【販売場所①】
@1階ミュージアムショップ内(入場無料)
備考:小判型メダルがない!
【販売場所②】
@2階「龍宮の宴」内(要入場)
備考:小判型メダル販売のため、刻印機が特殊使用。この刻印機で通常メダルを刻印するにはちょっとコツがいるので、よく分からなければミュージアムショップ内の刻印機を使いましょう。
オープンできなかった水族館
【四国水族館】は、オープン前に記念メダラー有志によって販売機を発見されるという稀有な歴史を刻んだ施設である。
その後、時期的に”コロ助”の影響をモロに被ってオープンが延期されたり、四国居住者限定のプレオープンになったり、グランドオープンがやっぱり更なる延期になったりと様々な逆境が襲いかかってきたものの、紆余曲折を乗り越えて本格オープンにこぎつけた。
記念メダラーたちからしてみれば、上記の情報が挙げられたことによりちゅ〜るを目の前に「待て」を言い渡されているお犬様のごとき状態であった。そのため、無事オープンしたあかつきにはいろいろな記念メダラーが早速足を運んだのだが、評判はあんまり芳しくなかった。これは【川崎水族館】でも言えることなのだが、新しく作られる水族館(リニューアル含む)は昨今の社会情勢に合わせてなのか社会的需要がそうなのか、いわゆる”映え”を狙う傾向が強い。
一方で記念メダルコレクターはその深い愛ゆえに「昔ながらの金型メダルが良い」という傾向が強く、プリントメダルというエポックメイキングな存在をいまいち受け入れがたく考えている者が多いことからもわかるように、全体的に非常に保守的である。商業的にはどう考えてもプリントメダルで製作する方が売り上げも利益も上げやすいのだが、金型メダルが登場するたびに「金型メダル⁉︎」とその都度反応してしまうほど、昔ながらの金型メダルへの愛を忘れられずにいるのであった。
何が言いたいかというと、記念メダラーたちは水族館も昔ながらの「解説板あり」「変な趣向を凝らしていない」「あくまで海洋生物の生態について追求している」といった形を好む傾向があるということである。何を隠そう、私がそうである。
しかしながら、この問題の根本にあるのは、実は「水族館に海洋生物を見に行ってしまっている」ということ自体が間違いであるという点に由縁がある。
何を言っているんだと思うかもしれないが、これは本気で言っている。なぜなら、水族館に訪れる多くの客は「一緒に来る人に楽しんで欲しいと思って来ている」のであって、そこにいるのが海洋生物だろうが陸上生物だろうが、あるいは植物であろうが、その違いは些細なものでしかないのだ! 同行者——否、”大切な人”の笑顔を求めてここに来るのだー!だー!だー!(エコー)
例えば、水族館といえばうら若きカップルたちの定番のデートコースであるわけだが、その男も女も普段はそんなに魚のことを好きではあるまい。イルカが泳いでいる姿を見れば女が「かわいー♡」と声を発するだろうが、明日も見たいかと聞かれれば別にそうでもないだろう。イルカを見て上げる「かわいー」の声は、散歩中の犬を見て上げる「かわいー‼︎‼︎」の声より、所詮、下である。
ではなぜカップルが水族館にたまに訪れるのかといえば、屋根があって暑くなく寒くない環境で非日常を味わえる場所であるからだ。日常生活ではあまり馴染みのない海洋生物たちはその”非日常”を創り出す上でのスパイスでしかなく、極論をいえば”非日常”を味わえるならば別に海洋生物の展示群でなくても良いともいえる。
大切なのは、”雰囲気”なのである。特別なところに、特別な人と来たという雰囲気。一緒に目の前のものを楽しめる雰囲気。非日常が広がる雰囲気……
何が言いたいかというと、一人で来るから不満なんだよ? ということである。たとえ料金が高くても、解説板がなくて展示生物のことがよくわからなくても、そばにいる君が笑顔になったのなら何も不満はないはずだろ?
水族館を訪れる客層で「海の生き物が大好きだから、珍しい生き物を見たい!」と思う人と「記念メダルがあるからそこに行きたい!」と思う人はとても少数派であり、そこは水族館が真に相手にすべきマス層ではないのだ。マス層は「特別な1日したいと思ってこの場所を選んだくれた二人以上の団体客」である。
夜の水族館(治安悪め)
実はここに来る前に【足摺海洋館】からの大移動があったので、着いたときにはすっかり日が暮れていた。で、お隣の【ゴールドタワー】は夏季は夜間営業があったので入場できるものの、水族館は当然閉まっていた。
しかし幸いなことに、ここ【四国水族館】の真横はなんと道の駅であり、車中泊が可能なのであった!
記念メダル収集の歴史と共に車中ハッカーとして生きて来た私は、当然ながらありがたく車中泊をさせていただくことにした。道の駅はトイレがあるので万が一のときも安心よね!
