを半額の1億5000万円にしても結局「日産」一社の応募のみというのは、年1億5000万円でも高いということを意味している(ま、いろいろあるのかもしれませんがね〜このあたりは)。

 このように考えると、一地方の一体育館におけるネーミングライツの価格がいくらが適当であるのかを考えるのは、かなり難しい。応募する企業側もネーミングライツにかける宣伝広告費から生まれる費用対効果は実に計りにくいので、「地域貢献」的な側面が強くなる可能性は否めない。「地域貢献」に、多額の費用を期待するのは難しい。行政側も、CSR的な側面に訴えて契約を勝ち取る手法になるのではなかろうか。

 日産も、横浜F・マリノスの存在があるからこそのネーミングライツ契約であろう。【横浜国際競技場】が「日産スタジアム」と呼称されることで生まれる利益がそこまで大きいとは思えない。

 ただ、行政側は価格をかなり下げてでも行う利点はあると思うのである。なんといっても、元手が掛からないのだから。最低でも、契約時に掲げる企業の看板やら広告やらを補う費用さえ稼げれば損はしない訳である(人件費を加味すればそれだけではないだろうが、その辺は行政ということで←謎)。

 最近では名古屋市が「歩道橋にネーミングライツ」を募集したことで話題となった。名古屋市のやり方は「歩道橋への表示とその消去はすべて契約企業の負担」という一円も損をしないものであった。まったく損をしないやり方でありながらまことに堂々としたやらせてあげる感の溢れる募集要項には、一周回って神々しさすらある。さすが政令指定都市の行政である。天晴れ。

 このような形もあるわけなので、市町村行政管轄の体育館等も、募集するだけしてみたらと思うのだがいかがなものか。応募がなければやらないだけなのだから。




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