ただ、ここは香川県の中でも恐らく割と繁華街寄りに位置し、近くには多くの店が立ち並ぶ大通りがある。そんな中心地とも呼ぶべき場所に存在する道の駅であるので、何があったかは敢えて言及しないが、控えめに言って
治安悪め民度低め
であった。臨海公園に設置された道の駅というのもよくなかったのだろう。とにかく夜中でも爆音掻き鳴らす車や大騒ぎする若者たちの出入りが”絶え間ない”という表現がぴったりなほどひっきりなしであり、「ああ若者って海に吸い寄せられるんだなぁ。だって夏だもん( ´∀`)」と思った次第である。とにかくうるさくてほとんど寝られなかった。ただこんなところで車中泊させていただくだけでもありがたいことなので寝られなかったことに対する不満は実はない。というか、最後にはなぜか笑えてきたくらいだ。若者ってマジ元気やなぁ、と。公園横のほんわかした街頭の明かりが変に幻想的で、気分を盛り上げちゃうんでしょうな!
そんなこんなで、日が昇った。その後、香川といえば朝うどんということで大好物の釜玉うどんを朝6時に食べに行ったのだが、またそれはまた別の話にて。
ちなみにここに来る直前に日帰り温泉に入ってそこの食事処でうどんを食べたのだが、あまりにも普通過ぎたのが、翌日のうどんフィーバーへの導火線となったと思われる。香川県のうどんにおいて”普通”であることはもはや許されざる大罪と見つけたり。
めっちゃ楽しい
メイン展示である黒板アート
やはり世の中を楽しむ上では”期待値の調整”というのが重要なポイントである。
事前に「イマイチだった!」という評判を聞いていたからこそ、まったく期待してなかったから逆に全てが楽しかった次第である。極論、ものすごく評判が良い施設に行く方がガッカリする確率はむしろ高いのではなかろうか。
館内は、飼育員さんたちにより非常に作り込まれたお手製の解説板がたくさん設置されていた。恐らくであるが、QRコードを使った”解説はスマホで読んでね方式”の評判が悪かったから、後に設置されたのではないかと推測する。
【カワスイ】等にも見られるこのQRコード方式の解説は、私は正直うまくいかないと思っている。理由は冒頭の話にも繋がるが、要するにみんなそんなに魚に興味がないのにいちいちその一手間をかけるのはめんどくさいということだ。いや、めんどいっしょ。いちいちQRコード読み込むの。魚が好きで水族館に来ているわけじゃないのに。何度も言うが、多くの人は魚を見に水族館に来ているわけではないのだ。
そこで起死回生の策として登場した——のかどうかは定かではないが——のが、黒板アートである。
この水族館はむしろこの黒板アートを鑑賞しに来る場所であると言っても過言ではない。黒板アートを鑑賞し、そのついでに横で泳いでいる絵の元となった実物を観るのである(過言)。
スタッフさんお手製の情報は、数々の水族館に訪れた統計からいって面白いコメントが載せられていることが多い。が、ここの黒板アートは面白さに逃げるのではなく、リアルさに舵を切ったアートであるので、ゴッホの「ひまわり」を鑑賞するかのような心持ちでじっくり見て回っていただきたい。
一部屋外展示が混ざってしまったが、とにかく黒板アートをじっくり辿っていくだけでも相当楽しめる。お客さんが多い&家族連れが多いので気持ち的になかなか落ち着いて見学できないかもしれないが、黒板アートの前は基本的には空いているので、その辺じっくり観てから、ついでに隣の実物で答え合わせをするみたいな感じで見ていくとちょうどよい塩梅になるやも。
そのくらいの期待値の調整ができると、きっと楽しめることだろう(←あんまり褒めてないかもしれない)。
屋外(というか2階というか)
先述した通り、この水族館には賛否両論ある。が、結論としては私はすげー楽しかった! トップ5には入らないが、トップ10には入る程度には楽しかった。
一つには、私が年をとって物事の受け取りかた・感じ方が変化したというのは間違いなくあると思われる。昔はカップル向けの演出に傾く水族館を「ファッキンジャップo(`ω´ )o」と考えていたところがあるのだが、今ではむしろ企業努力と考えるようになった。顧客のニーズに応えることは、営利企業の使命である。
観光業は、決して記念メダル収集家たちのためには回っていないのだ!
1階は黒板アート推しであったが、2階は謎の竜宮城推しであった。
私の憧れ・さかなクン(その他諸々コーナー)
記念メダルについて
【四国水族館】のメダルで特筆すべきは、なんといっても小判型メダルがある点であろう。むしろ何故小判型メダルなんて作ったのか謎なくらいである。
小判型メダルは2023年8月現在、【名古屋城】【土肥金山】とここの3か所でしか販売されていない。かつては【箱根関所】でも販売されていたのだが、購入を躊躇っていたうちに販売終了してしまったという人生最大のミスを冒している。みんな、迷ったら買うんだ‼︎(なんか必死)
この施設は「オークコーポレーション」が担当する施設なので、小判型メダル含め、メダルのデザインがとにかく秀逸である。全てのメダルが第一線級のデザインであることは一目見ればわかるが、中でも私がお気に入りなのはシュモクザメメダルである。
シュモクザメの肉厚感というか、もっこり感というか(卑猥な響き)、体の滑らかな凹凸具合をメダルの上で再現しているのは凄過ぎじゃね? と率直に思う。なんなら茶平工業よりもメダルのことを知り尽くしているのかもしれない。
デザイナーの方のお話をうかがってみたいものですな! まず記念メダルというものが好きなのかどうかのところから。
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